Web上でおこなわれるデジタルコンテンツのダウンロード販売に、人気が集まっています。
以前は、大手企業によるものが大半でしたが、さまざまなサービスの登場によって、個人でもかんたんにダウンロードコンテンツを販売できるようになりました。
この記事では、デジタルコンテンツのダウンロード販売をはじめてみたい方に向けて、販売できる商品の種類や、どのような販売サイトを選ぶべきか、を解説していきます。
目次
ダウンロード販売とは?
ダウンロード販売とは、インターネットを介しておこなわれる販売方法のひとつです。デジタル販売、デジタル配信などと呼ばれることもあります。
販売されるのはデジタルコンテンツ(電子データ)で、さまざまなコンテンツが商品として取引されています。
音楽や電子書籍のダウンロード販売を利用したことがある人も、多いのではないでしょうか。
ダウンロード販売できる商品一覧
ダウンロード販売できる商品は多岐にわたりますが、大きく以下の4つのジャンルにわけることができます。
・情報の販売
・素材の販売
・ソフト・フォントの販売
・音楽・イラスト系の販売
ジャンルごとに、具体的にどんなものを販売できるのか、くわしく解説します。
情報の販売
自分が持っている知識やノウハウを、独自の情報として商品化し、販売することができます。
たとえば、株式・投資の攻略法、受験・資格取得のコツ、メイク・ダイエット・スキンケアなど美容に関するノウハウ、ビジネスに関連する情報、料理レシピなど。
情報といえるものであれば、ほぼすべてのものがふくまれる、といっていいほど多彩です。
アイデア次第で誰でも参入のチャンスがある、注目の分野です。
素材の販売
Webサイトや出版物に欠かせない写真素材など、素材として利用するデジタルデータの販売も、ダウンロード販売で人気の分野です。
<Youtube>などの動画サイトに、個人でもかんたんに動画をアップロードできることを背景に、効果音素材、動画素材などのデジタルデータも需要があります。
ほかに素材の販売では、文例・書式のテンプレートや手芸の型紙、3Dプリンターデータなども販売されています。
ソフト・フォントの販売
ソフトやフォントなど、ネットととくに親和性の高いデジタルコンテンツも、もちろんダウンロード販売されています。
ソフトでは、パソコン用のアプリケーションソフトから、スマートフォン用のアプリまで、幅広く販売されています。
<WordPress(ワードプレス)>でWebサイトを構築するさいに便利なテンプレートやプラグインも、多く販売されています。
音楽・イラスト系の販売
音楽・イラスト系のデジタルコンテンツのダウンロード販売は、もっとも身近なジャンルといえるでしょう。
壁紙のデータやイラスト、漫画、歌唱データ、演奏データ、自分が作曲した楽曲の配信など、多様化がすすんでいます。
近年は、はじめからダウンロード販売目的で制作されるインディーズ作品も増えていて、市場が活性化しているジャンルです。
コロナウイルスの影響で、コンサートやライブが開催できないことを受けて、無観客ライブの配信コンテンツにも注目が集まっています。
ジャンル別!おすすめ販売サイト一覧
デジタルコンテンツのダウンロード販売サイトを作る場合、自分で一から仕組みを構築するのは大変です。
技術や知識も必要になります。そこでおすすめなのが、販売サイトを活用する方法です。販売する商品のジャンル別に、おすすめの販売サイトを紹介していきます。
「BASE」なら、あらゆるジャンルの商品販売が可能!
このあと、ジャンル別におすすめの販売サイトをご紹介していきますが、ネットショップ作成サービス「BASE」であれば、あらゆるダウンロード商品の販売が可能です。
この後ご紹介するサービスは、基本的にそのサービスのプラットフォーム上でコンテンツを販売するものが多いですが、「BASE」は自分のECを作って、そこで販売する、という形態。
そのため、このあとご紹介する<note>などのサービスに比べて、手数料が非常に安くなっています。
また、「BASE」で作ったECサイトは、完全に個人のものとなるため、他者と競合することがありません。つまり、ECに必須のリピーターを作りやすい環境にあるのです。
この2点に着目しながら、どのサービスでコンテンツ販売をするのが適切なのか、考えてみてください。
BASEの開設方法について
「BASE」は初期費用、月額費用も無料なので、試しに売ってみる、ということも可能です。
「BASE」の解説方法については、下記のページをご確認ください。
デジタルコンテンツを販売する場合は、「デジタルコンテンツ販売 App」をインストールすればOKです。
ダウンロード対応商品 |
テキスト(txt・PDF)・写真・イラスト(JPEG・PNG)・音楽(mp3)・動画(mov・mpg)・電子書籍 ※zipファイルOK |
販売手数料 |
3.6%~+40円+3% |
「BASE」には、特定の購入者のみにショップを公開できるシークレット販売や、予約販売、定期購入、抽選販売といった、多彩な販売方法があるのも特徴です。
ダウンロード販売したいコンテンツのニーズや内容に合わせて、自由に選択できます。
情報の販売サイトおすすめ2サービス
note
<株式会社ピースオブケイク>がサービス提供する、とくに情報の販売手段として人気があるサービスです。
クリエイターとユーザーをつなぐサービスで、クリエイターはブログのようにテキスト記事を投稿できます。
フォロー機能など、SNS的な側面も持っており、マルチに使えるプラットフォームとして注目を集めています。
「有料記事」として、手軽に情報を販売できます。情報のほか、写真、イラスト、音楽、映像なども販売できます。
販売手数料として、購読者の決済手段によって定められている「決済手数料」と、「プラットフォーム利用料」がかかります。売上金額により、合わせて約15~25%程度かかります。
ダウンロード対応商品 |
文章・音楽・イラスト・写真・動画 |
販売手数料 |
15~25% |
<brain>
2020年1月にスタートした知識共有プラットフォームです。<株式会社スキルハックス>が運営しています。
自分の持っている知識やノウハウを有料で販売し、収益化することが目的となっているため、まさに情報の販売サイトとしては最適です。
<brain>の大きな特徴は、2点あります。
まず1つ目が、レビュー機能があることです。購入者は、そのコンテンツが有益であったかどうか、星5段階でレビューする仕組みになっています。
2つ目の特徴は、紹介機能があることです。
紹介機能を利用し、紹介者経由で販売された場合、売り上げの一部が紹介手数料として紹介者に支払われる仕組みになっています。
販売手数料は12%で、紹介機能を利用した場合は24%となります。
ダウンロード対応商品 |
文章・音楽・イラスト・写真・動画 |
販売手数料 |
12%または24% |
素材販売をおこなうのにおすすめ3サービス
<写真AC>
<ACワークス株式会社>が運営するフリー写真のダウンロードサイトです。グループサイトと合わせると、会員数は600万人にのぼります。
<写真AC>にクリエイター登録すると、自身で撮影した写真をダウンロード販売することができます。
具体的には、クリエイターは自分で撮影した写真を<写真AC>に投稿し、利用者にダウンロードされるごとに、一定の報酬が貯まる仕組みになっています。
報酬は、1ダウンロードにつき、人物写真なら10円、そのほかの写真なら3円。5,000ポイント貯まると、換金できる仕組みです。
ユーザーは、個人、店舗、学校、会社、官公庁からテレビ局まで、さまざまです。自分の写真が、思いがけないところで使われることになるかもしれません。
ダウンロード対応商品 |
写真 |
販売手数料 |
なし(ただし、換金手数料300円/1回) |
<PIXTA>
<PIXTA>は<ピクスタ株式会社>が運営する画像、動画の素材サイトです。プロ・アマチュア問わず、クリエイター登録することで、写真・イラスト・動画の販売ができます。
クリエイターとして、<PIXTA>でデジタルコンテンツを販売するには、会員登録後、かんたんな入門講座と入門テストを受ける必要があります。
入門講座では、著作権・肖像権などの権利と、素材に求められる要件について、説明を受けます。
テストでは、講座の理解度を確認され、テストに合格すれば、サイトへのアップロードができるようになる仕組みです。
ただし、テストをクリアしても、<PIXTA>では、アップロードするごとに画像や動画は審査されます。
審査は、販売する素材として適しているかチェックするためのもので、作品の良し悪しで審査されるわけではありません。
<PIXTA>の報酬は、クリエイターのランクと、購入者側のプランによって変動します。報酬は1クレジット=110円換算の「獲得クレジット」として支払われます。
一般ランクのクリエイターが写真・イラスト素材を販売した場合、報酬は1点につき27.5~49.5円ほどです。
ダウンロード対応商品 |
写真(JPEG)・イラスト(JPEG・ベクター・PNG)・動画(mov、mp4) |
販売手数料 |
なし |
<PhotoSpot>
<PhotoSpot>は、長きにわたりスクールアルバムを制作してきた<ダイコロ株式会社>が運営する写真販売サイトです。
写真の販売主は、<PhotoSpot>と提携している全国の写真館で、学校や園でのお子さんの写真を、家で保護者がゆっくり選んで購入することが目的となっています。
一般のユーザーが写真を販売できるサイトではありませんが、ネットショッピングが一般化した時代に合った、おもしろいアイデアです。
ダウンロード対応商品 |
写真 |
販売手数料 |
– |
ソフト・フォント・アプリの販売におすすめのサービス
ソフト・フォント・アプリの販売をおこなうサイトとしておすすめなのは、<Vector>というサーヒス。特徴を解説します。
<Vector>
<Vector>は<株式会社ベクター>が運営するダウンロードサイトです。パソコン用ソフトウェアのダウンロードライセンスの販売では老舗で、現在でも最大級のサイトとなっています。
zipファイルを使用できるため、ソフト以外のデジタルコンテンツを取り扱うことも可能ですが、強みとなっているのは、やはりソフトです。
文書作成や趣味関連の一般的なソフトから、プログラミング用の専門的なソフトまで、幅広く販売されています。
デジタルコンテンツを販売するさい、ファイルを登録すると、まずスタッフによるチェックが入り、そのあとの公開となります。そのため、多少の時間がかかります。
販売手数料は、15%となっています。
ダウンロード対応商品 |
ソフト・フォント・アプリ・文章・音楽・イラスト・動画・写真 ※zipファイルOK |
販売手数料 |
15% |
音楽・イラストの販売におすすめの3サービス
<BOOTH>
<BOOTH>はピクシブ株式会社が運営する、クリエイターのためのマーケットプレイスです。zipファイル形式が利用できるため、基本的にはどんなコンテンツでも販売できます。
さまざまなクリエイターによる、漫画、イラスト、小説、グッズ、音楽、ゲーム、写真、映像作品、ぬいぐるみなどの創作物が販売されています。
二次創作やコスプレなど、アニメ関連の出品が盛んにおこなわれており、特定分野に関しては集客力があります。
イラスト・マンガ・小説を投稿するSNS「pixiv(ピクシブ)」との連動があることから、イラストレーターの出品が多いのも特徴です。
ダウンロード対応商品 |
音楽・イラスト・動画・写真・文章・ソフト・フォント・アプリ ※zipファイルOK |
販売手数料 |
5.6%+22円※商材により変動 |
<イラストAC>
<ACワークス株式会社>が運営する、フリーイラストのダウンロードサイトです。
<写真AC>とは、グループサイトです。会員数はグループサイトをふくめ、600万人にのぼります。世界でも、多くのユーザーに利用されています。
<イラストAC>にクリエイター登録することで、自分の描いたイラストをダウンロード販売できます。
具体的には、クリエイターは自分で描いたイラストを<イラストAC>に投稿し、利用者にダウンロードされるごとに一定の報酬が貯まる仕組みになっています。
報酬は1ダウンロードにつき、4円貯まり、5,000ポイント貯まると、換金できる仕組みです。
1ダウンロードあたりの報酬は高くありませんが、ユーザー数が多いため、発表の場にもなり、投稿をきっかけにイラスト作成の仕事依頼を受けられる可能性があります。
ダウンロード対応商品 |
イラスト |
販売手数料 |
なし(ただし換金手数料300円/1回) |
<Bandcamp>
2008年にアメリカで開始された音楽配信・販売プラットフォームです。
<Bandcamp>にはファンアカウント、アーティストアカウント、レーベルアカウントの3種類がありますが、このうち「アーティストアカウント」を作成することによって、音楽を販売できるようになります。
楽曲のデジタルコンテンツ以外に、CDやグッズなどの商品も販売することができます。
販売手数料は、デジタルコンテンツの場合、15%です。このほかに、Paypalを介することで、6.3%の費用がかかります。
販売価格を「言い値(Name Your Price)」で決めることができるなど、ユニークな特徴を備えています。
ダウンロード対応商品 |
音楽(MP3, WAV, AIFF) |
販売手数料 |
15% |
まとめ
今回は、デジタルコンテンツのダウンロード販売をはじめてみたい方に向けて、販売できる商品やおすすめの販売サイトに関するお話でした。
デジタルコンテンツのダウンロード販売は、誰でも気軽にはじめることができるものになっています。
多彩な販売サイトのなかから、自分に合ったサービスを選んで販売しましょう。まずは、初期費用や月額利用料がかからないサービスを利用してはじめてみるのも、一つの方法です。