ネットショップはどう構築する?構築方法の種類や各種構築サービスについて紹介

2024.05.09

ネットを通じた買い物が当たり前になった現在、ネットショップの開設数が増えています。法人・個人を問わず手軽にはじめられるネットショップですが、さまざまな構築方法があり、効率的に成果を出すためには自分に合った方法やサービスを選ぶことが重要です。

この記事では、ネットショップの構築方法の種類やネットショップ作成サービスが提供している主な機能、ネットショップ構築サービスを選ぶポイント、主要なネットショップ作成サービスなどについて解説していきます。

ネットショップの構築方法

ネットショップをはじめるにあたって、まず知っておくべきなのは「ネットショップにはどのような構築方法があるのか」という点です。そこで、まずはネットショップ構築の代表的な4つの方法について見ていきましょう。

ASP型

ASPは「アプリケーション・サービス・プロバイダ」の略で、ソフトの機能をネットワーク経由で提供する事業者やサービスです。ネットショップ向けのASPには、カゴ(購入・決済)機能を中心にネットショップの構築・運営に必要な機能が搭載されていて、運営者は簡単にショップを立ち上げ、商品を販売できます。

なお、「BASE」などのサービスがASPにあたり、無料で利用可能な場合が数多く見られます。有料の場合でも、初期費用や月額費用は数千~数万円程度です。他の構築方法に比べてコストを抑えたショップ運営ができる方法と言えるでしょう。

メリット

ASPは、多くが初期費用無料でネットショップの構築が可能です。また、操作方法もシンプルで、案内に沿って作業をすれば設定は完了します。コストをかけず、簡単に開設できるのがASPの大きな魅力です。

デメリット

機能やカスタマイズに制限があるため、ネットショップ構築の自由度は低いと言えます。費用についても、売上に応じて手数料が発生する場合が多く、売上が大きいとコストも大きくなる恐れがあります。

オープンソース型

オープンソースは、無償公開(オープン)されているソースコードでネットショップを構築する方法です。多くの場合、無料でサーバーにインストールできます。無償で使用できるため、導入にはそれほどコストがかかりません。ただし、自分で対応できない場合は制作会社に依頼することになるので、相応の費用が必要です。

◎メリット

プログラムの知識があれば、誰でも無料で機能追加やカスタマイズできます。Web制作やプログラミングのスキルがあれば、独自性の高いネットショップを構築することが可能です。

◎デメリット

他者のサービスを借りるわけではなく、自分でネットショップを構築することになります。サーバーへのインストールや保守などをすべて自分で行うため、プログラミングに関する知識は欠かせません。

パッケージ型

パッケージ型とは、ネットショップの運営に必要なシステム・機能があらかじめ搭載されているタイプです。ショッピングカート機能、注文管理、売上管理、商品・在庫管理、顧客管理などの機能があり、必要に応じてカスタマイズしていきます。

初期費用は、最低でも数百万円からと非常に高額です。定期的にショップをリニューアルをする必要があるため、追加で費用が発生します。

◎メリット

機能追加やカスタマイズをすることが可能で、自分が求めるネットショップを構築できます。同じく自由度が高いフルスクラッチ型よりも手軽さがあるのは、パッケージ型の特徴です。

◎デメリット

ECパッケージにはある程度の初期費用が必要です。さらに、導入後はシステムの機能が古くなっていくため、費用をかけて定期的に更新していくことが求められます。

フルスクラッチ型

フルスクラッチとは、ゼロから完全オリジナルのネットショップを構築する方法です。機能もデザインも、エンジニアがプログラミングして開発していきます。大手企業のネットショップ作成サービスは、基本的にフルスクラッチ型です。

構築費用は少なくとも数千万円からで、機能によっては数億円かかる場合も。また、維持管理にも毎月数十万円以上はかかると見ていいでしょう。

◎メリット

ショップをゼロから開発していくため、機能もデザインも完全に自由に設計できます。自分のこだわりを追求して、世の中に1つしかないネットショップを構築できることが魅力です。

◎デメリット

白紙の状態からネットショップを構築するため、完成するまでにはかなりの時間が必要です。また、開発には専門的なスキルを持ったエンジニアが欠かせないため、場合によっては数億円単位の費用が必要です。

ネットショップ作成サービスの主な機能

ネットショップ作成サービスには、便利な機能が豊富に備わっています。では、具体的にどのような機能があるのでしょうか。こちらでは、代表的なものを紹介していきます。

商品管理機能

ネットショップでどのような商品を販売しているのかを管理する機能です。商品を登録する際、説明文や商品画像などをアップロードしたり、在庫を管理したりできます。

決済機能

ネットショップではインターネットを通じて物品を売買します。そこで必要となるのが、売買取引を行える決済機能です。クレジットカード決済をはじめ、コンビニ決済、銀行振込、電子マネー決済、携帯電話の使用料金とまとめて支払うキャリア決済などの種類があります。

顧客管理機能

顧客管理機能とは、ネットショップで商品を購入した顧客の個人情報や購入履歴、問い合わせ内容、ショップを知ったきっかけなどの情報を管理する機能です。顧客とのスムーズなやり取りを可能にし、顧客満足度の向上が期待できます。

集客機能

多くの人に自分のショップ利用してもらうための集客機能です。InstagramをはじめとするSNSとの連携、ネット広告への出稿などを通じて、さまざまなアプローチでショップをPRします。

ネットショップ作成サービス10選

さまざまな企業がネットショップ作成サービスを提供しています。その中でも、代表的な10つのサービスを紹介していきます。

BASE

「BASE」は、業界でも長い歴史を誇るネットショップ作成サービスです。集客・販促からマーケティング、運営効率化など、売上アップのための機能を無料で利用できます。開設手続きは最短30秒で済み、面倒な書類提出や時間のかかる決済審査もありません。このようにネットショップ初心者でも簡単にはじめられるので、210万以上のショップが開設(※2023年12月時点)されています。

STORES

STORESは初期費用・月額費用0円ではじめられるショッピングカートASPです。無料でありながら機能は充実しており、かつ簡単にショップを開設できます。

カラーミーショップ

カラーミーショップには4つのプランがあります。その中でフリープランは初期費用と月額費用が無料で、商品が売れると、6.6%と30円の決済手数料と、銀行振込手数料がかかります。

MakeShop

MakeShop は、GMOメイクショップ株式会社が運営するASP型のネットショップ作成サービスです。デザインから決済方法など、ネットショップに必要なあらゆる機能を使えます。

Shopify

Shopifyは、世界170以上の国で利用されているグローバルなネットショップ作成サービスです。ショップの立ち上げから商品の販売、マーケティング、管理まで、ショップ運営に必要な機能が揃っています。

ショップサーブ

ショップサーブとは株式会社Eストアーが運営しているASPです。2006年にスタートし、業界でも長い歴史を持っています。高速ネット回線の利用や24時間の有人のシステム管理などで、高い精度での成約を実現します。

リピストX

リピストXは、D2C(企業が消費者に直接商品を販売する方法)の通販事業を行えるプラットフォームです。ネットショップの作成、受発注/出荷管理、顧客管理、売上集計などの機能を持ちながら、低価格で利用できます。

EC-CUBE

日本の企業が開発したオープンソースで、ネットショップの構築に特化したシステムです。日本語の情報ソースが豊富であることが特徴で、ソースコードを編集したデザイン調整や機能追加が可能です。

Welcart

Welcartは、ネットショップに必要な機能を提供するオープンソースのフリーウェアです。WordPress上で動作し、ネットショップに必要な商品の登録や注文の管理をWordPressの管理画面から行えます。

ecbeing

ecbeingは、ネットショップ構築のパッケージソフトです。パッケージにはネットショップ構築、カスタマイズ、マーケティング、運営支援が含まれていて、大手・中小企業のビジネスをサポートしています。開発に500名以上、運営支援に200名以上のスタッフが従事しており、国内でも圧倒的な実績を残しています。

ネットショップ構築における注意点

無料で簡単に開設できるようになったネットショップですが、運営する中で当初は想定していなかったトラブルに遭遇することもあります。そこでこちらでは、ネットショップ構築における注意点について解説します。

将来を見据えて構築する

最初にネットショップを構築する段階ではどれくらいの売上が得られるのか予想が立たず、費用をかけないために導入する機能やツールを絞っている場合があります。

しかし、ネットショップの事業を拡大するプロセスでは、より高度な機能が求められます。ただ、システムに機能を追加するには拡張性が必要です。そうした観点から、ネットショップ構築時にはシステムのアップデートができるかどうか、最新機能が追加できるかなどの拡張性を確認しておくことが大切です。

想定の費用を上回る恐れがある

ネットショップには初期費用が無料のサービスも多いですが、基本的に商品が売れた際に決済手数料が発生します。プランによっては、商品が売れれば売れるほど利益が少なくなってしまうケースもあるため注意が必要です。

また、システムに機能を追加する場合、拡張性がないとシステムを大幅に改修することになり、この場合にも多額の費用がかかります。このようにネットショップは、運営を続けていく中で当初の想定よりも多くの費用が必要となる恐れがあるのです。

セキュリティ対策は万全に

ネットショップは基本的に、購入時に氏名や住所、電話番号、クレジットカードの情報などの個人情報を登録します。もしカード情報などの個人情報が漏洩したら、顧客から損害賠償請求を起こされる可能性があるのはもちろん、自社やブランドの信用も損なわれます。そのため、ネットショップを運営する場合には万全なセキュリティ対策が欠かせません。

まとめ

ネットショップ作成サービスにはさまざまな種類があり、機能や費用などはそれぞれ異なります。どのサービスを選ぶかは、ネットショップが成功するかどうかに大きく影響する重要な要素。自分たちがやりたいこと、ショップのコンセプトなどを明確にし、運営が始まってからのことも考えてサービスを選びましょう。

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