フィリピンの台風被害を日本から支援!学生たちによって起ちあげられたプロジェクト「JPforPH」とは?

更新日:2014年1月8日
baseu_EYECATCH

今回お話を伺ったのは、『JPforPH』より大日方さん(真ん中)、加藤さん(右)、甲斐さん(左)の3名です。11月8日朝、台風30号がフィリピンに上陸。その甚大な被害に関する報道は、みなさんにとっても記憶に新しい出来事なのではないでしょうか。いま、その震災に胸を痛めた日本人学生たちが、立ち上げたwebを中心としたフィリピンへの支援活動『JPforPH』が、大きなムーブメントとして広がりを見せています。その活動にかける想いとストーリーを、聞いてきました。


ホスピタリティの国「フィリピン」に魅せられ、引き寄せられた不思議な縁

私の中で学生の海外旅行のイメージは、なんとなくヨーロッパが多いのですが、大日方さん(以下:大)、加藤さん(以下:加)、甲斐さん(以下:甲)はどんなきっかけでフィリピンと関わるようになったのですか?

大:僕は昨年2ヶ月間の語学留学がきっかけだったんですが、その時面白い縁が色々とあり結局そのまま計8ヶ月間、フィリピンに住んでいました。そのときにマニラのシェアハウスで出会ったのが、まこちゃん(加藤さん)。

加:もう1年半前だね。私は母がフィリピン人なので、自分もフィリピン国籍を持っているんです。おびくん(大日方さん)に出会ったのも、マニラに滞在している時です。



出会いはマニラだったのですね。では、甲斐さんのフィリピンとの出会いは? すっかり旅行慣れしてそうな雰囲気がしていますが…(笑)

甲:僕ですか? …いやいや、現地人じゃないですよ(笑)! 僕はおびに連れられて、台風がくる直前に初めての海外旅行でフィリピンに行きました。


初めての海外旅行がフィリピンとは珍しいかもしれませんね。実際に行ってみて、どうでしたか?

初の海外だということを忘れてしまうくらい楽しかったです。ごはんもめちゃめちゃ美味しいし、ゆったりした時間が流れていて、人がみんな陽気でフレンドリー。フィリピンが大好きになりましたね。


留学でも旅行でも、すごく過ごしやすい国なんですね。

加:そうなんです。でも日本人が抱いているフィリピンへのイメージって、“貧困”や“夜”のイメージが多いんじゃないかな…。初めにそういうネガティブなイメージを持っているからこそ、甲斐くんのように良い意味で裏切られて帰ってくる日本人は多い。ハーフの私としては、フィリピンの魅力に気づいてくれる人が増えるのはとても嬉しいことです。

大:他の東南アジアの国々は旅した事ありましたが、たしかに僕も、初めはフィリピンに対して、少し危ないイメージがあった。でも、その不安はすぐに消えましたね。去年向こうに住んでいたおかげで、今では空港までのお迎えや日中の案内も、フィリピン人の友だちがつきっきりで助けてくれる。

加:「ホスピタリティ」って言葉が、フィリピンを表すのにぴったりだよね。一度知った人に対して、昔からの友人みたいに接してくれるんです。「次は絶対うちに泊まりなよ!」とか「今度いつくるの?」とかね。初めて会った人にも異常なまでに親切で(笑)。

baseu5


そんな大好きな国だからこそ、台風のニュースを知った時のショックは大きかったのでは?

加:そうですね。日本のテレビを見て、被害の大きさにビックリしました。フィリピンは私が生まれた国でもあるので、まるで東日本大震災のショックが蘇ったようで…。

大:僕もニュースをみて、すぐにフィリピンの友達に連絡しました。幸い僕の友人で命に関わるような被害はなかったですが、「実家がなくなった」、「家族が自分の家に避難している」などという話を聴いて、大変な災害だったということが伝わってきました。それで、直感的に何かしなくてはと考え始めました。



他人事ではない被害。支援をしようと集まった仲間で、何ができるか考えて…

baseu3

大:離れている国の被害だと、普通の日本人は“自分ごと”として捉えるのは難しい。だから、僕らのようにちょっとでもフィリピンと関わりのある日本人が動かないといけない、という使命感のようなものを感じていました。

甲:そうだね。東日本大震災の時に日本が外国の方々からたくさん助けられ、勇気づけてもらったあの恩を、ここでお返ししたいとお思いました。何か困ったことがあった時は助けるということに、特に理由はいらないですよね。


素晴らしいですね。「何かしなくては」と感じてから、今の活動に至るまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

大:甲斐とは、震災直後から何をしようか話しあっていました。「何かする?」ではなくて、「何する?」っていうところから話が始まった。本当に自然な流れ。それからまこちゃんに声をかけたのは、1週間後くらいかな。

加:連絡が来た時、まず感動しました。今までも自分が生まれた国に対してポジティブな思いを抱いてくれている学生がいるという事実だけで、嬉しく感じていたくらいでしたから。まさかこんな時にまで、フィリピンのために立ち上がってくれる日本人がいるというのが嬉しくて嬉しくて。それなら、「自分にできることは何でもしよう」と思って参加することにしました。

甲:そうやって、フィリピンに何かしらの縁がある学生を集めていきました。プログラマー、イベントプランナー、現地でインターンをしていた子、セブ島で一緒に暮らしていた人…バックグラウンドは様々です。

大:声をかけ始めた時点で、何かモノを売って寄付金を集めていこうというビジョンはありました。何を売るかはいろいろ考えたよね。クリアファイル、ステッカー、ラバーバンド、Tシャツとかとか…。でも、みんなが買いやすくて単価も高すぎないもの、という点で「ステッカー」を売っていくことになりました。

baseu1

甲:いま、PCにステッカーを貼る人も多いし、若い人も買ってくれそうだと。重さも厚さもほとんどないから、もしかしたら東京にいない人にもアプローチできるかも、という期待もありました。


そこでネット販売を試みたわけですね。BASEでの販売を決めたのは、どのような理由からだったのでしょうか。

大:たくさんのECサイトを調べて比較していたのですが、サイトのデザインの自由度が一番高かったのがBASEでした。どんどん新しい機能もリリースされていて、なんか勢いがありそう! と感じたのも理由のひとつです。

甲:デザイナーの立場からしても、せっかく作るならキレイなものを作りたいというのがあって。ロゴのデザインは、色調やメッセージ性を活かせるようにとかなりこだわって作ったので、「ロゴが栄えるようなページであるか」は大きな基準として考えていました。自分たちのこだわりのデザインを活かせるのはBASEだったんです。

jpforph
ショップはこちら


斬新な広報アイディア…お店の名前にハッシュタグとは!?

デザインの淡色使い、アイテムはステッカー1点のみ。このシンプルさが数あるショップの中でもかえって目立つように感じます。BASEでの「JPforPH」リリース後、周りの反応はどうでしたか?

大:オープン後の翌日から二日目にかけて目立った反応がありました。その後はいったん落ち着きましたが、それでも定期的に注文をいただいています。

加:中には10〜20枚とまとめて買ってくださるお客さんもいますね。フィリピンに関する団体の方がメンバーに配る用に買ってくださったみたいです。

大:今朝も福島在住の女性から電話があって、「イギリスにいる友人がチャリティに賛同したいらしく、1万円分のステッカーを買いたいんだけどどうしたらいいですか?」って聞かれたばかり。手売りではなくECサイトにしたからこそ、全国各地の人が『JPforPH』に賛同してくれる。すごく有り難いことですね。

加:商品をステッカーにしたことがすごく正解だったと思っています。もともとフィリピン支援への意識がある人が募金をするだけでは、思いが個人で完結してしまいがち。でもステッカーだと、例えばこれを貼ったり配ったりすることで、思いが具現化されて広がっていきますよね。「これなに?」、「じゃあ賛同したい」などという会話も生まれて、メッセージが伝播しやすい。

大:そうだね。ステッカーは買いやすいし配りやすい。性別やサイズも問わないから、うまくコンセプトにはまっているのかも。


理念を叶えるためのサイトデザイン、販売商品、メッセージの打ち出し方…非常におもしろい事例だなあと聞いていて思います。広報の面では、ハッシュタグを連動させた面白い取り組みがあると伺ったのですが…

大:ありがとうございます。実はストアの名称に“ハッシュタグ”をつけたんです。BASEには、商品を買ってくれた人が「購入しました」のツイートをできる機能がありますよね。その店名を、そのままハッシュタグにしてみたんです。

hashtag


加:これによって、運営側は商品を購入した人たちにtwitterを通じてアプローチをかけられるようになったし、同じ思いで商品を買った人たち同士の交流のハッシュタグを通じて起こるようになりました。

甲:ハッシュタグの拡散が、プロジェクトが広がっていく上で大きなパワーになっています。この前京都に行ったときにも「その活動知っているよ」と声をかけてくれた人もいて。ステッカー、ハッシュタグが起爆剤になって自分たちのメッセージや理念の拡散がうまくいっていたのは、何よりも嬉しいです。


その広がりは、海や国境を越えてフィリピンにまで届いたのだとか。

加:そうなんです。先月は「JPforPH」のイベントを企画していたのですが、facebookのイベントページにフィリピンから参加ボタンを押してくれた人もいたり。

大:「本当に来るの?」って聞いたら、「俺のスピリットだけそこに置いておいてくれ!」って言ってた(笑)。

加:ウェブを通じて、フィリピンの人たちからの感謝の声もたくさん届きました。さらに驚いたのは、被災地以外の人からも自国の支援にと情報を拡散してくれた人がいたことです。共感と拡散の連鎖が世界にまで広がっていて、私たちもビックリしています。

baseu_10


JPforPHが、これから目指すもの

学生たちの思いが、世界を動かすまでに…本当にすばらしいですね。JPforPHは今後、どのように展開していくのでしょうか。

大:もちろん1回きりにはしたくないので、継続的に何か支援をしていきたいと思っています。副次的な効果として、この活動が、日本人がフィリピンに対しての興味を持ったり、理解を深めたりするきっかけになったらいいなとも思っています。

加:そうですね。私もフィリピンのために動いてくれる学生がこれだけいるのを知れたので、この繋がりは大切にしていきたいと思っています。

甲:自分は今回の「JPforPH」の活動が、学生でも本気の思いさえあれば、短期間でメンバーを集めたり、サイトを立ち上げたり、モノを売ったり…そういうことができるんだぞという一つの事例になればいいなと思っています。色んな問題に直面した若い人たちがBASEなどのウェブサービスを活用して、それぞれの問題を解決していけたら素敵ですよね。

加:そうだね、そのためにはまず、ステッカー200枚を完売させたい。



これからのみなさんのご活躍に期待しています! 加藤さんはコレから就活ということですが、やはり将来はフィリピンで…?

加:はい、やはり無意識のうちにフィリピンに関われる企業に目がいっていますね。フィリピン国籍も持っているので、向こうでの就職も考えています。

大:僕ももともとアジアが大好きだし、可能性に満ちあふれた地域なので、将来はそこで何かやりたいと思います。日本のことを好きな人たちが多いから、なにが一緒にできたらいいよね。

甲:いいね。そしたら仕事しながらあの美味しいごはんが毎日食べられるんだったら、俺も行こうかな、フィリピン。

加、大:結局そこなんだね(笑)。

食は大切です(笑)! JPforPHのみなさん、本当にありがとうございました!

baseu4


ライター紹介

中村 朝紗子
中村 朝紗子
ライター。大阪府出身。雑誌「anan」、「東京カレンダー」、「マイナビ」などで執筆。BASE STORYではショップだけでは伝えきれない、ショップオーナーの想いとストーリーに迫る。







BASE U|ネットショップの開設・運営・集客のノウハウを学ぼう

Facebookページでも情報配信中!

BASEのFacebookページでは、BASEの情報はもちろん、BASE Uのネットショップを成功へ導く記事のお知らせも随時配信しています。是非「いいね!」をして最新情報をチェックしてください!


コメント