ネットショップだからこそ、できること。農家が届ける、こだわりの梅

2022.05.24(更新:2024.04.09)

5月6日は、「アクティブシニアの日」。
理美容機器・化粧品・医療機器などを手がけるタカラベルモント株式会社が、2018年に制定したもので、アクティブなシニアを増やすことを目的としています。※

※出典:https://fabo-news.com/articles/344

それにちなみ、BASEをご利用いただいている60~70代のオーナー様にインタビューしました。
ネットショップをはじめられたきっかけや、ネットショップによって、日々の生活、お仕事で起こった変化などをうかがっていきます。
「先輩オーナー」からのショップ運営のヒントや、新たなことにチャレンジする勇気をもらえるはずです。

今回お話をうかがったのは、生梅、ご自身で漬けられた梅干しを販売されている<みっちゃんの梅>の二葉 美智子さん

ご自身の梅農園でネットショップの商品を紹介してくれる二葉さん

ネットショップをはじめられた背景や、お仕事でのうれしい変化について、うかがいました。

はじまりは、移動販売でのお客さんの一言

——ネットショップを開設された経緯を教えてください。

きっかけは、月一で出していた移動販売に来ていただいていた、お客さんからの一言です。

ネットショップをはじめる前、自分の畑で採れた梅を使った梅干し、梅ジャムなどの梅製品を都心の商店街へ売りに行っていたんです。

移動販売で商品を販売する二葉さん

でも、最初はぜんぜん売れなかったですね。
場所を借りていたオーナーさんからは、「中途半端な気持ちでやるんなら辞めた方がええ」って、喝を入れられました(笑)。
そこで、こちらも覚悟を決めて、継続して出店しました。5年間くらい続きました。

5年も続けたので、地元のお客さんで、常連になってくれる方もいて。その方から「ネットでは買われへんの?」って聞かれたんです。
新たな気づきでしたね。「お客さんのニーズに応えるには、ネットでもお店を出さなあかん」って。
ネットショップを開くなんて、当時は知識もなにもなかったので、思いつきもしませんでした。

そこから、町内の方に頼んで、ホームページとネットショップを開設してもらいました。
その方がBASEを知っていたので、その縁もあって利用しています。

決済方法をこちらで準備しないでいいので、そこがよかったですね。いまでも「送るだけでいい」っていう安心感があります。

移動販売からネットショップへ。ネットショップだからこそできる、梅の届け方

——移動販売は、今も続けていらっしゃるんですか?

じつは、今はやってないんです。
コロナというのもあるんですけど、ネットショップの売上が、移動販売のころを超えてきたこともあって。

また、移動販売ではできなかった売り方が、ネットショップでできるから、というのもあります。

ネットショップでは、梅干しなどの加工食品のほかに、生梅を出品しています。
お客さんが、ご自分で梅干しや梅酒に漬ける用ですね。

農作業や梅の知識は、農家の旦那さんの姿を見て学んだそう

じつは、梅干しと梅酒では、使う梅の熟度を変えた方がおいしくできるんですよ。

梅酒は比較的若い梅でもおいしいんですけど、梅干しは完熟している方がいい。
うちでは、熟しきって、木から落ちた梅を梅干しに使っているくらいです。

でも、そうした梅干しに適した梅を、お客さんに売ろうと思うと、熟度の調整がむずかしいんです。

完熟した梅を、収穫したその日中に、お客さんに渡せればいいんですけど、対面の販売や、お店に卸す場合、なかなかできない。
収穫した梅を準備したり、お店へ移動させたりで時間がかかってしまうし、そもそもお客さんが買いに来てくれるかもわからないからです。

ネットショップだと、発送のタイミングとお客さんの受け取りのスケジュールを合わせれば、それができるんです。
移動販売のころから、生梅を売りたいと思っていたので、ネットショップで念願が叶いました。

木によって、熟す速度が違うため、完熟度の見極めが大事だそう

「みっちゃんだから」と買ってもらえることがうれしい

——梅のタイミングを図って送るのはむずかしそうです。ご苦労などはありますか?

生ものやからね、タイミングはむずかしいですよ。

それもあって、送るときは、梱包まで、かならず自分の目で梅を見届けるようにしているんです。
完熟度はよいか、梅干し用と梅酒用で間違っていないか、熟しすぎて痛んでいないか……。

箱を閉じるまで、梅に細心の注意をはらって、責任を持って送っています。

繁忙期は、睡眠を削って梱包をおこなうこともあるそう

それぞれの用途に適した熟度の梅を、いいタイミングで手に入れられることが、農家から買うメリットだと思っています。
それが実現できるのが、ネットショップの利点ですね。

わたしのことを信頼して、毎年買っていただいている方もいるので、期待を裏切らない、いい梅を届けたいんです。

たいへんだけど、そこはこだわってますね。

梅といっしょに、梅や梅干しを使ったレシピも送付している

——<みっちゃんの梅>だからほしい、という声を聞けるのはうれしいですね。

うれしいですね。注文が入るたびに、喜んでいます。

日中は農作業をしているんですが、作業場である畑にスマホを持ち込んでるんです。

農作業の合間に、注文の確認をしたり、質問があれば答えたり、お客さんとかんたんにコミュニケーションがとれるのが楽しいですね。

SNSの更新用の写真も、作業の合間に撮っています。

もともと、スマホで写真を撮るのが好きなんですよね。1日1枚はかならず畑の様子を写すようにしています。

Facebookでは、日々の梅や畑の様子、梅を使ったお料理のお写真がアップされています

毎年、生梅を買ってくれる方も増えたので、そうした方たちに梅の成長過程も見てもらえたらいいなって。
買って、商品が届いて終わりじゃなくて、生梅が届くまでの待っている時間も楽しんでもらえたら、と思っています。

ネットショップが生きがい。秘訣は「やりたいことをとことんやる」

——農作業の合間に、ネットショップの作業ができるのは、効率がいいですね。

そうなんです。
スマホ1台あればネットショップの作業ができるので、移動販売していたころより、時間を有効活用できていますね。

好きな写真も活かせるし、SNSの更新も、お客さんからの質問を通じてやりとりするのも楽しい。注文が入るのもうれしいし。

ネットショップの運営が、どんどん楽しくなっていて、いまや生きがいになっています。

目標があるんですよ。

頭がはたらく限り、90歳になってもネットショップを続けたいなあ、って(笑)。
「梅干しばあちゃん」として、ネットショップを通じておいしい梅を、いろんな方に届けていきたいです。

娘さんや、お孫さんと一緒に、農作業やネットショップの発送作業をおこなうこともあるそう

——最後に、今後やりたいことはありますか?

同業者の方と知り合ったり、助け合えるような人脈を広げたいですね。
いろんな方とつながったり、コラボしたりしながら、ネットショップを運営できるといいなと思います。

あとは、ずっと商品化したかった梅酒の販売ですね。いま準備を進めています。
完熟梅と焼酎と氷砂糖だけの本格梅酒で、甘口と辛口の2種類を用意する予定です。

準備が大変なんですが、どうせならやりたいことをやった方が楽しいと思っているので、これからも、とことんやろうと思っています。

インタビューを終えて

移動販売からネットショップをはじめられ、生涯のやりがいにまでなった「みっちゃん」こと、二葉さん。

ネットショップのお話やこれから挑戦したいことを、生き生きと語られる姿に、こちらも元気をいただきました。

農家さんが見極めるからこそ届けられる、梅の品質のよさだけでなく、二葉さんの人柄があってこそ、たくさんの方に愛されるショップへと成長できたのでは、と感じました。
これからの<みっちゃんの梅>も、とても楽しみです。

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