通販で受取拒否をされた場合に、どのような対応をすればいいのかわからない、という人も多いのはないでしょうか。
せっかく販売した商品を受取拒否されてしまうと、金銭的にも精神的にもダメージが大きいので、そんな場合に備えて、受け取り拒否への対応方法を知っておきましょう。
目次
知っておきたい受け取り拒否に関する大前提
まず通販での受け取り拒否に関して、以下の2つを前提条件として頭に入れておきましょう。
受取拒否の返送料は、ショップ負担となる
受け取り拒否では、売買契約の契約解除にならない
前提①受け取り拒否の返送料は、ショップ負担となる
受取拒否は、ショップを運営するオーナー側にとって、とても大きなリスクとなります。
後払い決済や代金引換で発送した商品を受取拒否された場合、商品はショップの方へ返送されることとなりますが、このときの送料や手数料は、ショップ側の負担となるからです。
しかも、送料について特別価格で配送業者と契約している場合でも、返送分の代金は正規の料金となってしまう、のが一般的です。
前提②受け取り拒否では、契約解除にならない
受け取り拒否の原因としては「注文した物がいらなくなった」「注文した覚えがない」などが考えられます。
また、入院や留学などで家を不在にしている場合などもあります。
「注文した物がいらなくなった」「注文した覚えがない」などの場合には、受け取り拒否をすることにより、売買契約を解約できる、と考えているユーザーも多いです。
しかし、受け取り拒否では、正式な契約の解除とはなりません。
そのため、ショップの運営者は、このことを前提知識として持ったうえで、適切な対応をとることが重要です。
受け取り拒否への対策と注意点
先述の通り、受け取り拒否をされても売買契約の解除にはならないものの、実際に起きないようにすることが先決です。
そこで、まずは受け取り拒否を発生させないための対策について解説します。
- <受け取り拒否の対策>
キャンセルできないことを明記する
対処法や請求内容を明記する
対策1. キャンセルできないことを明記する
受け取り拒否を防ぐために、商品ページや注文確認メールにおいて「発送後キャンセルはできません」などと明記しておくことが重要です。
このように明記しておかなければ、購入者側はいつでもキャンセルできると思ってしまい、「キャンセルしたのになぜ商品が届くのだ」と受取拒否につながってしまいます。
そのため、「発送後キャンセルはできない」「キャンセルできる期間は注文後何日まで」など、しっかりと明記しておきましょう。
消費者庁のホームページには「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」が記載されているので、その点についても確認しておきましょう。
対策2. 対処法や請求内容を明記する
受け取り拒否が起きたさいの対処法や、請求内容を商品ページや注文確認メールなどにおいて、明記しておくのも効果的です。
「商品発送後のキャンセルの場合、返送料金ならびに代引き手数料は、お客様の負担となります」など、しっかりと明記しておきましょう。
このような事項を明記しておくことにより、受け取り拒否が起きたさいの費用がショップ側の負担ではなくなるので、リスクを減らすことができます。
<Amazon>では、「未使用かつ未開封の場合:商品代金(税込)を全額返金します。開封済みの場合は商品代金(税込)の50%を返金します」とされています。
こちらも消費者庁のホームページにて「顧客にとって容易に認識することができるよう表示していると考えられる返品特約の表示方法」などガイドラインが明記されています。
受け取り拒否で返品されたときは?
対策をおこなっていても、受け取り拒否で商品が返送されてくる可能性は、ゼロにはなりません。そんな場合、どのように対処すればいいのでしょうか?
対処の方法としては、まず購入者へ連絡を取り、ショップの運営規程に定めた対処法をおこない、再発防止に努める、といった流れがあります。
ここでは、それぞれの内容について具体的に解説していきます。
なお、「BASE」ののヘルプページでも、受け取り拒否や返品があったさいの対処法に記載がありますので、操作方法とあわせてご参照ください。
すぐに購入者へ連絡を取る
受け取り拒否で商品が返品されてきた場合は、すぐに購入者へ連絡を取るようにしましょう。
キャンセルが購入者の意向なのか、住所間違いや配送の行き違いなどの理由によるものなのか、確認する必要があります。
購入者の意向で商品が返品されてきた場合は、返品理由などを確認し、ショップで定めた規定を説明しましょう。
住所間違いや配送の行き違いなどの場合は、再送の手続きが必要となります。
その場合も、再送の費用はどちらが負担するのか、ショップで定めた規定を説明しましょう。
「BASE」では、後払い決済の注文で、再送により追跡番号の変更があった場合、着荷確認・売上計上をおこなうことができません。
その場合は、再注文をおこなっていただくように案内することになります(くわしくは先ほどのヘルプページを参照)。
規定通りの対応をおこなう
購入者と連絡を取ることができ、ショップで定めた規定を説明した後は、運営規程に定めた通りに対応しましょう。
ここで購入者に説明した内容と対応が違うと、後のクレームやトラブルに発展する恐れがあります。
そのため、説明するさいには、規定をしっかりと確認しましょう。また、ショップ側と購入者の間で誤認がないように、一つひとつ確認しながら説明しましょう。
顧客・受注管理をおこなう
ショップの規定通りに対応をおこなった後は、顧客・受注管理をおこなわなければなりません。
住所間違いや配送の行き違いの場合には、次回もそのようなことが起こらないように、顧客情報を変更しておきましょう。
購入者側の都合でキャンセルなった場合などで、悪質な場合は要注意ユーザーなどとして登録しておきましょう。
再発を防止するためにも、こういった顧客・受注管理をおこなうことは重要です。
悪質と思われる「受け取り拒否」への対処法
受け取り拒否があまりにも悪質な場合は、どのように対処すればよいのでしょうか? 対処法としては、以下の3つがあります。
- 対象のお客様をブロックする
法的措置を検討する
警察に通報・相談する
ここでは、それぞれの項目について、くわしく解説します。
対処法1. 対象のお客様をブロックする
受け取り拒否があまりにも悪質だった場合、二度とそのようなことが起こらないように、その方をブロックする、というのも一つの方法です。
とくに、購入後のキャンセルを繰り返すユーザーなどは、ショップ運営に不利益となるため、ユーザーをブロックして購入できないようにする、といった方法を検討しましょう。
「BASE」であれば、「ブロックリスト App」でかんたんにブロック設定が可能ですす。
対処法2. 法的措置を検討する
受け取り拒否でショップに損害が発生した場合は、法的措置を検討しましょう。
このような売買契約では、簡易裁判を実施することができます。
しかし、裁判には費用の負担があり、たとえ勝訴したとしても、金額の面ではマイナスになる可能性も高いです。
その点をしっかりと理解した上で、消費者庁のガイドラインに沿って法的措置をするかどうか、検討しましょう。
警察に通報・相談する
悪質な受け取り拒否が続くようであれば、警察に通報もしくは相談することもご検討ください。
偽計業務妨害(刑法第233条)の対象になれば、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金」となります。
あまりにも受け取り拒否が悪質で、ショップの運営に不利益をもたらす場合や、ショップの運営自体が危うくなってしまう場合などは、このような方法も視野に入れましょう。
まとめ
以上、ネットショップにおける受け取り拒否への対応について解説しました。
ご覧いただいたとおり、受け取り拒否が発生すると、ショップ運営側にとってプラスになることは一つもないため、まずは受け取り拒否が発生しないように対策するのが先決となります。
すこしの工夫が防止につながることもありますので、できることからやってみてください。