株式会社島田電機製作所は1949年の創設以来、一貫してエレベーター用のオーダーメイド意匠器具品をつくり続けてきた老舗メーカー。2019年からは、自社オリジナルのブランド「SHIMAX」を立ち上げました。

オリジナルブランドを立ち上げた背景にあったのは、「エレベーターを利用されるお客様は、その意匠器具を製造した会社のことをどれだけ知っているのだろうか・・・」という不安と、「世の中に知られずにいる会社で働く社員の気持ち」だったそうです。

同社がネットショップ作成サービス「BASE」を使っていかにしてこの課題を解決していったのか、はじめに結論を申し上げますと、活用ポイントとしては以下の通りとなります。

活用ポイント

・B to Bビジネスで培われた「技術」「社内リソース」「機材/設備」など、もともと社内にあったアセットを活かすことで、新たなコストを発生させずにB to Cビジネスに参入されたこと

・「個人顧客」のニーズを察知してネットショップ販売に挑戦し、社内外に対してのブランディングを強化することで、社員の働くモチベーションを向上させたこと

このように、新たな設備投資や人材採用をおこなわずとも、商品の販路を拡大し、自社のブランディングや社員の働くモチベーションを向上させることができます。

今回、課題の発見から、じっさいにBASEを活用されるまでの道のりについて株式会社 島田電機製作所の 「代表取締役社長」の島田さんと、「総務部 広報担当」の大森さんにお話をおうかがいしました。

オンライン販売に至った経緯

——オンライン販売前、社内でどういった課題がありましたか?

大森さん:弊社の製品は、東京ドームや六本木ヒルズをはじめ、全国各地の大型施設・高層ビルで利用されています。ですが、施設を利用されるたくさんのお客様が触るエレベーターのボタンを「誰が作っているのか」は知られていません。

エレベーターメーカー様からのオーダーメイド品を作るだけでは、「島田電機製作所」という名前は広がっていきませんし、何より、製作工程に携わる社員たちの「島田電機製作所で働くモチベーション」が高まっていかないという課題を感じておりました。

島田さん:そこでまずは「会社の広報をきちんとやろう」ということを決めました。その過程で、自社の名前を冠したブランド『SHIMAX』を立ち上げ、個人のお客様向けに販売を開始することになったのです。

——具体的にどのようにスタートされましたか?

大森さん:以前、展示会でノベルティとして配っていたエレベーターのボタンを模したキーホルダーがあったのですが、それを改良したキーホルダーの試作品を「エレベーターボタンコレクション」という商品シリーズとして完成させました。

まずはカプセルトイとして会社の入り口でこじんまりと販売を始めてプレスリリースを打ったのですが、その後、様々なメディアで取り上げていただいたことで、多くの方に知っていただけるようになり、遠方から購入に来てくださるお客様が増えてきまして。

——ニッチな商品だからこそ、コアなお客様が殺到したのですね。

大森さん:はい、そうだと思います。割合で言いますと男性のお客様のほうが多いのですが、女性の方も「かわいい!」と買いに来てくださることもありますし、ご家族で来られる方も多いです。5歳くらいのお子様はエレベーターのボタンが大好きですね(笑)。お子様の影響で、ご一家にとってエレベーターボタンがとても身近な存在になっていると感じることが多く、祖父母様やご両親にもこの商品を喜んでいただけていると実感しています。

島田さん:そのうち、遠方の方からWEBでの販売を希望される声が大きくなりまして。我々は販路拡大も重要ですが、自社そのものやブランドの認知度を全国にも広めることが重要でしたので、ネットショップでの販売を具体的に検討することになりました。

なぜ販売ツールとしてBASEをお選びいただいたのか?

——BASEはどうやって知ったのでしょうか?

大森さん:CMで知りました。同時期に別の社員もCMを見ていたこともあり、BASEを第一候補として検討しながら、ネットショップの機能や価格を比較しているインターネット記事を見て絞り込んでいきました。

——大手のショッピングモールで出店することは想定していなかったですか?

島田さん:BASEのCMやサイトを見たときに直感的に「新しさがあるな」と感じたんです。我々がこれから行うのは「新しい取り組み」なので、明るいイメージのあるBASEは我々にすごく合っている印象を受けたんです。

大手モールの場合、運営している企業があまりに大きすぎて、少し重たいといいますか、これから我々が始める取り組みと少し合わないなと思ったので検討からは外していました。

——最終的にBASEに決めた理由はどこにありましたか?

大森さん:やっぱり、初期費用も月額費用も「無料」だったことは大きいです。実際ネットで探したときも「無料」のサービスから探しました。

また、私は今までフリマアプリなども含めてネット販売をした経験がなかったのですが、アカウントを開設した後、開店するまでの操作がすごく簡単で、「これなら自分でも運営していけそう」と思ったことも決め手になりましたね。

販売開始前の目標設定について

——具体的な目標設定や、ノルマなどはありましたか?

大森さん:先程も申し上げたように、「会社やブランドの認知が広がって、社員の働くモチベーションを上げること」が目標でしたので、販売数や売上金額のノルマなどは特に設定しませんでした。

島田さん:たまたま、ネットショップ開設の直前にテレビの取材が入りまして。そこで紹介されたこともあってか、初月に100個以上キーホルダーが売れました。これは我々の想定を大きく超える実績でした。

——初月から100個は素晴らしいですね。やはりそれは商品にこだわりがあってこそでしょうか?

島田さん:はい。エレベーターボタンコレクションは、実際にメーカー様に納品する素材で製作をしていて、工程も同じなのです。ですので、技術と設備を持っている我々しか作れない唯一無二の商品だと自負しております。

大森さん:アクリル加工やステンレスの板金加工なども、社員が丁寧にひとつひとつ製作しておりますので、いわゆる「おもちゃ」ではないのです。そういった製品作りに対する姿勢が、本物志向のお客様に刺さって実売に結びついたのではないでしょうか。

設定した目標に対しての結果について

——販売開始から約半年(注:本取材時点)が経過しましたが、社内での評価・評判はいかがでしょうか?

大森さん:売上実績については社内報で連絡しておりますが、購入時、備考欄に温かいメッセージを書いてくださるお客様もいらっしゃって、それは社内掲示板に張り出しています。

弊社の社員が自分たちで商品を買って、ご家族にプレゼントされたりすることもあるようですので、社内での評判は上々かと思います。

島田さん:実は、我々が既存事業でお取り引きさせていただいてるメーカーの社員様が買ってくださることもあるんですよ。これは本当に嬉しいですし、「当社で働くモチベーションの向上」という当初目標の達成に大きく寄与していると考えています。

運営していて気づいたBASEのいいところ

——ちなみに、ショップの運営は何人でやられているのでしょうか?

大森さん:大量のご注文をいただく場合は手の空いている社員とみんなで梱包・発送作業をすることもありますが、基本的に私ひとりで運営しています。ヤマト運輸と連携している「かんたん発送App」で送り状を簡単に印刷できるので、発送の手間がすごく軽減できていることも、ひとりで運用できている理由だと思います。

——BASEを利用してみてよかった点(活用できた機能など)はありましたか?

大森さん:とにかく操作が簡単でわかりやすいことが一番ですね。難しくて複雑だったらきっと心が折れてたと思います(笑)。

また、お客様とのお金のやりとりをBASEが間に入って処理してくれる点もすごく助かっていますね。

島田さん:「Instagram販売」の機能はまだ使っていないのですが、この機能があったので「Instagramを本格運用してみよう!」という気になりました(笑)。

Instagramでは弊社のオリジナルマスコットキャラクター「ボタンちゃん」を中心に、製作過程や商品、社員の姿などを掲載して運用中です。

 
 
 
 
 
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今後のショップ展開・展望について

——今後の販売目標や展望を教えていただけますか?

大森さん:SHIMAXブランドをもっと強化していくために、キーホルダーの新シリーズ展開を考えています。また、エレベーターボタンのキーホルダー以外に、ピアスやイヤリングなどのアクセサリージャンルにも挑戦していきたいと考えています。

島田さん:現在私を含めて6名のメンバーで「ブランディングチーム」を作り、社内外のブランディング施策を強化しています。このメンバーには定期的に売上を共有していて、今後の新シリーズ展開や新ジャンル開拓も含めて推進していってもらっています。

将来的に「月に1,000個販売」という目標を掲げていますが、これが実現したら、きちんと事業化して、部署を新設しようと考えています。

また、私個人的にはSHIMAXの商品がMoMAの公式ストアに並べられることが夢です。MoMA公式ストアに並べられる商品を作っている会社に勤めているって、社員としてすごく誇らしく思いませんか?会社やブランドが認知されていくことは、社員のモチベーションアップとリンクしていると私は考えているんです。

活用ポイント

繰り返しになりますが、株式会社島田電機製作所様の活用ポイントとしては以下になります。

・B to Bビジネスで培われた「技術」「社内リソース」「機材/設備」など、もともと社内にあったアセットを活かすことで、新たなコストを発生させずにB to Cビジネスに参入されたこと

・「個人顧客」のニーズを察知してネットショップ販売に挑戦し、社内外に対してのブランディングを強化することで、社員の働くモチベーションを向上させたこと

「自分が働いている会社を誇れる」ことはとても素晴らしい考え方ですし、自社商品をネットショップで全国流通させることができれば、当然、自社の知名度やブランディングも向上します。

純粋な売上拡大というメリットだけでなく、働く社員に対してもプラスの効果がもたらすネットショップの活用を、みなさんもご検討してみてはいかがでしょうか?

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