ネットショップ開業で使える助成金・補助金制度をくわしく解説!

2021.01.12(更新:2024.07.26)

ネットショップの開業資金は10〜30万円以上が目安だと言われています。ネットショップ開業に際して申請できる助成金や補助金があるため、自己資金とあわせて活用するのがおすすめです。

今回は、ネットショップ開業時に利用できる補助金・助成金を紹介します。補助金・助成金に関する基礎知識や申請方法、補助金・助成金以外の資金調達方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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まずは知っておきたい!補助金・助成金の共通点と違い

そもそも補助金や助成金とは何かを解説します。

補助金・助成金の共通点

まずは助成金と補助金の違いについて、確認しておきましょう。両方に共通することは「返済不要」「後払い」の2点です。

助成金・補助金のいずれも融資ではないので、返済の必要はありません。そして、かかった費用をあとから補填する「後払い」の形式であることも共通しています。

つまり補助金・助成金を「先に受け取ってから使う」ということはできないことを、理解しておく必要があります。

先に対象となる支出が発生してから、その金額分をあとから支給されることになるので、注意しましょう。

また、助成金も補助金も両方とも、審査を受ける必要があり、申請すれば誰でも受け取れるわけではない点も、注意が必要です。

補助金・助成金の違い

助成金と補助金の違いは、以下の3点です。

  • 1. 管轄の省庁
  • 2. 応募形式
  • 3. 支給までの期間
  1. 管轄の省庁

「管轄の省庁」について、明確な決まりがあるわけではありませんが、基本的に助成金は厚生労働省、補助金は経済産業省や地方自治体が管轄している、という違いがあります。

2. 応募形式

「応募形式」について、補助金は公募形式です。

決められた予算があり、それを使い切ってしまうと、募集が終了してします。一方の助成金は、公募形式ではありません。申請期間内に手続きをすれば、条件を満たす人に支給されます。

3. 支給までの期間

「支給までの期間」について、予算を決める必要がある補助金は、もらえるまでに長く待つことになる場合があります。

一方の助成金は、手続きが完了すれば、比較的すぐにもらえることが多いです。

助成金と補助金の違いを表にまとめると、以下のようになります。

 

助成金

補助金

管轄の省庁

厚生労働省

経済産業省や地方自治体

応募形式

期間内に申請

公募

支給までの期間

短い

長い

 

ネットショップ開業で利用できる補助金・助成金

2024年7月現在では、ネットショップ開業に使用できる「助成金」はありません。助成金の最新情報については、以下のサイトを参照してください。

J-Net21

「補助金」については、おもに以下の4つの補助金が対象となる可能性があります。個人事業主でも利用できるので、参考にしてください。

IT導入補助金制度

「IT導入補助金制度」とは、中小企業・自営業者が「ITツール」を導入するさいに利用できる補助金制度です。認定された「IT導入支援事業者」のサポートのもとで、「認定を受けたITツール」を導入した場合に支給されます。

認定を受けたIT導入支援事業者やツールについては、公式サイトの一覧で確認してください。

ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む) | IT導入補助金2024

2024年度のIT導入補助金は、幅広い用途に使える「通常枠」と、インボイス導入に伴う会計・決済・受発注ソフトやPCなどの導入費用に適用される「インボイス枠」、セキュリティ保護サービスの利用料に使える「セキュリティ対策推進枠」があります。

補助金の金額も、用途や企業の規模によって変わってきます。枠ごとの要件を表にまとめましたので、チェックしてみてください。

 

補助対象の例

補助率

補助額

通常枠

以下のような業務プロセスに用いるITツール導入費用

・顧客対応・販売支援
・供給・在庫・物流
・総務・人事・給与・労務など

1/2以内

<1プロセス以上>
5〜150万円

<4プロセス以上>
150〜450万円

インボイス枠
(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、PC・ハードウェアの導入費用

<ソフトウェア(※)>
中小企業:2/3〜3/4以内
小規模事業者:2/3〜4/5以内

<ハードウェア>
1/2以内

<ソフトウェア>
50万円〜350万円

<ハードウェア>
PC・タブレットなど:10万円以下
レジ・券売機など:20万円以下

インボイス枠
(電子取引類型)

取引先(在庫管理や発送業務のアウトソーシング先、仕入れ先など)に無償で貸与するためのインボイス対応した受発注ソフトの導入費用

<中小企業・小規模事業者など>
2/3以内

<その他事業者など>
1/2以内

350万円以下(下限なし)

セキュリティ対策推進枠

「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト(※2)」に掲載されているサービスの利用料(最大2年分)

1/2以内

5万円〜100万円

※1 補助額50万円超の際の補助率は、補助額のうち50万円以下については3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超については2/3

※2 サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト:https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/index.html#service_area

申請の期限も枠ごとに異なり、通常枠を利用する場合は8月23日が最終締め切りです(2024年7月時点)。交付申請までにITツールの選択や、申請用のアカウント取得などを済ませておく必要がありますので、検討中の方は早めに準備を進めましょう。

IT導入補助金2024

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が、「販路開拓」または「業務効率化」のために支出した場合に適用される補助金です。ネットショップを新たに開設するなど、「販路開拓」につながる費用が対象になります。

募集要項では補助対象となる経費の具体例として、以下の6つが挙げられています。

  • 商品販売のためのWebサイト制作や更新
  • インターネットを介したDMの発送
  • インターネット広告
  • バナー広告の実施
  • 効果や作業内容が明確なウェビナーのSEO対策
  • 商品販売のための動画作成

小規模事業者持続化補助金は名称にあるとおり、対象となるのは「小規模」な事業者です。卸売業・小売業に該当するネットショップの場合は、常勤の従業員数が「5人以下」である必要があります。

補助率と上限は以下のとおりです。

  • 補助率:3分の2
  • 上限:50万円

管轄しているのは商工会議所ですが、商工会の会員でなくても応募できます。

2024年7月時点では申請を締め切っていて、次回以降の募集スケジュールはまだ公表されていません。受付開始から締め切りまで20日間ほどと募集期間が非常に短いため、こまめに公式サイトをチェックしてみてください。

小規模事業者持続化補助金(一般型)

事業再構築補助金

中小企業庁が運営する、日本経済のコロナ禍からの立て直しを目的とした補助金です。

事業再構築補助金の特徴は、申請時に事業計画の提出が求められることです。その上、事業計画では「付加価値額」を一定以上成長するよう作成しなければいけません。

付加価値額とは、企業が生産活動により産出した価値のことです。仕入れ商品を扱うネットショップの場合は「売上高−仕入れ価格」で計算できます。事業再構築補助金の事業計画は、年平均成長率を3.0〜5.0%以上に設定することが条件として求められています。

さらに、補助対象として採択されて補助金が給付された後も、定期的に計画を実行できているか報告しなければいけません。当初の目的と乖離していると、補助金の一部返金を求められることもあるため要注意です。

そのため、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金と比べると、申請のハードルがやや高いでしょう。

成長分野進出枠の通常類型で申請する場合、補助金は以下の通りです。

  • 補助率 1/2(中小企業の場合)
  • 上限  1,500万円(従業員20人以下の場合)

第12回公募の申請締め切りは7月26日ですが、公式サイトでは第13回以降の公募情報も随時公開される予定ですので、チェックしてみてください。

事業再構築補助金

各自治体が提供するIT補助金

自治体によっては、ネットショップ開業に使える独自の補助金制度を設けているケースもあります。事業所の位置する自治体のホームページをチェックしてみてください。

たとえば、東京都中央区の「ECサイト活用補助金」が代表的です。はじめてネットショップを開業する場合に使える補助金で、中央区内に本社の事業所がある企業が対象となっています。

補助対象となる経費は、次の2つです。

  • 新たに独自のECサイトを構築するために必要な費用
  • モール型ECサイトを利用するために、その運営者に支払う初期登録費用(月額、年額等で定められた利用料またはこれに類するものを除く。)

IT導入補助金をはじめとするほかの補助金と併用することも可能ですが、補助にかかる金額は補助対象経緯から控除されます。また、交付数は先着10件と限られているため、早めに申請しましょう。

ECサイト活用補助金の補助金額は、次のとおりです。

  • 補助率 1/2
  • 上限  5万円

中央区ホームページ/ECサイト活用補助金

補助金申請の具体的な流れ

補助金申請の流れを確認しましょう。

今回は、「小規模事業者持続化補助金」の申請方法について説明します。多くの補助金も基本的な流れは同じなので、参考にしてください。

STEP1:申請書を作成

まずは、申請書に必要事項を記入します。小規模事業者持続化補助金の申請書は、公式ホームページからダウンロード可能です。

以下の4つの書類を作成する必要があります。

  • 様式1-1:小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書
  • 様式2-1:経営計画書兼補助事業計画書
  • 様式3-1:補助事業計画書
  • 様式5:小規模事業者持続化補助金交付申請書

別途「様式4」の書類も必要ですが、上記4つの書類を提出した後に商工会議所が作成するので、最初の段階では必要ありません。

補助金の受け取りは後払いですが、申請の手続きは、対象となる事業の「開始前」に実施することに注意しましょう。これは、多くの補助金に共通するポイントです。

STEP2:地域の商工会議所に提出

小規模事業者持続化補助金の担当窓口は、地域の商工会議所です。必要書類が準備できたら電子申請システム「gBizID」を利用して提出します。郵送や商工会議所への持ち込みは受け付けていませんので、注意してください。

書類の書き方や、必要書類の詳細がわからないことがあったときは、ホームページで公開されているQ&Aを確認してみてください。申請システムの操作方法について専用の電話窓口もありますので、わからないことがあったときは利用してみてもといいでしょう。

STEP3:審査期間・採択通知

書類の提出が完了したら、補助金の対象になるかどうかの審査がおこなわれます。

審査にかかる期間の長さについては公表されていませんが、審査が完了すると、採用もしくは不採用の通知が来ます。

STEP4:事業実施

審査が完了したら、事業計画書に基づいて、補助金の対象となる販促活動やネットショップ開設をスタートする段階です。

外注する部分については見積もりを依頼し、着工、代金の支払いをおこないます。

先に支払いが到来する分、キャッシュフローは悪くなりますが、事前に審査に通っているので、資金繰りの計画がしやすいでしょう。

事前に提出した事業計画どおりの内容を本当に実施したという「実績報告」が必要なので、支払った領収書などの資料をかならず保管しておいてください。

あらかじめ定められている、「補助事業実施期間」におこなった事業が補助金の対象となります。

小規模事業者持続化補助金<一般型> 第16回公募 公募要領

STEP5:事業終了後、補助金を事業者に交付

対象となる事業が完了したら、「実績報告書」を提出し、補助金を受け取るための手続きをします。

保管しておいた領収書などを使って、本当に事業をおこなった、という実績を証明する手続きです。

補助金の審査はすでに通っているので、申請の手続きが問題なく完了すれば、補助金を受け取ることができます。支給方法は原則的に「銀行振込」です。

ネットショップの開業で補助金を利用する際の注意点

ネットショップ開業に向けて補助金を調達する前に、理解しておきたいポイントを3つ紹介します。

補助金は必ず受け取れるわけではない

申請のタイミングや不備により、補助金を受け取れないリスクがあります。

たとえば、書類の不備があったり、要件を満たしていなかったり、予算が満額に達して募集を締め切ってしまったりした場合は、補助金申請が採択されません。
小規模事業者持続化補助金のホームページにも、第15回受付締め切り分で審査の結果採択できなかったケースが多数あったと記載がありました。

そのため、募集要項やスケジュールをよく確認した上で、書類に内容を正確に書くことが大切です。

補助金の併用は原則できない

同じ財源の補助金を同時に複数使うことは、原則できません。たとえば「IT導入補助金制度」と「事業再構築補助金」は、どちらも中小企業庁が運用する補助金ですので併用不可です。

また、補助金によっては、同じ事業に対して他の補助金を受けていないことを支給要件にしていたり、併用はできるものの補助額が控除されたりするケースもあります。
今回紹介した東京都中央区の「ECサイト活用補助金」でも、ホームページに「国・他の自治体やその他の機関等から類似の補助を受けている場合は、その補助に係る金額を補助対象経費から控除します」と明記されています。

より多くの補助を受けるためにも、金額をしっかりシミュレーションしてから利用する補助金を選ぶのがおすすめです。

補助金が支給されるのはネットショップ開業後

補助金の支給タイミングは、基本的にネットショップ開業後です。申請したからと言って、すぐに支給されるわけではありません。

そのため、補助金を利用するかどうかを問わず、ネットショップの開業には一定以上の資金を用意する必要があります。

ネットショップの開業費用は、最低でも10〜30万円ほど必要だと言われています。堅実に運営していくためにも、事前にネットショップの運営計画を立てた上で、余裕をもって開業資金を調達しておきましょう。

BASEで活用できる、「YELL BANK」での資金繰りも紹介。「資金繰り」とは?くわしく解説

補助金以外のネットショップ資金調達方法はある? 

個人でネットショップを立ち上げる場合はとくに、「あと払いの補助金だけでは開業資金が心もとない」というケースもあるでしょう。
個人で利用できる融資にはカードローンやキャッシングなどがありますが、利息がかかる上、余裕をもって返済できるかどうかは実際にネットショップを開業してみないとわかりません。

そうした場合におすすめなのが、ネットショップ作成サービスの資金調達サービスです。

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資金調達方法には何がある?個人事業主におすすめの資金調達サービス6選の比較

まとめ

ネットショップを開業する場合でも、補助金を利用できる場合があります。ただし、補助金は「後払い」であり、もらえるまでに時間がかかる、という点に注意してください。

自社が補助金の条件にあてはまるかどうかをよく確認し、手続きを進めましょう。公募期間を過ぎると利用できなくなってしまうので、早めの対応が重要です。

ネットショップ開業後の資金調達には、ネットショップ作成サービスの資金調達機能を活用する方法もあります。BASEの「YELL BANK」は調達した金額を将来の売上金から引き落とせる仕組みであり、金融機関の融資のように別途振込による返済手続きが不要な点が魅力です。

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