「ネットからリアルへ」では、「BASE」初の常設店舗「SHIBUYA BASE」の出店オーナーズにその魅力をおうかがいし、ネットショップがリアルの場へと挑戦する意義をお伝えしていきます。
第6回は、<101010 -ten ten ten->のオーナー・林さんにお話をうかがいました。
<101010 -ten ten ten->は、レザーアイテムやジュエリー、キャンドルなどのオリジナル商品を販売しているブランド。
101010 LEATHERS
https://www.instagram.com/101010_leathers/
101010 JEWELRY
https://101010jewel.theshop.jp/
https://www.instagram.com/101010_jewelry/
101010 CANDLES
https://101010candle.theshop.jp/
https://www.instagram.com/101010_candles/
目次
「自己満足度」「高揚感」「創造性」ーー自分のためのモノ選び
ーーブランドのコンセプトを教えてください。
<101010 -ten ten ten- >というブランド名は、「自己満足度」「高揚感」「創造性」すべてに10点満点の札を挙げて絶賛する瞬間を表現しています。
身に着けるモノ選びも生き方の一つ。
ポリシーを貫き、自信と強さを手に入れる。
そういう想いから、他人に向けてではなく、自分のためのモノ選びを提案しています。
ーーブランドを立ち上げたきっかけや、経緯について教えてください。
ブランド発足の準備をはじめた2019年12月当時、ロサンゼルスに滞在していて、以前から取引をしていたロサンゼルスの工房で14Kとダイヤモンドを使ったジュエリーを製作していただくことになりました。
当初から、いつかポップアップショップを開催したいと思っていたことと、ジュエリーは高価な商品なので、軌道に乗るまでもうすこし手に届きやすい価格の商品も必要だと考えていたことから、以前からアイディアがあったレザーアイテムやキャンドルもオリジナルで製作して販売することにしました。
アパレル、旅行業、宿泊施設などの経験を経てたどり着いた、ブランド運営
ーーロサンゼルスにも取引先があったということですが、ブランドをはじめる前は、どういったお仕事をされていたのですか?
もともと、ファッションと旅が好きで、中学生のころから自分で何かを作ったり、どこかで仕入れたものをフリーマーケットで売ったりしていました。中学生の自分が売ったものを、高校生のお姉さんが「可愛い」って言ってくれるのがうれしかったのを、今でも覚えています。
社会人になってからは、洋服屋さんで働いたこともありましたが、ただ物を売るのではなく、自分で選んだものや付加価値をつけたものを販売したいと思うようになり、ちょうどネットショップサイトの出始めだった21歳のころ、偶然見つけたショッピングカート付きのサイトを利用してネット販売をはじめることに。年に数回ニューヨークで買い付けた商品を販売し、そのあと実店舗も開きましたが、やはり家賃などの固定費が厳しくて、2年ほどで閉店しました。
その後、第二の興味の対象だった旅に関わる仕事をしたいと思い、旅行会社に就職して、そこで得たマーケティングや旅行業会についての知識や経験を糧に、女性向けの旅行会社を立ち上げ、アート鑑賞バスツアーなどを企画していました。当時は、いろんなところに連絡して企画を提案したり、ツアー同行など、なんでもやっていました。
旅行業を辞めたあとは、同時進行していた事業である、岡山県での宿泊施設の運営に注力しました。ただ、トレンドや情勢が急変するリスクに備えて、つねに複数の事業をおこなっておきたいと思い、<101010 -ten ten ten- >をはじめることにしました。
好きなことを押さえつけず、なんでもやってみたい
ーーファッション・旅行・宿泊施設の幅広い分野でお仕事をされていたということで、かなりユニークな経歴をお持ちのようですが、なにか信念のようなものはありますか?
興味のあることは、とりあえず手探りではじめてみます。誰かが求めているものと自分が求めているものを商品として出したい、万人受けするものではないけど好きな人にはよろこんでもらえるものを作り出したい、と思っていて。好きなことを押さえつけずに、とにかくなんでもやっていきたいです。
見ているだけでかわいい、と思ってもらえるものを作りたい
ーー販売されているのはすべてオリジナル商品とのことですが、どういったこだわりがありますか?
購入してくださった方が「こういうのほしかった、見ているだけでかわいい」と思ってもらえるような商品を作っていきたいです。
私自身、今までいろんなものを消費してきた中で、年齢を重ねるとともにだんだん物選びのポリシーが固まってきもの選びが慎重になってきました。そんなわたしのような方にも選んでもらえるようなものをつくりたい、という思いがあります。
ーーなぜ「BASE」を選んだのですか?
いちばんの理由は、ショップ開設の初期費用がかからないので、軌道に乗るまでに時間がかかっても安心、ということですね。「とりあえずやってみよう」という気持ちでショップをはじめることができます。はじめから複数のショップを同時に運営したかったので、そういう面でも、経済的なリスクがないことは大きな魅力でした。
もちろん別のサービスとも比較しましたが、決済の面で「BASE」のほうが信用できるのではないかと思い、最終的に「BASE」を使うことにしました。
また、複数ショップをすべて「BASE」に統一することで、従業員に一度レクチャーすればすべて使えるようになって楽、という現実的な利便性もあります。
ーーショップ運営は、一人でおこなっているのですか?
商品の発送作業は、私と数名のスタッフでおこなっています。宿泊施設も運営しているので、そちらを兼務しているスタッフもいます。
SNS運用については、こだわりがあるので、人に任せずに、すべて私一人でおこなっています。SNSには、オンラインショップとは違った雰囲気の写真もあったほうがいいかと思い、私が撮影した写真も掲載していますが、ショップページに掲載している商品写真については、すべてスタジオを借りてプロのカメラマンに撮影してもらっています。
オフライン出店への挑戦にぴったりだった「SHIBUYA BASE」
ーー「SHIBUYA BASE」に出店しようと思ったきっかけはなんですか?
ブランドをはじめた当初から、オフライン出店に興味があり、「SHIBUYA BASE」出店ショップ募集のメールを見て応募しました。
渋谷という立地のよさ、そして百貨店でなくショッピングモールでもない、ちょうどよい親しみやすさがありながらも知名度がある<渋谷マルイ>。さらに、出店費用が出店手数料の15%のみということだったので、これはぜひチャレンジしてみたい、と思いました。
オフラインだからこそのコミュニケーションがあった
ーー出店してみて、なにか変化はありましたか?
今回の出店について、全体的に満足しています。自分のなかでの売上目標を達成できなかったので、そこがすこし心残りではありますが、初の東京出店で楽しみにしてくださる方や、DMをくださる方がいたりして、今までオンラインだけでやっているなかではなかったようなお客様とのコミュニケーションという面で、大きな収穫があったように感じています。
はじめてお客様の声を直接聞いて、自信がついた
ーー実際にどのようなコミュニケーションがありましたか?
ふだんは、お客様から商品ご購入後にメッセージをいただくことはほとんどなく、商品についての問い合わせなどの業務的なメッセージが多かったので、商品についてのお客様からの評価がすごく気になっていました。
ところが、今回ポップアップショップを開催してみて、お客様からのうれしい声をたくさんいただき、多くの方に商品を気に入ってもらえてるんだな、と自信がつきました。
閉店時間ぎりぎりに来店されたり、Instagramを見てきてくれた方の購入率は、ほぼ100パーセントでした。もともと迷っているカラーがあって来店されて、「実物を見るとどれも素敵で、さらにどのカラーにするか迷う」という方や、「バッグをすでに2個持っていて、3個目を買いに来た」という方にもお会いすることができて、うれしかったです。
開催にあたって、利益が小さかったとしても、今後もオフラインでのイベントをおこなっていきたいなと思っています。
将来は、いろんなものが買える大きなセレクトショップにしたい
ーー今後の目標や計画はありますか?
<101010 LEATHERS>のバッグは、もっといろんなカラーや柄を増やしていく予定です。ずっと販売したいと思っていたレザーアパレルアイテムも、新た今春ごろから販売開始する予定です。
また、現在アーティストやイラストレーターとのコラボなど、アートに関連する商品も企画中です。私が運営している宿泊施設の客室に、アーティストの方にペイントをしてもらっていて、それにもリンクする形でコラボ商品を制作していければと。こちらは、既存の3ショップとは別で、2021年のオープンを目標にしています。
そして、将来的には、現在販売中のレザーアイテム、ジュエリー、キャンドルに加え、さらに新しいものをどんどん生み出して、ユニークで利便性のあるさまざまなものが買える、大きなオンラインセレクトショップにしたいです。