「ECからはじめるのも全然アリ」 実店舗とECで拡大を続ける人気アパレルショップに訊いた、新時代のお店の姿

更新日 : 2020/11/25
投稿日 : 2020/11/20

近年、アパレル業界で実店舗とECのあり方が大きく変化しています。    

これまでは「(実店舗で)自分のお店を持つ」ことを目標にしている人が多かったようですが、誰でも手軽にECがはじめられるようになったことで、
「ますはECで」――そんな考え方も急速に広まりつつあります。

ストリートカルチャーに精通する二人のアパレル出身者がはじめた<MFC STORE>は、実店舗オープン後、すぐにECもスタートしました。

対面販売とECのメリットを生かし、全国にファンを拡大。その成長過程で感じているこれからのお店のあり方について、<MFC STORE>スタッフ・成畑星南氏にお訊きしました。

<MFC STORE>とは
有名スニーカーショップ出身の近藤浩人氏と、メンズブランド『EXAMPLE』を手がけるBB_LION氏が中目黒に立ち上げたセレクトショップ。国内外のブランドの服やスニーカー、オリジナル商品を販売している。
ショップ名:MFC STORE(https://mfcstore.official.ec/
運営会社:<株式会社 MFC STORE>
創業:2018年
従業員数(中目黒店):6人(うちWeb専任:3人)

好きなものを集めたお店が、お客様の心をつかんだ

――<MFC STORE>は、ファッション業界ではお名前を知られたお二人が立ち上げたそうですね。どんなきっかけでスタートしたのですか?

はじまりは、創業者である近藤とBB_LIONとの出会いからです。

昔からお店をやりたいと心に抱いていた近藤がBB_LIONと出会い、意気投合したことからこのお店がスタートしました。

お互いストリートカルチャーに精通し、好きなものが似ていたので、なにかつながるものがあったのかもしれませんね。

そこで「好きなものを集めた店」=「My Favorite Closet」をコンセプトに<MFC STORE>ができました(MFCは、単語の頭文字を組み合わせたもの)。

――「自分たちが好きなもの」だからこそ商品にも思いが込められ、それがファンにも伝わっているように感じます。どんな商品構成でしょうか?

「スニーカー」「セレクト」「インポート」「アーカイブ」という4セクションで構成していて、7割がオリジナル商品、残り2割が国内仕入れ、1割が海外仕入れです。

今はお休みしていますが、定期的にロサンゼルスに買い付けにも行っています。

――独自の視点で集められたアイテムは、ファンにとってはたまらないですね! 具体的には、どんな年代のお客様が多いですか?

メインは、創業者2人と同じ20代後半〜30代半ばのお客様で、オープン当初から実店舗にも足繁く通ってくださっています。

最近は、インフルエンサーの影響から10代後半から20代前半のお客様も増えていて、年代によって、お店を知って来る経路が異なるところは今の時代を表していますね。

 

変化してきた、実店舗とECの役割

――<MFC STORE>はオープン当初から注目を集めていましたが、ECはいつごろからはじめられたんですか? なにかきっかけがあったんでしょうか?

ECをはじめたのは、実店舗をオープンしてから1ヶ月後ですね。

はじめはECはやらない予定だったんですが、実店舗に来られない全国のファンからの「買いたい」という声を受けて、はじめることになりました。

――ECをやるつもりがなかった、というのはなぜですか?

オープン時はスタッフの人数がすくなかったので、ECを担当できる者がいなかったんです。

また、かつてのストリートブランドにあったような「実店舗でしか買えない」特別感を持たせる意味合いもあったようです。

――たしかに、その場所に行かないと買えない、と言われると、行って買いたくなりますね。

はい。ただ、最近はそういったお店も実店舗だけにこだわらず、ECとの両立やEC主体へとシフトをしはじめているようです。

以前に比べて、ECの役割が大きく変わりましたからね。とくにコロナウィルス状況下では、その動きが顕著に見られました。

お店を開けていなくてもセレクト商品は次々に入荷があるため     、ECに力を入れはじめたところが多いようです。    

――コロナウィルスをきっかけにECをはじめたお店は多いんですね。<MFCSTORE>ではその前からはじめていますが、なぜ「BASE」を選んだのですか?

いちばんの理由は、やっぱりコストですね。

制作会社などに頼んでECサイトを作ると、かなりのお金がかかりますが、「BASE」は初期費用ゼロですからね。EC初心者でもできるというかんたんさもポイントでした。

創業者のBB_LIONがやっているブランドでも「BASE」を使っていたので、なじみもあり、また周囲の業界関係者からのオススメもあり、選びました。

――業界関係者からの支持も高いんですね。

「はじめてなら『BASE』だろう!」というアドバイスがあり、有名ブランドやショップも使っていたので。

 

はじめて”でも、「BASE」なら使いこなせた

――ECサイトは当初から成畑さんが担当されているそうですが、ECサイトの運営経験があったのですか?

まったくのど素人です(笑)。

だから最初は手探りで、どういう売り方をするかもわかっていなかった。

オープン時はスタッフもすくなく、店頭に立ちながらやっていたので、忙しすぎてなかなか商品のアップもできなくて……。

――実店舗オープンから1ヶ月なら、まだバタバタしているころですね。それは大変でしたね……。

でも「BASE」はかんたんなので、3ヶ月くらいで使いこなせるようになりました。

ほかのショップのページを見て、参考にもしていましたね。以前は一日中商品ページを作っていましたが、今はもう1日1時間くらいの作業ですみます。

――すごく短くなりましたね。1日1時間なら、店頭に立ちながらできそうです。作業が早くなった秘訣はなんですか?

「BASE」には、効率的に作業するためのいろいろな無料の拡張機能があるんですが、はじめは     使いきれていなかったんです。

でもECにくわしいスタッフのアドバイスで拡張機能を使うようになって、かなり効率がアップしました。

――日々の運用を優先していると、使いこなすところには目が行きにくいですよね。具体的にどんな拡張機能が役に立っていますか?

販売期間設定 App」ですね。

<MFC STORE>では、商品を19:00にアップするんですが、時間になってから商品を1点ずつあげるのは面倒です。

でもAppでcoming soon状態にしておけば、時間になったら自動でアップしてくれるので、めちゃくちゃ助かっています。

――coming soonにすることで前倒しで作業ができ、さらにお客様にも発売告知をすることができるんですね!

「BASE」はどんどん機能が増えて、使いやすくなっています。

弊社に最近入ってきた、ECにくわしいスタッフが言っていたことですが、「『BASE』は自社開発のECサイトと比べると劣る部分はある。

でも、複数の店舗を展開し、多くの在庫を抱えている企業でなければ、これで十分」と。

――とくに「BASE」で不自由がないんですね。

もっともっとお店が成長し、複雑でより高度な機能などが必要になった場合は、自社開発のECを考えるかもしれません。

しかしいまの<MFC STORE>にとっては、「BASE」で十分なんです。

 

ネットとリアルの双方を活用し、ファン拡大

――「BASE」を使いこなしていくことと同時に、お店を広めることも大事なこと。告知はどんなことに力を入れていますか?

ほとんどインスタですね。

基本的には毎日投稿して、商品にはタグをつけて「BASE」にリンクさせて誘導しています。

――フォロワーが3万人以上いますし、一度に多くの人に知らせることができますね。投稿するときに気をつけていることはありますか?

リピーターのお客様に届くよう“見栄え”を意識しています。

文章をほとんど定型文で投稿することで、情報が認識しやすくなり、イメージを統一することができます。写真も文章も、こだわればキリがないですし、そのぶん時間もかかってしまうので。

でも、これからは、新規客へのアピールを強化していきたいので、見せ方の変更も考えています。

――なるほど、見栄えにこだわることがかならずしもいいとは限らないんですね。掲載する商品は、どういう基準で選んでいるんですか?

紹介する商品は、旬なものや引きが強いもの、まだ日の目の当たっていないものなど、よく考えてセレクトしていますね。

――でも、アパレルをネットで買うとなると、試着ができないので不安になる人も多いと思います。なにか対策をされていますか?

うちでは、基本的に返品交換を受け付けていません。

そこで<MFC STORE>のほかに「MFC STORE OUTFIT」というアカウントを作って、そちらはモデルが商品を着用した写真を載せています。

商品名と着用サイズ、モデルの身長を記載しているので、サイズを選ぶさいの参考にしてもらっています。

――それはわかりやすい! 自分の身長や体型と比べれば、着たときの丈やシルエットも想像できますね。いろいろ工夫されていますが、ECをはじめたことで、実店舗になにかいい影響はありましたか?

お店の認知度が格段にアップしましたね。
各地でポップアップショップをやっているのですが、かなり売りやすくなりました。扱う商品量も増えましたし。

 

受注生産 、インスタライブで買い物のワクワク感を届ける

――全国にファンが広がっているようですが、お店の売上も順調に伸びていますか?

オープン以来、ずっと右肩上がりでした。

でも、コロナウィルスの影響で外出自粛がはじまった3月はすぐに対応できなくて、売上がガクンと落ちてしまいました。

以前は実店舗とECの割合は『7:3』くらいでしたが、今は完全に逆転しましたね。

――そこまで如実に数字に表れると、売り方を変えざるをえなくなりますね……。

コロナウィルスの影響が出てきてもっとも考えたことは
「なんとかしてオンラインで売らなければいけない」ということ。

――ECで売るために、どんな工夫をしたんですか?

一つは、「BASE」の予約機能を活用した受注生産です。

オリジナル商品は、作っても売れるという確証がなく、
在庫を抱えるリスクがありますからね。

スタッフに全サイズを着てもらって、写真をたくさん撮って、
スタッフの身長などをこまかく書いてインスタにアップして、販売につなげました。

――受注生産!それなら、売れ残りもおさえられますね。ほかにも工夫した点はありますか?

二つ目は、インスタライブの活用です。

自粛期間中は、スタッフが出演して毎日やっていました。
インスタライブをやると、売上は結構上がりましたね。

お客様も外出できなくてつまらないので、ライブを見て、買い物のワクワク感を感じてくださったと思います。

――お客様にとってのエンターテイメントになって、販売にもつながる。このコロナウィルスの経験で、ECの役割は増していますね。

そうですね。コロナウィルスは、商品の売り方にも大きな影響を与えました。
実店舗優先の考えから、EC優先の考え方へ。

以前は、セレクト商品など数のすくないものは、最初は店頭に出していたんです。今は逆で、先にECに出して、反応を見るようになりました。

――EC優先は、業界全体としても大きな変化ですね。 

しかし、どんなにEC優先になっても、
お客様とのコミュニケーションは大切にしています。

たとえば、オープン時から商品の配送のときは、手書きのメッセージカードをつけています。受け取った方が、SNSにそれを投稿してくれることもありますね。

やっぱり同じ商品を買うのでも、カードがあるのとないのでは、ある方から買いたい、と思いますから。

 

必ずしも実店舗からはじめる必要はない、ECから広がっていく。

――これからECでアパレルをはじめよう、と考えている人も多いと思いますが、「BASE」とアパレルの相性はいいんでしょうか?

いいと思いますよ! 初期費用なしでかんたんにはじめられるし、手数料も安いですからね。

実店舗を持ってからECではなく、いきなりECでお店を持つのも、ぜんぜんいいと思います。僕が個人でブランドを立ち上げるとしたら、ECからはじめますよ。

――ほんとですか? でも、お客様のリアルな声が聞こえなくて、不安になりそうです……。

やはり、お店を開けていると固定費がかかります。
営業時間中の売り上げ     を考えると、ECの方が効率がいいですからね。

お客様とじかに接する機会は、期間限定のポップアップショップをひらくことで解決するんじゃないか、と思っています。

――なるほど、ポップアップを活用するという手がありましたか。たしかに、常設の店舗だけを運営し、事業を軌道に乗せていくのは時間がかかりそうです。

実店舗からはじめてお店の規模を拡大していくには、注目を集めなければいけません。

<MFC STORE>が多くの方に応援していただいているのは、やっぱり創業者二人の活躍や人脈があったからこそ。

しかし、これからはECも実店舗も時代の変化を見極めながら、柔軟に対応していくことが大切だと思います。

――今は、成畑さんたちが作ったリピーターが、実店舗もECも支えてくれていますね。最後に、今後の目標を教えてください。

今年の夏、<MFC STORE>は創業当初からの目標であった『原宿への出店』を叶えることができました。

それは実店舗だけではなく、ECとの両立があったから達成できたこと。
ECの売上は落とすことなくやっていき、「BASE」にあるショップの中でもトップ5に入りたい。

そして、もう1店舗国内に出店し、全国に広がっていければと思っています。

 

まとめ

実店舗とECの両方でお客様と触れ合う機会を作り、ファンの心をがっちりと掴んでいる<MFC STORE>。

長年ファッション業界で活躍し、実店舗の大切さも知っている人たちからの
「ECからはじめるのもいい」
というアドバイスは、アパレルでの成功を目指す人たちの背中を押すことになりそうですね。

アパレル関係者、ファッションが好きな人たちにとって、「自分のお店を持ちたい」という夢を持っている人は多いでしょう。

しかし、実店舗だけにとらわれず「お客様にどう自分の好きなものを届けていくか」を考えれば、ECという選択肢は、身近でもっとも手軽にお店をはじめる方法の一つではないかと思います。

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