【セミナーレポート】集客に広告は必須なの?!「マーケティング」の基本と広告との向き合い方

更新日 : 2021/11/22
投稿日 : 2021/11/12

2021年10月26日(火)、「集客に広告は必須なの?!『マーケティング』の基本と広告との向き合い方」というテーマで、オンラインセミナーを開催しました。

本セミナーは、ゲスト講師に<グーグル合同会社>アジア・太平洋地域広告営業プログラムマネージャーのYugi氏をお招きし、「マーケティングの基本」や「Google ショッピング広告」についてお話ししました。

集客に関心を持たれているショップオーナー様はとても多いことから、申込数は満員の1,000名に達し、当日のセミナーにも数多くの方にご参加いただきました。この記事では、当日ご来場できなかった方にも、その内容をレポート形式でお伝えします。

集客を考える前に、まずは「マーケティング」について理解しよう

マーケティングの定義は、人それぞれ異なるため、一概には言えませんが、マーケティングの神様と呼ばれるコトラー氏の定義を引用しますと、マーケティングとは

「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」

を指します。

皆さんは、自身のショップの顧客を明確に想像できますか? 理解していますか? ネット販売だと、お客さんの顔が見えないので、なかなかこの顧客の解像度をあげることってむずかしいですよね。

そして、これがブレると、自身は価値があると思っていても、顧客にはまったく刺さらない、ということが起こります。
そうすると、どうなるでしょうか。
必死にアピールしても誰にも届かず、誰にも価値を感じてもらえません。

まずは、顧客を知り、定めることからはじめましょう。
顧客を知る方法として、かんたんにできることは「顧客インタビュー」です。リピーターの方でしたら快諾していただきやすいですし、得られる示唆はほんとうに多く、BASEでも、開発企画のさいなど、よくオーナー様にインタビューさせていただいています。

ただ。顧客を知るにも、場当たり的に闇雲に動いたところで、なにも得られない可能性が高いです。それは、インタビューの対象選びもそうです。対象の顧客が少ない場合は、リピーターという条件に絞ればよいのですが、ほかにもさまざまな共通項があるかもしれません。年齢や性別、趣味嗜好、過去の行動データなどです。こういったもので細分化することを、「セグメンテーション」と呼びます。

そして、セグメンテーションをした市場のどこを対象とするのかを決めることを、「ターゲティング」と呼びます。このさいは、

・市場のニーズを、「自身の課題」として切実に感じられること
・ショップの強みを生かせること
・競合ショップと比べて、はっきりとした優位性を保てること

を意識しましょう。でないと、比較されたさいに選ばれなくなってしまいます。

続いて、ベネフィットと差別化です。
ベネフィットとは、商品が持つ「価値」です。自身のショップの商品の持つ価値は、なんだと思いますか?

たとえば、<ハーゲンダッツ>を例に挙げますと、商品の価値は「ちょっと贅沢なひと時を自宅で味わえること」になるかと思います。これは、CMを見てても伝わってきますよね。
「価値」が定まると、訴求も定まってきます。

そして、差別化も意識しましょう。

・コンセプトによる差別化
・商品による差別化
・価格による差別化
・伝え方による差別化
・購買体験による差別化
・集客による差別化

など、さまざまです。自身のショップにおいてできる、適切だと思える差別化を探り、とがらせていきましょう。

ネットショップ経営で生き残るために必要な、差別化の6つの方法

マーケティングとは、
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」
ということをお伝えしました。

そして、自身のショップの顧客を知り、想像し、セグメンテーション/ターゲティングを決め、ベネフィット(つまり、『価値』)を磨き、差別化を図りましょう。
ここまでくると、「顧客にどのように価値を伝えるか」が命題になります。それが、プロモーションです。

よく、マーケティングの4P, 4Cと呼ばれます。ここでもわかるように、プロモーションは、ほんとうにマーケティングの一部なのです。集客に困っている、というショップはもちろんすぐにここを解決したい気持ちはわかりますが、根本的な部分が定まっていなければ、集客は意味がないものになってしまいます。
これを理解していただいた上で、集客の話に移っていきたいと思います。

プロモーションの中の広告、広告の中のGoogle広告。立ち位置の理解について

集客とは、シンプルにいえば「購買活動をうながすことであり、顧客を魅了すること」です。ずっと言い続けていますが、ベネフィット(つまり「『価値』)が重要です。

そして、集客でもっとも大事なことの1つが、固定客の獲得です。とくに広告はわかりやすいですが、費用をかけている以上、利益の最大化につながらなければいけません。

また、SNSの運用は無料、と考えてしまいがちですが、お客さんが獲得できない間にも、時間も、そして人件費をはじめとしたあらゆる費用もかかっています。
利益の最大化のために、固定客の獲得が大事、というのは、こんな法則からも言えます。

「2:8の法則」

という法則の名前を、聞いたことがある方も多いと思います。これは「パレートの法則」とも言うのですが、“全体の売上高の7〜8割は、固定客2〜3割に支えられている”、とされているものです。

そして、マーケティングの法則のまた別の1つ、「1:5の法則」によれば、新規顧客にものを販売するコストは、既存顧客にものを販売するコストの5倍かかる、とされています。集客などに、お金がかなりかかる、ということです。検討時間も長くなるため、実感がある方も多いと思います。

固定客は、以下の条件をそれぞれ満たすことで、増やすことができます。

・初回の購入体験が、期待を上回っていた
・再購入のきっかけが、とても多い

ここで重要になるベネフィットは、主観のため、まったく同一の商品を提供したとしても、顧客によって、感じ方は異なります。そして、その評価は、ベネフィットから事前の期待値を差し引いたもの、となります。評価が高ければ、次回の購買につながります。

広告を実施するにあたって、媒体をどのように選定するか、についてですが、それぞれの媒体には、得意なこと、不得意なことがあります。
顧客ファネル(購買に至るまでの顧客のステータス)とマーケティングファネル(認知から購入に至るまでの購買行動の流れ)を合わせると、考えやすくなります。

ターゲットを定めたとしても、この顧客ファネルの図にあるとおり、潜在層〜顕在層まで、顧客のステータスはじつにさまざまです。どの層を狙いたいかを絞り込み、その層へのリーチが得意な媒体を選びましょう。

もちろん、自身のショップの特性から選定する、というやり方もあります。というのも、たとえばInstagram広告でいえば、認知のみでなく、ショッピング機能で直接ショップへ遷移させることもできるようになったため、投稿との掛け合わせで、購入まで一気通貫でいけるようになりました。

Googleショッピング広告も、機械学習によって顧客を学習し、潜在層へのリーチからリターゲティングもできるため、購入にもつなげられるようになり、境界が曖昧になってきています。

「BASE」のAppからかんたんに出稿できる、「Googleショッピング広告」と「Instagram広告」について

「Googleショッピング広告」とは何か

「Google ショッピング広告」にて実施できる「スマートショッピングキャンペーン」には、大きく3つの特徴があります。

1つ目は、広範囲の消費者に届く、ということ。
2つ目は、売上最大化を自動的に目指してくれる、ということ。
3つ目は、かんたん、ということです。

これら3つのポイントを、それぞれくわしく見ていきます。

まずは、「届く」という点について。スマートショッピングキャンペーンの配信先は、Google検索にとどまらず、Google ディスプレイネットワーク全体、つまりYouTube、Gmailをふくむ、Google ネットワーク全体です。
この広い配信面において、曜日、時間帯、デバイス、季節性、位置情報、検索キーワードなど、複雑に絡み合った条件において、費用対効果が高そうな条件に対して、より積極的に広告を配信する仕組みになっています。

そして、スマートショッピングキャンペーンの配信面で特筆すべきなのが、動的リマーケティング広告です。ユーザーがウェブサイトを訪れたことを条件に、追跡してそのユーザーに広告を表示します。商品詳細ページを訪れた消費者は、かならずしもその場で買うとは限りません。ちょっと時間をおいて考えたり、ほかの選択肢を検討したりもします。しかし、その消費者は一度は商品の詳細ページまで訪れたほどなので、その商品への関心はとても高いのです。そういった消費者を追跡して、高い確率でコンバージョンを狙う、それが動的リマーケティング広告です。

2つ目のポイントは、「効果が大事」ということです。曜日、時間帯、デバイス、季節性、位置情報、キーワードなど、複雑に絡み合った条件において、費用対効果が高そうな条件に対して、より積極的に広告を配信する仕組みになっています。その判断は、過去の配信データに基づいて、機械学習によっておこなわれます。

3つ目のポイントは、「かんたん」ということです。スマートフォンが普及した現代においては、インターネットへのアクセスについて、平日昼間のアクセスは職場から、というような、大きな前提を置くことができなくなりました。

しかし曜日、時間帯、デバイス、季節性、位置情報、キーワードといった複雑に絡み合った条件において、購買確率が高い条件、購買確率が低い条件は、まだらに分布しています。

この、まだらに分布する購買確率が高い条件、購買確率が低い条件を、人の目でが一つひとつ見出して、キャンペーン設定に反映する、というのは、あまり現実的ではありません。
そういった作業は、機械にやらせる方が現実的かつ効率的です。スマートショッピングキャンペーンは、購買確率が高い領域を算出し、その条件に対して積極的に広告を配信しようとします。広告の掲載条件が構成する領域が、あまりに複雑であるため、人が介入することによってより生産的になる余地はなく、機械に任せてしまうことで、結果的にとてもかんたんになっています。

もしかしたら、広告運用の経験がある方にとって、広告配信が自動的に動いてしまうことは、やや物足りなく感じるかもしれません。しかし、実際には、広告運用が自動化されても、より情熱をかけてやっていただかなければならないことが、たくさんあります。それは、商品をよりよく見せるための商品詳細ページ、商品写真などの改善です。それは、今のところ自動化されていません。妥協なく商品詳細ページを改善したり、より魅力的な商品写真を追求していくということは、なかなかに情熱が必要なことです。広告運用にまつわるキーワードや、配信面、入札単価の調整、といったことに割かれていた時間を、ぜひそちらに投資していただくのがよいかと思います。

そしてまた、季節性の高い商品を扱っているショップ様もいらっしゃると思いますが、そのような場合でも、スマートショッピングキャンペーンなら、季節性を考慮し、そのタイミングでもっとも購買確率の高い条件に対して、広告を配信することができます。

「Google 商品連携・広告 App」を活用して、PDCAサイクルを回しながら運用しよう

スマートショッピングキャンペーンが自動で動いているので、手間のかからないものではありますが、現実には、自動で勝手に商品が売れていくというほど手のかからないもの、ではありません。

まず第1に、フィード情報が Google Merchant Center上で、不承認になってしまうことがあります。その場合には、不承認のフィード情報を訂正して掲載できるようにしてあげる必要があります。

次に、商品名(タイトル)が非常に重要です。商品情報がもれなく伝わるような書き方をしましょう。

そして、商品写真も、商品のよさを伝える上で、非常に重要です。さまざまなシーンにおいてたくさんのショットをとっておき、そのなかからキラーショットを選んで登録しましょう。

さらに、商品詳細ページの説得力が、コンバージョン率向上の鍵です。コンバージョン率とは、「商品詳細ページを訪れた消費者が、商品を買った率」です。商品詳細ページの説得力を高め、コンバージョン率を上げることは、 ECビジネスをおこなう上で、非常に重要です。商品が買われないページに、いくらたくさんの人を呼び込んでも、よい結果は得られません。キーワードや上限クリック単価の運用をおこなわなくて済む分の手間は、この商品詳細ページにかけていただければと思います。

フィードのなかでも、とくに重要なのが、商品名(タイトル)です。ショッピング広告の面で、フィードが並ぶさい、この商品名(タイトル)と商品写真が並ぶからです。

商品説明は、500字から5000字もの、長いフィールドです。このフィールドを書くにあたっては、消費者が気にする重要なキーワードが入っていること、がポイントです。理想は、サイト解析ツール「Google Analytics」で、ネットショップに流入しているキーワードを確認し、消費者がどのような関心を持ってネットショップに流入しているのかを把握し、重要なキーワードを活用することが望ましいです。

イメージ画像は、消費者に選んでもらう上で、非常に重要なものです。商品詳細ページに掲載する商品写真と、このイメージ画像で、ショッピング広告のパフォーマンスは大きく変わります。さまざまなシーンで商品を撮影し、そのなかからもっとも魅力のある写真を選んで登録してください。

サイズや素材についてですが、縦横のサイズと素材の種類を記載します。商品を実際に手に取って見ることのできないネットショッピングにとって、失敗しない商品選びをするために、消費者はサイズや素材を気にしています。消費者の不安感を払拭するために、正確な情報を記載しましょう。

商品カテゴリー、Google 商品カテゴリーについてですが、どのような検索クエリに反応して商品が表示されるか、に関わってきます。この情報が不正確だと、検索クエリに反応して商品フィードが表示されたときに、クリックされる確率が下がるため、低品質であると判断されてしまいます。正確なカテゴリーを入力しましょう。

先ほど、商品名(タイトル)が非常に重要だとお話ししました。商品名(タイトル)には、ブランド+商品カテゴリ+属性、というような要領で記載いただくのが、商品の内容をすばやく伝える上で、有利です。

実際の書き方は、商品カテゴリーによって、若干異なってきます。たとえば、アパレルでは アンテイラー、ウィメンズセーター、黒、サイズ6、といった書き方になりますし、サプリメントであれば、 ツインラブ、メガコエンザイムQ10、50mg、60カプセル、といった書き方になります。消費者は、並んでいるショッピング広告から、自分がほしいものそのものであるかどうかを、短時間で判断します。商品の情報を、余すことなく、短い文字列で伝えたいものです。

最後に、広告と集客に関する、かなり正直なお話をお伝えします。
広告をやるべきかどうかを考えていただく上で、まず第1に、「情熱が要る」という話です。

冒頭で、スマートショッピングキャンペーンが自動化されていることをお話ししましたが、フィードの最適化、魅力的な商品写真の準備、商品詳細ページの説得力向上など、実際にはなかなかたいへんな取り組みです。商品をよりよく見せるために、現状に妥協せず、さらにいい見せ方を目指す、という情熱が必要です。

2つ目に、どのくらいの予算がいいのか、それに見合った効果が得られるか、という点についてですが、あまり小さな予算はおすすめしません。
Google 商品連携・広告 App」における1日の予算は、初期設定の金額を2,000円とさせていただいています。これは、1日2,000円を目安とお考えいただきたい、という、意思表示の表れでもあります。

予算があまりにも小さいと、機械学習がデータを集められないので、効果が上がっていくタイミングが遅れてしまう、ということもありますし、掛けた予算なりにしか成果が出ないので、あまりに小さな予算だと、小さな成果しか出ません。目指すべき成果が小さなものなのであれば、そのためにフィードの最適化などに工数をかけたり、ときどきだとしても、広告アカウントをチェックしてやきもきする、といった努力に見合わないと思います。

そうなると、まとまった予算に対して実際に効果が出るのかどうか、ということが問題になります。広告の成果というものが、やってみないとわからないものだとした場合、掛けた予算に対して見合う効果が得られることについて、一体どうすれば、ある程度の自信を持つことができるのでしょうか?
その自信を持てるか否かは、商品詳細ページに対する自信が持てるかどうか、だと考えています。今の商品詳細ページに消費者を連れてこられさえすれば、ある程度のコンバージョン率で買ってもらえるかどうか。そこにかかっている、ということです。

商品詳細ページからのコンバージョン率が低ければ、どんなにたくさんの人を誘導しても、買ってくれる人は限られます。オーガニックなトランザクションからのコンバージョン率の低い商品詳細ページに対して、広告メディアから誘導してきたトランザクションからのコンバージョン率が劇的に上がる、ということは期待できません。現在の商品詳細ページからのコンバージョン率に自信が持てなければ、まずはそちらの改善に投資していただく方がよいかと思います。

反対に、商品詳細ページからある程度のコンバージョン率が期待できるのであれば、その商品詳細ページに対してトランザクションを増やせば、より多くのコンバージョンが期待できる、ということになります。

おわりに

今回のセミナーには、ありがたいことに、想定以上に多くの方にご参加いただき、そして多くの質問をいただきました。セミナー時間を30分延長させていただきましたが、それでも答えきれないほどの量でした。

「BASE」は、これからもよりショップオーナーの集客の悩みに寄り添うとともに、これからも「Google 商品連携・広告 App」をはじめ、よりよいサービス・プロダクトの提供に励んでまいります。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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