「ネットからリアルへ」では、「BASE」初の常設店舗「SHIBUYA BASE」の出店オーナーズにその魅力をおうかがいし、ネットショップがリアルの場へと挑戦する意義をお伝えしていきます。
第4回は、<MEME>の楫江(かじえ)さんにお話をうかがいました。
<MEME>は、オリジナルのサングラスやアパレル商品、オーナーが直接買い付けたヴィンテージ商品などを販売しているブランド。
https://www.instagram.com/_meme_vintage/
ーーブランドのコンセプトと、ブランドを立ち上げた経緯について教えてください。
「映画のなかの世界のような女の子」を意識しています。わたし自身の憧れでもある、「モテ」や「男ウケ」を気にしないような意志の強い女の子をイメージしてブランドを作り上げています。
もともと洋服が好きで、Instagramにコーディネートの写真をよく上げていたのですが、フォロワーの方に洋服について訊かれることが多く、そのなかである企業の方にブランドをやらないかとお声掛けいただき、はじめることになりました。ただ、そこではオーナーではなく、あくまでもプロデューサーという立ち位置だったということもあり、自分の世界観をもっと表現するには自分でやったほうがいいのかもしれない、と思うようになり、独立してゼロからすべて自分でおこなうことにしました。
ーーなぜ「BASE」を選んだのですか?
最初は「BASE」と別のサービスを比較して、どちらを使うか悩みましたが、たまたま別のサービスの方と関わる機会があったときにあまり相性がよくなかったので、「BASE」を使うことにしました。
ーーショップ運営は一人でおこなっているのですか?
本業は美容師で、ブランド運営は副業として夫と二人でおこなっています。
映画のワンシーンをイメージしたアイテム
ーーどのような商品を取り扱っていますか?
基本的には、ヴィンテージとオリジナルの二種類の商品を扱っています。最近ネットショップではオリジナル商品が多くて、ヴィンテージ商品は、ポップアップならではの特別感を出すためにも、ポップアップ限定で販売しています。
オリジナル商品については、ショップの世界観をかなり意識しています。フォトプリントの商品やショップページに掲載しているポスターなどは、すべて映画のワンシーンをイメージして撮影したものです。
ーー撮影もすべてご自身でおこなっているのですか?
モデルさんの撮影は、プロのカメラマンに撮影してもらっています。モデルさんはほかのブランドでもモデルをしている人ではなく、「この子かわいいけど、誰だろう?」と思ってもらえるような人をInstagramで探して、直接連絡して依頼しました。
また、作品を客観的に見るために、ヘアメイクも自分でやらずにほかのプロの方にお願いしました。事前に撮影場所やポージングなどの参考資料を提示し、本物の映画のワンシーンを撮影しているかのように演出しています。
今までは、自分自身の写真を商品写真やSNS掲載用として使用することが多かったですが、今後はモデルさんの写真を掲載することで、もう少し上のランクにのぼっていきたいな、と。
フォロワーには媚びず、自分がよいと思うものだけを
ーーSNSアカウントを運営する上でも、世界観を大事にしていますか?
ブランド開始当初は、いいね!数やフォロワー数を気にしていましたが、今はあまり気にしていません。フォロワーに媚びずに、自分が本当によいと思ったものだけを上げるようにしています。
ーー「SHIBUYA BASE」に出店しようと思ったきっかけは何ですか?
募集していることを偶然知って、応募しました。ほかの商業施設の場合はレジや什器、ショッピングバッグなども自分たちで準備しないといけない上に、手数料もかなり高い場合が多くて。それに比べて「SHIBUYA BASE」は、渋谷といういい立地であるうえに、出店費用が出店手数料の15%のみ、ということで、試しにチャレンジしてみたい、と思いました。
お客様の反応から新商品のアイディアも
ーー実際に出店してみて、よかったことや学んだことはありますか?
実際に目の前でお客様の反応を見て、次のアイテムのアイディアが浮かびました。自分がいいと思っても、お客様の反応がよくなかったり、予想外に売れ行きがよい商品があったり。ふだんネットで販売しているなかでは、なかなかわからないようなお客様の反応を直接見ることができてよかったです。
ーー今回足を運んでくれたお客様は、フォロワーの方が多かったですか?
今回だけに限らず、ポップアップに来てくださるお客様は、元からInstagramをフォローしてくださっている方が多いです。わたし自身が美容師であることもあってか、お客様にも美容師の方が多く、またその美容師の方に憧れている方たちもお客様になってくれています。自分の世界観をしっかりと持っているおしゃれな方が多いのですが、「モテ」を意識せずに自分が好きなものを表現してほしい、という私の思いともマッチしているのかな、と思います。
美容師としてもブランドとしてもさらに成長したい
ーー今後の目標はありますか?
じつは、今年サロンをオープンすることが決まっていて。そのサロンの一角には、<MEME>のスペースも作る予定です。今後はそこで、サロンとブランドを併設するお店として今以上に盛り上げていき、美容師としてもブランドとしてもさらに成長していきたいと考えています。