ネットショップを開設するときに悩むのが、「ASP型独自ネットショップ」や「ショッピングモール型ネットショップ」など、サービスの種類の違い。
それぞれに特徴があり、販売するモノやショップの考え方によっても、向き不向きがあります。自分のショップがどのネットショップの形態にマッチするか、それぞれの特徴をおさえて、より販売しやすい手段を選びたいものですよね。
そこでこの記事では、ネットショップの種類とともにそれぞれのメリットやデメリットなどもふくめて解説します!
目次
ネットショップの種類は、大きく3つ
ネットショップを作れるサービスは無数にありますが、それらを分類していくと、大きく下記の3つの形態に分類することができます。
それぞれのくわしい解説はこのあとおこなっていきますので、まずは大きく3つあるんだな、ということをご理解いただけるとよいと思います。
ちなみに「BASE」はASP型ネットショップと呼ばれる形態に分類され、「BASE」以外にも多数のサービス提供事業者が存在します。
モール型ネットショップ
モール型ネットショップとは、楽天やYahoo!ショッピングなどのように、大きなモール(サイト)の中に間借りする形でショップを開く形態のネットショップです。
たとえるなら、商店街の空き店舗を借りて出店する、といったイメージ。宣伝などは商店街としてやってくれる一方、ルールの中で運営していく必要がある、といった感じです。
<主要なモール型ネットショップ>
・楽天
・Amazon
・Yahoo!ショッピング
モール型ネットショップのメリット
この形態の最大のメリットは、絶大なる集客力です。マーケティング調査・コンサルティングサービスを提供するヴァリューズが行った調査によれば、日本におけるWebサイト訪問者数の2位がAmazon、3位が楽天、11位がYahoo!ショッピングとなっています。
この事実からもわかるとおり、モール型ネットショップの最大のメリットは、尋常ではないアクセス数の多さです。
また、モール型ネットショップはある程度画一的な機能や立ち上げの手順が整っているので、自分たちでネットショップを立ち上げるよりも容易である、という利点もあります。
モール型ネットショップのデメリット
集客力という絶大なメリットの一方で、いくつかのデメリットも存在します。
固定費の高さ
まず大きなデメリットの一つが「固定費の高さ」。モール型ネットショップでは、出店するだけで初期費用・月額費用がかかることに加え、売上の一部を手数料として収める必要があります。
とはいえ、Yahoo!ショッピングでは月額固定費が無料だったりしますので、モールによって差はありますが、その他の出費も考えると、総じて軽い負担ではないのが現状です。
自由度の低さ
2020年に楽天が送料無料を導入すると発表して、公正取引委員会も巻き込んだ騒動がありました。
このことが象徴するように、モール型ネットショップでは、手綱をモール側が握っているため、必然的にショップオーナーが弱い立場になってしまいます。
つまり、自由が少ないということ。
この自由度の低さは、ショップデザインや操作性にも象徴されます。モール型はモール全体を一つのショップとしているため、個々のショップで自由なデザインや操作方法を選ぶことができないデメリットがあります。
ブランド化しにくい
モール型に出店しているショップをイメージしてみてください。その中で「ブランド」として認識できるショップ(名前とコンセプトが思い浮かぶショップ)はあるでしょうか?
おそらく、なかなか思いつかないですよね。
そう、じつはこれがモール型ショップの最大のデメリットで、ショップのブランド化が難しいことが挙げられます。
先ほどの自由度の話にもありましたが、モール型ではそれぞれのショップの表現が画一化されているため、「ブランド」を表現することがきわめて難しいのです。
ブランド化できない、ということは、つまりつねに競合他社との競争にさらされることになり、熾烈な奪い合いが発生するということ。
結果的に、モール内での広告出稿など、さらなる費用がかかっていく、というデメリットがあります。
モール型ネットショップはこんな方におすすめ
以上を踏まえると、モール型ネットショップは、次のような方におすすめできます。
- 高額な初期費用、ランニングコストを払う体力がある
- 固定費を払っても、利益が出る算段ができる
- 集客に不安がある
- モールの中でも差別化できる商品力がある
さまざまなデメリットがある一方で、今なお多数のショップがモール型で出店しているのは、それ以上にメリットが大きい、ということでもあります。
ASP型ネットショップって?
ASPとは、「アプリケーションサービスプロバイダ」の略です。
かんたんに言うと、ASP型とは、ネットショップに必要なサービスを提供するプロバイダからレンタルしたシステムを使い、ショップを運営する形態のこと。
好きな場所に、スペースとショップ運営キットを借りてショップを出すイメージです。
ショップを出す場所もショップのデザインなども好きにできる一方で、もともとある機能以上には追加できない、という形態をイメージしていただくとよいかな、と思います。
楽天やAmazonなどが提供する「モール型ネットショップ」では、実際のショッピングモールのように複数のお店が一つのモールサイトに集まるのに対し、「ASP型ネットショップ」では、お店オリジナルの独自ドメインを取得して、自分のホームページを開設することができます。(独自ドメインとは?)
ASP型ネットショップを提供する代表的なサービスは、MakeShop、カラーミーショップ、ショップサーブ、そして「BASE」などがあります。
開設に必要な初期費用や販売手数料、取り扱える商品点数など、各社で異なるサービスを提供しているため、自分が運営したいネットショップがどんな商品を扱うか、どれくらいの売り上げボリュームを想定しているかを考えて、適切なネットショップを選びましょう。
ASP型独自ネットショップのメリット
ASP型ネットショップには、独自ドメインを選択できるほかにも、さまざまなメリットがあります。
商品を比較されにくく、価格競争が少ない
モール型ネットショップのように、類似のカテゴリ、関連商品内で比較されることがないため、じっくりと商品の特徴や魅力などの独自性をアピールしやすいのが、ASP型ネットショップの特徴です。
目的を持って商品を探しているお客様が訪問してくれることから、価格よりも商品の特徴などの価値を吟味して選ばれるため、お客様との深い関係が築きやすい、というメリットもあります。
デザインの自由度が高く、商品ページをカスタマイズしやすい
商品の説明がわかりやすく、おしゃれに見えるページのレイアウトを構築することは、購買につながる大事なポイントです。
ASP型独自ネットショップには、デザインの自由度が高い多彩なテンプレートが用意されているサービスが多く、おしゃれなページがかんたんに作れる上に、カスタマイズも可能です。
一方で、ショッピングモール型ネットショップの場合は、フォーマットが統一されているためデザインの幅がせまく、おしゃれな雰囲気や自分のこだわりを表現するにはあまり向いていません。
ブランド化しやすい
いくつものお店が集合するショッピングモール型ネットショップは、画一的なデザインや商品レイアウトになりがちです。
一方でASP型ネットショップで独自ドメインを使用し、個性的なページ作りに成功すれば、他社の商品との違いや自分の商品のこだわりをアピールしやすく、ブランドを確立しやすくなります。
ASP型独自ネットショップのデメリット
では、ASP型ネットショップにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
他店からのお客さんの流入が見込みにくい
ASP型ネットショップを利用しているお客様は、「これを購入する」という目的をもって商品を探してショップにたどり着くことが多いです。
ファンとして定着してくれる可能性がある一方で、ネット上で商品を比べて購入するタイプのお客さんの流入は、モール型に比べて少なくなる傾向があります。
集客は自己努力となる
モール型ネットショップのように一つのモール(ドメイン)内にお店を出店すると、所属するカテゴリ内で表示されたり、モール内の検索結果で表示されたり、極端に言うと「何もしないでも」お客さんの目に留まるチャンスがあります。
一方で、ASP型ネットショップは、商品の個性をアピールするのは自己努力となります。
お店からお客様に呼びかけないと、存在を知ってもらう機会が少なく、ネット販売の知識がゼロの状態から売上や利益を上げるまでは、なかなか大変かもしれません。
ただ、ASP型ネットショップも、集客をまったく手伝ってくれない、というわけではありません。
集客の面で不安を感じる人は、販売支援のサポートや小さな疑問にも対応してくれるASP型サービスを選ぶと安心です。
機能は各ASPに依存する
ASP側が用意した機能を利用することになるので、基本的に自分で機能を追加したりすることができません。
また、ASPによっても利用できる機能は異なるため、あらかじめどんなことができるのか(自分のしたいことができるのか)確認しておく必要があります。
とはいえ、ASP側も日々新しい機能を追加していっていますので、どんどん便利になっていく可能性も高いです。
ASP型ネットショップはどんな人におすすめ?
ASP型ネットショップは、ブランドを確立し、自分のお店や商品の個性をアピールしやすいことから、こだわりの商品を扱うショップオーナー様に最適と言えます。
ブランドに自信がある場合は、ASP型の方がその特徴をアピールしやすいです。とくに最近は、SNSの発達によって、モール型でなくても集客を行いやすくなってきたため、集客面のデメリットも薄くなってきました。
また、「BASE」では、ネットショップ初心者の人でも安心して始められるような無料のサポート機能・集客支援がたくさんあります。
たとえば、600万DLされているショッピング用のアプリなど、楽天やYahoo!ショッピングレベルではないですが、集客面でも一定の集客を見込むことができます。
くわしくは、こちらを参考にしてみてください。
集客力に強いネットショップサービスを徹底比較!販促&集客に強いサービスを選んでショップを成功させよう
ソフトウェアインストール型ネットショップとは?
最後に紹介するのが、ソフトウェアインストール型ネットショップです。
これはあまりなじみがないかもしれませんが、自分でドメインを取得してサーバーを契約し、そこにパッケージ型のソフトをインストールして利用するネットショップです。
イメージとしては、土地の購入からショップの建築、セキュリティの構築までを自分たちで行うイメージです。
代表的なサービスでは「EC-Cube」がありますが、それ以外のサービスは日本ではあまりありません。
ソフトウェアインストール型ネットショップのメリットとデメリット
このタイプのネットショップは、ほぼオリジナルでネットショップを構築するに近いので、デザインや仕様の自由度が高い、というメリットがあります。
一方で、ASP型のネットショップが普及してきたため、そのメリットも薄れつつあるのが現状です。
また、ソフトウェアインストール型ネットショップの場合は、セキュリティが一番の難点です。決済をともなうネットショップは、非常に堅牢なセキュリティが求められることに加え、サーバーの保守運用など高いITリテラシーが必要です。
ASP型であれば、こういったセキュリティ面は、サービス提供者(つまり「BASE」など)に任せておけばいいので、このデメリットは非常に大きなものだと考えられます。
ソフトウェアインストール型ネットショップはどんな人におすすめ?
どうしても自社サーバー配下にネットショップを設置したい!という、強い要望がある企業などにはおすすめですが、それ以外の方にはあまりおすすめできないタイプのネットショップです。
どの種類のネットショップを選択する?ポイントはシナリオを描くこと
ここまで、ネットショップの種類を解説してきました。
ご覧いただいたとおり、どのショップ形態を選択しても、メリットとともにデメリットが存在します。
おそらく多くの方が、「どれを選べばいいか分からない」と不安になっていることかと思いますが、選択するときに重要なのは「短期的にどうしていきたいか?そして、将来的にどうしていきたいか?」というシナリオを描くことです。
シナリオを描くとは?
たとえば、あなたが「ショップのブランド化などはあまり考えず、とにかく大きな売上を最速で上げていきたい」と考えているならば、集客力が強いモール型のネットショップが候補になります。
一方で、「初動はゆっくりかもしれないが、着実にファンを増やしブランドとしてネットショップ運営をしていきたい」と考えるのであれば、ブランド化しやすいASP型ネットショップが候補になります。
種類が決まったらサービス選択
シナリオを描いたうえで、導入するネットショップの型が決まったら、いよいよサービス選択になります。
たとえば、ASP型ネットショップであれば、弊社サービス「BASE」以外にも多数の会社がサービスを提供していますので、各サービスを比較しながら、自分の描くシナリオに合ったサービスを選んでいく必要があります。
各サービスの特徴は、下記の記事にくわしく掲載しています。
参考記事:「集客力に強いネットショップサービスを徹底比較!販促&集客に強いサービスを選んでショップを成功させよう」
まとめ
以上、大きく3つあるネットショップの種類について解説しました。
おそらく、「検討することがたくさんあって、サービスを選ぶのが大変だな」と感じている方もいるのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、年会費も月額費も必要ない「BASE」で、まずはネットショップ運営に慣れてみることです。
もちろん、何ごともやってみなければわからないことが多いのですが、多くのサービスでは、最初からお金が発生してしまいます。一方、「BASE」であれば、商品が売れるまでは費用がかからないため、安心して利用することができるのです。
くわしくは「BASEでショップを開設する9つのメリット」という記事に記載がありますので、参考にしてください。
また「BASE」は、2020年5月時点で100万ショップ以上が開設されていて、開設実績も3年連続ナンバー1*なので、ネット上にもたくさんの情報があるのも安心できるポイントです。※ネットショップ開設実績No.1: 直近1年以内にネットショップを開設する際に利用したネットショップ作成サービス マクロミル調べ(2020年2月)
ぜひいろいろな情報を参考に、自分に合ったネットショップを選んでみてください!