ハンドメイドで起業する方法!メリットや失敗しないためのポイント、事例を紹介

ハンドメイドで起業する方法!メリットや失敗しないためのポイント、事例を紹介

趣味のハンドメイド販売が好調で、「ブランドとして本格的に運営したい」と起業(=個人事業主として開業)する方はたくさんいます。「私にもできるのかな」「赤字になったらどうしよう」と不安を抱えながら起業するケースも珍しくありません。本記事では、失敗を防ぐための起業のタイミングや具体的な方法について解説します。

【この記事でわかること】

  • ハンドメイドの起業手順は、大きく8ステップある。
     1.ブランドコンセプトを決める
     2.商品の準備、販売価格を決める
     3.ネットショップなど販売方法を決める
     4.梱包や配送方法を決める
     5.SNSなど集客方法を決める
     6.開業届を提出する
     7.銀行口座を準備する
     8.確定申告の準備をする。
  • ハンドメイドでの起業目安は、ハンドメイドでの所得が年間20万円を超えた場合。ハンドメイド以外の収入がない場合は、扶養の範囲内である年間所得48万円を超えるタイミングが目安。
  • ハンドメイドアクセサリーで稼げるジャンルは、アクセサリーやベビー&キッズ用品など。

そもそもハンドメイドの「起業」とは?メリット・デメリット

ハンドメイドにおける「起業」は、個人事業主として開業することを指す場合が一般的です。

個人事業主はフリーランスとも似ていますが、フリーランスは会社に所属せず個人で仕事をする人を指すのに対し、個人事業主は税務署に開業届を提出した人を指します。

では、ハンドメイドで起業することにより、どんな変化があるのでしょうか。メリットとデメリットにわけて紹介します。

メリット・好きなことを仕事にできる・在宅ワークなど場所に縛られず働くことができる・青色申告を利用できるので、節税できる可能性がある
デメリット・収入が安定するまで一定時間がかかる・確定申告などの税務処理が必要

ハンドメイドで起業するメリット

好きなことを仕事にできる

開業届を出すと、好きなことを仕事にするという覚悟が固まります。趣味としてハンドメイドをしていると、自分が楽しむことが一番の目的になるかもしれません。仕事となれば、お客様に喜んでもらうことを第一に取り組む必要があります。「ビジネスとしてやっていく」というプロ意識が生まれることで、好きなハンドメイドをさらに深く追求できるでしょう。

在宅ワークなど場所に縛られず働くことができる

ハンドメイドが趣味から仕事へと変わっても、働く場所は自由なままです。自宅の一角を工房にしたり、旅行先でインスピレーションを得ながら作品を制作したりと、自由自在に仕事ができます。自分にあった働き方で心穏やかに創作活動に打ち込めるのは、大きな魅力の1つです。

節税対策ができる

青色申告とは、開業届を出した人が利用できる確定申告の方法で、最大65万円の特別控除が受けられます。税負担を大幅に軽減できる可能性があるため、売上が大幅に伸びる前に起業するのがおすすめです。

ハンドメイドで起業するデメリット

収入が安定するまで一定時間がかかる

ハンドメイド作家として起業しても、すぐに収入が安定するとは限りません。作品が認知され、リピーターが増えるまでには、ある程度の時間と労力が必要です。最初は趣味の延長として、楽しみながら活動を続けるのがいいでしょう。収入が安定するまでの間は、生活費を補うために貯蓄し、副業として始めるなど、計画的な準備をしておくと安心です。

確定申告などの税務処理が必要

ハンドメイドで起業した後は、確定申告が毎年必要になります。ハンドメイドでの売上や経費を記録し、所得を計算して税務署に申告しなければなりません。特に、青色申告で最大65万円の特別控除を受けるためには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。少し複雑に感じるかもしれませんが、会計ソフトなどを活用すれば、比較的簡単に管理できます。

ハンドメイド作家が起業する目安は?

起業の目安となるのは、売上から経費を差し引いた金額が年間20万円以上になった時です。給与所得にあてはまらない「雑所得」が20万円を超えると、納税の義務が発生するためです。雑所得にはハンドメイドの収入だけでなく、転売目的で商品を仕入れて販売した場合の収入や、アフィリエイトの収入、公的年金や暗号資産の取引による収入などが当てはまります。

minneが2019年に行った、「ハンドメイド 主婦・主夫作家の意識調査」によると、ハンドメイド作家のおよそ2人に1人が、月1万円以上の収入があります。稼げるチャンスは多くの人にありますので、「20万円を超えるのはまだ先かも」と思っている方も、起業方法を知っておきましょう。

失敗を防ぐ!ハンドメイドの起業方法8ステップ

ハンドメイドで起業する際の具体的な流れを紹介します。

  1. ブランドコンセプトを明確にする
  2. 適切な販売価格と制作時間を決めて、ハンドメイド作品を制作
  3. ビジネスの観点で販売方法を検討
  4. 梱包や配送方法を決定する
  5. SNSなどで集客
  6. 開業届を提出
  7. 銀行口座を準備
  8. 確定申告の準備

1. ブランドコンセプトを明確にする

まずは、ハンドメイド作品のターゲットや、ブランド名・ショップ名などを決めていきましょう。

自分の得意な作品をどんな年齢・性別の人に販売するのかという「ターゲット」を明確にすることで、ターゲットがとくに魅力的に感じるブランドコンセプトを考えやすくなります。

コンセプトに沿って作品づくりをすることで一貫性が生まれ、お客様に覚えてもらいやすくなるでしょう。

▶関連記事:STEP02商品/ブランド企画 – 第5回ショップのコンセプトを決めよう

2. 適切な販売価格と制作時間を決めて、ハンドメイド作品を制作

ビジネスとして長く続けていくためには、作品の原価や制作時間をもとに、適切な価格設定をすることが不可欠です。商品を試作する際は、デザインを検討するのはもちろん、コストや時間が妥当かどうかを確認しましょう。

販売価格は原価率3割で計算するのが一般的です。同じジャンルを扱うハンドメイド作家の価格設定も参考にしながら、購入者にとって納得感のある価格設定ができるよう、コストを調整していきましょう。商品の販売価格がたとえ相場より高くなったとしても、ターゲットに刺さる魅力があれば問題ありません。

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3. ビジネスの観点で販売方法を検討

ハンドメイドの販売方法はさまざまです。代表的なものでも、5種類にわけられます。

  1. ネットショップ
  2. ハンドメイドECモール
  3. SNS
  4. イベント(即売会・フリーマーケット・展示会)
  5. 委託販売など

起業してビジネスとしてやっていくのであれば、販売にかかるコストはもちろん、ブランディングのしやすさや、商品数が増えても管理しやすいかどうかも重要な観点です。

ネットショップであれば、手数料が比較的安いうえ、ショップデザインにこだわれるためブランディングもしやすいと言えます。初心者にも扱いやすいネットショップサービスが多く、注文や売上も管理しやすいためおすすめです。

なかでもネットショップ作成サービスのBASEは、「クリエイターに最も選ばれているネットショップ開設サービスNo.1」「売上を伸ばしやすいネットショップ開設サービスNo.1」(※)にも選ばれていますので、ぜひご検討ください。

 ※最近1年以内にネットショップを開設する際に利用したカート型ネットショップ開設サービスの調査(2024年2月 調査委託先:マクロミル)

4. 梱包や配送方法を決定する

作品のイメージを左右する梱包も大切な要素です。開けた瞬間に喜んでもらえるような工夫を凝らしましょう。梱包のポイントとしては、以下を参考してみてください。

  • アクセサリーは専用の小箱やクッション材で破損を防ぐ
  • 布小物は透明袋に入れてから封筒に入れ、汚れや湿気から守る
  • ブランドステッカーやサンキューカードで特別感を演出
  • 季節に合わせた包装紙やリボンでリピート購入を促進

また、送料も考慮して、作品のサイズや重量に合った配送方法を事前に決めておくと、いざ注文が入った時にスムーズに対応できます。

5. SNSなどで集客

InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSを活用して、作品やブランドの情報を積極的に発信しましょう。継続的にファンを増やしていくことで、新作の販売開始と同時に購入してもらえる可能性が高まります。

また、新規だけでなくリピーター向けの集客施策にも力を入れましょう。売上の大部分は、20〜30%のリピーターに支えられていると言われています。そのうえ、新規向けの施策に比べて集客コストが低いため、収入が安定しやすくなります。

BASEには「Instagram販売 App」や「Instagram広告 App」、「TikTok Shop連携 App」など、SNSと連携した拡張機能もあります。SNSからショップへの集客に役立つだけでなく、SNSごとの集客効果をBASEの管理画面上で一覧表示できるため、集客に役立ちます。

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6. 開業届を提出

開業届は、起業した日から1ヶ月以内を目安に提出します。開業届を提出すると、ブランド・ショップ名義の銀行口座を作れるので、遅くても売上金の振込前のタイミングには提出するのがおすすめです。

提出先は税務署で、窓口で出すこともできますが、オンラインでの提出も可能です。開業届の提出時は、「個人事業の開業・廃業等届出書」にくわえて、マイナンバーカードと本人確認書類の提示、印鑑などが求められます。

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7. 銀行口座を準備

開業届を提出した後は、屋号名義の銀行口座の開設を検討しましょう。

個人事業主として活動する場合、売上規模が大きくないうちは個人の銀行口座で済ませることも可能です。しかし、プライベートな収支と事業の収支が混ざってしまうと、後々の経理処理が非常に煩雑になります。

屋号名義の銀行口座を一つ用意しておけば、事業の売上や経費の管理が格段に楽になり、確定申告の準備もスムーズに進みます。取引先や購入者からの信頼にもつながるため、ぜひ準備しておきましょう。

屋号名義の口座を開設する際は、個人名義の口座開設時と同様、本人確認書類と届出印にくわえて、開業届の控え、開業届以外で屋号を確認できる書類(賃貸契約書や納税証明書、領収書など)の提出が求められます。

8. 確定申告の準備

開業した翌年の2月から3月にかけて、確定申告を行う必要があります。スムーズに進めるためにも、日頃から材料費や送料などの経費がわかる領収書をまとめておきましょう。会計ソフトなどを活用すれば、日々の記録が楽になり、確定申告の際も慌てずに済みます。

BASEでは、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトと売上データを連動できる拡張機能を備えています。売上管理の手間を抑えられますので、ぜひ利用を検討してみてください。

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ハンドメイドで起業したショップの事例

BASEのショップオーナーの中から、実際に起業したハンドメイド作家の例を紹介します。

社会人1年目で思い切って独立|FUIUCHI

「FUIUCHI」のオーナーは、社会人1年目で副業としてハンドメイドアクセサリーを扱うブランドを立ち上げました。会社での仕事は苦手意識があったものの、FUIUCHIの運営は楽しくつづけられたため、思い切って会社を辞めてブランド一本で生計を立てることに。

モデルが商品の着用写真をインスタに掲載したことをきっかけに急成長し、Instagramのフォロワーも1万人の大台に。Instagram広告も活用し、ポップアップストアなども開催しながら、地道にショップ運営をつづけているそうです。

いまでは法人化もしていて、法人化したことで「目に見える形で成長を見せることで、会社を辞めたときに心配をかけた両親や前職の方たちに、感謝の気持ちを伝えられた」と語っています。

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【FAQ】ハンドメイドの起業に関するよくある質問 

ハンドメイドで起業を検討している方が抱えることの多い疑問にお答えします。

ハンドメイドで稼げるジャンルは?

アクセサリー、ベビー&キッズ用品、スマホケース、布小物、キャンドルなどは需要が多く、おすすめです。

主婦(主夫)がハンドメイドで起業するときの注意点は?

収入が増えることで、所得税の配偶者控除から外れる可能性があります。また、開業届を提出することで、健康保険の被扶養者から外れる可能性もあるため、事前の確認が必要です。

ハンドメイド販売でおすすめのサイトは? 

ハンドメイド作品を販売する方法は、主に以下の2つに分けられます。

  1. ハンドメイド専門のマーケットプレイス:minne、Creemaなど。集客力は高いものの、多くの作家が競合となり、価格競争に陥りやすいという側面があります。
  2. ネットショップ作成サービスBASE、STORESなど。自分で自由にショップデザインをカスタマイズでき、ブランドの世界観を表現しやすいのが特徴です。

とくに、ネットショップ作成サービスは、以下のような点でハンドメイド作家におすすめです。

  • ブランディングしやすい:マーケットプレイスのように他の作家と常に比較されることが少なく、独自のコンセプトを表現できます。
  • 集客機能が充実している:InstagramやTikTokなど、SNSと連携した集客機能が充実しているサービスが多く、集客の機会損失を防げます。
  • リピーターを増やしやすい:ネットショップを運営することで、お客様との接点を増やし、ファン化を促進できます。一般的に、売上の70〜80%はリピーターに支えられていると言われており、リピーターの存在は売上安定のカギとなります。

ハンドメイド販売を事業として本格的に育てていきたい場合は、ブランディングや集客の自由度が高いネットショップの開設がおすすめです。

まとめ

ハンドメイドの収入が年間20万円を超えるのであれば、個人事業主として開業届を提出し、起業するのがおすすめです。開業届を提出すると、税制上の優遇を受けられたり、ブランド名・ショップ名で銀行口座を作れたりするメリットがあります。ただし、ビジネスとして収入を継続して得るためには、原価の管理や集客などにしっかり取り組む必要がある点には注意しましょう。

BASEは、ハンドメイドで起業する方におすすめのネットショップ作成サービスです。SNSとの連携機能や、累計ID登録者数1,600万人(2025年3月時点)のショッピングアプリ「Pay ID」など、集客や売上アップに役立つ機能が豊富にあります。さらに、渋谷と原宿にあるポップアップスペースへの出店も無料で行えるため、対面販売の機会を持てるのも魅力です。また、料金プランは2つあり、プラン変更は月単位で可能なので、売上に応じてよりコストを抑えやすいプランに変えられます

ハンドメイドで起業をお考えであれば、ぜひ「BASE」でネットショップを作成してブランディングや売上アップに役立ててください。

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執筆・編集者
BASE U編集部
BASE U編集部

ネットショップ作成サービス「BASE」が運営しているオウンドメディア「BASE U」の編集部です。BASEに関する新機能の情報やオーナー様のインタビュー、そしておすすめの商品・ショップ情報を通して、ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

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