ネットショップで商品を販売する上で、商品写真の見栄えは重要です。
とくに食品を扱うショップでは、「おいしそうに見えるか」が購入に与える影響は大きいです。
今回は、食品を扱うショップに向けて、おいしそうに商品を撮影するポイントとその方法をご紹介します。
食品写真に必要な「シズル感」とは?
見た瞬間に、「おいしそう!」と感じるような写真ってありますよね?
「シズル感」とは、目にした瞬間に食欲を刺激する、お客様に目で見ておいしさが伝わり、「食べたい」と思わせるような撮影の表現として使われています。
もともとの語源は、英語の「sizzle」と言われており、「食べ物が焼けるジュージューといった音」のことを意味しています。
そこから「食べたい!」と思わせる表現という意味で使われるようになりました。
たとえば、肉汁がじゅわ~っとあふれている瞬間、湯気が立ち上っているできたての瞬間、野菜のみずみずしさが輝いている瞬間、などがあげられます。
<肉汁溢れるステーキ>
<湯気が立ち上るラーメン>
撮影のテクニックを使って、こういった「シズル感」を表現できると、ネットショップでの購入率向上に大きく寄与するでしょう。
シズル感を出す写真撮影のポイントは?
1. ライティング
光の入り方で、商品の印象は大幅に変わります。
初心者であれば、まず「自然光」を活用するのがおすすめです。
暗すぎても明るすぎても、商品のよさを伝えることはできません。「自然光」の下で撮影すると、実際の商品により近い色や雰囲気を伝えることができます。
食べ物のシズル感を出すには、「立体感」と「ツヤ」を意識するとよいでしょう。
真正面から光をあてるだけでなく、商品の後ろや横から光が当たると、商品に陰影ができ、立体感が出てきます。
野菜など新鮮な食べ物であれば、光があたると商品にツヤが出て、瑞々しさを表現できます。
光ひとつでお客様へ与える印象が変わりますので、商品にとっての魅力が伝わる、ベストな光のあたり方を探ってみてください。
2. 背景
商品をより際立たせる効果があるものが、背景です。
シンプルに商品をアピールしたいのであれば、白い背景がおすすめです。まわりにほかのものや色がない分、主役である商品が引き立ちます。
ほかの色を活用する場合、たとえば、暖色系は温かいイメージになり、寒色系だと涼しげなイメージを持たせることができます。
色だけでなく、小物・ほかの商品・人の手を活用するなども効果的です。
たとえば、お箸やカトラリーを置くことで、食事のシーンを演出できたり、ほかの商品を背景にぼかして撮影すると、にぎわいを表現できたりします。
商品を手にとった写真では、今にも口に入れたくなるような衝動にもかられます。
また、調理の工程を載せることで、臨場感を出すこともできます。
どういうストーリーを伝えたいのか、で背景を考えてみるとよいでしょう。
3. 構図
撮影のアングルでも、お客様へ伝わる印象が変わってきます。商品で伝えたい要素によって、構図を考えてみましょう。
<斜め上のアングル>
一番オーソドックスでわかりやすく、商品の魅力を伝えることができます。
人がテーブルに座って料理を食べる時の目線になるので、自然な印象になります。特別感は出しにくいですが、よく使われているアングルなので、まずは試してみるといいでしょう。
<低めのアングル>
料理の高さやテーブルの奥行き感も出せるので、立体感が表現できます。奥はボカし、手前にピントを合わせることで、印象的に見せることもできます。
料理のボリュームや、質感を効果的に伝えるのに向いている構図といえます。
<高めのアングル(真上)>
真上からお皿や机など全体像をとらえる構図。料理やお皿、テーブルをふくめ、全体が俯瞰でき、おしゃれに見えやすいのが特徴です。Instagramでもよく使われているアングルです。
スマホでも撮影できる?
ネットショップ用の商品写真は、高価な機材がないときれいに撮れない、というイメージもあるのではないでしょうか。
もちろん、一眼レフカメラや照明など、プロが使う機材で高品質な写真を撮れますが、初心者であれば、スマホだけでも十分です。こちらの記事でくわしく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
ぜひ、「シズル感」を意識した商品写真を撮影してみましょう!