「海外販売の設定は済んだけど、海外から注文が入らない」
「そもそも海外のお客様に、お店の魅力が伝わっているのか不安」
そんな悩みをお持ちのショップオーナーも、多いのではないでしょうか?
この記事では、実際にBASEを活用して海外販売に取り組むショップの事例を交えながら、海外のお客様に“選ばれる”ために、重要な3つのポイントを紹介します。
目次
まずは、「信頼」を得ることからはじめましょう
海外販売(越境EC)では、まず何よりも「信頼を得ること」がたいせつです。
これは、一朝一夕で得られるものではありません。1〜3年ほどの長期的な視点で取り組みを続けていくことで、少しずつ積み上げていきましょう。
海外のお客様からの信頼を得るために、意識したいのが、以下の3点です。
- お店の世界観・魅力を、適切に伝えているか
- 安心して購入できる環境が整っているか
- 再購入につながる、関係作りができているか
それぞれ、具体的な事例とともに解説します。
1. お店の世界観や魅力を、海外に向けて丁寧に伝える
国内と同じように、海外のお客様も、「このお店だから買いたい」と思える魅力に惹かれて、購入を決めます。
その魅力や世界観がきちんと伝わっているか、あらためて見直してみましょう。
たとえば、ブランドのコンセプトが伝わるビジュアル、特徴ある素材や製法、ストーリーのある商品説明、などが挙げられます。
◆伝わりやすくするための工夫
- ブランドの想いや背景が伝わる写真や、説明文を用意する
- 素材・製法・デザインのこだわりを、簡潔に表現する
- ストーリー性を感じられるコンテンツを意識する
◆海外向けInstagram発信のポイント
- アカウント名やプロフィール、投稿文に英語を併記する
- 海外ユーザーが検索しやすいハッシュタグを活用する
例:「#madeinjapan(日本製)」など
- 商品の魅力を、英語で一文にまとめておく
「例:”Handcrafted in Japan with natural materials.”(天然素材を使い、日本で一つひとつ、ていねいに手作りしています。)」 - Instagramのハイライトに、「Shipping(配送)」「About us(わたしたちについて)」などのカテゴリを追加する
事例:apollonstore
<apollonstore>では、洗練されたデザインやショップの世界観の伝わるビジュアルを採用し、海外向けに発信。 海外発送対応や新商品の紹介をストーリーズ/ハイライト投稿し、安心感とお店の魅力がバランスよく伝わっています。

2. 安心して購入できる環境を整える
2-1.ショップページ・商品ページの情報整備
はじめて訪れる海外のお客様は、購入前の情報が不足していると、不安を感じやすくなります。
信頼を高めるためには、必要な情報を明確に、多言語で提示する、ことが効果的です。
◆情報整理のポイント
- 商品説明を、日本語+英語で表記(素材、サイズ、使用方法など)
- 発送条件・関税について、英語で説明する
「例:”Customs duties are the responsibility of the buyer.”(関税は、購入者負担です。)」 - 写真は複数の角度から掲載し、質感やサイズ感がわかるようにする
- 実店舗や制作の裏側など、「人」を感じられる要素を取り入れる
取り組みやすいアクション
- トップページに、「Worldwide shipping available(海外配送対応しています)」と明記
- 英語の商品説明テンプレートを用意し、全商品に適用していく
事例:板場流
<板場流>では、関税がふくまれていないことを明記し、トラブルの防止と透明性を両立しています。

事例:羊毛フェルトパグとHANAの店
<羊毛フェルトパグとHANAの店>では、海外発送に関する詳細ページを設け、購入前の不安をていねいに払拭しています。

事例:MALICIOUS.X
<MALICIOUS.X>では、質感やサイズなどが伝わるよう、さまざまな角度から撮影した商品写真を用意して、購入のハードルを下げる工夫をしています。

2-2.海外とのコミュニケーションで、信頼を築く
お客様とのやりとりが、信用を左右する場面も多くあります。
たとえ英語に自信がなくても、翻訳ツールを活用して、早く・ていねいに返信することで関係性を構築でき、また安心感につながります。
◆SNSで効果的な工夫
- 相性のよさそうな海外ユーザーにギフティングをおこない、ユーザーからの自然な投稿につなげる
- 購入者に「@ショップ名でご紹介ください」と依頼、投稿されたら、ストーリーズで紹介
- リール動画やストーリーズで、「商品の使い方」「発送の流れ」などを視覚的に伝える
- Instagramのハイライトに、「Shipping(配送)」や「Order Guide(注文方法)」などの情報を整理しておく
- 商品発送時に、「@ショップ名でご紹介ください」と書かれたカードを同封
- 週1回、ストーリーズまたはリールで、レビューや商品紹介を投稿
カードの文例
Share your experience with us on Instagram!
Tag us @shopname — we’d love to feature your post!
Thank you for shopping with us.
日本語訳:
Instagramで商品をご紹介いただけたらうれしいです!
@shopname をタグ付けして、投稿していただけましたら、ぜひご紹介させてください。
このたびは、ご購入ありがとうございました。
事例:DENTMAN office
<DENTMAN office>では、海外顧客の投稿には、商品URLといっしょにリポストして、プロモーションしています。
海外発送に関する投稿には、英語で「海外配送に対応しています」と説明し、情報を拡散。

3. 「また買いたい」と思ってもらう仕組みをつくる
越境ECにおいては、購入されて終わりではなく、「またこのお店で買いたい」と感じてもらえる関係性を築くことが、リピーターやファンの獲得につながります。
再購入のきっかけとなる仕掛けを、購入後の体験のなかに組み込むことがたいせつです。
実店舗での販売がある場合には、旅行中に出会ったお店や商品を、帰国後も思い出して購入してもらえるような導線をつくることで、自然と海外ファンが増えていきます。
◆具体的な取り組み例
- 発送時に、次回使えるクーポンコードを同封する
- Instagramのフォロワーに対して、割引クーポンを配布する
- 実店舗やイベント出店時に、フォロー特典を設けて、訪日中の接点を活用する
- 海外バイヤーやセレクトショップと連携し、現地展開からオンライン再購入につなげる
- 商品と一緒に、英語で書かれた「次回クーポン付きカード」を同封する
- 実店舗で「SNSフォローで●●円OFF」キャンペーンを展開
事例:apollonstore
<apollonstore>では、海外セレクトショップと連携し、現地展開からオンラインショップの認知拡大につなげています。

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まずは、「できること」からはじめましょう
越境ECは、言語・文化・物流などの壁があり、むずかしく感じられるかもしれません。
けれど、多くのBASEショップが「自分なりのやり方」で、少しずつ海外のお客様との信頼関係を築いています。
すべてを、いっぺんに整える必要はありません。
英語のハイライトを追加する、レビューをストーリーズで紹介する、発送時にカードを添える……そんな小さな取り組みの積み重ねが、やがて海外のお客様から「選ばれるショップ」につながります。
さあ、あなたらしいかたちで、海外に向けた一歩を今日からはじめてみませんか?