大磯海岸にある、平屋の古民家。ワイルドな筆致で「革」と書かれたシンプルなのれんがかかっているそこは、本革小物専門店「yc_leather.craft」の工房であり、オーナーである千々和泰則さんの自宅でもあります。
元アパレル販売員として苦労も経験してきた千々和さんは、「yc_leather.craft」として独立後、わずか半年で事業を軌道に乗せたと言います。その私生活は、想像以上にストイックでした。
好きなことを仕事にしたいという挑戦への思いと、千々和さんの並々ならぬ覚悟に迫ります。

千々和 泰則さん
本革小物専門店「yc_leather.craft」オーナー。厚みのあるタフなレザーを使用したトラッカーウォレットをメインに、2021年にブランドをスタート。湘南大磯の築50年の古民家にて製造・販売をしている。
・ショップ名:yc_leather.craft
・取扱商品:本革小物
・運営体制:1人
初期費用・月額費用0円。
累計260万を超えるショップに選ばれているBASEで、
今日から販売をはじめられます。
ノルマに悩む“落ちこぼれ”アパレル販売員、レザークラフトに出会う。

大学の学部は工学部でした。自動車のエンジニアを育成するような学科で、今の仕事には正直まったくつながっていません。
――アパレルの世界にはいつから?
就職活動で、理系の会社は全部不合格だったんです。私服で通う大学生活でファッションが好きになったもんで、試しにアパレルの会社を受けてみたら2社受かったんですよね。この際アパレルに行こうということで、アパレルの会社に就職しました。
でも正直苦労しました。アパレルの販売員にはノルマがあります。自分についていただける常連さんを囲って、販売実績を作らないといけない。
僕はそれがうまくできない方だったので、言ってしまえば「落ちこぼれ」じゃないけど、自分は歯車の一員とか、穴埋めのスタッフなんだという感じがぬぐえませんでした。
――レザークラフトに出会ったのもその頃ですか?
はい。ある日の休日、街中を散策しているときに、目の前にあった東急ハンズに吸い寄せられました。そこに初心者向けのクラフトキットがあったんですよね。
ちょうど自分の財布を探していた時期だったんですよ。自分が働いていた店にも財布は入荷するものの、自分がいいなと思うものが入ってこない。「それなら自分で作っちゃえばいいんじゃないか」って思い立ち、キットを買って早速財布の製作を始めました。
作り方は、YouTubeを師匠にして独学しました。色んな人が動画を上げているので、たくさん観て参考にしましたね。
――そこからレザークラフトの自作にのめり込んでいったんですね。
夢はあったんですよ。アパレルで販売員をやっているうちに、いつか自分のブランドを作りたいな、とか。自分が考案したデザインやアイテムを形にしてみたいな、とか。その良いきっかけになりましたね。

テレビ、ベッド、プライベート――新しい価値を得るため「捨てる」

――この作業場は、他にもお部屋があるんですか?
部屋はですね、この2部屋で完結してますね。あとはトイレとシャワールームと台所くらいです。
――あれ、住まれてる場所は……?
ここでございますね。
――見た感じ、生活感がないのですが……。
あ、ベッドが見当たらないですよね。私生活的なものは全部、排除したと言いますか、もう完全に工房にしてしまいました。寝るときは、作業場の真ん中にマットレスを敷いてます。だから職場まで0秒、起きたら勤務開始できるんです。

――ちょっとシュールですね。どうしてこんなにも、ストイックにできるんですか?
僕は毎朝、頭を常に働かせるというか、アンテナを張るクセをつけるために読書をルーティンにしているんですけども。
本で読んだ話の一つに、成し遂げたいことがあるんだったら、それ以外の必要のないものは全て捨てる、という話がありました。
まず、テレビを手放してみたんです。そうしたら、テレビを見る時間が作業時間に変わりました。すると自ずと製作数が増えて売上も上がったんです。本で読んだ通りだなと思いました。
ということは、他にももっと捨てればもっと他のものを手に入れられるのだと思い、プライベートを色々捨てていった結果、ベッドも要らなく見えてしまったんですよ。ベッドを粗大ゴミに出して、空いた空間に作業台を置きました。そうしたら効率が増したんですね。
気づいたら何もなくなって、アパレル会社を辞めて独立して、僕の生活がレザークラフト一本になっていました。追い込んで、後に引けない状況を作ったことが今につながっていると思っています。
移動中も飲食店でも仕事に取り組み、独立半年で売上目標を達成

――実際、レザークラフトのお仕事をされて何年目ですか?
独立して本業として始めてからは5年目になります。
一番最初は、とてもシンプルなカードケースを作ったんですよ。まさか売れるとは思っていませんでしたが、フリマサイトに出品してみたらすぐに売れたんです。安かったってこともあるんでしょうけど、出品して数時間後に売れた通知が来て、「自分の作品が売れるんだ」と手応えを感じました。
――当時から、これを仕事にしようと思っていたんですか?
副収入になるかもなと思っていましたが、まだ趣味の延長っていう感じでしたね。
最初は数千円の売上から始まり、2~3年かけてそれが数万円に、さらに十数万円になっていき、生活を補填するには十分な売上になっていきました。
だんだん「集中してやればもっと売上が伸びるかもしれない」と思うようになり、思い切って会社を辞めて、副業を本業にしてみました。
――これで食べていけるなというタイミングになるまでは、どのくらいかかったんですか。
半年はかかりましたね。
会社員として働いていた時間をフルで使えるようになったので、大幅に作品数や商品数を増やして規模を拡大していきました。
SNSなどメディアでの情報発信にも力を入れました。YouTubeの動画編集など、出先にパソコンやスマホを持って行って作業して。そこで一気に認知度や販売数が伸び、半年で目標収入まで到達できました。
それでも収入が安定しない怖さはあるので、お客様を飽きさせないように新作を作って、固定客を作っていくことに奔走しました。まだまだ苦労も多いです。

――ネットショップにどうしてBASEを選んだんですか?
デザインが自分好みで、デザインも機能もカスタムしながらショップを作れることに魅力を感じて選びました。
BASEを始めた当初からずっと、ショップ運営はほぼスマホでやっていますね。商品写真のアップロードも、商品紹介文の作成も、ページデザインも。
電車の移動中や飲食店での待ち時間など、隙間時間で仕事ができるのが便利で楽です。SNSの発信内容の制作などと合わせて、出先でも仕事として取り組んでいます。
今目指すのは、職人として一流になること

――独立後の暮らしはどうですか。
海のそばの古民家を工房にして、自分の商品を展示しながら暮らせているので、とても満足です。時間も場所も縛られていないから、出かけたくなったら出かけられますし、頑張ろうと思えば没頭できるし、自由なところがいいなと思います。
――将来の展望を教えてください。
まずは自分が職人として一流になれるように頑張りたいですね。もっと自分の技術を磨いたら、これからレザークラフトを始めたいという人を弟子として雇いたい。
僕が自分で手を動かさなくても製作できる体制が整ったら、レディースのアイテムなど、今とは違うラインナップやテイストに挑戦したいと思っています。
――これから新しいことを始めたい人へ、ぜひメッセージをお願いします。
最初の一歩を踏み出すって、とても怖いですよね。でもその一歩を踏み出さなければ、夢はいつまでも実現しないと思うんです。
人生は一度しかないから、その一歩をいつ踏み出せるかが大事。きっと今この瞬間に一歩踏み出すのが、最速で成功する近道だと思うので、ぜひ勇気を振り絞って行動に移してみてください!
編集後記
振るわなかったアパレル販売員時代を経て、レザークラフトで自分だけのものづくりに出会い、ひたむきに取り組んで軌道に乗せた千々和さん。挑戦を厭わない気持ちと、常に学び続ける謙虚さが、ショップを着実に成長させています。
BASEは、千々和さんのように、オリジナルのものづくりで独立したい個人を応援しています。
BASEなら、デザインのカスタムも日々のショップ運営もスマホ一つで簡単。初期費用無料でショップを開設できるので、隙間時間でのショップ運営から、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
本記事は、BASE公式YouTubeチャンネル「ECのカクシゴト」の動画をもとに記事化しています。
動画でご覧になりたいかたは、ぜひ「【1日密着】「成功のために〇〇を捨てた」副業からレザークラフト一本で生計を立てるための衝撃の決断とは!?」をチェックしてみてください。
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