世の中にあるネットショップの戦略というのは大きく2つに分けられます。一つが”安さ”で勝負するネットショップ、もう一つが“唯一化”で勝負するネットショップです。前者の”安さ”で勝負するネットショップの代表例として言わずもがなAmazonが挙げられるでしょう。本、CD、家電製品、日用品など日頃の生活に欠かせない商品であり、かつそれぞれの商品に型番が振られている商品を扱うショップに適しています。しかし、確かに値段を下げればその間はいつもより商品は売れると思いますが、結局利益を削っていることになりますので中長期的にみると賢い戦略とはいえません。
また「安く買えるショップ」というイメージを持たれてしまうと、もう値下げをし続けるしか方法がなくなります。こういった戦略で勝てるのは大量仕入れ、大量販売が可能な予算を持っている大企業のみです。規模の経済というものが働くんですよね。結局個人でネットショップを行う場合”格安”を戦略の中心に置くことはAmazonや楽天に出店している大型店舗と戦うことになります。敵が巨大すぎてあまり現実的じゃないですよね。
一方、もう一つの”唯一化”の戦略というのは言い換えると「あなたのショップで商品を買う理由をつくる」ということです。「安いからこのショップで買おう!」ではなくて、「このショップ(商品)は◯◯◯だからここで買おう!」という安さ以外の理由(=付加価値)を作り出すことがネットショップにおける”唯一化”の戦略です。身を削って安売りしなくても唯一化した商品(ショップ)を設けることができれば自信をもって売りたい値段で売ることができますし、そこでしか買えないものなのでお客様も喜んでお金を支払ってくれることでしょう。ではどのような切り口であなたのショップを唯一化していくのか?今回は唯一化したショップを作るための3つの方法をご紹介します。
ショップ、もしくは商品のストーリーを伝えましょう
あなたのショップがこの世に存在する理由は何か?その存在意義を明確化し適切に伝えることで唯一化は可能になります。そのために必要なのがネットショップの要となる「コンセプト」をしっかりと設計することです。何度もこのBASE Uで述べていますが「誰のために、どんな価値を提供するのか?」その問いに対しての答えを考えることからコンセプト設計は始まります。
・地元の伝統産業と職人の技術を守る
・環境保護活動を支援する
・世の中に蔓延る大企業に立ち向かう
・子供たちの学びをサポートする
などなど世の中には唯一化に成功したコンセプトをもったショップが多数存在します。あなたのショップがもつユニークなストーリーはそのまま「あなたのショップで買う理由」に繋がりますのでぜひ自分にしか語れない物語をまだ見ぬ顧客へ伝えてみてくださいね。また同様に「商品を作る過程」そのものもストーリーとなりえます。
例えばこのHiut Denimというデニムパンツを販売するネットショップは、注文がはいるとそのデニムのこれまでの制作の過程をオンラインで閲覧できるパスワードを付与されるとのことです。自分が購入した商品のそのストーリーが知れることは購入者にとっての最良の体験と言えるのではないでしょうか。
感動を与える買い物体験を提供しよう
購入してきた商品と一緒に梱包されている手書きのメッセージカードやディスカウントクーポン、さらにはプラスアルファのサプライズのアイテムの提供などは顧客に感動を与えることのできる最も簡単かつ有効な手段でしょう。「また利用したくなる」「あのお店で買うとワクワクする」「同じ商品であればこのお店で買いたい」と思ってもらうのも唯一化戦略のひとつです。
オリジナルのアイテムやオフラインイベントへの招待券など、梱包物を開く瞬間の顧客がもっとも心がわくわくするタイミングを最大限に活かす仕掛けをあなたなりに考えてみてくださいね。
これからの顧客とコミュニケーションをとろう
今や人々の生活に欠かすことのできないものとなったTwitter、Facebook、Instagram、LINE、多くの企業もマーケティングツールとして使うこれらのサービスを活用してみるのはいかがでしょうか?スタッフの顔を見せたり、その日売れた商品を伝えたり、作品作りの過程を写真で更新したりと、ファンになってくれている方、またはお客様の身近な存在としてあなたのショップを位置づけることが可能なツールです。
大量の商品をさばく必要のある”安売り”のショップでは決してできないファンとの一つ一つのコミュニケーションが唯一化すべきショップではとても重要になってきます。日頃のコミュニケーションがあなたのショップで買う明確な理由となるのです。
以上、ストーリー、体験、コミュニケーションの3つの切り口からショップを唯一化させるポイントをお伝えしました。ぜひ安易な値下げによってお客様に来てもらうのではなく、あなたのショップにしか出せないカラーでお客様に来てもらえるよう努力してみてください。最初は大変かもしれませんが少し長い目でみると強い効果を生み出すものです。最後に唯一化が上手く出来ているショップの一例をご紹介いたしますね。ぜひ参考にしてみてください。