5月6日は、「アクティブシニアの日」。
理美容機器・化粧品・医療機器などを手がけるタカラベルモント株式会社が、2018年に制定したもので、アクティブなシニアを増やすことを目的としています。※
※出典:https://fabo-news.com/articles/344
それにちなみ、BASEをご利用いただいている60~70代のオーナー様にインタビューしました。
ネットショップをはじめられたきっかけや、ネットショップによって、日々の生活、お仕事で起こった変化などをうかがっていきます。
「先輩オーナー」からのショップ運営のヒントや、新たなことにチャレンジする勇気をもらえるはずです。
今回お話をうかがったのは、生梅、ご自身で漬けられた梅干しを販売されている<みっちゃんの梅>の二葉 美智子さん。
ネットショップをはじめられた背景や、お仕事でのうれしい変化について、うかがいました。
目次
はじまりは、移動販売でのお客さんの一言
——ネットショップを開設された経緯を教えてください。
きっかけは、月一で出していた移動販売に来ていただいていた、お客さんからの一言です。
ネットショップをはじめる前、自分の畑で採れた梅を使った梅干し、梅ジャムなどの梅製品を都心の商店街へ売りに行っていたんです。
でも、最初はぜんぜん売れなかったですね。
場所を借りていたオーナーさんからは、「中途半端な気持ちでやるんなら辞めた方がええ」って、喝を入れられました(笑)。
そこで、こちらも覚悟を決めて、継続して出店しました。5年間くらい続きました。
5年も続けたので、地元のお客さんで、常連になってくれる方もいて。その方から「ネットでは買われへんの?」って聞かれたんです。
新たな気づきでしたね。「お客さんのニーズに応えるには、ネットでもお店を出さなあかん」って。
ネットショップを開くなんて、当時は知識もなにもなかったので、思いつきもしませんでした。
そこから、町内の方に頼んで、ホームページとネットショップを開設してもらいました。
その方がBASEを知っていたので、その縁もあって利用しています。
決済方法をこちらで準備しないでいいので、そこがよかったですね。いまでも「送るだけでいい」っていう安心感があります。
移動販売からネットショップへ。ネットショップだからこそできる、梅の届け方
——移動販売は、今も続けていらっしゃるんですか?
じつは、今はやってないんです。
コロナというのもあるんですけど、ネットショップの売上が、移動販売のころを超えてきたこともあって。
また、移動販売ではできなかった売り方が、ネットショップでできるから、というのもあります。
ネットショップでは、梅干しなどの加工食品のほかに、生梅を出品しています。
お客さんが、ご自分で梅干しや梅酒に漬ける用ですね。
じつは、梅干しと梅酒では、使う梅の熟度を変えた方がおいしくできるんですよ。
梅酒は比較的若い梅でもおいしいんですけど、梅干しは完熟している方がいい。
うちでは、熟しきって、木から落ちた梅を梅干しに使っているくらいです。
でも、そうした梅干しに適した梅を、お客さんに売ろうと思うと、熟度の調整がむずかしいんです。
完熟した梅を、収穫したその日中に、お客さんに渡せればいいんですけど、対面の販売や、お店に卸す場合、なかなかできない。
収穫した梅を準備したり、お店へ移動させたりで時間がかかってしまうし、そもそもお客さんが買いに来てくれるかもわからないからです。
ネットショップだと、発送のタイミングとお客さんの受け取りのスケジュールを合わせれば、それができるんです。
移動販売のころから、生梅を売りたいと思っていたので、ネットショップで念願が叶いました。
「みっちゃんだから」と買ってもらえることがうれしい
——梅のタイミングを図って送るのはむずかしそうです。ご苦労などはありますか?
生ものやからね、タイミングはむずかしいですよ。
それもあって、送るときは、梱包まで、かならず自分の目で梅を見届けるようにしているんです。
完熟度はよいか、梅干し用と梅酒用で間違っていないか、熟しすぎて痛んでいないか……。
箱を閉じるまで、梅に細心の注意をはらって、責任を持って送っています。
それぞれの用途に適した熟度の梅を、いいタイミングで手に入れられることが、農家から買うメリットだと思っています。
それが実現できるのが、ネットショップの利点ですね。
わたしのことを信頼して、毎年買っていただいている方もいるので、期待を裏切らない、いい梅を届けたいんです。
たいへんだけど、そこはこだわってますね。
——<みっちゃんの梅>だからほしい、という声を聞けるのはうれしいですね。
うれしいですね。注文が入るたびに、喜んでいます。
日中は農作業をしているんですが、作業場である畑にスマホを持ち込んでるんです。
農作業の合間に、注文の確認をしたり、質問があれば答えたり、お客さんとかんたんにコミュニケーションがとれるのが楽しいですね。
SNSの更新用の写真も、作業の合間に撮っています。
もともと、スマホで写真を撮るのが好きなんですよね。1日1枚はかならず畑の様子を写すようにしています。
毎年、生梅を買ってくれる方も増えたので、そうした方たちに梅の成長過程も見てもらえたらいいなって。
買って、商品が届いて終わりじゃなくて、生梅が届くまでの待っている時間も楽しんでもらえたら、と思っています。
ネットショップが生きがい。秘訣は「やりたいことをとことんやる」
——農作業の合間に、ネットショップの作業ができるのは、効率がいいですね。
そうなんです。
スマホ1台あればネットショップの作業ができるので、移動販売していたころより、時間を有効活用できていますね。
好きな写真も活かせるし、SNSの更新も、お客さんからの質問を通じてやりとりするのも楽しい。注文が入るのもうれしいし。
ネットショップの運営が、どんどん楽しくなっていて、いまや生きがいになっています。
目標があるんですよ。
頭がはたらく限り、90歳になってもネットショップを続けたいなあ、って(笑)。
「梅干しばあちゃん」として、ネットショップを通じておいしい梅を、いろんな方に届けていきたいです。
——最後に、今後やりたいことはありますか?
同業者の方と知り合ったり、助け合えるような人脈を広げたいですね。
いろんな方とつながったり、コラボしたりしながら、ネットショップを運営できるといいなと思います。
あとは、ずっと商品化したかった梅酒の販売ですね。いま準備を進めています。
完熟梅と焼酎と氷砂糖だけの本格梅酒で、甘口と辛口の2種類を用意する予定です。
準備が大変なんですが、どうせならやりたいことをやった方が楽しいと思っているので、これからも、とことんやろうと思っています。
インタビューを終えて
移動販売からネットショップをはじめられ、生涯のやりがいにまでなった「みっちゃん」こと、二葉さん。
ネットショップのお話やこれから挑戦したいことを、生き生きと語られる姿に、こちらも元気をいただきました。
農家さんが見極めるからこそ届けられる、梅の品質のよさだけでなく、二葉さんの人柄があってこそ、たくさんの方に愛されるショップへと成長できたのでは、と感じました。
これからの<みっちゃんの梅>も、とても楽しみです。
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