BASEでは、たくさんのオーナー様が自由な発想で商品やショップを展開されています。
今回は「溶けない○○」をテーマに、氷やチョコレートなど「暑さで溶ける」食品やものをモチーフにして商品を展開されているオーナー様にインタビューしました。
猛暑のなかでも「溶けない」アイテムを、商品デザインの発想やショップへの想いとともにお楽しみください。
今回お話をうかがったのは、一般社団法人日本デザイン石けん協会<JDSA>の代表・松崎ひさ子さん。
ご自身の作品を背に、デザインソープの材料を手にする松崎さん
日本デザイン石けん協会では、手作り石鹸の資格を取得することができ、石けんの基礎知識やデザインソープの作り方を学ぶことができます。
資格を取得された方は、講師として教室を開き、生計を立てている方も多いそう。
これまで900名以上の会員の方が、趣味で、また講師として、デザインソープを楽しんでいらっしゃいます。
<JDSA>が運営するネットショップでは、おいしそうなケーキやアイスのような石けんを自宅で作ることができる、手作りキットや材料を販売しています。
色とりどりのアイスの石けん
ご自身の石けん作りをきっかけに、協会やネットショップを立ち上げた松崎さん。
はじめられたきっかけや、石けんづくりに込められた想いについてうかがいました。
目次
楽しくて癒される、石けんづくりで「選択肢」を広げたい
ーー手作り石けんをはじめられたきっかけ、また協会立ち上げの経緯を教えてください。
手づくり石けんをはじめたのは、「自分の子どものために、肌にいい石けんを自分で作りたい」と思ったことがきっかけです。
もともとは、輸入販売をおこなう会社に勤めていました。
妊娠、そして産休に入ったタイミングで「なにか趣味をはじめたいな」と思って、アロマテラピーをはじめてみたんです。
アロマの香りを楽しんでいるうちに、「本格的に学びたい」と思い、資格を取得しました。
資格を取ったあと、「趣味で終えちゃうのももったいないな」と思って、週末に自宅でアロマの教室を開くようになったんです。
そんななか、子どもが生まれました。
その子が、肌トラブルが多くて。「肌にいい石けんで洗ってあげたい」と思ったんです。
石けんは市販のものでもよかったんですが、じつは、アロマ教室の教材として石けん作りも扱っていました。
そのおかげで、石けんの知識が身についていたので、生まれた子の肌にやさしい石けんを自分で作ろう、と本格的に石けんづくりをはじめました。
作った石けんは使用感がよくて、それに自由にデザインできるんです。
色や形を変えたり、好きな香りをつけたり、アレンジが自在です。
「作品」として自分が表現したいデザインにチャレンジすることもできるので、楽しくなっちゃって。
そこで、アロマ教室を手づくり石けん教室にしちゃおう、と思い立ちました。
教室で手づくり石けんを教える、松崎さん
そこから、教室に来てくださった生徒さんだけでなく、教える側の方も増やしたいと思い、資格制度を設立しました。
わたしにとって石けんづくりは、忙しい日常の中での、楽しみであり、癒しです。
また、教室に来てくださった方の、石けんづくりを楽しむ姿を見るのが好きです。
わたしと同じように、家事や育児、仕事に追われている、とくに女性の方って多いと思うんです。
そうした方に「集中してものづくりができる時間」、そして「石けんづくりのプロになることで、好きなことを仕事にできる」という選択肢を、石けんづくりを通して提供したい、と考えています。
それに、資格を取ることは大変ですが、目標が明確だから、取るまでの努力も楽しいんですよね。
日常に張り合いが出て、なにかを成し遂げた、という自信にもなると思っていて。
人生の選択肢や挑戦を提供し、資格支援というかたちで応援したい、という想いで、日々協会を運営しております。
色とりどりでキャッチ―な「デザインソープ」
ーーアイスやケーキの形を模したデザインソープを扱うようになった、きっかけを教えてください。
生徒さんからのご要望が多かったからですね。
教室をはじめたころは、よくある四角の石けんづくりを中心に提供していました。
でも、生徒さんに圧倒的に人気だったのが、アイスやケーキのデザインソープで。
やっぱり、アイスやケーキのデザインだと、パッと目をひくし、「石けんでできている」という意外性もある。
カップケーキのデザインソープ
それに、真四角の石けんだと、どことなく味気なく感じますしね(笑)。
そういった意味で、人気が高かったので、教室や材料の提供も、デザインソープを中心に展開していきました。
フェイクスイーツや本物のケーキやお菓子を参考にしながら、デザインするようにしています。
カラフルでかわいい、パフェの石けん
材料といっしょに、「うまくできる」という安心感をお届け
ーーネットショップをはじめられたきっかけは、なんだったのでしょう?
こちらも、生徒さんの声をきっかけにはじめました。
石けんづくりの教室で来ていただいた生徒さんから、「使用した材料を買って帰りたい」という声をいただくことが多くて。
当時、教室で使用していた石けんの材料は、ネットで調べれば手に入るものばかりで、そうしたご要望は意外だったんです。
お話を聞いてみると、「失敗したくないから、教室と同じものを使いたい」とのことで。
教室で習った石けんを、自宅でも再現しようと思ったら、技術ももちろんなんですが、やっぱり材料が大事なんです。色や香料は、製品によって違うことが多いので。
それなら、と最初は、生徒さんへ向けた販売を教室だけではじめました。
それが、資格制度を立ち上げてみると、今度は全国から生徒さんがいらっしゃるようになって。
そうなると、気軽に教室に買いに来られない方もいるな、と思ったんです。
そこで、ネットショップをはじめました。
ネットショップで販売中のデザインソープキット
ネット通販で購入した着色料や香りづけの材料って、実物が届かないと、実際の色や香りがわからないですよね。
ほんとうに自分がほしかった色や香りがつけられるか、買う方の不安要素が大きいんです。
また、石けんのクオリティを担保するため、厳選された良質な材料を提供する、という意味でも、ネットショップを展開するようになりました。
向こう側が透けて見える!透明度の高い「アミノ酸石けん」
ーーおすすめの商品を教えてください。
アミノ酸石けんがおすすめです。
透明度が高い、アミノ酸石けん
アミノ酸石けんは、溶けやすく加工しやすいソープベースなので、初心者の方でもかんたんにお作りいただけます。
また、とても透明度の高い石けんを作ることができます。石けんの中に押し花を入れたり、フィギュアを入れてスノードームみたいにしたり、さまざまなアレンジが可能です。
アミノ酸石けんはやわらかい素材なので、あまり市販されていない石けんです。
ハンドメイドだからこそ作ることのできる、作品の質感やデザインを楽しんでいただけると思います。
ーー最後に、今後やりたいことを教えてください。
2年前くらいから、石けん用のフレグランスオイルを販売しているんですが、新しい香りを展開したいですね。
現在は、キンモクセイなどのお花の香りを中心に販売しています。
また、ゆくゆくは石けんの完成品を売っていきたいな、と思っています。
もともと肌にやさしい石けんづくりからスタートしているので、そのノウハウも生かして、販売につなげられれば、と思っています。
より多くの方に、自由な発想でデザインソープを作る楽しさを提供していきたいです。
インタビューを終えて
ご自身の趣味から、手づくり石けん教室を展開されている松崎さん。
また資格制度、そしてネットショップを通じて、多くの方の人生を応援されています。
その根幹にある想いは、「手づくり石けんの楽しさを広げたい」です。
その想いを実現するために、「だれに、どのようなニーズがあるか」をつねに考え、行動に移しています。
お客さんのニーズを的確に汲みながら、商品展開やサービスをしていく。
かんたんには成功しないかもしれません。
しかしながら、そうした試行錯誤があるからこそ、ネットショップを通じて、だれかの人生の「生きがい」を提供し、チャレンジを応援することができるのかもしれません。
ショップ情報
ショップ:JDSA Online shop
オフィシャルサイト:一般社団法人日本デザイン石けん協会 JDSA
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