「ネットからリアルへ」では、「BASE」初の常設店舗「SHIBUYA BASE」の出店オーナーズにその魅力をおうかがいし、ネットショップがリアルの場へと挑戦する意義をお伝えしていきます。

第 1 回は、ストリートファッション・ブランド<propcell>を運営する松雪兵悟さん@mmh___01

2018年6月にブランドを立ち上げ、急成長しています。2019年3月には「SHIBUYA BASE」にも出店し、その後も活動を続ける松雪さんにポップアップショップ・実店舗の魅力をおうかがいしました。

 

ほかのブランドにはない最先端のデザインを

——ブランドを立ち上げた経緯について教えてください

中学生のころから、他人とファッションがかぶることが嫌で、近所のリサイクルショップで買ったジーンズを自分でリメイクしたりして、オリジナルの服を着ていました。

高校に入ってからも服のリメイクなどは続けていましたが、次第に自分で作った服を、自分だけでなくたくさんの方に着ていただきたいと思うようになり、ブランドを作って発信していこうと決めました。

SNSが主流になっている今、ブランドを多くの人に知ってもらうための一番の近道は、SNSでそれなりの知名度を得ることではないかと考え、Instagramを活用するようになりました。

目標も達成できた高校卒業後、当時働いていたスニーカーショップの店長に、服の作り方などをいろいろ教わったんです。そのときに「BASE」の存在も教えてもらって、それからショップ運営をしています。

——ブランディングで大事にしていることはありますか?

<propcell>はストリートファッション・ブランドなので、ストリートのジャンルからブレないように、世界観を大事にしています。

その中でも常に最先端のデザインでありたいと思っていて、日本ではまだ一般的ではないデザインや情報をリサーチして、積極的に取り入れるようにしているんです。

今流行しているものや、過去に流行していたものを取り入れているだけでは自分のブランドとしての色が出ないので、「ほかのブランドにはないデザイン」ということが、ブランディングになっていると思います。

——どのように情報収集しているんですか?

基本的にはInstagramとファッションメディア「Fashion Press」を活用しています。

主に見ているのはストリートファッション系のブランドですが、様々なジャンルからアイディアを引き出せるように、カテゴリはこまかく分けずにできるだけ全部チェックしています。

とくに最近だと、韓国で流行したものが日本で流行することも多いので、韓国のブランドもチェックしてます。

——商品製作はどのようにしているんですか?

最初のころは、Tシャツ作成 Appで作ったTシャツを、ミシンを使って自分で形を変えていました。ショップ運営は発送まですべて1人でやっていたので、多くても30着程度しか作れず、とても大変でした(笑)。

ちょうど「SHIBUYA BASE」への出店が決まったあと、海外の工場に製作を依頼できるようになったので、今はより素材や形にこだわれるようになりました。

「SHIBUYA BASE」への挑戦

——「SHIBUYA BASE」に出店した理由は何ですか?

お客さんの声を直接聞いてみたいと思っていたし、将来的に実店舗も持ちたいと考えているので、出店を決めました。什器や備品をすべて貸し出してもらえる点も、出店を決めた大きな理由の1つです。ほかの場所でポップアップショップをやるようになってわかったんですけど、ハンガーラックと鏡を借りるだけでかなりお金がかかるので……。事前相談会もあって、しっかりとサポートもしてくださるので、とても助かりました。

——出店するにあたって、大変だったことや不安なことはありましたか?

一番不安だったのは「在庫量」の決め方ですね。売れるかどうかもわからなくて、売れ残った場合どうしようとか、考えてしまって……。最終的にはネットショップでの売上と購入者の住んでいる地域から在庫量を決めたんですけど、それでもオープンのギリギリまでは不安でした。

——実際に「SHIBUYA BASE」に出店してみていかがでしたか?

「SHIBUYA BASE」はアクセスもよくて、1階の入り口近くなので、お客様も来やすかったんじゃないかと思います。3日間の出店だったんですが、2日目にはほとんど完売してしまったので、もっと在庫を持ってきてもよかったですね。

BASEの方には搬出入も手伝っていただきましたし、初出店で不安だった僕のメンタル面でも助けていただきました(笑)。

——「SHIBUYA BASE」出店前と出店後で何か変化はありましたか?

初めてのポップアップショップだったので、不安でいっぱいだったんですが、実際にお客様からの声を聞くこともできたし、「完売した」という実績は今後のブランド展開においても大きな強みとなりましたし、自信がつきました。

他の商業施設からもお声がけいただいたり、Instagramでも「ポップアップショップを開催してください!」と言ってもらえることが増えましたね。

ほかにも、出店前は「propcellは松雪兵悟のブランドだ」という周囲からの認識がほとんどだったんですが、「SHIBUYA BASE」では、通りかかった人が興味を持ってくれたり、「どこのブランドですか?」と訊かれることもあったので、<propcell>というブランドそのものを見てくれている感覚がありました。

いつかは実店舗を持ちたい

——今後のブランドの目標はありますか?

最終的には実店舗を持ちたいと思っています。そのためにもブランドの認知度をどんどん上げていきたいですね。今はほとんど、僕自身を知ってくれている人が<propcell>の服を買ってくれているんですが、そうではなく、自分自身は知られなくてもいいので、<propcell>というブランドそのものが広く知られるようになってほしいんです。

——実店舗にこだわる理由は何ですか?

僕自身も服を買うときは実店舗で買うことがほとんどでした。お店に行って商品を見て、店員さんと話して購入するというそこまでの経験をふくめて価値のあることだと思っています。もちろん実店舗を持つことはリスクのあることだとわかっていますが、リスクを取らないと成功もできないので、どんどん挑戦していくつもりです。

今後は月に1回ポップアップショップを開催していく予定なので、もっとブランドを大きくしていきたいと思います。