購入に直結する食品写真とは? 商品撮影のポイントや集客方法を解説

2024.10.23(更新:2024.10.29)

ネットショップで商品を販売する上で、商品写真の見栄えは重要です。

とくに食品を扱うショップでは、「おいしそうに見えるか」が購入に与える影響は大きいものです。今回は、食品を扱うショップに向けて、おいしそうに商品を撮影するポイントとその方法を解説します

また、食品の写真が魅力的に見えるための加工方法や集客のコツも紹介しますので、参考にして商品の売上を最大化していきましょう。

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食品は商品写真が重要 

日本政策金融公庫が行ったアンケート結果によると、飲食店のメニューの写真が魅力的である場合、当初予定していなかった料理を注文したくなると答えた人の割合は、およそ7割に上っています。

引用元:売上アップにつながる写真の撮り方 飲食店編|日本政策金融公庫 

魅力的な食品の写真は食欲をダイレクトに刺激するので、購買を促すために魅力的な写真を撮影することは、もっとも優先すべき要素といっても過言ではありません。

Instagram・ブログ・商品写真を中心としたBASE人気ショップの集客ポイントを解説!

食品写真に必要な「シズル感」とは?

見た瞬間に、「おいしそう!」と感じるような写真ってありますよね。

「シズル感」とは、目にした瞬間に食欲を刺激する、顧客に目で見ておいしさが伝わり、「食べたい」と思わせるような撮影の表現として重要視されています。

もともとの語源は、英語の「sizzle」と言われており、「食べ物が焼けるジュージューといった音」のことを意味しています。

そこから「食べたい!」と思わせる表現という意味で使われるようになりました。

たとえば、肉汁がじゅわ~っとあふれている瞬間、湯気が立ち上っているできたての瞬間、野菜のみずみずしさが輝いている瞬間、などが挙げられます。

<肉汁あふれるステーキ>

<湯気が立ち上るラーメン>

撮影のテクニックを使って、こういった「シズル感」を表現できると、ネットショップでの購入率向上に大きく寄与するでしょう。

シズル感を出す写真撮影の基本

購入につながりやすい食品の商品写真を撮るためには、ライティング、背景、構図に工夫を凝らすことが大切です。シズル感のある商品写真を撮影するために、押さえておきたい基本的なテクニックを紹介します。

1. ライティング 

光の入り方で、商品の印象は大幅に変わります。商品に当てる光の種類や角度を意識して、より魅力的に見える写真を撮影しましょう。

自然光で撮影する 

初心者であれば、まず「自然光」を活用するのがおすすめです。

暗すぎても明るすぎても、商品のよさを伝えることはできません。「自然光」の下で撮影すると、実際の商品により近い色や雰囲気が伝わります

食べ物のシズル感を出すには、「立体感」と「ツヤ」を意識するとよいでしょう。

真正面から光を当てるだけでなく、商品の後ろや横から光が当たると、商品に陰影ができ、立体感が出てきます。

野菜など新鮮な食べ物であれば、光が当たると商品にツヤが出て、みずみずしさを表現できます。

逆に光が当たりすぎると、立体感が出にくく、食品のよさが伝わらないこともあるので、注意してください。

光1つで顧客へ与える印象が変わりますので、商品にとっての魅力が伝わる、ベストな光の当たり方を探ってみてください。

逆光や半逆光で撮影する 

「逆光」や「半逆光」で撮影すると、食品に影ができにくく、自然な立体感のある魅力的な写真を撮影できます。また、後ろから光が当たっていることで、食品にツヤが生まれ、新鮮に見えることもメリットです。

逆光や半逆光で撮影した時に、影の分量が大きくなってしまう場合は、レフ板で前方から光を当てるとシズル感のある写真が撮影しやすくなります。

影を調節するためカメラに入ってきた光量を調節するISO感度を調節したり、絞りやシャッタースピードを細かく調節したりすると、食品の色味が自然に際立つ写真を撮影できます。

2. 背景 

商品をより際立たせる効果があるものが、背景です。

商品と背景のコントラストを明確にすることで商品を目立たせたり、商品を使用するシーンを想定した背景にすることで、より商品のイメージが湧いたりなど、背景によって商品の印象は変わります。 

白い背景にする 

シンプルに商品をアピールしたいのであれば、白い背景がおすすめです。まわりにほかのものや色がない分、主役である商品が引き立ちます。

ほかの色を活用する場合、たとえば、暖色系は温かいイメージになり、寒色系だと涼しげなイメージになります。

食卓や食事シーンを連想させる 

色だけでなく、小物・ほかの商品・人の手を活用するなども効果的です。

たとえば、お箸やカトラリーを置くことで、食事のシーンを演出できたり、ほかの商品を背景にぼかして撮影すると、にぎわいを表現できたりします。

商品を手に取った写真では、今にも口に入れたくなるような衝動にもかられるため、購入欲をかきたてるのに効果的です。

また、調理の工程を載せることで、臨場感を出すこともできます。

どういうストーリーを伝えたいのかを加味して背景を考えてみるとよいでしょう。

3. 構図 

撮影のアングルによっても、顧客へ伝わる印象が変わってきます。商品で伝えたいことに応じて、構図を変えてみましょう。

斜め上のアングル

一番オーソドックスでわかりやすく、商品の魅力が伝わる構図です。

人がテーブルに座って料理を食べる時の目線になるので、自然な印象になります。特別感は出しにくいですが、よく使われているアングルなので、まずは試してみるといいでしょう。

低めのアングル

料理の高さやテーブルの奥行き感も出せるので、立体感が表現できます。奥はボカし、手前にピントを合わせることで、印象的に見せることも可能です。

料理のボリュームや、質感を効果的に伝えるのに向いている構図といえます。

高めのアングル(真上)

真上からお皿や机など全体像をとらえる構図です。料理やお皿、テーブルをふくめ、全体が俯瞰でき、おしゃれに見えやすいのが特徴で、Instagramでもよく使われています。

三角構図 

料理の盛り付けや商品の並べ方のバランスを整えて「三角形」になるように意識すると、印象的な写真を撮影できます。三角構図を採用する時は、被写体にグッと近づいて撮影してみてください。これにより、ダイナミックに見えるほか、まるで食品が目の前にあるような臨場感を演出できます。

対角線構図 

カメラの画角に対して斜めのラインを意識して食品を配置することによって、奥行きのある写真を撮影できます。たとえば、お皿に食品を斜めに盛り付けて撮影したり、長方形のお皿を使って対角線を作ったりします。また、手前に被写体となる商品を配置してピントを合わせ、背景をぼかすのも1つの方法です。

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シズル感のある食品を撮る機材は?スマホでも撮影できる? 

ネットショップ用の商品写真は、高価な機材がないときれいに撮れないというイメージもあるのではないでしょうか。

もちろん、一眼レフカメラや照明など、プロが使う機材で高品質な写真を撮ることもありますが、初心者であれば、スマホだけでも十分です。こちらの記事でくわしく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

【商品写真講座】スマホOK!誰でもかんたんに「売れる商品」の写真が撮れるポイントを紹介

ぜひスマホを持って、「シズル感」を意識した商品写真を撮影してみましょう!

スマホの設定方法 

スマホで撮影する場合、撮影後にある程度の加工ができるので、構図を重視して撮影するのがおすすめです。

ただし、撮影後に背景をぼかしたり、不要な影を取り除いたりするには技術が必要です。ピントをしっかり合わせて、被写体がボケないように注意しましょう。ポートレートモードで撮影すると、背景をぼかした雰囲気のある写真が撮影できます。

また、光の角度によってはスマホや手の影が映り込んでしまうことがあるため、撮影する角度や光の角度も微調整してみてください。とくに真上から撮影する時は写り込みやすいので注意が必要です。望遠機能を活用すると離れた場所から撮影できるので、スマホや手の影が写り込みにくくなります。

一眼レフの設定方法 

一眼レフで写真を撮影する時の光量(露出)を調節する設定項目は、おもに次の3つです。

  • ISO感度:ISO感度を高く(数字を大きく)するほど明るく撮影できます。夜はISO感度を400や800にすると明るくなる。高感度になるほどにノイズが目立つので、数値を高くするほど撮影技術が必要です。
  • 絞り(F値):「F1.8」や「F5.6」という数値で表示され、数値が小さいほど明るく撮影できます。被写界深度(ひしゃかいしんど)と呼ばれる、ピントが合っている範囲を決めることで、写真の明るさを調節したり、ぼかしを入れた写真を撮影したりできます。
  • シャッタースピード:シャッタースピードが速いほど光は少なく、遅いほど光が入りやすくなる仕組みです。暗い場所ではシャッタースピードを長くすることで、光量を増やせますが、シャッタースピードが長いほど手ブレしやすくなります。

この3つの項目を設定して光量をうまく調節することで、シズル感のある写真が撮影できます。

照明器具 

スマホやカメラの設定で光量を調節することもできますが、照明器具があると、よりシーンや被写体を生かした写真が撮影できます。一般的に食品の写真撮影に使われる照明や、照明とセットで使用される機材は次の4つです。

  • ストロボ:いわゆるフラッシュのことです。光量や光の当たる位置を調整できます。
  • 定常光:ライトのように直接対象物を照らして、その場の明るさを調整します。
  • アンブレラ/ソフトボックス:ストロボや定常光を使用する時に、光の広がりや強さを調節する機材です。アンブレラは、被写体ではなく傘の内側に光を当てて拡散させます。ソフトボックスは、光をボックスに通すことで光の向きを明確にできるほか、やわらかい雰囲気を演出できます。
  • レフ板:レフ板に光を反射させて影になっている部分に当てて、自然な立体感を演出します。

照明器具や関連する機材は必須というわけではありませんが、時間帯を問わずに写真を撮影したい場合や、プロのような写真を撮影したい場合は導入を検討してみてください。

食品の商品写真を加工する方法

シズル感のある食品写真を撮影する時は、構図や光量も重要ですが、撮影後の加工によってさらに魅力的に見せることもできます。とくにスマホの場合、一眼レフなどと比較するとなかなか納得できる写真が撮影できないと感じることがあるかもしれません。しかし、スマホでも既存の設定やアプリで魅力的に加工することもできるので、ぜひ参考にしてみてください。

スマホ撮影の写真は明るさ調節が重要 

スマホで食品の写真を撮影する場合、撮影時に調節できる光量には限界があります。そのため、撮影後に明るさを調節して影の分量を減らしたり、コントラストをはっきりさせて立体感を出したりするのがおすすめです。撮影後の調節に役立つ基本の設定項目は次の3つです。

  • 露出:数値を上げて「少し明るすぎる」と感じるくらい調節してください
  • シャドウ:被写体の影の分量が多く、暗い印象に見える時は、シャドウの数値を上げて影を明るくします
  • コントラスト:立体感が足りない時にバランスを見ながら、明暗のコントラストがはっきりするよう調節してみてください

撮影後の調節が難しい場合は、スマホの自動調整を試した後に、撮影時の明るさやコントラストを微調整するのも1つの方法です。

また、写真全体を明るくしてくれる「明るさ」という項目の数値を上げれば、写真全体の明るさをかんたんに調節できます。

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スマホアプリで背景を合成する 

食卓を背景にした写真や、食事シーンを撮影する場合は、小道具を用意したり、バランスを整えたりなど、コストや手間がかかります。そんな時は、料理写真の合成ができるアプリを使うのも1つの方法です。

MyEdit(マイエディット)」は料理写真の合成がかんたんにできるスマホアプリです。「AI 商品背景」という機能があり、撮影した料理写真を取り込むと自動で背景が削除され、合成したい背景を選ぶだけでAIが生成した背景にかんたんに置き換えられます。

Lightroomでの加工は彩度調整がポイント 

撮影した写真の編集や管理ができるAdobeのサービス「Lightroom」で撮影した写真を加工する場合は、彩度調整によって写真の雰囲気を大きく変えられます。

たとえば、果物や魚といった明るく軽やかな雰囲気にしたい被写体には、青と水色の輝度を上げ、彩度を下げるのがおすすめです。

また、チョコレートのように濃厚さや深みを演出したい被写体には、赤の輝度を下げて赤の色相に少し青みを加え、オレンジの彩度を下げると重厚感のある写真に仕上がります。

Lightroomは設定項目が多いため、プロでないと設定が難しいと感じてしまうかもしれません。しかし、項目を絞って調整すると編集がしやすくなります。洗練された写真に仕上げたい時は、バランスを確認しながら白レベルやハイライト、シャドウ、黒レベルを調節してみてください。

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おいしそうな食品の商品写真で集客するには? 

シズル感のある魅力的な写真が撮影できても、たくさんの人に見てもらわなければ商品の購買にはつながりません。そのため、SNSやWeb上のサービスを活用して、効率的に集客を行うのがおすすめです。

Instagramに投稿する 

Instagramは写真をメインで投稿するので、食品を扱うショップの集客を行うには最適なSNSです。

ネットショップ作成サービスの「BASE」にはInstagram連携機能があります。BASEの商品とInstagramを連携させること、Instagramの投稿に商品をタグづけして、BASEの商品販売ページへ直接リンクできます。

Instagramではフィードにリンクを設置できないからこそ、タグづけによって導線を確保しておけば、購入までの流れがスムーズになり、購買率アップが狙えるでしょう。

少しのコツでOK!集客上手がやっているインスタグラム運用

noteに写真とストーリーを掲載して相乗効果を狙う 

noteはブログ感覚で写真やテキストを掲載できる無料のサービスです。

オウンドメディアを運用するのはコストや手間がかかりますが、noteなら無料でショップや商品の情報を発信できます。食欲をそそる魅力的な食品の写真とともに、商品へのこだわりやブランドのストーリーを掲載することで、共感を呼ぶでしょう。

ネットショップ作成サービスの「BASE」にはnoteストア機能があり、noteにショップサイトの商品画像や情報などをそのまま表示できるようになるので、情報の発信と集客を同時に行えます。

ネットショップとほかのサイトを連携させる 

ネットショップに商品を掲載すると同時に、ほかのサイトにも掲載できるような連携サービスを利用すると、複数のサイトで商品のアピールができます。

BASEは日本最大級のお取り寄せ情報サイト「おとりよせネット」と連携できるサービスを提供しています。

モニター審査員が商品である食品を実際に食べた評価を掲載してもらえるほか、口コミやランキングといった情報をサイトで二次利用することも可能です。第三者の意見を参考にして購買を検討する新規客を呼び込めるでしょう。

まとめ 

食品の写真は食欲をそそる「シズル感」を出すことが重要です。一眼レフではなく、スマホのカメラでもシズル感を出すことが可能です。撮影の構図やライティング、露出補正などの加工によってシズル感を出すこともできるので、ぜひ挑戦してみてください。

ネットショップ作成サービスの「BASE」は、InstagramやYouTubeといった主要SNSと連携して、ショップへの導線を作れます。また、お取り寄せサイトや情報発信サービスとも連携できるので、魅力的な写真を活用して、さまざまな角度から集客に取り組めます。

BASEは初期費用、月額費用無料でかんたんにネットショップを開設できるので、ぜひBASEで効率的かつ効果的なショップ運営を実現してみてください。

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