京都から届ける贈り物、大山崎COFFEE ROASTERSご夫妻のこだわりと想い

公開日:2013年10月17日

今回のBASE STORYは、京都府大山崎からこだわりのコーヒー豆を販売する、中村佳太さん、中村まゆみさんご夫婦へのインタビューです。2012年にコーヒー焙煎屋の開業を決意し、当時働いていた東京の会社を退職することを決意。京都へと住まいを移し、2013年6月にBASEにてコーヒー豆のネットショップ『大山崎COFFEE ROASTERS』をオープン。職場も住まいも一新し、新しいライフスタイルの中、愛するコーヒーの魅力を追求する中村夫妻の想いと挑戦に迫ります…!



結婚、退職、引っ越し…そしてコーヒー焙煎屋を開業した理由とは

大山崎COFFEE ROASTERS

今日はわざわざ京都からご足労くださり、ありがとうございます。ショップでお店のアバウトページを拝見してまず驚いたのが、退職と引っ越し、愛するコーヒーで開業を一度に決意されたこと…ご夫婦でこんなにも大きな挑戦にふみだせたキッカケとは、なんだったのですか?

結婚をしてすぐに、3.11の震災が起きたんですね。2人でこれから新しい生活を始めようとした矢先に起きた出来事でした。それが「2人で生きていく上で本当に大事なものは何か」を見つめなおすきっかけとなった出来事でした。

どう生きていきたいのか-2人で考えてたどりついた答えは、『自然豊かな環境で、家族との時間を大事にできる暮らし』がしたいという気持ち。でもその当時の東京での生活はそれが実現しにくいことを、2人ともなんとなく感じていたんですよね。じゃあどうしようかと考えた時に、以前から大好きだった、自然と文化が豊かな京都の大山崎に移住するという考えが浮かびました。昔から大好きだった街で、2人が愛する”コーヒー”を仕事に生きていけたら…一度しかない人生だから。そう思ってからは行動は早かったですね。


すごく大きな決断をされたんですね。実際に引っ越しをしてから、生活環境も大きく変わったのではないでしょうか。
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そうですね。2人とも、いまの暮らしが大好きです。大山崎は自然も文化も豊かで、時間がゆったりと流れています。そうした中で自分たちのペースで仕事ができるのは、東京とは全然違います。食事ひとつにしても、料理の仕上げに外に生えているハーブをちょこっと入れてみたりして…出来合いのものを使わずに、自然の中で無理のない生活を送るのは、とても心地いいですね。東京での生活はとにかく便利だけど、ここに来てからは自分の生活を自分の手で調整する楽しさを実感しています。それはコーヒーへの想いとも共通するところがありますね。



大山崎から届けるコーヒー豆に、ご夫婦が込めた想いとは


スローライフ、素敵ですね。発売をはじめたコーヒー豆には、どんなこだわりがあるのでしょうか?

カフェブームをきっかけに、日本にも数多くのコーヒーチェーン店が進出してきました。それにより、コーヒーという飲み物は以前よりも身近になったように感じています。コーヒーを飲むことが日常となったいまでは、忙しい毎日の中で自分が飲むコーヒーを毎回自分で淹れることは大変かもしれません。そういった意味では、オーダーしてすぐに飲めるコーヒーはとても便利ではあります。でも、私たちは今の生活で感じている『あえて手間をかける』ことや『自分達にとって、”いいもの”に調整する』ことの楽しさを、コーヒーを通じても伝えていきたいと思っているんです。鮮度にこだわったコーヒーがどれだけ美味しいか…そして、飲む直前に豆を挽くようにすること、これで味が大きく変わるということを多くの人に知ってほしいですね。



いざコーヒー焙煎屋開業へ。しかし、実店舗オープンのハードルにぶつかって…

そんな思いで始めることになった焙煎屋。初めて開業するにあたり、まずは何から始めたのでしょうか?

まずは大山崎で実店舗を持つことを目指したのですが、予算や物件の関係で、いきなり始めるのが難しかったんです。そこで考えたのが、コーヒー豆のネットショップ販売でした。


まずは実験的に、出来るところから始めてみようということですね。

そうなんです。目的は「自分たちが厳選した美味しい豆を、ミルで挽いて美味しく飲んでもらうこと」だったので、実店舗が持てないとなれば、次に考えるのはネットショップでの豆の販売でした。ネットショップのサービスをいくつか検討したのですが、中でもBASEが一番簡単で手軽、そして無料だったので、すぐにチャレンジすることにしました。



BASEショップには、商品の魅力を伝えるための驚きの工夫とこだわりが!

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初めてのネットショップ運営、どんなところに苦労しましたか?

そうですね、苦労したところは3つあります。

1つめはまず、体に入れるものを扱うショップなので、どうやってお客様の”安心”と”信頼”を得るかに悩みました。販売元の情報を公開したり、自分たちがどんな想いでコーヒー豆を販売しているのかを文章で伝えたり、あとはお客様からの問い合わせやコメントをいただいた場合に、できるだけ丁寧にお返しするようにしています。

2つめは、商品を手に取ったり試飲をしたりができない状況で、どのように“商品の良さ”を伝えられるかです。これには一番頭を抱えましたね…。ウェブ上では豆のサイズの違いや色、味のニュアンスを伝えるのがどうしても難しい。初めはマメの産地の特徴や標高を書いてみたのですが、飲む人にとって一番大事なのは『味』だという結論に達して、いまでは”テイストノート”というものを商品につけるようになりました。


テイストノートには、何が書いてあるんですか?

テイストノートには、私たちが初めてそのコーヒーを飲んだときに思い浮かんだインスピレーションのキーワードが書いてあります。お店の商品写真も、そのテイストノートのキーワードに合わせた背景を選んで、撮影しています。

例えばこのBUF COFFEEというコーヒー豆なら、飲んだ時に明るいみどり色の草原を吹き抜ける風と花、そしてさやわかで清涼感のある風景が思い浮かびました。だから記したキーワードは「青りんご」「白ワイン」「フローラル」の3つ。そしてショップに載せる写真は、キーワードから連想された、土から芽吹く、明るいみどり色の新芽を背景にしました。

BUF COFFEE


すごいですね!こだわりの深さに感動します…! そのようなショップに掲載する文や写真の他にも、集客面でも工夫しているところがあるそうですね。

そうですね。他の取り組みとしては、Facebookを立ち上げたり、プレスリリースを配信したりしています。Facebookは、初めは友人や家族からの「いいね」が中心でしたが、商品を買ってくれた知り合いがSNSにリンク付きでアップしてくれたおかげで徐々に反応も増えてきました。とはいえSNSでは繋がりのある人にしか情報が届かない。それを補完する意味も含めて、プレスリリースも配信しています。プレスリリースの配信は、地域新聞から取材をしていただく機会にも繋がりました。本当に感謝しています。2人で立ち上げた小さなお店ですから、まずは”多くの人に知ってもらうこと”の大切さを実感しています。


まずは”知ってもらう”こと、確かに大事ですよね。そうした周りの方からのリアクションを実感するのは、やりがいに繋がるのではないかと思います。では、BASEショップを始めてから、一番嬉しかったことはどんなことでしたか?

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お客さんからのフィードバックをいただけた時ですね。特に印象的だったのは、商品を買ってくれたお客さんがお子さんと一緒に楽しそうにコーヒーを挽いている写真をアップしてくれたこと。その方はうちのショップをきっかけに初めて、ミルで豆を挽き始めたそうなんです。今まで粉を買っていた人たちが、ミルでコーヒー豆を挽く魅力を知ってくれたこと、そして写真にうつる子供の楽しそうな表情をみられたのが、とてもうれしかったです。伝わっているんだなあと思って。


それは嬉しいですね!お客さんの喜んでいる顔を見るという点では、8月に出張販売も行ったそうですね。

そうなんです。街の商工会の方にお声かけいただき、8月に数回、地元の駅で出張販売をしました。コーヒーを飲んだお客さんのリアクションをその場で見るのは、初めての経験でした。駅での販売は、すごく面白かったです。コーヒー豆の香りにつられてお店に足を運んでくれたり、そこで私たちのお店の話や開業に至るまでの話を聞いてくれたり…地元の人の交流が出来たのも大きかったです。私たちのコーヒーショップはお店の名前に『大山崎』が入っていますが、それは大山崎への愛であったり、誇りを感じているからなんですよね。だからこそ地元の人にその存在を知ってもらったり、喜んでもらえたのはすごく嬉しいことでした。

また出張販売をしてみて驚いたのは、その日は商品を買わなくても、後日BASEショップを見にきてくれたり、Facebookでうちのお店のことを書いてくれたりしたお客さんがたくさんいたことです。リアルとネット、両方が繋がって相乗効果を生めるというのは、とても勉強になりました。



大山崎COFFEE ROASTERS、2人の挑戦は続く….


マスメディアへの発信、SNSでの口コミ訴求、出張販売でのリアルでの認知など、上手に広報を行っているからこそ、確実にファンを増やしているように感じます。最後になりますが、これからの大山崎COFFEE ROASTERSの展望について教えて下さい。

 小さなところで言うと、妊婦さん向けのコーヒー豆を販売することですね。 妊婦さんってカフェインの関係で、コーヒーが飲みたくても飲めない人がいるんです。だからまず、デカフェ*を扱いたいなと思っています。
(*=本来カフェインを含んでいる飲食物からカフェインを取り除いたり、通常はカフェインを添加する飲食物にカフェインの添加を行わないことで、カフェインを含まなくなった飲料物のこと)

 そしてもうひとつ、大きなところで言うと、大山崎で実店舗をオープンさせることですね。そしてネットショップとの両輪で、商売を続けていきたいです。その中でも根底にあるのは、移住をしてきた自分達だからこそ実感できる大山崎の魅力を全国に発信すること。ただコーヒー豆を売るだけではなく、コーヒー豆を媒体として、大山崎の魅力も同時に発信できたならば、それが自分たちの本望です。

想いとこだわりが詰まった大山崎COFFEE ROASTERSを営む中村ご夫婦、今後とも応援しております。本日は素敵なお話をありがとうございました。

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(編集後記)
さっそくいただいたコーヒーを、お家で挽いてみました!! ミルでごりごりとコーヒー豆を挽く時のハンドルの触感、粉にお湯を注いだときに広がるコク深い香り…そしてコクがありながらも酸味は控えめで上品な味のコーヒーに、中村夫妻のこだわりと想いがじんわりと伝わってきました。いつか京都へ行くときには、大山崎に立ち寄ってみたいなと思った、同じくライター「中村」なのでした…!

大山崎COFFEE ROASTERS


文・中村朝紗子

ライター紹介

中村 朝紗子
中村 朝紗子
ライター。大阪府出身。雑誌「anan」、「東京カレンダー」、「マイナビ」などで執筆。BASE STORYではショップだけでは伝えきれない、ショップオーナーの想いとストーリーに迫る。







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