コミュニティをきっかけに、コラボが実現。 「帆布×刺繍」で、世界にひとつだけのポーチを

2024.03.21(更新:2024.04.09)

BASEでは、ショップオーナーの交流を目的としたコミュニティイベント「BASE Owners Meetup」を実施しています。ふだんあまり出会うことのないオーナー同士の交流を通じて、ショップのコラボレーションが生まれる場面も少しずつ増加。

今回は、イベントでの出会いをきっかけに、コラボ商品の販売が実現した<MAISON DE RANCO>廣瀬さんと<かばんやえいえもん>山内さんに、コラボに至った経緯や制作秘話、コミュニティの存在について聞きました。

「BASE Owners Meetup」第1回イベントレポート:https://baseu.jp/31338

「BASE Owners Meetup」第1回イベントの模様をレポート|2023年11月開催


コミュニティの様子は、InstagramやXのハッシュタグ#base_meetup でもご覧いただけます!

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Instagram:#base_meetup

「ものづくりへの想い」が共通点。<かばんやえいえもん>と<MAISON DE RANCO>

——まずは、<MAISON DE RANCO>廣瀬さんから自己紹介をお願いします。

<MAISON DE RANCO>廣瀬さん(以下、廣瀬さん) 1点からオーダー可能な、オーダー刺繍のショップをやっています。子供が描いた絵の写真を送ってもらい、再現度の高い刺繍にするアイデアなどが人気で、ありがたいことにお客さんも広がってきています。

——手間のかかる刺繍で1点からオーダー可能というのは、すこし珍しいですね。

廣瀬さん 利益を考えると、もっと別の方法もあると思います。
ただ、自分のものづくりの経験から、刺繍をオーダーすることのハードルの高さを感じていて。ロットや単価といった、ものづくりのネックを極力なくすことで、お客さんがもっと手軽に刺繍を楽しめるといいなと思い、1点からでもリーズナブルな価格で提供しています。

あとはやっぱり、お客さんが喜んでくれるのがうれしいんです。
たとえば、成人を迎える方の親御さんから「息子が十数年前に描いた自分の絵をアイテムにしたい」といったオーダーが来ることもあって。長年大切にしてきた絵がTシャツになることで、お客さんにとってはかけがえのない、世界に一点しかないTシャツに仕上がるのが、作っていてやりがいだなと思います。


※オーナーさんのご希望で、イラストを追加いただきました。

——<かばんやえいえもん>山内さんもお願いします。

<かばんやえいえもん>山内さん(以下、山内さん)帆布※を使ったバッグのブランドで、デザイン・制作・販売をすべて一人で手がけています。手の届く範囲での活動を大切にしていて、自転車に商品を積んで街中で引き売りする「行商スタイル」がトレンドマークです。
※丈夫で水を通さない綿の生地。カバンやテントに使われることが多い。

——すべてお一人でやられているんですね。これまでに、ものづくりの経験はあったんですか?

山内さん もともと、革のハンドバッグを作る職人として働いていたんです。
商品企画に関わるようになってからは、こだわりすぎて採算の合わない提案ばかりでした。「それなら自分でやってみたら?」の一言に押されて活動をはじめると、お客さんの顔を見ながら売れることがうれしくって。2008年からはじめた自転車での行商は、デパート出展などが増えた今でも続けています。

帆布を選んだのは、帆布が名産である出身地・滋賀県高島への想いからです。滋賀というと琵琶湖のイメージしか持たれないこともあるのですが(笑)、帆布を通してマニアックな魅力を知ってもらえたらうれしいです。

“帆布”と”オーダー刺繍”のコラボで作る、世界に一つだけのポーチ

——では、今回のコラボ商品について教えてください。

山内さん 手書きの絵が刺繍になる、シンプルな帆布のポーチです。母の日に合わせて企画してみました。こんな感じで制作していこうと思っています。

  1. お客さんの刺繍用画像と、裁断した生地を送る(山内さん→廣瀬さん)
  2. 刺繍ができたら返送してもらう(廣瀬さん→山内さん)
  3. 縫製してポーチの形に仕上げ、発送(山内さん)

廣瀬さん ちょうどサンプル品ができたので、ぜひ触ってみてください。

山内さん 左がサンプル用の原画としてお渡しした子供の絵で、右がそれを再現した刺繍です。

——おお! 再現度がすごいですね。

廣瀬さん そうなんです! 色塗りのはみ出しとかも、そのまま再現していて。

山内さん ちなみにこの絵は、クマではなくてウサギだそうです(笑)

——そういうちょっとしたエピソードもグッときますね。

廣瀬さん ラベンダーのポーチに入っているような、シュールな線画も個人的にお気に入りです。ちゃんと描いた絵よりも、気負わずにサッと描いたチラシの裏の落書きとかの方が、面白かったりするんです。



——商品のこだわりや、苦労した点はありますか?

山内さん 母の日のプレゼントを意識した商品なので、5千円以内にはおさめたいと思い、バッグではなくポーチでの制作を決めました。もちろん、自分用に注文いただけるのもうれしいです!

廣瀬さん 苦労したのは、やっぱり刺繍の表現です。目が粗い帆布でも再現できる絵の幅が広がるように、刺繍のサイズを相談しながら調整していきました。

山内さん 帆布のカラーについても、刺繍が映える色を提案していただき、さらにお客さんが自分の好みで雰囲気を選べるように、シンプルな「キナリ」とカラフルな「ラベンダー」の2色をご用意しています。

コラボ決定から3ヶ月で販売へ!実現までの流れは?

<コラボの流れ>
11月:「BASE Owners Meetup」で出会う
 →帰りの駅のホームで声を掛けるものの、その場ではコラボには至らず(山内さん)
12月:「BASE Owners Meetup」で再会
 →イベント後にInstagramのDMで連絡を取り、コラボが決定(山内さん)
1月:刺繍の見積り(廣瀬さん)
1月:商品企画とスケジュール案の作成(山内さん)
2月中旬:作戦会議@池袋の渋い喫茶店
 →サイズや生地の色などの詳細を詰める
3月上旬:サンプル制作
3月下旬:受注販売開始

——コラボに至った経緯を教えてください。

山内さん 出会いは昨年11月に参加したコミュニティイベント、「BASE Owners Meetup」でした。懇親会でお話しした時にビビッときて、イベント帰りの駅のホームで廣瀬さんを見かけたので、思わず声を掛けました(笑)。
そのときはすぐにやりましょう!とはならなかったのですが、再会した翌月のイベントで「他社ともコラボしてみたい」と話しているのを聞いて、すぐにInstagramでDMを送り、コラボが決まりました。

——フットワークの軽さが、さすがです。廣瀬さんは熱烈なお誘いを受け、どうしてコラボを決めたんですか?

廣瀬さん 最初はコラボのイメージが湧いていなかったので、お断りしていたんです。でも、イベントでいろんな方のお話を聞いたり、山内さんの熱意を感じたりする中で、そういうのも面白いかもと思ってきて。
イベント後に山内さんのショップを調べてみたんです。そうしたらバッグを1個ずつ作って自転車で手売りしていることを知って、めちゃめちゃかっこいいな、いい意味でクレイジーだなと。なので、よろこんでお受けしました。



——
いい出会いが生まれてうれしいです。コラボ決定から販売まで3ヶ月と、かなりスピーディーですが、コラボはすでにご経験があったんですか?

廣瀬さん 私ははじめてだったので、山内さんに全部お任せしていました。

山内さん ほかのクリエイターさんとご一緒すると世界が広がるので、ここ数年でコラボの取り組みは増やしていて、今回もご縁を感じてお声掛けしました。「お任せします」と言っていただけたことで分担もでき、廣瀬さんのレスポンスの早さも相まって、びっくりするほどスムーズに進みました。

「BASE Owners Meetup」に何度も行くのは、”偶然の出会い”があるから


——ここですこし、コミュニティについてお聞かせください。お二人とも何回もイベントにご参加いただいていて、(誘っている身ではあるのですが)どうしてそんなに来てくれるんですか?

廣瀬さん やっぱりオンラインではなく、直接話せる場は貴重で、いい刺激になっています。僕らはこれまで自分たちのアトリエにこもってものづくりしていたので、外に出る機会が新鮮だし、山内さんのようないい方との出会いもあって、来てよかったなと。
働いている方の雰囲気が見えてきて信頼度も上がったし、未来の話を聞いて、自分たちのモチベーションにもつながり、参加できてうれしいです。

山内さん 私も、いろいろな方との出会いを求めて、です。廣瀬さんもですし、自分の知らないおもしろい作家さんや、OEM連携できそうな販売者さんと出会えるんじゃないかなと。
あとは、BASEの方たちがどういうことを考えていて、何をしたいと思っているのかをダイレクトに聞くことができたり、「ここが気になっていた」という質問に、その場で答えてもらえたりするのがすごくありがたいです。

——ありがとうございます。BASEのスタッフと話してみて、何か変化はありましたか?

山内さん BASEのミッションについて話を聞く中で、みなさんが大事にしている「個人で活動する人たちを応援したい。それが僕たちのプラットフォームだ」というのが、すごく刺さって。
正直、ネットショップの会社って、もっとドライなのかなという偏見もあったのですが、みなさんこんなに熱いソウルを持ってやっていて、創業当時からその想いがずっとつながっているんだなってことに感動しました。

——お一人や少人数でショップを運営していると、さびしいという声も聞きますし、自分と近い境遇の人とつながる場がコロナも相まって減っていたので、タイミングよくこういう機会を作れてうれしいです。

ものづくりに真摯に向き合うお二人が、これから挑戦したいこと


——最後に、今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。

山内さん 夢のような話なのですが、パリの街中で行商したいです。
いろんな作家さんが集まるポップアップをやって、自分は自転車で行商して。人生一度きりなので、それくらいできたら、楽しいライフワークになるかなと。BASEさんでやってくれませんか?(笑)。

廣瀬さん パリコレ・シーズンのメディアが集まる街中で、自転車の行商してほしいです(笑)。


——夢がふくらみますね、検討してみます……! 廣瀬さんはいかがですか?

廣瀬さん 引き続き、低価格にクイックに、お客さんが作りたいと思うものを作っていきたいです。
飲食店やスポーツチームのロゴを入れるようなOEMもできます。小ロットで回しているブランドやはじめたばかりのブランドとかも、商品を作れる場所が限られていると思うんです。その人が作りたいものを作れる環境を整えて、よろこんでもらえればと。

——ものづくりへのリスペクトにあふれた展望ですね。お二人とも、本日はありがとうございました!

インタビュー担当:BASEコミュニティマネージャー・大黒(だいこく)
取材場所:<かばんやえいえもん>アトリエ

【コラボ商品】母の日にぴったり!手書きの絵が刺繍になるポーチ

販売ページ:
オリジナル刺繍入りポーチ_ラベンダー:https://www.eiemon.com/items/83749267
オリジナル刺繍入りポーチ_キナリ:https://www.eiemon.com/items/83747608

受注期間:2024年3月18日(月)〜3月31日(日)

コラボショップ:

<MAISON DE RANCO>
1点からオーダー可能な刺繍ブランド。子供が描いた絵の写真を送ると、再現度の高い刺繍を施してくれるアイデアが大人気。
オーナー:廣瀬さん
Shop:https://ranco.official.ec/
Instagram:https://www.instagram.com/maison_de_ranco7/

<かばんやえいえもん>
滋賀県の名産・帆布を使ったバッグや小物の制作を手がける、ファクトリーブランド。デザインから販売までを一人で担い、自転車での行商がトレードマーク。
オーナー:山内さん
Shop:https://www.eiemon.com/
Instagram:https://www.instagram.com/eiemondesu

【コミュニティ情報】オーナー同士の交流の場「BASE Owners Meetup」

「BASE Owners Meetup」は、ショップオーナー同士の交流の場として生まれた、コミュニティイベントです。コラボイベントや勉強会、仲間探しなど、オーナーさんの「これやりたい!」の実現をBASEがサポートしていきます。

今後も、さまざまなイベントやコンテンツを予定しているので、ぜひみなさんのご参加をお待ちしています!

「BASE Owners Meetup」第1回イベントレポート:https://baseu.jp/31338
コミュニティの様子は、InstagramやXのハッシュタグ#base_meetup でもご覧いただけます。

X:#base_meetup
Instagram:#base_meetup

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