はじまりは「運命の出会い」。人と環境にやさしい石けんで、環境問題を身近なものに

2022.07.01(更新:2024.04.09)

近ごろよく耳にする「サステナブル」。
しかしながら、実際になにをすればいいのかわからない・ピンとこない方も多いのではないでしょうか。

BASE Uでは、環境に配慮した商品や、サステナブルな取り組みをされているショップオーナー様にインタビューをおこないました。

この記事を通して、サステナブルな取り組みを実践されているオーナーさんの想いを感じながら、自分の生活やネットショップ運営のなかでなにができるか、考えるきっかけになれば幸いです。

今回お話をうかがったのは、KORU(コル)近藤祐子さん
ニュージーランドで作られた、植物由来の台所用石けんを中心に、肌と環境にやさしい生活雑貨を販売されています。


<KORU>で販売の石けんと生活雑貨を持つ近藤さん

「自分のショップ商品が大好き」と語る近藤さん。
販売のきっかけや、商品に対する想いをうかがいました。


<KORU>で販売されている、石けんとセルローススポンジ、ステンレス製の石けんケース

オーガニック石けんとの「運命の出会い」

ーー現在ショップで取り扱っている石けんは、どこで知ったのでしょうか?

出会いは、お土産でもらったことでした

石けんと出会う前、30年くらい前かな。わたし自身、手荒れがひどくて、日常生活に支障をきたすほどでした。
つねに強烈なかゆみや痛みがあって、お風呂では自分の身体も洗えないほどだったんです。

病院に行ったり、漢方薬を飲んだりしたんですが、どれもだめでした。
それでも「なにか原因があるはず」とあきらめずにいろいろ試したり、調べたりしました。

調べるなかで、どうやら化学物質がわたしの肌に合わないようでした
そこから、身の回りの洗剤からハンドソープまで、肌に触れるすべてを天然由来のものに変えてみたんです。すると、肌荒れが治まっていきました。

そんななか、ある方からニュージーランドのお土産をいただきました。それが、いま<KORU>で扱っている、オーガニックの石けんだったんです


プラスチックフリー・オーガニックの台所用石けん

ーー石けんは、ニュージーランドで有名なメーカーのものなのでしょうか?

それが、違うんです。
ニュージーランドの小さなマルシェで偶然、売られていたものだったそうです。
しかも、ブリジットさんという女性が一人で、手作業で作っているものでした。
日本でいう、道の駅で売っているような、地方の工芸品といった感じでしょうか。

それまでさまざまなオーガニック製品を試していたんですが、ブリジットさんの石けんが、わたしの肌にぴったり合って。
手荒れが治まるだけでなく、肌質までどんどんよくなっていって、すっかりファンになってしまいました。

ーーまさに「運命の出会い」だったんですね。

そのとおりです。
それから、ブリジットさんの石けんを使い続けるうちに、わたしと同じように肌にお悩みを抱える方に、この石けんを届けられないか、と考えるようになりました。

オーガニックの石けんや洗剤って、肌にはやさしいんですが、ちゃんと汚れが落ちないなど、使い勝手が悪いことがあるんですよね

ブリジットさんの台所用石けんは、オーガニックなのに洗い心地がよくて、すごくかんたんに食器についた油が落ちるんです。しかも、泡切れもよくて


すすぎがかんたんで、節水にもつながります

その使用感がとてもよかったので、「ぜひみんなに使ってほしい!」という想いが強くなりまして。

そこで、生産者のブリジットさんに直接連絡をして、商品を日本で販売できないか、お話をしました。
販売業や輸入についての知識や経験は、なにもない状態でしたが、当時は熱意だけで動いていました


コールドプロセス石けんも販売予定

ニュージーランドから日本へ。石けんへの“愛”からはじまったネットショップ

ーーニュージーランドにお住まいのブリジットさんとのやり取りで、苦労した点はありますか?

苦労したのは、やはり言葉でしたね
こちらは英語を話せないので、ニュアンスが伝わらないことが多々ありました。

それに、ブリジットさんからしたら、いきなり知らない日本人がコンタクトを取ってきて、「石けんを売りたい」なんて、怪しいと思いますよね?(笑)。
言葉の壁もあったので、信頼を得るのに時間がかかりました

それでも、なんとかわたしのことを信用してもらいたくて、石けんの大ファンだという熱意を、ていねいにお伝えしました。

そこからやりとりするなかで、ブリジットさんが石けん作りをはじめられたきっかけが、肌が弱いご家族のため、だったんです。

「肌の弱い方のために、なんとかしてあげたい」という想いの根底は同じ、ということをわかってもらえたので、そこから信頼関係はおのずとできあがっていきました。

また、ブリジットさんは環境問題の解決、とくにプラスチックフリー製品を広めることに、強い使命感をお持ちの方でした。


ニュージーランドの美しい自然

ブリジットさんが着目したのは、合成洗剤やシャンプー、ボディソープの入っているボトル類です。
固形石けんにすれば、ボトルは必要ありません。いつもの洗剤を、固形石けんに変えていただくだけで、プラスチックフリーに取り組むことができます

わたし自身も、海のそばで暮らしていた経験もあり、海に流れ込むマイクロプラスチック問題には、危機感を抱いていました。
そのお話を聞いて、よりいっそう、ブリジットさんの石けんのファンになったんです。

身近なことから、環境問題に興味をもってもらいたい

ーー肌にも環境にもやさしい石けんなんですね。環境にやさしい商品は、ほかにも扱われていますか?

石けんのほかに、より安価で、生活に取り入れやすいセルローススポンジも取り扱っています。


<KORU>で販売されている、セルローススポンジ

一般的なスポンジは、ポリウレタン、ナイロン、アクリルなどの合成繊維を使った、プラスチック製が多いです。
<KORU>で扱うセルローススポンジは、間伐材を原料とした、植物繊維で作ったスポンジです。
植物性なので、土のなかに埋めると、自然に分解されて、土に還ります。

それだけでなく、セルローススポンジは、乾燥が早いんです。
また、熱湯消毒ができるので、衛生的にも気持ちよく使っていただけます
そのうえで、かんたんにプラスチックフリーに取り組んでいただけるスポンジとなっています。

わたしもそうなんですが、環境問題って自分からは遠い、関係ない話、って感じてしまいがちですよね?
結局なにをすればいいかわからない方、多いと思うんです。

なので、セルローススポンジのように、安価で手軽な、使い心地のいいサステナブル製品を使ってもらって、そこから環境問題に対する興味をもっていただきたいな、と思っています。

ネットショップを通じて「地球への恩返し」

ーー梱包についても、サステナブルな取り組みをされている、とうかがっています。

はい。
プラスチックの袋や梱包材は使わず、紙で包装しています
また、商品が届いて、開封したあとのごみが少なくなるよう、簡易包装で送らせていただいています


サステナブルな梱包素材を包装に使用

使用している梱包素材については、FSC認証紙を使っています
FSC認証紙とは、適切に管理された森林資源を使用している紙のことです。
紙への印刷も、植物由来のインクを使用し、環境負荷が少ない素材を使用しています

また、ギフト用BOXは再生紙100%を、ギフト用クッション材には、高知県の間伐材を使った、天然のもくめんを使用しています


クッション材のもくめんは、エアプランツホルダーとして使用できる

通常包装や、ギフト包装にいたるまで、できるだけ植物性のものを使うようにしています
エコなのはもちろんですが、再生紙の風合いや雰囲気も、素朴だけど上品で、ブランドコンセプトに合っていて、お気に入りです

ーー紙のやさしい雰囲気が、<KORU>にぴったりですね。最後に、今後ネットショップで取り組んでいきたいことを教えてください。

いま考えていることは、売上げの一部を環境保全団体に寄付して、環境を守る活動を微力でもサポートしていけたら、と考えています。

わたし自身、生活のなかで、つねに思っていることがあるんです。
それは、水や食物など、人間の生活に欠かせないものの多くは、地球のものであること
それをちょっとずつ使わせてもらっている、つまり、わたしたちは「地球に生かされている」ということです。

近日発売予定のレモングラスのエッセンシャルオイルが配合された、固形シャンプー&コンディショナー。他にラベンダー&ローズマリーも。

ネットショップをつうじて、地球に少しでも恩返しできるよう、そしてブリジットさんの石けんの魅力を伝えるためにも、販売を続けていきたいです。


シアバターやアーモンドオイルなど、肌に優しい成分のみで作られたフェイスクリーム&ボディクリームも販売予定

インタビューを終えて

肌荒れに悩むなか、ニュージーランドの女性によって手作りされた石けんと「運命の出会い」を果たし、ネットショップをはじめられた近藤さん。

石けんに対する熱意によって、ブリジットさんをはじめ、多くの方に助けられながらネットショップを運営している、と語ってくださいました。
ご自身の情熱ときちんと向き合い、伝えていくことで、その熱は周りの方を動かす大きな力となる、と感じました。

近藤さんの熱意は、ブリジットさんの石けんとともに、より多くの方へ届くことでしょう。

ショップ情報

ショップ:KORU
Instagram:@koru_jp

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