【YELLの先には vol.1】馬油スキンケアブランド<0g>が語る、愛されるブランドを作るために本当に大切なこと

2019.05.17(更新:2024.04.09)

「BASE」を利用する数多くのオーナーズ。オーナーズがいる数ほど、ブランドとそれぞれのストーリーがあるはず。

【YELLの先には】では、「BASE」が提供する、リスクなく即時で資金調達できる金融サービス「YELL BANK」を活用したオーナーズからブランド運営に関するリアルを探ります。

第一回は、馬油を使ったスキンケアブランド<0gを展開する沖縄のオーナーズ、OG株式会社の上原結奈さん。自身の肌トラブルからはじまった、プロダクトとブランドにかける思いに迫りました。

右から3人目が上原さん

上原結奈(ウエハラ・ユイナ)                        
OG株式会社代表取締役CEO。沖縄県沖縄育ち。発信力や影響力のある女性を育成し輩出するため、2013年に沖縄の女性のためのコミュニティ「okinawan girls」を立ち上げ、代表を務める。2018年に、自身の肌トラブルへの問題意識から立ち上げた馬油スキンケアブランド<0gを立ち上げ、製造から販売までを行っている。@yuinaushio          

どれだけ売れるのかもわからず、途方もない在庫数が不安だった

——ブランドを立ち上げたきっかけを教えてください

いろいろなスキンケアを試したのですが、一番自分に合っていると感じたのが馬油でした。「馬油」と聞くと、温泉にあるような大衆向けで古い感じの商品を想像する方が多いと思うのですが、私の肌をきれいにしてくれた馬油をもっと多くの方に使ってほしくて、今までの馬油をリブランドして商品を作ろうと思ったのがきっかけです。

——実際に作ってみてどうでしたか?

いちばん大変なのは生産でした。なんとか馬油工場の方と知り合うことはできたんですが、工場から提示されたロットはなんと1万個。

——1万個! 多い!

そうなんです。どのくらい売れるかの見当もつかず、すごく不安だったんですが、それ以上ロットを少なくすると商品の価格が高くなってしまうんですよね。私の周りの人にもすすめたいくらい質のよい商品ができたので、それはぜったいに避けたくて。

とりあえず、まずは「1ヶ月に1,000個売ろう!」と目標をかかげて、自分の周りの人たちに購入してもらえるようにがんばりました。(笑)

——商品を販売してみて反響はどうでしたか?

馬油で肌がきれいになった経験があるので、もともと自分のブログやSNSで「馬油が好き」と発信していたこともあり、<0g>を販売したときもブログの読者だった方たちが購入してくださいました。自信を持ってオススメできる、本当にクオリティの高い商品ができたし、それが伝わったんだと思います。発信し続けていたからか、周りの人たちも協力して口コミで広めてくださっています。

じっさい<0g>はリピート率がすごく高くて、商品の質がよいことが伝わっていると実感しています。

小さな挑戦と小さな失敗をたくさん繰り返す

——ブランド初期に大切にしていたことを教えてください

はじめはわからないことが多かったので、「小さな挑戦と小さな失敗をたくさんしよう」と心がけていました。だから広告は打たずに、自分が発信している内容を見て好きになってくれた人に届けたい、という気持ちがありましたね。あせらずゆっくり運営していこう、という思いでブランド運営をしていたと思います。

——なるほど。ブランドが大きくなるにつれて変わったことはありますか?

商品の販売を開始した初期のころは、「okinawan girls」のメンバーなど沖縄のお客様が多かったのですが、段々と本土のいろいろな地域のお客様が増えて、お問い合わせが一気に増えたタイミングがありました。でも「小さくたくさん挑戦して、たくさん失敗しよう」という気持ちではじめていたからこそ、対応マニュアルなどもできあがっていて、スタッフも経験を積み重ねていたので、お問い合わせが急に増えても乗り越えられました。もしも最初から広告をたくさん打ったりして、何もできあがってないうちからたくさんお問い合わせが来ていたら、パンクしていたと思います。

——小さな改善策が積み重なって土台ができていたからこそ、大きくなっても大丈夫だったんですね。

はい。小さな失敗がたくさんあったぶん、「いっぱい失敗してもいいけど同じ失敗をしないように」というのも意識しています。たとえば漢字の間違いがあったら「この漢字、間違えやすいから注意!」とメンバーと共有したり(笑)

メンバーやメンバーの家族を支えるため、事業拡大を決意

——事業への思いはブランドの規模によって変化しましたか?

もともと「あせらずゆっくり運営していこう」という気持ちでブランドをはじめていたこともあって、会社を大きくしたいとか、もうけたい、という気持ちがすくない方なんだと思います。

ありがたいことにお客様が増えていったり社員さんが増えていくにつれて、「お客様に対してよりよいサービスを提供したい」という思いや「社員や社員の家族の生活まで支えなければ」といった責任感が生まれてきて、売上を大きくしていきたいなと考えるようになりました。

——売上増加に一番寄与しているのはなんですか?

まずは自分で宣伝をがんばること。純粋にSNS中の商品の露出を増やしました。

今ではリピーターの方がどんどん増えているのも、要因の一つだと感じています。商品がいいからこそだと感じているので、とてもうれしいです。

——では、「YELL BANK」での資金調達もSNSに使われたでのすか?

いえ、「YELL BANK」で資金調達したお金は、仕入れに使いました。

日本の大きな化粧品会社が国内生産量を大幅に増やした影響で、工場から「入荷が10ヶ月後になる」と言われてしまって。もう商品がなくなる時期だったので、すごくあわてたんです。<0g>は特殊な容器を使用していて、生産できる工場が限られていたので、もうどうしよう……って。

——そんな大変なことがあったんですね!

ほんとうに、どうしようかと悩んでしまいました。

交渉の末、ロット数を1万個増やせば入荷できることになり、自己資金で頭金を払おうかと悩んでいたときに「YELL BANKが利用できるようになりました」っていう通知が届いたんです。ロット数を増やすことで単価も下げられるし、すぐに「YELL BANK」の資金を使ってロット数を増やして注文しました。

スキンケアブランドから沖縄の女性の活躍支援

——ブランドのこれからの展望を教えてください

5月に沖縄で実店舗をオープンするのですが、それが今いちばん大きなプロジェクトです。店舗の半分は物販で、お客様の声を聞きながら<0g>を販売できるようになります。もう半分は、女性限定のコワーキングスペースにする予定です。

——コスメブランドのオーナーさんがコワーキングスペースってなんだかおもしろいですね。どんなスペースなんですか?

コワーキングスペースは、自分のやりたいことを実現する女性を応援できるような場所にしたいと考えています。たとえば私みたいに化粧品を作りたい人だったり、アパレルブランドを立ち上げたい人だったり、そんな人たちが自分で「売れるブランド」を作る手助けをしたいです。

そのために、まずは自分がロールモデルにならなきゃいけないので、<0g>が売れた要因の言語化を進めて、これからも<0g>やほかのブランドを伸ばしていきたいと思っています。

——<0g>のブランドについてはいかがですか?

もちろん馬油でも、たくさんの小さな挑戦をするようにしています。

まずはパンフレットや豪華な包装、サンプルなどを作って、お客様にもっと<0g>を好きになってもらいたい!

また、今は<0g>では馬油の商品を販売しているのですが、<0g>というブランドで馬油以外の商品を作っていきたい、とも考えています。

今取り組もうとしている商品は、くちゃパックという泥パック。世界でいちばん粒子が細かい泥でできている沖縄の商品なんですが、利益率が低く、製造元が苦しんでいる状況なんです。馬油同様プロデュースしてリブランドして、沖縄の生産者に利益が還元される仕組みを作っていきたいです。

毎日いろいろなアイディアが浮かんでくるので、自分のやるべきことにしっかりと目を向けて一つひとつやっていきたいですね。

BASEの資金調達サービス「YELL BANK」とは?概要やしくみについて解説

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