【YELLの先には vol.2】セレクトショップからブランドメディアへ。 人気アパレルブランド<PEPIN>が提案する新しいセレクトショップのあり方

2019.05.23(更新:2023.09.05)

「BASE」を利用する数多くのオーナーズ。オーナーズがいる数ほど、ブランドとそれぞれのストーリーがあるはず。

「YELLの先には」では、「BASE」が提供する、リスクなく即時で資金調達できる金融サービス「YELL BANK」を活用したオーナーズからブランド運営に関するリアルを探ります。

第二回は有名ブランドを多数仕入れるセレクトアパレルショップ<PEPINを運営する大阪のオーナーズ、北川友喜さん。西心斎橋で実店舗を構え、数多くのコアなファンを魅了するオーナーが定義する、あたらしいセレクトショップのあり方についてうかがいました。

北川友喜(キタガワ・トモキ)

2012年に西心斎橋にてセレクトアパレルショップ<PEPINをオープン。2014年には「BASE」を利用したオンラインショップ「PEPIN-ONLINE SHOP-」を開始する。以降、人気ラッパーをはじめとした「tune」世代の多くに愛されるセレクトショップのオーナーとなる。 

Instagram:@pepin_kitagawa  

 

できることは続けて、できないことはしない。大切なのは継続と取捨選択をすること。

——<PEPIN>を立ち上げた経緯を教えてください。

僕はもともと古着が好きで、大阪の古着屋で働いていました。働いていくうちにユーズド商品や、デザイナーズブランドに魅了され、7年前に独立して自分のセレクトショップを開きました。「BASE」をはじめたのは実店舗が安定してきた5年前ごろだったと思います。

——実店舗とネットショップの両立は大変そうですね。

じつは、今まで、独立してから仕入れ、販売、経理、写真撮影やSNS運用などのショップ運営作業を基本的に僕1人で行ってきました。

1人でしていると言うと、驚かれたり「大変そうだね」と言っていただくこともあるんですが、逆に“できないことはしない”というのを心がけています。例えば、大規模なプロモーション広告を打ったり、大量な仕入れなどは身の丈に合わないことだと考えて、していません。一方で、SNSの更新など、できることはコツコツと続けています。

半年後に販売するまで、お客さまの反応はわからない

——セレクトショップにおいて、いちばん重要なことは何ですか?

<PEPIN>はセレクトショップなので、何といっても取り扱いブランドの充実とよい商品を仕入れることはショップ運営のキモです。ブランドの合同展示会などに参加して<PEPIN>に合うブランドがないかを常に探しています。最近では、人気ブランド<skinの商品をぜったいに仕入れたくて、直接連絡を取って交渉しました。常に半年~1年先の商品を仕入れていて、今は来年の秋冬の商品。「YELL BANK」で調達した資金も仕入れに利用しました。

セレクトする商品は、ブランドと枚数などの条件を交渉をすること多いのですが、この作業がセレクトショップの醍醐味だと感じます。100万単位のお金をかけて「この商品ぜったい人気が出るぞ!」と狙い撃ちで商品をたくさん仕入れてじっさいに人気が出るとすごくうれしいし、逆にたくさん売れ残ってしまうこともあります。商品をお客様にお披露目するまで反応がわからないところが面白くもあり、大変だなと感じるところでもありますね。

——では、商品を仕入れるさいの基準はありますか?

<PEPIN>では「発信」というミッションを持ってショップを運営しているのですが、それは商品に対しても同じ考えです。セレクトする商品もなるべく<PEPIN>でしか取り扱いができないものが置いてあるのがいいと思っていて、ほかのお店にはない商品やブランドを集めるように心がけています。

また、ストーリーのある商品であること、コンセプトが感じられる商品であることも、僕の中では重要な仕入れ時の基準となっています。流行を追いかけるだけでなく、時代がかわっても愛される商品となるために、芯のあるかっこよさが必要だと考えているからです。

たとえば、<PEPIN>の中で人気の<BLACK WEIRDOSというブランドは、デザイナーが元彫師で、商品の絵柄もそのバックグラウンドを生かした風刺的なデザインのものが多いです。その中でも<PEPIN>のストリート・ラグジュアリーテイストの商品を仕入れています。直営店がなく卸している店舗も少ない、とても希少なブランドですが、近くにそのブランドの商品があるショップがない地方のお客様にも、ネットショップを利用して商品が選ばれています。

クリエイターの活動を支援するメディアとしてのセレクトショップ

——7年間ショップ運営をしてきて変化したことはありますか?

今まではショップの商品を充実させたり、取り扱いブランドを増やすことに注力してきました。運営を一人でやっていたため、ショップ運営の施策は取捨選択しなければならず、まずはお客様には商品力で満足していただきたいという思いが強かったからです。7年たった今、たくさんのブランドと取引ができるようになり、ようやく<PEPIN>が形になった、と感じています。お金をかけた広告もやってないにも関わらず、地道に更新してきたSNSのおかげで<PEPIN>のファンになってくれる方や、僕自身にもお客様がついてくださっています。

そこで、今こそ<PEPIN>は次のステップに進むときなのかなと思いが浮かんできました。

——活動の地盤が固まってきたんですね。では、次のステップとは?

これからは<PEPIN>のセレクトショップとしてのブランディングに力を入れていきたいと考えています。具体的には、お客様の中にインフルエンサーとして活動していらっしゃる方がいて、その方と連携しながら広報活動をしていこうと考えています。もちろんいままでどおり取り扱いブランドや商品の充実はいっそう進めますが、ショップが形になってきた今、より多くのお客様に知ってもらうためにも、できる範囲を広げようと。また、そういった活動をお客様と作っていけるのも、<PEPIN>を続けてきてよかったなと思う点です。

——<PEPIN>として成し遂げたい目標などはありますか?

<PEPIN>としてブランド力を身につけ、今度は同世代のクリエイターの方々を盛り上げられる、メディアのような存在になっていきたいと考えています。たとえば、さきほども触れた<skin>のデザイナーは僕も歳が近くて。Instagramを見てもわかるように、世界観が確立していて、コアなファンがいるブランドです。

デザインもイケてるし品質もよいのですが、彼らが提案するファッションはエッジが効いたものも多くて万人受けしないものもあるんです。一方で、彼らみたいに僕と同世代のデザイナーのブランドが芽を出しているのは、何らかの形で応援したいし、力になれたらいいなと思っています。

今まではセレクトするブランドが好きでショップを訪れるお客様が多かったのに対し、ショップの運営を続けるにつれて<PEPIN>自体を好きになってくださる方が増えてきているフェーズです。より<PEPIN>としてのパワーを高め、これからは、どのブランドのどの商品を置いてもお客様に評価してもらえるようなショップにしていきたい。お店の場所や、デザインにかかわらず、活躍するクリエイターの方たちのことも、セレクトショップ<PEPIN>というメディアを通して世界に「発信」していきたいと考えています。

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