気軽に付け替えることができて、ネイルサロンよりもリーズナブルに指先を彩ることができるネイルチップは、ハンドメイド商品の中でも人気の高い商品です。
ネイルチップは、道具や材料さえそろえれば、自宅で作ることができるため、ネイルチップの制作・販売は、隙間時間を有効に利用したい人にも人気の副業です。
この記事では、ネイルチップを販売したい人に向けて、具体的な販売方法・手順から、ネイルチップ販売を成功させるコツまで、くわしくご紹介していきます。
ネイルチップの4つの販売方法

ネイルチップを販売する方法は、大きく分けて4つあります。それぞれの方法を、具体的に解説していきます。
1. ネイルチップ販売サイトで販売する
1つ目は、ネイルチップの販売専門サイトで販売する方法です。
専門サイトのため、ネイルチップを購入したい、という明確な意思を持ってサイトを訪れる人がほとんどです。そのぶん、購入してもらえる可能性は高くなります。
専門サイトのネイリスト募集に応募して採用されることで、自分の制作したネイルチップをその専門サイトで販売することができます。
サイト側から、どのようなデザインで、いくつ制作する、などの指示があることがほとんどです。サイトが基本的な顧客対応を仲介してくれるため、販売にまつわる手間がありません。
安定した依頼を受けられる可能性はありますが、さまざまな対応を代行してくれるぶん、自分で販売するよりも単価が安くなる傾向があります。
<ネイルチップ専門店 ミチネイル>

- シチュエーションやカラーなど、さまざまなカテゴリーにわかれていて、ハンドメイドのネイルチップを気分に合わせて選んで購入できるサイト。最短即日発送もあり、急いでいる人にも便利です。また、LINEを用いたオーダーメイドネイルの制作販売もおこなっています。
- 注文に応じて手作りするため、一点一点ていねいに作ることができるネイリストを募集しています。とくに、アートネイルや3Dデコネイルなどのスキルを持っている人は、歓迎されています。
- 制作した1セットごとに支払いがあります。そのため、デザインが人気になり販売数が増えると、支払いも増えます。
<ユミネイル>

・対面やオンラインでネイルチップのオーダーができる、専門サイト。
・オリジナルのデザインで制作してもらえるのはもちろん、爪のサイズに合わせてオーダーできるので、ネイルチップなのにまるで自分の爪のような自然な仕上がりになります。
・在宅でネイルチップ制作をおこなえるネイリストにも活躍の場を、との思いで募集をおこなっている。現時点では、募集はネイルの資格やサロン勤務経験がある人に限られています。
2. ハンドメイドサイトで販売する

2つ目は、<minne>や<creema>などの、ハンドメイド商品販売専門サイトで販売する方法です。
ネイルチップ専門販売サイトと大きく異なる点は、サイトに依頼されて制作をおこなうわけではなく、自分の考えた好きなデザインのネイルチップを、好きな数だけ販売できることにあります。
ただし、販売している人の数も多いため、宣伝や見せ方、オリジナリティのあるデザインにするなどの工夫をおこなわなければ、自分の制作したネイルチップが、ほかの商品の中に埋もれてしまう可能性もあります。
また、販売価格の10%前後の手数料が掛かるサイトがほとんどのため、材料費やコストを考えると、商品の価格設定も難しくなります。
<minne>

- ハンドメイド商品の中でも、アクセサリーや小物、雑貨の出品数が多いのが特徴です。
- 2019年の時点で、登録している作家数が50万人とされています。運営元は、ホスティングサービスやECサイト支援などのネットサービス事業をおこなう<GMOペパボ株式会社>です。
- 手数料は、9.6%+税になっています。商品の販売代金と送料の合計が、手数料の対象になります。
<Creema(クリーマ)>

- 雑貨やアクセサリーだけではなく、フードの出品が多いのが<Creema>の特徴。中国語版のサービスもあるため、海外に自分の作品を販売することもできます。
- 2019年時点で、登録されている作家数は15万人とされています。<Creema>のにもクラフトイベントの開催など、クリエイターと世界をつなぐ事業をおこなう、株式会社<クリーマ>が運営しています。
- 手数料は、売れた商品によって異なります。ネイルチップなどの作品・素材は商品代金の11%、フードは決済総額の15.4%。台湾・香港サイトで売れた場合は、一律22%と決済手数料44円が掛かります(すべて税込)。
<iichi(いいち)>
- ほかのサービスに比べて小規模ながらも、作品ひとつひとつのクオリティがとても高く、職人の技が感じられる作品が多い傾向にあります。
- 売り手の半数近くが、ハンドメイドを本職としているプロ作家なのも特徴です。
- 作家数・会員数は非公表となっています。作り手と使い手をつなぐサービスを展開している、<iichi>株式会社が運営しています。
- 手数料は、商品代金の20%です。
▼ハンドメイドのはじめ方・おすすめの商品については、こちらの記事もご覧ください。 br>
3. フリマアプリに出品する

3つ目が、フリマアプリに出品する方法です。ネイルチップのデザインはもちろん、生産数や価格設定など、自分で自由に販売計画を設定することが可能です。
ただ、利用しているユーザー数も多いぶん、競合する出品者数も多いため、アプリ内での取引実績を積んで、閲覧者に信頼してもらうことが必要になります。
また、専門の販売サイトではなく、あくまでもフリマへの出品になるため、アプリ内で商品の値下げ交渉を求められることも多く、ハンドメイド商品を売るさいのデメリットとも言えます。
手数料は、最大手の<メルカリ>が10%と、比較的高い設定ですが、コンビニや郵便局からかんたんに発送できるなど、発送方法が充実しているため、とりあえず販売をはじめてみたい初心者の人でも、手軽にはじめられます。
<メルカリ>

- なにより、認知度の高さ、ユーザー数の多さに置いて、ほかに類を見ない有名なフリマアプリです。
- さまざまなジャンルの商品が出品されています。商品のコメント欄を用いて、値下げ交渉がおこなわれることが多いです。
- 相手に対して、匿名で出品から発送までおこなえるため、個人情報が洩れる心配もありません。
- 2020年時点で、月間1775万人の利用者数を誇ります。運営元は、<メルカリ>の企画・開発・運用をおこなう株式会社<メルカリ>です。
- 手数料は、一律販売代金の10%となっています。
URL/https://www.mercari.com/jp/
<ラクマ>

- <メルカリ>と比べて利用者数は少ないものの、手数料の安さをうたっているのが<ラクマ>です。
- 日本初のフリマアプリ<フリル>が、2018年にサービスを統合して、現在の<ラクマ>になっています。
- ブランド物の出品が多い傾向にあります。
- 2020年時点で、ダウンロード数2,500万人を突破しています。
- 手数料は、販売代金の6%になります。
URL/https://fril.jp/
4. 自分のショップで販売する

4つ目が、「BASE」<STORES>などのネットショップで販売する方法です。
自分だけのネットショップのため、商品の価格設定やデザインだけではなく、ブランドイメージを決めるサイトデザインも、自由に作成することができます。
固定費もかからず、手数料も、ほかの販売方法と比べても安価に販売することができます。
とくに「BASE」は、ネットショップの開設実績が4年連続No.1(※)と、多くのユーザーに利用されており、これまでに150万以上のショップが開設されています。
※ネットショップ開設実績No.1: 最近1年以内にネットショップを開設する際に利用したカート型ネットショップ開設サービスの調査(2021年2月 調査委託先:マクロミル)
ネットショップでの販売は、ほかの方法と異なり、集客を自分でおこなわなければいけませんが、集客を手助けするツールも充実しています。
たとえば「BASE」では、ネットショップ開設と同時に、ショッピングアプリ「BASE」へも出品できます。また、渋谷をはじめとした全国各地の「BASE」のポップアップスペースへの出店もできます。間口が広いぶん、ネットショップに多くの集客を見込むことが可能です。
「BASE」

- 誰でも無料でかんたんにネットショップを作成できるサービスです。
- 初期費用や固定費がかからないため、売れたときのみ手数料が発生します(6.6%+40円)。
- ショップの開設数は、2021年5月に150万ショップを突破しています。
- ショッピングアプリ「BASE」は、800万ダウンロードと、多くのユーザーに利用されています。
<STORES>

- 初期費用、固定費なしでかんたんにネットショップの作成ができるサービスです。
- 無料プランと有料プランがあります。
- ショップ開設数やユーザー数は非公表となっています。
- 運営元の<ヘイ>株式会社は、ネットショップ開設サービスのほかにも、キャッシュレス決済などを手掛けています。
- 手数料はプランによって異なり、無料プランの場合は決済手数料5%、有料プランの場合は3.6%となっています。
ネットショップを作成する手順
とはいえ、「やってみたいけど、自分のネットショップを作成するのはむずかしそう」と思っていたりしませんか?
ここではショップ開設数実績No.1の「BASE」を使って、実際にショップを作成する手順を4つのSTEPにわけて解説していきます。
STEP1:アカウントを作成する
「BASE」のアカウント登録画面から、開設したいショップで使用する「メールアドレス」「パスワード」「ショップURL」を登録します。
ショップURLは「https:// ○○○+.thebasein(など11種類のドメインから選ぶ)」の○○○に入る文字列をショップ名にするなど、自分で好きに決めることができます。
STEP2:メール認証、運営に関する情報の入力
登録したアドレス宛に届いたメールを開いて、記載されているURLをクリックすることで、メール認証が完了します。
その後は、表示された画面にしたがって、運営に関する特定商取引法の情報や、ショップの情報、決済方法などを入力してください。
STEP3:商品の登録
ここまで必要事項の入力を終わらせていれば、もうショップがオープンできる状態になっています。
次に「商品管理」画面から、商品を登録します。ボタンを押し、説明や写真、色やサイズなど、商品の詳細を入力しましょう。
STEP4:ショップをデザインして公開
自分でデザインを考えることが苦手な人でも、無料、有料をふくめて豊富なテンプレートから、かんたんにデザインが変更できます。
デザインも決まれば、最後はショップの公開で完了。
このように、ショップ開設がはじめての人でも、画面の指示に従っていくだけで、早ければ数十分程度でショップを作ることができます。
ショップの作成後も、使いやすいナビゲーションでかんたんに、迷うことなく自分好みのショップにすることが可能です。
もっとくわしく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
ネイルチップ販売に必要なものチェックリスト
ネイルチップの販売方法について解説したところで、ここからは、実際にネイルチップを制作・販売するために必要なものをご紹介します。
ハンドメイドでネイルチップを制作・販売するためには、ジェルを塗るための筆や硬化用ランプなどの道具とは別に、以下のものが必要になります。
- ベースのチップ
- ジェルやマニュキュア
- シールやデコレーションパーツなどのネイルの装飾材料
- チップ装着用のシール
- できあがったチップを収納するケース
- 梱包材料
- 取り扱い説明書
ベースのチップや装飾パーツ、ネイルシール、チップ収納ケースは、100円ショップでも入手することができるため、費用をおさえることがができます。
梱包材料も、100円ショップなどをうまく活用することで、低コストで作品に合った梱包もできます。
取り扱い説明書は、なくても構いませんが、ショップへの印象がよくなり、商品のリピートへつながります。
これらの材料のほかに、基本の道具を持っていない場合は、初期費用として道具代がかかります。
制作時に必要なネイルポリッシュややすり、ネイルチップ固定用の両面テープなどの、消耗品代も必要になります。販売をするさいには、手数料や送料もかかります。
これらの経費を考えたうえで、収益の出る販売価格を設定しましょう。
ネイルチップ販売を成功させるコツ

最後に、ネイルチップ販売を成功させるためのコツをご説明します。
1. いろいろなサイトで販売して、ファンを作ろう!
ハンドメイドで制作したネイルチップを販売するのであれば、「ネットショップだけ」「フリマアプリだけ」など、ひとつだけのサイトで販売するのではなく、いろんな販売方法のサイトを活用するようにしましょう。
商品への間口が広いほど、新規顧客の目に触れやすく、集客につなげられます。
また、フリマサイトやハンドメイド販売サイトを利用する場合でも、「BASE」などでオリジナルショップを持っていることが、購入者への信頼につながります。
ほかのサイトで商品を購入してくれたお客様には、メッセージカードなどを同封して、積極的にオリジナルショップがあることを知らせて、次の購入へとつなげることが重要です。
2. SNSで商品の魅力を発信!
集客の手段として、<Instagram>や<Twitter>などのSNSで、商品情報をどんどん発信していきましょう。
ネットショップだけでなく、フリマサイトやハンドメイドサイトも、ただ商品を並べているだけでは、集客は見込めません。
SNS上でもハッシュタグを付けたり、トレンドのワードを取り入れて発信するなど、より多くの人の目に商品を触れる工夫が必要です。
また、「BASE」ではかんたんに<Instagram>と連携できる、拡張機能もあります。拡張機能を用いて<Instagram>のショッピング・サービスを利用することで、<Instagram>の投稿から直接「BASE」の商品へとリンクすることができます。
<Instagram>で商品に魅力を感じてもらい、そのまま販売の機会獲得につなげることができるため、とても便利な機能になっています。
3. 商品発送時にオマケ・手紙などをつけて、顧客化を狙おう
ネイルチップを購入したお客様がまた商品を買いたいと思ってもらえるように、梱包や同梱物に工夫をしましょう。
ハンドメイド商品のよさでもある、「手作りの温かみ」が感じられるような可愛いラッピングや、ショップカードとともに手書きの手紙を添えることも、ショップのファンになってもらえる方法として、とても効果的です。
ショップカードには、先述の通り、SNSのアカウントやショップのURLも記載するのを忘れないようにしましょう。
また、ボディーソープや入浴剤などの小さなおまけを同梱することも、購入した人によろこんでもらえるポイントになります。
作っている人の人柄が伝わる工夫をして、購入者の顧客化につなげましょう。
ネイルチップ販売で気になるQ&A

ネイルチップ販売をおこなううえで、気になる疑問や質問をQ&Aにまとめました。
ネイルチップを販売するさいのチップの大きさはどうすればいい?
それぞれの指のネイルの大きさは、人によって異なります。そこで使用するのが「サイズ確認用チップ」になります。
たとえば、実際の商品で使用するベースのチップに、大きい順に1~10まで番号を振ったものを、各1枚ずつ「サイズ確認用チップ」として、購入希望のお客様に送付します。
チップを受け取ったお客様は、左右それぞれの指に合うサイズのネイルを確認し、そこに書かれている番号を、注文時にDMなどでショップへ連絡してもらいます。
それによって、お客様の指にぴったりサイズのネイルを制作することができるです。
はじめに「サイズ確認用チップ」を送付する時間がかかりますが、お客様にとっては、失敗のないサイズで購入できるうえに、「サイズがわかるから、また同じサイトで購入しよう」というリピートにもつながります。
ネイルチップ販売に資格は必要?
ネイルチップの販売には、必要な資格はありません。しかし、「ジェル検定所持者」などのネイルに関する肩書きがあれば、購入時の信頼につながります。
資格を持たずに販売しているショップとの差別化も図れることから、余裕があれば、ネイルに関する資格を取得するのがおすすめです。
ネイルに関する検定には、以下の2つがあります。
-
JNAジェルネイル技能検定試験
<日本ネイリスト協会>が、健全なジェルネイルの普及を目的に実施している検定試験です。
受験級は、初級から上級まで3段階にわかれています。試験は年に1回、全国7都市で実施(2021年は6月)。級により受験料は異なり、初級9,900円、中級13,200円、上級16,500円(すべて税込)となっています。
https://www.nail.or.jp/kentei/g_kentei.html
-
JNECネイル知識検定
<日本ネイリスト検定試験センター>が実施している、検定試験。Web上でいつでも受験可能で、実技なしで取得することができます。
ネイルの基本知識から、爪に関する美容問題など、ネイリストを目指す人だけではなく、幅広く美容に興味がある人が対象です。基礎編と応用編にわかれており、検定料はそれぞれ、基礎編が1,100円、応用編が2,200円(ともに税込)となっている。
http://www.nail-kentei.or.jp/chishiki/
開業届は必要?
ネイルチップ販売に限ったことではありませんが、開業届を出さなくても罰則はありませんし、絶対に出す必要があるわけではありません。
しかし「事業所得が生じる事業を開業する場合は、原則として開業届を出さなければいけない」ため、ネットショップをオープンする場合、原則的には開業届の提出が必要であると考えられます。
開業届を出す一番のメリットは、確定申告のさいに、青色申告をおこなえること。
青色申告では、特別控除として最大65万円が認められるため、事業所得ではない、個人としての白色申告よりも課税対象額をおさえることができます。
開業届を出すことで得られるメリット、デメリットや、届けの出し方について、くわしくは以下の記事を参考にしてください。
まとめ
ネイルサロンに行かずとも、手軽に指先のお洒落を楽しめて、こわれない限り何度でも使用できるネイルチップ。
ほかの人とは違うデザインを求める人にとって、ハンドメイドのネイルチップは、需要が高い人気商品です。さまざまな販売方法がありますが、せっかく作った作品をほしい人に確実に届けるためにも、自分に合った方法で販売をおこないましょう。
敷居が高く感じるネットショップ作成も、「BASE」ならコストをおさえて開設が可能です。
初期費用が無料、というメリットも活かし、気軽に「BASE」でショップを作成して、ネイルチップ販売をはじめてみてください。