創業47年目の初挑戦。老舗ステンレス加工メーカーが、自社ブランド商品販売の舞台に「BASE」を選んだワケ。

2020.09.15(更新:2024.04.09)

「何もノウハウはなかった」

そう話すのは、熊本県山鹿市で食品機械や半導体に組み込まれる精密なステンレス部品を製造する、(株)丸山ステンレス工業の丸山社長。

2020年7月から「BASE」で販売をはじめた自社ブランド<STEN FLAME>は、事前のクラウドファンディングで300万円以上の資金を集めるなど、注目を集めました。

熊本県にある本社(左)と丸山良博 社長(右)

今回はその成功の背景にある、自社ブランド商品販売の苦労や、販売のプラットフォームに「BASE」を選んでいただいた理由などをおうかがいしました。

<関連リンク>
ショップURL:https://stenflame.theshop.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/stenflame/
会社HP:https://maruyama-sk.co.jp/

なぜ、自社ブランド商品の開発に至ったのか?

ーずっとBtoBで商売をしてきたなかで、自社ブランド開発をしようと決断した経緯はなんだったのでしょうか?

理由はおもに二つあります。

弊社は、発注元からの指示通りに製品を作る、いわゆる「下請け」的なスタイルで事業をおこなってきました。ところが市場競争は激しく、5年後10年後もこのままでいいのだろうか?やっていけるのだろうか?若い世代につないでいける仕事なのだろうか?という疑問がありました。

また商材の特性上、みんな最終的に何に使う何を作っているのかがわからない、いわゆる「顔がない商品を作っていた状態」でした。

自社ブランドという「顔がある商品」を開発することで、モチベーションアップやプライド的な部分でプラスになるんじゃないかと考えていたんです。

2年にわたる自社ブランド開発

ーはじめての自社ブランド開発となると、かなり大変だったのではないでしょうか?

そうですね、売り方も作り方も何もノウハウがなかったので、たまたま経済誌で目に止まったデザイン会社さんに検討を重ねたうえでアプローチし、結果的に手伝ってもらうことになりました。

ー最終的にアウトドア商品を作ることになったのは、どんな経緯だったのでしょうか?

どんな商品にするのか、に関しては、かなり試行錯誤しました。

インテリアやステーショナリーなどいろいろと考えましたが、男ばかりの会社なので、そういったものよりもアウトドア商品の方が、社内の目線が合うというのが大きなポイントでした。

社内でバーベキューをしながら社員に意見を聞いてみたりして、商品がやっと決まったのは2019年の秋ごろですね。

はじめてのクラウドファンディング

資金調達をおこったクラウドファンディングサイト「Makuake」

ーどういった流れでクラウドファンディングをすることになったのでしょうか? もともと、そういった販売戦略だったのでしょうか?

いえ、そうではありません。2020年の2月にギフトショーにこの商品を展示したさいに、クラウドファンディングの会社からアプローチを受けたのがきっかけです。

ーはじめての自社ブランドで、いきなりクラウドファンディングは勇気がいりそうですね。

たしかに未知数で、不安もありましたが、いきなり一般販売を開始するよりクラウドファンディングで実績を作った方がやりやすいかな、と。

どれくらい注文が入るのか、注文があったらあったで滞りなく届けられるのか、という不安を抱えながらのチャレンジでしたね。

でも今振り返ると、それがいい準備期間になっていて。「BASE」でのオンライン販売時には、スムーズに始動することができましたね。

ーなるほど。クラウドファンディングの受注〜発送までの一連の流れが予行練習になったんですね。

そうですね、クラウドファンディングの期間に、社内の体制の準備なども進めることができました。

当初は、どこで売るかも決まってなかった

<STEN FLAME>の第一弾商品「Bonfire Grill」。レーザー加工によって本体側面に繊細な模様を施した、片手で簡単に持ち運べるコンパクトな焚き火台。デザインは3種。

ー自社商品を開発した段階で、販売する場所はネットショップにしよう、と思っていらっしゃったのでしょうか?

いえ、そうではなかったですね。どこで販売するかは、ギフトショーに出展中のころからずっと考えていました。

どこかに卸すのか、自分でリアル店舗を構えるのか……

ただ、本業が別にあるなかで、実店舗を出すほど多額の設備投資もできないですし、小売に卸しても、どれくらい売れるかも分からないわけで(かつ、卸し価格だと利幅もほぼ無くなる)。

それだったら、ネットショップを出して正規の値段で売れていくのが、少しは利幅もとれるし現実的な選択肢だな、と考えたんです。

ー「BASE」を選ばれた理由はあるのでしょうか?

実際に近所の店の方がリアルなお店をやりつつ、「BASE」でネット通販をされていたんです。また、知り合いの会社も「BASE」を使っていたのが大きな理由です。

決済もいろいろと用意されていたり、手数料も売れてはじめて請求されるので、リスクがなく、取り組みやすかったですね。

ーこれ!っていう決め手はあったのでしょうか?

やっぱり、わかりやすいですし、使っている業者さんが多いのが安心材料でしたね。

決済の部分で、購入者さんとの間に「BASE」が入ってくれているのも安心材料の一つですね。通常なら、集金のことも考えなければならないのですが、「BASE」ではそこを考えなくていいから安心ですよね。

また、お客さん自身も安心してネットショッピングができるのがいいと思います。

日々の運用は、社長が自ら手を動かす

「BASE」で出店している<STEN FLAME>のトップページ

ー日々の運用は、どうされているのでしょうか?

受注などは、自分で管理画面を確認しています。工場への発注などは、事務員さんと連携してやっています。
それ以外にも、ショップのコピーを付け加えたり、プレスリリースを埋め込んだり、ユーザー投稿を埋め込んだり、といった販売強化施策は、自分で手を動かしてやっていますよ。

ー社長自らやっていらっしゃるのは、驚きですね! かなりお忙しいのではないでしょうか?

これだけをやっているわけではないので、忙しいは忙しいですよね。でも今後のことを考えると、ネットなどに販路を広げていかないといけないかなと。

ネットショップをやることで、商品や会社を知ってもらうことも必要だと思っています。

今後は、第二弾商品の販売も視野に注力していく

ーネットショップをはじめてみて、ポジティブな影響はありましたか?

ありますね。弊社はもともと一般向けの商品を作ってないところからのスタートだったので、自分たちがどこの何を作ってるかもわからない状態だったんです。

それが一般向けの、いわゆる「顔がある商品」になったので、家に帰って家族に話す、友人に「こんなの作っているんだ」と話すことができるようになりました。

それが、結果的に社員のモチベーションや仕事へのプライドにつなげていけていると思っています。

ーこんなすばらしい商品だったら、自信になりますよね! 今後の展開は、すでに何か考えていらっしゃるのでしょうか?

一発だけで終わりはさびしいので、第二弾商品は考えています。

まだまだ集客面に課題があり、投資費用も回収できていませんが、第二弾商品の発売で、第一弾商品とともに売れていけばいいな、と考えています。

まとめ

BtoBメーカーによるtoC向けの自社ブランド商品の開発、という新しいチャレンジの過程をお聴きすることができました。

はじめての経験ゆえ、苦労はありつつも「自社ブランド商品を作る」ことによって発生したポジティブな影響を語る、丸山社長の活き活きした言葉がとても印象的でした。

ネットショップ作成サービス「BASE」では、初期費用・月額費用無料でネットショップを作成できます。

丸山社長もご自身で管理画面を触ってらっしゃるように、「BASE」は専門知識などがなくても、直感的にネットショップの開設、運用が可能です。

新しいチャレンジを考えている同業他社の皆様も、ぜひ一度「BASE」を触ってみてくださいね。

2022年4月より、新料金体系「グロースプラン」が登場。

決済手数料2.9%+月額費用16,580円/月※という料金体系で、ショップの売上規模が大きくなっても使いやすいプランとなっています。くわしくはこちらをご確認ください。

※2024年1月16日より料金を改定しました。表記は、年払いで支払った場合のひと月当たりの料金。年払いでの総額は、198,960円/年。

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