2020年9月30日(水)、「飲食店の新たな挑戦vol.2 売れる飲食店・ネットショップの作り方〜コロナの逆境に負けない新しい手法〜」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。本セミナーは、ゲスト講師に<株式会社favy>執行役員CMO・足立氏、「べランディング鳥幸」を運営する<東京レストランツファクトリー株式会社>通販事業部マネージャー・高原氏をお招きし、「売れる飲食店・ネットショップの作り方」に関しておうかがいました。
申込者数は322名と、前回同様多くの方にご参加いただきました。
目次
この先飲食店が取り組むべき3つの重要なポイント
まずは<株式会社favy>足立様にご登壇いただき、「この先、飲食店はどうなっていくべきか」についてお話しいただきました。
ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえ、変化が求められる飲食店のあり方
新型コロナウイルス感染拡大を受け、緊急事態宣言が4月に発令され、飲食店は休業を迫られました。それによって、多くの飲食店が業績が落ち込みました。
そこから、6月時点で前年比半分くらいまで戻り、グルメ系ワードの検索数の戻りなどを見てみると、集客に関しては8月末時点で7割弱くらいまで戻ってきたのではないか、と予測されます。しかし、落ち着いてきたとはいえ、新型コロナウイルスが再流行する可能性もゼロではないなか、リアルビジネスの制約として、来店数が戻らない状態は経営的にも厳しいことが容易に想像がつきます。
出典:株式会社ぐるなびIR資料,2021年3月期 第1四半期決算説明会資料
出典:ホットペッパーグルメ外食総研,外食市場調査(2020年6月度)
<favy>が考える、これからの飲食店の重要ポイントは以下になります。
具体的に重要なポイントを踏まえ、何をすべきか
では、そのような状況でどうすればいいのか。
まず、GoToEatキャンペーンは飲食店への来店需要喚起を狙う農林水産省が企画する施策であり、「食事券発行」「オンライン予約」が対象となります。「ファンくる」を運営する株式会社ROIの調査によると、9月時点で80%の人が「Go To Eatキャンペーン」を“利用したい”と回答されていることからも、来店のきっかけづくりとしては申し分ない、と言えます。そのなかでも、<favy>が参加しているFTPは、送客手数料と基本手数料がともに0円であることから、ぜひこの機会にご利用いただければと思います。
また、顧客情報の活用については、まずはLINE@などを活用し、簡易的にでもはじめることが第一です。名前・電話番号・メールアドレスの基本情報はもちろん、来店回数や支払い金額、来店頻度などの情報も管理できるようになると、サービス改善・顧客満足度アップにつながり、お店の利益拡大につながるでしょう。
最後に、新しいビジネスモデルの導入検討として、考えうるリソースをフルに活用できる術を選択し、取り組みましょう。リソースとしては、以下のようなものが挙げられます。
リソースを踏まえ、<favy>でも実際にその活用を試してみた結果、以下のようになりました。
「BASE」を活用してプロモーションなしでネットショップを立ち上げたところ、売上は多い月で20万円となり、伸びる余地が見えました。YouTubeに関しては、収益としてはまだまだですが、時間をかけて取り組めば可能性があると思うので、これからも継続していきます。
そして、継続課金の作業を自動化したり、シークレットな会員券の作成、会員数・解約率をリアルタイムに確認したり、会員へのお知らせ配信ができるなど、さまざまな機能を初期費用0円、最低月額7,000円から提供している「サブスク」(favy発サービス)も利用。今回は来店きっかけづくりを目的に、1日1杯クラフトビールが飲める「クラフトビールパスポート」というサブスクメニューを月額2,800円で提供したところ、会員の1ヶ月平均来店回数が6.9回となりました。なお、「サブスク」では、以下のようにさまざまな詳細データが取得でき、改善に活かすことができます。
来店のきっかけづくり、という目的を果たすことはもちろんのこと、会員向け限定の情報を発信するなどの個人に紐づいた真の顧客データを活用できるうえ、既存リソース・オペレーションでも十分に回すことができる、おすすめのサービスです。
ご興味のある方は、ぜひ以下までお問い合わせください。
<favy>問い合わせ窓口:https://bit.ly/3dbQy7M
<べランディング鳥幸>が売れるために取り組んだこと
続いて、<べランディング鳥幸>を運営する<東京レストランツファクトリー株式会社>の高原氏をお招きし、売れるために取り組んだことをお話しいただきました。
Q. 2020年5月下旬に緊急事態宣言が終了し、約4ヶ月が経過しましたが、お客様はお店に戻ってきていらっしゃいますか?
A.まだ新型コロナウイルスが流行する前とは程遠いですが、5割程度は戻ってきてくださっています。緊急事態宣言中は、完全に休業する措置を取っていたこともあり、まだ終わってはいませんが、今年は本当にしんどい1年になりましたね。飲食店にとって、5割減は死活問題です。また、私たちが扱っているのは、スーパーで売っていないような高級な地鶏です。その出荷がすべて止まってしまい、生産者からも相談を受けたんです。生き物ですから、生育は止められません。冷凍ストックの倉庫もいっぱいになろうとしていた状態でした。そこで「このままではまずい!」と感じ、検討を重ね、通販をはじめることにしました。
Q. はじめて通販に取り組まれたと思うのですが、不安や失敗したらどうしよう、といった気持ちはなかったのでしょうか?
A.多少は当然ありましたが、まずはやってみて、わからないことやむずかしいことが出てきたら、その都度柔軟に対応していく、というのが会社のスタンスだったので、踏み切れました。ただ、想像以上に大変でした(苦笑)。
もっとも大変だったのは、配送ですかね。ありがたいことなのですが、想定以上の注文が入ってしまったのに加え、最初はすべて自社でおこなっていたので、とにかくてんやわんやで。配送が少し遅れてしまうなどの問題が起こりました。それ以外も、最初は大変でしたが、なんとか乗り切りましたね。
<べランディング鳥幸>のネットショップ https://fanfuntoriko.thebase.in/
Q. 通販をやってみて、よかったことはありますか?
A.自分たちで通販をやると、スピーディーに動けるので、お客さんの反応がすぐ返ってきます。そのため、改善ポイントが明確にわかることがよいですね。
完璧に準備できる人であれば、きちんと準備されてから、でいいと思うのですが、自分たちが見ている視点で物事を考えがちになってしまう、と思います。
注文が入り、梱包して、配送し、最終的にお客さんのお口に入って満足いただくところまでが仕事なので、なかなかいきなり完璧にやるには、ハードルが高いと思います。ある程度決めうちではじめていいんじゃないか、と思います。そこから改善していけばいいわけですし。
たとえば<べランディング鳥幸>のネットショップのページの色合いは、最初は無地で真っ白な背景でした。そこを購入者の客層を踏まえ、途中から<べランディング鳥幸>のコンセプトとは違うだろう、と思い、思い切って現在の黒でモダンな色合いに変更したり(笑)。
ほかにも、アレルギーの食品の記載を追加したり、梱包から出荷まで、自分たちですべておこなっていたものをアウトソースしたりなど、小さな改善から大きな改善まで、想定できたものもあれば、やってからではないとわからないものも多々ありましたが、どれもまずははじめてみてからやったことばかり、ですね。
Q. コンセプトのお話が出ましたが、<べランディング鳥幸>のコンセプトはどのように作られ、そして何にこだわったのでしょうか?
A.基本のコンセプトとしては、お店での“体験”をお客様のご自宅でも、簡易的に実現すること。それがコンセプトの原型です。焼き台もしかりですが、お店で使用するものと同じ鶏肉やスパイスなどをお届けし、YouTubeで焼き方の解説動画を流して視聴していただき、なるべくお店に近い形で焼き鳥を楽しんでいただく“体験”を届けるようにしています。
この“体験”を売ることに、とことんこだわりました。雰囲気や焼き鳥の焼き方は当然違うので、お店とは若干異なってしまいます。一方、料理に必要な具材や調味料はお店と同じなので、かなり再現性は高いと思います。
また、今回の<べランディング鳥幸>では、お客様自身で焼き鳥を焼かれるので、いい意味でふだんの鳥幸では味わえない“体験”もお届けできているかと思います。
Q. 通販の集客は、どのようなことをやられたのですか?
A.新型コロナウイルス前から足繁く通ってくださった常連の方や、飲食のインフルエンサーの方々に商品を取り上げていただよう、地味ですがひたすら連絡し続けました。商品には自信があり、満足していただけるはずだ、と信じていましたから。
それがみのり、Instagramを中心にSNS上でシェアしていただき、そこから口コミが重なり、最終的にテレビなどの大手メディアの目に止まり、テレビ放送を通じて、さらに認知をしてもらうことができました。
皆様にお伝えしたいのが、集客は手法に走りがちなのですが、いちばん大事なのは商品です。商品がよくなければ、いくら集客に力を入れたところで、一向に広がりません。そして、SNSは日々大量の情報で埋め尽くされますから、差別化が必要不可欠です。<べランディング鳥幸>は、「お店での“体験”をお客様のご自宅でも実現」ができるよう、考えに考え、オリジナルの焼き台とクオリティに妥協しないお肉と調味料を、セットで提供することでの”美味しい体験”の再現性が、差別化できるポイントと考えました。
Q. 今後、ネットショップを通じてやっていきたいことは何かありますか?
A.<べランディング鳥幸>の話からは脱線してしまうのですが、<東京レストランツファクトリー>では、ほかの業態のレストランも運営しております。<べランディング鳥幸>と同じように、おうちで気軽に本格的な料理が楽しめる何かをやれたら、とは思っています。他業態とのコラボなどもできたらいいですね! また、購入者とコミュニケーションできる場をFacebook上に作ったので、これをきっかけに、<べランディング鳥幸>の輪がもっと広がっていってくれるとうれしいですね!
最後に
先日、「BASE」のショップ開設数が120万を突破し、それを記念してキャンペーンをスタートいたしました。
2020年9月29日から2020年12月31日までの間に「BASE」のショップを開設された方を対象に、ショップ開設日から60日以内で売上確定された注文の決済手数料、サービス手数料をキャッシュバックいたします。
※キャッシュバック対象売上は、上限1,000,000円までとなります。
また、既存のショップオーナーの皆様にも、ショップオーナーからお客様やファンの方にプレゼントできるクーポンを、10月から12月まで各月それぞれプレゼントしています。
さらに、「BASE」は新たな機能の開発を急ピッチで進めております。より皆様のネットショップが成長できるよう、全力を尽くしてまいります。
ぜひ「BASE」をご活用ください。
詳細は、こちらからご確認ください。→https://lp.thebase.in/1200000/
「BASE」は、新型コロナウイルスの逆境の中で活路を見出し成功された飲食店様や、飲食店経営をされるにあたって価値あるサービスを展開する企業様などと協力しながら、変化をサポートするセミナーを引き続きお届けしていきたいと考えています。
ぜひこちらのPeatixのグループをフォローいただき、次回のセミナーにもご参加いただけますと幸いです。