チャージバックとは?仕組みや原因、BASEでできる対策について解説

2020.10.30(更新:2023.09.27)

ショップ運営のリスクとなる「チャージバック」について解説

ECサイトやネットショップの利用が進むなかで、クレジットカードによる決済は、便利な決済方法としてますます広がっています。
そこで、ショップを利用する人も、運営するショップも知っておくべきなのが「チャージバック」についてです。
この記事では、ショップを運営する方にとってはリスクになる「チャージバック」にはどんな原因があるのか、そしてチャージバックを防ぐためにはどのような対策を取るべきかを解説していきます。
 

チャージバックとは?

「チャージバック」とは、ショップでの支払いに使われたクレジットカードの発行会社がショップに対して、不正利用や「取引内容に納得がいかない」などの理由から、支払いの取消を求めることです。
チャージバックが発生すると、商品を販売した側(ショップ側)は、クレジットカード会社に利用代金を返金しなければなりません
このさい、すでに発送してしまった商品が戻らないケースもあり、ショップにとって大きなダメージとなります。
チャージバックについて、くわしくは以下のページもご覧ください。
ヘルプページ:チャージバックとはなんですか?
 

チャージバックが起きる原因は、3つ

チャージバックが起きる原因としては、おもに以下の3つがあります。

  1. 1.クレジットカードの不正利用
  2. 2.クレジットカードの明細の利用日や利用店名に覚えがない
  3. 3.商品が届かないなど、取引に問題があり、購入者がショップへ問い合わせしたが、交渉がまとまらなかった。

それぞれの原因について、くわしく解説していきます。

原因1.クレジットカードの不正利用

原因の筆頭にあげられるのが、クレジットカードの不正利用です。チャージバックが起こる理由の大半を占めています。
不正利用には、いくつかのパターンがあり、不正利用されやすい商材にも傾向があります。クレジットカードの不正利用の詳細については、後述します。

原因2.クレジットカードの明細の利用日や利用店名に覚えがない

カード会社では、購入した商品名などは把握していないため、カード名義人が「利用日」「利用店名」「利用金額」から利用に心当たりがない場合、購入商品の調査としてチャージバックが発生することがあります。

ショップを運営するさいには、下記の点にご留意ください。

・クレジットカードの利用日:管理画面から注文ステータスを発送に変更した日付となります。
※デビット、プリペイドカードの場合は注文日となる場合があります。

・利用店名:カード決済では利用明細の名義はどのようになりますか

原因3. 商品が届かないなど、取引に問題があり、購入者がショップへ問い合わせしたが、交渉がまとまらなかった。

・購入者がクレジットカード決済をおこない、商品の料金を支払ったにもかかわらず、商品が届かなかった
・商品に何らかの不具合などがあり、購入者が交換や返品を申し出たものの交渉がまとまらなかった
など、上記のことが起こったのちに、購入者がカード会社に苦情を伝えることで、チャージバックとなることがあります。
販売者側が発送しなかった場合だけでなく、所定の日時に届かなかった場合もふくまれるため、注意が必要です。

 

クレジットカードの不正利用とは?発生のパターンについても解説

さきほどチャージバックの原因の1つ目として解説した、「クレジットカードの不正利用」はカード会社のみならず、社会的にも大きな関心事になってます。
一般社団法人日本クレジット協会の調査結果によるとクレジットカード不正利用被害額は、年々、キャッシュレス決済の普及とともに増加しています。

2014年から2022年にかけて日本のクレジットカード決済額はおよそ2倍(46兆円→93兆円)に増加したことに対して、インターネット等におけるクレジットカードの不正利用被害額は6倍(67億円→411億円)となりました。
このことから、キャッシュレスの普及を上回る速度で不正被害が増加していることがわかります。

年々増加している不正利用の原因には、おもに以下の2つのパターンがあります。

・クレジットカード本体の盗難・紛失
・クレジットカード情報の漏洩・流出

カード本体の盗難・紛失による不正利用は、車上荒らし、スリ、ロッカー荒らしによって、盗難したカードを第三者が不正利用するケースです。
最近では一部のカード会社がカードに番号や有効期限を印字しない「ナンバーレスカード」を発行し、対策の強化が図られています。
カード情報の漏洩・流出による不正利用は、なりすましやフィッシング詐欺、パソコンがウイルスやスパイウェアの被害を受けることによって盗まれた情報を使って、第三者が不正利用するケースです。

 

クレジットカードの不正利用で購入されやすい商材とは?

盗んだクレジットカードを使って狙われやすい商材の条件は、「転売できて、高額なもの」です。
不正利用者は、不正利用によって得た商材を多くの場合転売して、現金へ換えようとします。このため、できるだけ高値で売れやすい商材に目をつけるのです。
具体的には、以下のような商材です。
 
・トレーディングカード
・ブランド商品
・PC、タブレットなどの電子機器
・アウトドア
・美容品

ブランド品は高額なものが多く、現金にも換えやすいため、狙われやすい条件がそろっています。
家電製品では、とくに高額なブランド家電が換金率もよく、狙われる傾向にあります。これらの商品を扱うショップは、とくに不正利用に気を付けましょう。

 

ショップがおこなえるチャージバック対策

1.不正利用に対する対策

(1):配送時の伝票番号を控えを保存
チャージバックの要因としてさきに紹介した、「商品が届かなかった」、「所定の日時に届かなかった」さいには、商品を発送したことや正しく到着したことの証跡が重要となります。
そのため、伝票番号の払い出しなど、発送や到着の証明が取ることのできる注文については、伝票や番号を保存するようにしましょう

(2)注文者情報、購入情報確認のためのチェック項目
「BASE」では、大きな損害になりうるチャージバックの発生を防ぐため、下記のようなチェックリストをご用意しています。
ヘルプページ:-チャージバックや不正利用-悪用-を防ぐためにはどうすればいいですか
注文が入ったら、下記のチェック項目に沿って注文者情報、購入情報を確認することをおすすめします。 

2.購入者とのトラブルに対する対策

(1)商品説明で商品の内容や状態、発送時期を明示する
購入者からショップとのトラブルを理由にチャージバックを受けた場合、商品ページで商品の状態や発送時期、返品や交換の規定について予め明示していれば、カード会社を通じてチャージバックに対して反論できる可能性があります

(2)実際に発送処理を行った後に、管理画面より発送処理をおこなう
商品が届かなかった場合や、所定の日時に届かなかったことを要因とするチャージバックは、商品が発送されていないのに発送処理がされたことを理由にしている場合があります。
トラブルの元となることもあるため、発送処理は発送後にご対応いただくことを推奨しています。

 

「BASE」には「不正決済保証 App」があります

チャージバックへの対策として「BASE」では「不正決済保証 App」という拡張機能があります。
不正決済保証Appをインストールするとクレジットカードが不正利用(チャージバック)されたときのショップの被害金額が補償されます。チャージバックにより売上が取り消された場合でも、BASE株式会社が提携している保証会社・株式会社アクルが売上の入金を補償する仕組みになっています。

プランは980円〜2,980円の3プランあり、金額によって保証額の上限が変わってくる仕組みです。
先ほど挙げたような、チャージバックの被害に遭いやすい商材を販売している方は、検討されることをおすすめします。
※(株)アクルによる加入審査がございます。
くわしくは、以下記事をご覧ください。

安心してネットショップ運営をおこなうためのお守り「不正決済保証 App」

チャージバック手続きの流れ

実際に自分のショップでチャージバックが発生した場合、どのような流れになるのでしょうか?
その具体的な流れを、「BASE」の場合をもとに解説します。
 
1.購入者→カード会社→BASEに「異議申し立て」の確認をおこなう
はじめに、カード保有者である購入者が、カード会社に意義の申し立て(チャージバックの申し立て)をおこないます。
その後、カード会社から「BASE」宛てにチャージバック申請(異議申し立ての確認)がされます。
 
2.「BASE」からショップ様に「異議申し立て」の確認をおこなう
カード会社の申し立てを受けた「BASE」が、ショップを運営するオーナー様に異議申し立ての確認を行います。
ショップ様がチャージバックを認める場合は、チャージバック確定となります。
一方、認めない場合は次のステップに進みます。
 
3.「BASE」を通じて、カード会社に必要な情報を提供する
チャージバックを認めない場合、取引の正当性を主張する必要があります。
このため、商品発送日やその追跡番号といった情報を、ショップは「BASE」を通じてカード会社に提出します。
 
4.カード会社による再調査がおこなわれる
提供された情報も参考に、再度カード会社にて、チャージバックになる取引なのかどうか、精査されます。
審議の最終的な判断は、カード会社によって下されます。

 

「BASE」のチャージバックに関する取り組み

「BASE」では、チャージバックに関する取り組みとして、おもな原因となるとくにクレジットカードの不正利用に対する、さまざまな対応と取り組みをおこなっています。
具体的には、一般社団法人日本クレジット協会が定める「非対面取引におけるクレジットカードの不正利用対策」に基づき、以下のような対策をおこなっています。
 
・券面認証(セキュリティコード)の確認
・購入者の属性・行動分析
・配送先情報の確認
 
これらの取り組みに加えて、不正の疑いのある決済を検知したさいは、すみやかにショップ様にご連絡しています。
「BASE」の不正決済への取り組みについて、くわしくは以下の記事をご覧ください。
「BASE」の不正決済への取り組みについて
ただし「BASE」側での取り組みだけで、チャージバックの発生を完全に抑えることはできないのが実情です。ショップ様でもご注意いただくようお願いします。
 

チャージバックに関するQ&A

チャージバックの対応は形式化されていますが、経験がない人にとっては、さまざまな疑問もあるはずです。チャージバックのよくある疑問に回答します。
 
チャージバックの申し立てに期限はあるの?

チャージバックをおこなう期限は存在します。国際ブランド会社の規定では、チャージバックの期限は、発送日から120日程度(※)となっています。
チャージバックの内容や理由によっては、期限が短縮・延長される場合もありますが、基本的には、期限外のチャージバック申請を受けることはありません。
※不正利用が発生した場合におけるカード会社の手続き期限です。事務手続きの都合により、BASEからショップへの連絡は上記の目安を超える場合があります。

 
チャージバックがおこなわれたあとの購入商品はどうなる?

購入者(カード保有者)からの申請でチャージバックがおこなわれた場合、ショップは、購入者へ返品を依頼することができます
返品依頼をおこなった場合、購入者は商品を返品する必要があります。購入者側へ連絡しても連絡がつかず、商品が戻ってこない場合、警察へ相談することもできます。
ただし、最終的に商品が戻ってこなかった場合、その損害はショップにご負担をお願いしております。

 
ショップが異議申し立てをすることはできる?

ショップを運営する事業者は、カード会社経由で購入者からのチャージバックの通知が来たさいに「受け入れられない」、として異議を申し立てることもできます
とくに、商品の未発送や商品に対するクレームが理由のチャージバック申請で、身に覚えがない、納得がいかない場合、異議申し立てをおこなうことも可能です。
チャージバックが確定するか否か、判断するのはあくまでもカード会社ですが、ショップ側は該当取引が正当であると主張するために、商品発送日や荷物の追跡番号などの情報をカード会社に提出して、カード会社の判断をを待つことになります。

 

まとめ

以上、クレジットカード決済におけるチャージバックに関する解説でした。
クレジットカードの不正利用の被害も拡大するなか、チャージバックの正しい知識と防止策を知っておくことはショップの運営に不可欠です。正しい知識をもって、対応しましょう。

SNSでシェア

関連記事

人気記事

新着・更新記事

売上0から10までガイド

ショップ運営のノウハウ

ショップ運営で知っておきたい情報を
フェーズにわけてまとめています

商品を売る

商品を魅力的に見せるための説明文の書き方から、仕入れに関する情報、配送ノウハウについてまとめています。

売上を伸ばす

売上を伸ばすために必要不可欠なマーケティング知識や、SNS運用のコツ、BASEアプリの活用方法などについてまとめています。

売上を管理する

決済に関する情報や、売上申請の方法などについてまとめています。