2020年10月27日(火)、「飲食店の新たな挑戦vol.3 新型コロナウイルスがもたらした飲食店の変化と未来」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。本セミナーは、ゲスト講師に<Retty株式会社>営業企画マネージャー・高木氏をお招きし、「新型コロナウイルスがもたらした飲食店の変化と未来」に関しておうかがいしました。
100名近くの方にご参加いただきました。
新型コロナウイルスがもたらした、飲食店の変化と未来
<Retty株式会社>高木様にご登壇いただき、「新型コロナウイルスがもたらした飲食店の変化と未来」の総論を、アンケート結果などをもとにお話しいただきました。
外食業界の現状と未来
<Retty>のデータとなりますが、通常時4,500万近くいたユーザーが、緊急事態宣言時は半分近くまで落ち込みました。
現状は、感染者数の減少や「Go To Eatキャンペーン」の開始などにともない、回復基調にはなっている状態です。このように、<Retty>のようなグルメサイトはユーザーが戻ってきたものの、実際の飲食店の客足自体は「席間を開ける」といった新型コロナウイルス対策や、「まだ行ったことがない、新しいお店を探そう」という機運が薄れてきてしまい、利用率はまだまだ100%に程遠いと言えます。
それにともない、デリバリーやテイクアウト、ECなど、今までと異なる売上構成を実現していく必要があると言えます。
この売上構成を変えていくべきという話ですが、中食の市場規模自体は、新型コロナウイルス感染拡大以前から拡大していたものでした。とはいえ、店内飲食中心であることから注目されなかった飲食店が多かったかと思いますが、状況が大きく変わった今、このトレンドが一気に加速してきました。農林水産省の「我が国の食料消費の将来推計(2019年版)について」によると、今後、日本は人口自体は減少するスピードが加速していくものの、1人当たりの食料支出は増え、食料支出総額は、人口と比較すると減少幅がすくない、と想定されています。つまり、一人ひとりの食に対する出費が増えることから、いかにそこのお金の使い先に選ばれるか、が持続経営していくためのポイントとなります。
そして、人々の食のニーズは、さらに多様化していくことが考えられます。だからこそ、店内飲食に限らず、多様なニーズをつかむためにも、売上構成を変えていく必要があるのです。
売上構造の変化にともなう集客の変化
まず、飲食店に対する物理ハードルが変わってくる、と考えられます。デリバリーはお客様が生活している範囲の徒歩圏のさらに先までを、飲食店を選ぶ基準の一つとするとともに、ECサイトが県外など距離が大きく離れる遠隔地の飲食店もその対象にさせます。
また、利用シーンも変わってきます。今までは、当たり前のようにオフィスに行き、オフィス近隣のお店でランチを食べていたものが、リモートワークの普及などにより、自宅を中心とした居住圏内での食事の機会が増えるわけですから、そういった方々などのニーズに応える商品展開と集客方法が求められます。
よって、集客は顧客層や商圏をとらえ、各媒体をどのように活用していくかを見定めることが大切です。
集客の媒体も、提供形態によって合う合わないがある、と考えられます。
店内飲食を主軸としつつ、店舗の特徴に合わせ、どういった割合で「デリバリー」「テイクアウト」「EC」を使いわけていくかによって、集客の仕方は変わってきます。
たとえば、やり方の一つとして、店内飲食を中食誘導への起点という新しい位置付けにすることで、中食でも存在感を示していくことができるのではないか、と思います。
もっとも変わったことと、変わらないこと
コロナ禍でもっとも変わったことは、消費者の意識、だと考えています。
店内飲食だけでなく、デリバリーやテイクアウト、ECを使い、どこでもおいしい食事が楽しめるようになった。これらは、以前からあったものではあるが、利用頻度が急激に増えてきています。
また、外食に求めるサービスの基準が、緊急事態宣言前よりも高くなってきている可能性があります。これは<Retty>にておこなったアンケートの結果なのですが、じつに約42%の方が「高くなった」と回答しています。席の間引きはもちろん、アルコール消毒や検温対応、店員の接客対応などに、より敏感になってきている、と考えられます。
変わらないことは、「体験の価値」です。のちほどくわしく述べてまいりますが、その体験価値をよりシャープにし、店舗独自のものにまで進化させることが求められます。
飲食店における集客
繰り返しになりますが、顧客層や商圏をとらえる重要性が非常に高まっており、それを踏まえて、各媒体をどのように活用していくかを見定めることが大事です。
たとえば、店内飲食においては、オフィスが多いエリアでは宴会利用が減っているので、それに合わせたコースを提供する、住宅街ではファミリー利用に合わせたコースを提供する、などを考慮する必要があります。また、ファミリー層においては2020年4月から全面施行された受動喫煙法にともない、きちんと対策された居酒屋さんをファミリーで利用するケースなども出てくると考えられます。
それらを踏まえた集客としては、SNS・メルマガを使ってお店の情報を発信すること、ショップをフォローされている方に対してプッシュ通知を送るなど、きちんとした情報発信が重要になります。
また、テイクアウトの事例ですが、<Retty>のテイクアウトに特化したオンラインの注文ツールを使うと、ページ内でアピールすることができるとともに、「料理を注文」というボタンをInstagramのストーリーや投稿に設置することで、直接集客することが可能です。
<情報発信→注文>をシームレスにすることが顧客の満足度を上げ、利用促進につながる、と考えられます。
飲食店が提供していくべき、体験価値
飲食店の新たな挑戦vol.2にて取り上げた<べランディング鳥幸>
さきほどお伝えさせていただきましたが、緊急事態宣言以降、サービスに求める基準が高まってきております。言い換えるなら、店内飲食ならではの価値を求めている、と言えます。つまり、「ここでしか食べられない」といった価値を打ち出していくのが大事なのです。ただ、それは店内飲食だけの価値ではなく、どうやって店内飲食での価値をデリバリーやテイクアウト、ECに転用する、近づけることができるか、が中食のニーズをつかむことにつながる、と考えられるのではないでしょうか。
たとえば、zoomでシェフの説明を受けながらフルコースを食べる、など、お店での楽しみ方を自宅で再現できるなどの模索は、考えていくべきであると思います。
ECにおいても、<べランディング鳥幸>を運営される<鳥幸>は、もともと接待利用などが多いゆえ、飲食店の利用が減ったなか、オリジナルの焼き台を作っていっしょにお届けするなど、自宅でお店の味に最大限近づけるための努力をされています。また、実際にお店で調理されている焼き師の方が紹介した焼き方の動画をYouTubeにアップするなど、一工夫がお客様のの心をつかみ、支持されるのではないでしょうか。
おわりに
先日、「BASE」のショップ開設数が120万を突破し、それを記念してキャンペーンをスタートいたしました。
2020年9月29日から2020年12月31日までの間に「BASE」のショップを開設された方を対象に、ショップ開設日から60日以内で売上確定された注文の決済手数料、サービス手数料をキャッシュバックいたします。
※キャッシュバック対象売上は、上限1,000,000円までとなります。
また、既存のショップオーナーの皆様にも、ショップオーナーからお客様やファンの方にプレゼントできるクーポンを、10月から12月まで各月それぞれプレゼントしています。
さらに、「BASE」は新たな機能の開発を急ピッチで進めております。より皆様のネットショップが成長できるよう、全力を尽くしてまいります。
ぜひ「BASE」をご活用ください。
詳細は、こちらからご確認ください。→https://lp.thebase.in/1200000/
また、<Retty>も、有料お店会員様だけにご提供しているネット予約機能を、期間限定で無料会員様もご利用いただけるようになり、農林水産省が主宰する<Go To Eatキャンペーン>に参加可能となりました。
「即予約」「リクエスト予約」の2種類の予約形式を提供され、いずれも追加費用なしでご利用いただけます。当日に「即予約」が入った場合に、通知をお電話でご連絡するサービスも無料で提供しています。
※なお、「Go To Eatキャンペーン」の対象となるのは、「即予約」による予約受付のみとなります(「リクエスト予約」や電話予約は、キャンペーン対象外です)。
「Go To Eatキャンペーン」に対応しているかどうかによって、予約状況が変わってくることが想定されます。飲食店を応援すべく、現在基本機能を無料で提供しているRetty>をぜひご活用ください。
詳細は、こちらからご確認ください。→https://retty.me/campaign/omise
「BASE」は、新型コロナウイルスの逆境の中で活路を見出し成功された飲食店様や、飲食店経営をされるにあたって価値あるサービスを展開する企業様などと協力しながら、変化をサポートするセミナーを引き続きお届けしていきたいと考えています。
ぜひこちらのPeatixのグループをフォローいただき、次回のセミナーにもご参加いただけますと幸いです。