セミナーレポート:フード関連商品をネットで販売する際に学んでおきたいブランディング手法

2019.01.30(更新:2024.04.09)

イベント概要:https://peatix.com/event/576659/view

フード関連ショップならではのブランディング課題

ネットショップ開設が当たり前になってきた近年では、果物や魚介類といった生鮮食品から、スイーツやドレッシングなどの加工食品まで幅広く、フード関連のネットショップ運営するオーナーズも増えてきました。

一方で、フード関連のショップオーナーの中には、

・外見での差別化が難しいのに、どうすれば試飲や試食なしで美味しさが伝えられるのだろう?

・どうすればこだわりの伝わる魅力的な写真が撮れるんだろう?

といったネットショップ特有の悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。

今回これらの課題に対し、BASEとオーナーズとパートナーの共創によりブランド価値を高めていくプロジェクト「&BASE(アンドベイス)」より食の商品開発の専門家とブランディングの専門家の2名を招聘し、第一線で活躍するプロの2人から食品ならではのブランディング手法、写真の撮り方やプレスリリースなどのヒントをいただくイベントを開催しました。

イベントに参加できなかったオーナーズの皆様も、ぜひ参考にしてみてください!

登壇者

鈴木宏平 氏(nottuo株式会社 代表取締役 クリエイティブディレクター)

岡山県西粟倉村と東京都両国の2拠点で展開しているブランディングデザインファームnutto 株式会社代表取締役。岡山・東京・大阪など、地方・都市圏に関わらず全国の中小企業クライアントに向けて、「デザイン経営」に変革するためのブランディングデザインを提案する。

 

▼nottuoが携わった案件一部紹介

・マシュマロ和菓子『つるたま』
・オオスズメバチの焼酎漬け販売『あつたや』
・『酒うらら』の定期宅配便

野口朋宏氏(株式会社キースタッフ 代表取締役社長)

キースタッフでは全国各地で地域資源を活用した商品開発(レシピ開発から、衛生・品質管理、製造指導、パッケージデザイン、ウェブサイト構築、加工場づくり、販路開拓まで)やセミナーを実施。野口氏の専門はデザインで2005年より全国の6次化支援を実施、各地にパッケージデザインやウェブ制作の実績多数。

 

▼キースタッフが携わった案件一部紹介

・東北の食で満たす 地域と食卓『満乃食』
・隠(なばり)タカラモノ農産加工所マルシェ
・カネサオーガニック味噌工房
・曽我農園 SOGA FARM
・海田園黒坂製茶

 

お客様を惹きつける写真は「逆光」がカギ

(https://sogafarm.base.shop/)

BASEでは、1商品につき20枚の写真を設定することができます。つまり、20回お客様に商品の魅力をアピールできるチャンスがあるのです…!しかし、フード関連の商品では例えば野菜のように差別化が難しいものが多かったり、そもそもどのようなカットが魅力が伝わりやすいかなど、悩みはつきません。そこでお2人に初心者でも競合と差がつく商品の撮影の仕方をお聞きしました。

鈴:生産者さんは誰もが「味」にこだわりをもっていらっしゃいます。商品説明を丁寧に作っているオーナー様が多い一方で、説明文を見てもらうまでに1枚壁があると考えています。どんなこだわりをもっているのか、他の商品に比べてどんなにおいしいかをわかってもらうためにも、写真はすごく大事です。

野:文章を見てもらうためにも、第一印象で引き付けられる写真を掲載していることが重要ですよね。1つのテクニックとして、料理の写真は逆光で撮るのがオススメです!!

鈴:僕も逆光がいいと思います。順光だと陰影がつきにくく、写真が魅力的でなくなることが多いんですよね。さらによりいい写真を撮るためには、光にこだわって自然光で撮ったほうがいいです。実は、よくInstagramなどで見かける写真で「あ、いい写真だな。美味しそう。」と感じるものは大抵自然光で撮られています。

野:自然光で撮ると蛍光灯の元で撮られた写真よりも圧倒的にシズル感が出ますね!あと、iPhoneX でとるならボケ感を出すためにポートレート!それだけで全然クオリティが違います。

 

誰とどこで利用するか、ストーリーを明確に

フード関連の商品を扱うショップオーナーに多いのが、「写真を撮ろう!と思っても、いざ撮ってみると案外バリュエーションないな」という悩み。食品ならではのシーン選定のコツを聞いてみました。

(https://www.michinoku-noto.com/)

 

鈴:写真の中に、その商品の使用シーンは絶対にあったほうがいいと思います。ソースだったら商品をペーストしているところ、ドレッシングかけているところなど。どんな空間か、誰と食べるかまで、ストーリーを考えて写真を撮ると、お客様も自分が手に取っているところを想像しやすいと思います。

野:僕の関わっているショップでカニ油を作っているショップがあるのですが、撮影の時はカニ油をコックさんに渡して、「あなたならどう使う??」と質問し、いろんな料理を作ってもらいました。また、写真を撮る際はカメラマンさんにお願いするのも手だと思います。やはりネットショップで食品を売る場合、写真が勝負になりますので、写真に対して投資をすることは、お客様の信頼を獲得し、売上を上げる近道になると考えます。

鈴:カメラマンさんを選ぶときは、知り合いに頼むか、「ランサーズ」などのクラウドサービスを使うのも手ですね。カメラマンさんによって物撮りのみの方や色々なシーンを撮影をしてくれる方もいるので、よく調べてみてください。

 

(http://shop.kkhr.jp/items/411403)

例えば、BASEのショップオーナーであるココホレジャパンでは上の画像のように、漁で取れた魚が商品になるまでのストーリーを写真を縦並びに設定できるデザインテンプレートを利用した工夫がなされています。ストーリーの伝わる写真とこだわりの詰まった文章で、お客様の目を引く工夫ポイントは必見です。

 

こだわりを求める消費者へ送る、情報発信のキモ

鈴:情報に関して言えば、安いものではなくこだわりのあるユニークな商品を探している方が増えてきている気がします。

野:確かにユニークな商品は一般のお客様以外にも、料理人や飲食店や食の専門店などを運営されている方も探していますね。質やストーリーが重視されている傾向があります。そんな専門家の人に商品を見出してもらうにはは自らアクションを起こさないかぎりないので、SNSでの継続的な告知やプレスリリースを出すなどして、きっかけを自分で作っていきましょう

鈴:最近では、クラウドファンディングが新しいプロモーションの形としても有効ですよね!また、ブランディングの会社とタッグを組見たい方は、デザイナーさん選びも重要なポイントですよね。「東京にいいデザイナーさんが集まっているのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、大切なのは「コミュニケーションを密にとれる」こと。心の距離感が近いと、話合える頻度も高いかもしれません!

野:ECサイトだけとかパッケージだけ、チラシだけといった感じで部分部分でデザインなどを請け負ってくれるデザイン事務所は多いですが、包括的にやってくれるところは意外と少ないです。各地域にある産業振興センターなどに専門家が登録されている場合もあるので、デザイナーを探している方は相談行ってみてもいいかも。

 

まとめ

(当日は和気あいあいとした雰囲気のなか、セミナーが行われました)

今回は、BASEとオーナーズとパートナーの共創によりブランド価値を高めていくプロジェクト「&BASE」パートナーのお二人にフード関連ショップが抱える食品ならではの悩みについてお話を伺いました。

写真の撮り方や、シーンの選定、ブランディング方法などぜひ活用してみてください!

BASEでは、ショップオーナーの皆さまのためになる様々なセミナーやイベントを定期的に開催しています。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 

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