すべては世界観を届けるために。聴く体験から、ともに味わう体験へ。『味な副音声』に学ぶ、メディアのEC物販【販売パートナー App を活用した食のセレクト販売】

すべては世界観を届けるために。聴く体験から、ともに味わう体験へ。『味な副音声』に学ぶ、メディアのEC物販【販売パートナー App を活用した食のセレクト販売】

メディアで発信する世界観を、もっと広く、もっと深く届けたい。

担当する企画や番組、紙面で紹介した商品を、参加者や視聴者、読者が、実際に手に取れるようにしてみたい。

そう考える一方で、商品の仕入れや在庫管理、発送まで担うことに、ハードルを感じているメディア関係者の方も多いのではないでしょうか。

そんなメディアによる物販の可能性を考えるヒントが、<J-WAVE>が制作する『味な副音声 ~voice of food~』(以下、『味な副音声』)の公式ショップ、<味マート BASE支店>にあります。

フードエッセイストの平野紗季子さんが届ける番組の世界観を、聴くだけでなく、買う、食べる、集まる体験へ。

ネットショップ作成サービスBASEの「販売パートナー App」を活用したセレクト販売は、その広がりを支える仕組みの1つになっています。

たいせつにしているのは、商品を売ることだけではありません。

番組、リスナー、作り手がつながり、届けたい世界観を広げ、深めることにあります。

今回は番組のプロデューサー山口氏に、ショップを立ち上げた背景から、商品選びの考え方、少人数で取り組むうえでの「販売パートナー App」の価値、今後の展望までお話をうかがいました。



番組名:『味な副音声 ~voice of food~』

ラジオ局J-WAVE(81.3FM)が制作するPodcast番組です。フードエッセイスト・平野紗季子氏が、「食」への愛を独自の言葉と視点でお届け。2020年8月にPodcastとして配信を開始し、翌年「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」で大賞を受賞。以来、毎週月曜に新エピソードを配信。音声コンテンツにとどまらず、2024年には公式ネットショップ「味マート BASE支店」をオープン。番組と連動したセレクト販売や、オリジナルグッズ販売を展開。2025年には番組初の書籍『おいしくってありがとう 味な副音声の本』(河出書房新社)を刊行。同年、全国のPARCOで5周年記念のポップアップも開催。

ショップ名:<味マート BASE支店>

番組を一緒に育てるパートナーとしてのBASE

――<味マート BASE支店>を立ち上げることになった背景を教えてください。

きっかけは、BASEさんとの共同企画でした。会話を進めるなかですぐに「単に番組をスポンサードしてもらうなどではなく、一緒に番組を育てていけるパートナーなのではないか」、と感じました。

ちょうど、番組の今後の展開を考えていた時期でもありました。企画のなかでショップをつくれば、さらに番組を盛り上げられ、番組の世界観を広げられるのではないか、と思ったんです。

――とくにどのような考え方が重なって、そう感じられたのでしょうか?

僕らは、作り手やクリエイターの世界観を伝えたいと思っています。BASEも、ものづくりをする人たちを支えるサービスですよね。その役割が近かったんだと思います。

BASEの「Payment to the people」という理念も、自分たちの場所を持って、自分たちで作り手とつながっていく、という考え方と通じるものがありました。

だから、番組と関係のない販売企画を付け加えるのではなく、番組でたいせつにしていることを、そのままショップにも広げていけたんだと思います。

これまで抱えていた物販のハードル

――番組制作のチームにとって、これまで物販に取り組むさいのハードルはどこにありましたか?

自分たちで場所を持って、商品を売って、作り手とつながっていく。そのためには、決済や物流、在庫といった部分が壁になります。

とくに少人数のチームで全部をやろうとすると、経営や店舗運営の知識も必要になりますよね。食品の場合は賞味期限もあります。在庫を抱えること自体がリスクになるので、やりたい企画があっても、かんたんには踏み出せませんでした。

――「販売パートナー App」は、そのハードルをどう変えましたか?

セレクト販売で、自分たちが在庫を持たなくていいことは、ほんとうに大きいです。

ふつうのお店なら、商品を仕入れて、在庫を持たなければいけない。そこを取り払って、作り手の商品を通して、自分たちの世界観を表現できるのは、すばらしい仕組みだと思います。

ショップを運営する側は2〜3人ほどの小さなチームですが、自分たちで考えて、世界観を守りながら進められることがたいせつなんです。オリジナル商品も、セレクトする商品も、その世界観を表現するための手段として捉えています。

「販売パートナー App」で、選ぶ・伝える力を活かす。

「販売パートナー App」は、BASEを利用するショップ同士が連携し、商品の委託販売をおこなえる拡張機能です。

商品を制作・販売する「ブランドショップ」と、その商品を選んで販売する「セレクトショップ」が連携します。セレクトショップは、ブランドショップが許可した商品を、自分たちのネットショップで販売できます。

セレクト販売する商品の制作・在庫管理・発送は、ブランドショップが担当します。 セレクトショップは商品を買い取る必要がなく、商品選びや魅力の発信に力を注げます。

番組や雑誌が持つ編集力を活かしながら、作り手の商品をリスナーや読者に届ける。<味マート BASE支店>は、そうした活用の一例です。

※この仕組みは「販売パートナー App」を通じて委託販売する商品に適用されます。オリジナル商品の在庫管理・発送まで不要になるわけではありません。

ほんとうに好きなものを売る

――<味マート BASE支店>の商品選びで、たいせつにしていることは何ですか?

「売るために選んでいない」ということだと思います。番組ナビゲーターである平野紗季子さんが、本当に好きなものだけを選んでいます。商品もすべて実際に食べていますし、今これが売れそうだから、売上ランキングが高いから、という選び方ではありません。どんな商品を並べるのかということも、世界観の表現の一つなんです。

――その姿勢は、リスナーとの信頼関係にもつながっている。

平野さんは、再生数や商品の売上など、具体的な数字を見ようとしないんです。好きなことを、好きなように伝える。そのために、数字がノイズにならないようにしているのだと思います。

その姿勢は、きっとリスナーにも伝わりますよね。ほんとうに好きで紹介していることがわかるから、信頼につながるのではないでしょうか。

一方で、チームとして数字を捉えることも大切です。つくる人は純粋につくることに集中して、数字を見る役割は別に持つ。両方を1人で担うのではなく、役割を分ける考え方もあると思います。

BASEの管理画面で日々の数字を確認できることも、経営にくわしくない人が、自分たちの取り組みを知るきっかけになります。どれくらいの人が発信に共感して、商品を手に取ってくれたのか。そういうところから見ていくのもいいですよね。

リスナーの居場所を広げる

――ショップをつくることは、番組にとってどのような意味がありましたか?

たいせつにしているのは、コンテンツが単に消費されるのではなく、居場所になることです。

今はたくさんのコンテンツが流れていて、いいものをつくっても、一瞬で消費されてしまうことがあります。それはもったいないことだと感じていました。

番組を聴いて、ショップに行って、そこで買ったものを食べて、また番組を聴く。そういう循環ができると、ただ番組を届けるだけではなく、リスナーの居場所が少し広がった感覚があります。

食べ物は、食べたらなくなります。でも、ショップは残っているので、また戻ってこられる。番組を聴いたり、もう一度買ったりできる。そのつながりや居場所がたいせつなんです。

――リスナーの反応には、どのような広がりがありましたか?

ショップで買ったものについて、「これがおいしかった」「おすすめです」と、体験を発信してくれることがあります。

聴くだけでなく、自分で食べた体験があるから、それを共有したくなる。番組の世界観のなかに、共感してくれる相手がいることも大きいのだと思います。

番組で紹介されたお店に、実際に足を運んでくれる人も多いです。オンラインで買うだけではなく、お店に行くという行動にもつながっているんです。

――作り手との関係にも、変化はありましたか?

セレクトするお店は、もともと平野さんが好きなお店です。それぞれに世界観があるので、ショップオーナーをゲストに招き平野さんと話をしてもらうと、自然と面白い会話が生まれます。ショップオーナー自身の魅力も伝わります。それをリスナーやショップを見ている人にも楽しんでもらえる。

平野さんの言葉を聴いてから食べるのと、そうでないのとでは、味わい方も違いますよね。商品を扱う相手というだけではなく、一緒に楽しさを共有する関係になっていると感じます。

全国の人に商品を知ってもらえたことや、これまで出会えなかった購入者とつながれたことを喜んでくれる作り手も多いです。メディアの発信が、地域の作り手と新しいお客さんを結ぶ接点にもなっていることを感じます。

ショップが生んだ、次の企画

――ショップの開設は、新たな企画や動きなどにもつながりそうですか?

今まで音声で届けていたものに、Web上のショップができた。それだけで、想像がすごく広がりました。

ショップができたから、イベントもできる。イベントでは実際に味わえて、オンラインでも買える。そんなふうに、次にできることがつながっていったんです。

実際に、<渋谷PARCO>でのポップアップイベントなどを開催し、ショップで販売する商品を手にとっていただける空間を用意しました。イベント当日も大盛況で、世界観の広がりを目の当たりにしました。番組、ショップ、商品、イベントなどを別々に考えるのではなく、1つの世界観としてつなげていく。その世界が好きな人に向けて、世界観を崩さずに広げていけるのが理想ですね。

――体験が広がることで、番組の価値の伝え方も変わりましたか?

番組のよさを、言葉だけで説明するのはむずかしいことがあります。でも、ショップやイベントなど、触れられる場所が増えると、数字以外でも伝えられるものが増えていきます。

番組を聴くだけでは伝わりにくかったことを、体験してもらえる。そうした広がりは、社内外に番組のよさを伝えるうえでも大きな意味がありました。

自分たちの場所を持ち、世界観を広げながら、細く長く続ける

――メディアが物販に取り組むことを、どのように捉えていますか?

放送局は今、広告だけでなく、リスナーとの直接的なつながりや、放送以外の収益を考えていく必要があると感じています。

ただ、商品を売れれば何でもいい、というわけではありません。純粋に、作り手やクリエイターの世界観を共有したい。そのために、自分たちの場所を持って、作り手とつながっていき、ともに広げていくことが重要だと思っています。

――最後に、<味マート BASE支店>と番組の今後について教えてください。

細く長く、続けていけたらいいですね(笑)。

誰かの予算や会社の枠組みのなかだけで続けようとすると、継続がむずかしくなる瞬間もあります。だから、自分たちで商品をつくって売ったり、自分たちで稼ぐ仕組みを持ったりすることが、番組を続けることにつながると考えています。

そのために<味マート BASE支店>があり、番組の世界観を広げていく必要もあります。リスナーにとっても、ショップオーナーにとっても、いい状態をつくりながら続けていきたいと思っています。

メディアの「選ぶ力・伝える力」で、世界観を表現

<味マート BASE支店>の取り組みから見えてくるのは、メディアによる物販を、単に新しい売上をつくる手段として捉えない視点です。

自分たちが本当に紹介したい商品を選ぶ。その背景にある、作り手の思いを伝える。そして、リスナーが実際に味わえる場所を用意する。 すべては世界観を表現するために。その積み重ねが、番組とファン、作り手の関係を深めています。

放送局や雑誌の編集部、Webメディアにも、日々の取材や発信を通じて培ってきた、選ぶ力と伝える力があります。新しく商品を開発することだけが、物販のはじめ方ではありません。自分たちの世界観に合う作り手の商品を選び、届けるという選択肢もあります。



「販売パートナー App」のご利用を希望される方は、以下より無料でインストールいただけます。



▼『味な副音声 ~voice of food~』

ラジオ局J-WAVE(81.3FM)が制作するPodcast番組です。フードエッセイスト・平野紗季子氏が、「食」への愛を独自の言葉と視点でお届け。2020年8月にPodcastとして配信を開始し、翌年「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」で大賞を受賞。以来、毎週月曜に新エピソードを配信。音声コンテンツにとどまらず、2024年には公式ネットショップ「味マート BASE支店」をオープン。番組と連動したセレクト販売や、オリジナルグッズ販売を展開。2025年には番組初の書籍『おいしくってありがとう 味な副音声の本』(河出書房新社)を刊行。同年、全国のPARCOで5周年記念のポップアップも開催。

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