代官山に構えられた閑静なショップの入口をくぐれば、そこに流れる空気はまるでパリのようでした。
ヴィンテージアクセサリーブランド「maruo vintage」オーナーの圓尾瞳さんは、自分のファッションブランドを立ち上げたいという大学卒業後からの夢へ一直線に取り組んできました。個人ではじめた小さなブランドをいまでは法人化し、多くのお客様から愛されるアクセサリーブランドへと育て上げたのです。
ハンドメイドで始めたブランドが大きく羽ばたくまでの歴史を、圓尾さんといっしょに紐解いていきましょう。

圓尾瞳さん
ヴィンテージアクセサリーブランド「maruo vintage」オーナー。ファッション業界に勤務後、夢であるオリジナルファッションブランドを個人で立ち上げ。ブランド休止やパリ渡航を経てブランドを法人化し、現在はパリに暮らしながらショップ運営中。
ショップ名:maruo vintage
取扱商品:ヴィンテージアクセサリー
運営体制:4人
貯金20万円で起業するも、売れなかったヘッドドレス
私、ファッション系の学校出身ではないんです。お洋服が好きで、4年制大学でファッションサークルを立ち上げたりはしていたんですけど。

――はじめはどんなお仕事をされていたんですか?
大学卒業後は、ブランドをつくるためのお金を貯めるためにアパレル系の企業に勤めました。バイヤーや縫製などの仕事を通して実務経験を積ませてもらったんです。
――会社員としての生活はどうでしたか。
正直、大変でした。ファッション業界のお仕事は経済的に苦しくて必要なお金が稼げないと感じていましたし、やっぱり私は自分の名前を出して私にしかできないことをやりたいという思いが強くなっていったんですね。
あるとき自営業で仕事している人に出会い、フリーランスという働き方があることを知りました。その人に背中を押してもらい、私も個人でブランドを始めることにしたんです。
――開業資金は当時の貯金から工面したんですか。
そうです。でも当時の貯金は20万円くらいしかなくて、開業資金は1~2万円くらいだったと思います。
はじめはヘッドドレスのブランドでした。ブライダル向けなら商品が少なくても高単価が取れそうだと考えたのが理由ですね。
でも残念ながら、あんまり売れなかったんです。
パリでヴィンテージアクセサリーに出会い、お客様を熱狂させるブランドへ

――ヘッドドレスブランドからアクセサリーに転向するきっかけは?
ヘッドドレスブランドの営業に行った先で、「ヘッドドレスは売れないから、アクセサリーやジュエリーは作れる?」と聞かれたんです。製作経験はありませんでしたが、急遽アクセサリーを作ることにしました(笑)
さっそく百貨店のポップアップが決まり、なんとこのポップアップで30ブランドのうち売上が1位になったんです。周囲の売れているお店がどんなことをやっているのかをリアルで学べたことと、絶対周りに負けたくないという根性のおかげだったと思います。
このとき、私一人でも1つのブランドをつくれたんだと実感して、会社員時代には得られなかった喜びと充実感があふれてきました。

――ヴィンテージアクセサリーにはどう辿りついたんですか。
アクセサリーブランドならいけるかもしれないと思い、アクセサリー製作とポップアップ出店に全力で取り組みました。そうしたら、会社員だったころのお給料からは想像できないくらい稼げるようになったんです。
働けば働くほど結果が出るのが面白くてがむしゃらに働いた結果、「一人ブラック企業状態」になりました。一回休みたいと思い、ブランドで稼いだお金で人生初のヨーロッパに行きました。
憧れのパリに行くと、日本では見られない素敵なものがたくさんあって。パリの蚤の市(フリーマーケット)で、自分のお土産にとヴィンテージアクセサリーを購入しました。
それをInstagramに載せたら、ブランドのお客様から「これ、とっても可愛いですね。いつ販売ですか?」とコメントが来たんです。それでパリのヴィンテージ品にニーズがあることに気づき、ヴィンテージパーツをパリで仕入れてアクセサリーにすることを思いつきました。
そうしたらお客様から熱狂的な反応があり、売れ方が変わり始めたんです。

――そうやってパリとの縁がつながり、今の「maruo vintage」へと成長していったんですね。
そうですね。そこから3か月に1回パリへ仕入れに行く生活が2年くらい続きました。大手セレクトショップとの取引も始まり、1日で200点もの商品が完売するなど、個人が始めたブランドとしては異常事態になっていきました。
でも順風満帆というわけでもなかったんです。セレクトショップでの販売実績は自分の実力によるものではない感覚があり、私の名前を冠したブランドが私の手から離れていく気がして、苦しく感じたんです。
いったんここで止まろうと考え、1年間ブランドを休止しました。パリに移住したのもその時期です。
ブランド休止中にInstagramを見ると、お客様から「再開を楽しみに待っています」ってコメントやDMがきているんです。こんなに求められているものを、自分本位の理由で辞めるのは失礼かもしれないと考えて、辞めない覚悟を決めました。
個人のブランドでは続かないと思い、会社としてブランドを法人化したのが、今の「maruo vintage」です。

――ブランドの成長に、BASEはお役に立てましたか。
BASEは、ブランドのイメージ作りにこだわりたくて、ハンドメイドのECモールから乗り換えたのですが、出品から発送までの操作感がシンプルでわかりやすいので助かっているんです。
法人化してスタッフが増えたので、初めての人にBASEの作業を任せても、説明書がないのにすぐ慣れてくれます。チームで運営するうえで、このわかりやすさは本当に重要だなと思います。
人気沸騰の秘訣はInstagram戦略。共感をよぶ理由は購入者目線の情報発信

――お客様から熱く支持されるmaruo vintageの運営の秘訣を教えてください。
Instagramには力を入れていますね。
「maruo vintage」のInstagramでは、購入してくださったお客様からのレビュー内容を投稿しています。売る側が商品のうんちくを語るのではなく、購入者の皆さまの声を皆さまに届けることを意識していますね。
――フォロワーを増やすための施策などで取り組んでいることはありますか。
リール動画の制作と広告活用を行っています。
リール動画を毎日アップできるように、1時間でつくれるクオリティで仕上げます。動画を続けて見たくなるような引っ掛かりのあるフレーズを最初に入れることで、視聴時間を伸ばします。たくさん視聴されているリール動画を広告にも活用すると効果的です。
でも一番大切なのは、フォロワーさん一人一人との関係性だと思ってるんです。百貨店でポップアップ出店するときには、1対1で接客しますよね。対面でブランドを知ってInstagramをフォローしてくださったお客様のリピート率はとても高いんですよ。
地道ですけど、お客様一人一人と何千回とお話ししながら、ブランドを応援してくださる方を増やしていく。今の「maruo vintage」を支えているのは、そういうお客様なんです。
次なる展望は海外でのブランド展開。常に未来を見据えて

――将来の展望や夢を教えてください。
私個人の現状としては、海外でもブランドを展開できるような土台固めに取り組んでいます。大きすぎる夢だと言われるかもしれませんが、空間や建物を活かしたブランドデザインをやっていきたいとも考えているんです。
いつか、私が愛してやまないパリを、日本国内で感じられる場所も作りたいなと思っています。
編集後記
「自分の名前を冠したファッションブランドをつくりたい」という希望を胸に、数万円の投資で起業し、現在ではパリと代官山の二拠点で活躍する圓尾さん。自身の夢をかなえたいという志と、お客様一人ひとりを大切にしたいという思いが、個人ブランドを唯一無二の応援されるブランドへと成長させました。
BASEはmaruoさんのように、熱い志を持って自己実現を目指す個人を応援しています。
BASEなら、ポップアップショップの出店支援も行っています。BASEを使ってネットショップを運営している人なら誰でも、圓尾さんが取り組んできたようなポップアップショップを出店できます。ぜひBASEで憧れのブランドをはじめてみてくださいね。
本記事は、BASE公式YouTubeチャンネル「ECのカクシゴト」の動画をもとに記事化しています。
動画でご覧になりたいかたは、ぜひ「 【1日密着】インスタ集客術がすごい…ヴィンテージアクセサリーブランドが実践するファンを作るSNS戦略」をチェックしてみてください。