食品業界では、日々新しい商品が開発され、店頭に並んでいます。そこで活用されているのが、食品OEMという手法です。自社の設備ではなく他社の力を借りて商品を製造する仕組みで、さまざまな分野の企業が利用しています。事業者の規模を問わず食品関連の商品を販売できることで重宝されている食品OEMですが、手掛けているメーカーも多く、委託先選びに迷ってしまうかもしれません。
この記事では、食品OEMの仕組みや商品が製造されるまでの流れ、食品OEMの委託先の選び方、代表的な食品OEM委託先メーカーなどについて解説していきます。
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目次
食品OEMとは?

食品メーカーは、日々さまざまな商品が開発され、店頭に並んでいます。その中で大きな役割を担っているのが、OEMという仕組みです。食品OEMとはどういうものなのか、まずは理解を深めていきましょう。
基本的なOEMの仕組み
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」の略語で、日本語では「他社ブランドの商品を製造すること、あるいはその企業」を意味します。ブランド企業から委託されたOEMメーカーが製造した商品であり、商品は実際に製造したメーカーではなく、OEMを委託した側の名前で販売されます。OEMは、食品にかぎらずアパレルや電化製品、自動車、化粧品などさまざまな分野で見られる生産方法です。
食品におけるOEMとは
食品を製造するには工場などの設備が必要で、整備には投資が必要です。そうした背景から、自社で新しく製造ラインを設けることなく商品を生産したい場合や、短期間で多くの商品ラインナップを確保したい場合などにOEMが利用されます。レトルト食品、冷凍食品、お菓子類、調味料、アイス、ごはん類など、あらゆるジャンルの食品が製造されています。
OEMを委託するのは、同業である食品メーカーをはじめ、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、量販店などの小売業、さらには飲食店やホテルなどさまざまです。幅広い業界の事業者がOEMで商品を製造し、販売しています。たとえばコンビニで販売されているおにぎりやお弁当などの食品類は、基本的にOEMメーカーが製造を担当しています。
食品OEMの流れ

食品業界におけるOEMは、実際にどのようなプロセスで進められるのでしょうか。こちらでは、食品OEMの基本的な流れについて紹介していきます。
打ち合わせ
食品の製造を委託する側と、実際に製造するOEMメーカーによる打ち合わせを実施します。委託者は「このような商品を作ってほしい」という希望をメーカーに伝えて、互いの意見をすり合わせます。
見積もり
委託側の希望を伝えたら、メーカーは実際に製造するにはどのくらいの費用がかかるのか見積もりを出します。
許認可の取得
必要に応じて、メーカーは製造する商品に応じた許認可を取得します。たとえば、冷凍食品のOEMを行うためには「冷凍食品製造業」または「複合型冷凍食品製造業」の営業許可が必要です。
サンプルの試作、試食
メーカーは、商品を製造する前にサンプルを試作します。委託者が求める味や品質になるまで、試作と試食を繰り返します。
製造の契約
試作品に問題がなければ、委託者とメーカーとでロット数や金額などの条件をすり合わせます。合意すれば契約を締結します。
商品の製造
メーカーの工場で、商品が製造されます。
検品
製造された商品に不備などがないか、検品を実施します。
納品
商品が委託者に納品され、実店舗やネットショップなどで販売されます。
食品OEM委託先の選び方

こちらの要望を聞き入れてくれたり、相場よりも安く請け負ってくれたりといった理由から、安易にOEMの委託先を決めてしまうことはおすすめできません。食品というものを扱うからこそ、OEMメーカーの選定にも慎重さが必要です。そこでこちらでは、OEM委託先の選び方を解説します。
安全性・衛生面
食品は人の口に入るものなので、安全性や衛生面は何より重要です。OEMは自社ではなく他社に製造を依頼するため、信頼できるパートナーでなければ任せられないでしょう。OEMメーカーを選定する際には、食品の加工技術はもちろんのこと、食品の原材料や製造現場の環境、品質管理体制などについても厳しく確認してから決める必要があります。
客観的な指標としては、食品の場合には「GMP」という認証を受けているかどうかが挙げられます。GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略称で、日本語では「適正製造規範」と呼ばれる指標です。GMPは原料の受入れから最終商品の出荷に至るまでの全工程において、「適正な製造管理と品質管理」を求める認証で、安全性が高く品質も良い商品を作るのに欠かせない基準とされています。また、ISO 9001、FSSC 22000などの規格も、信頼性を担保する認証です。
味へのこだわり
食品の場合、味が商品そのものの価値とも言えます。そのため、味について妥協することなく高いクオリティを追求しているかどうかも、メーカー選びの判断材料となります。委託者がイメージしている味を再現できる技術力があるか、素材の良さを最大限に発揮する製造工程が構築されているかなど、味に関する点についてもしっかり確認しておきましょう。
コスト削減への意識
製造にコストがかかり過ぎると商品の販売価格が高くなり、結果として売りにくくなってしまいます。そのため、OEMメーカーとしては、コストを抑えつつ、高品質の食品を製造することが期待されています。製造工程の効率化などコスト削減に対する意識があるかという点についても、事実をもとに確認することが大切です。
対応しているロット数
ロット数とは、商品の製造を発注する数量のことです。たとえば少量生産や短期での大量生産に対応できるOEMメーカーであれば、委託者としては頼みやすくなります。希望する数量に対応してもらえるかどうかも、メーカー選びにおいては重要なポイントです。
得意としている食品ジャンル
OEMメーカーが主に製造している食品のジャンルがニーズと一致するかも、判断材料となります。スイーツ、冷凍食品、健康食品など、メーカーによって得意分野は異なるものです。そのメーカーにとって得意とするジャンルの食品であれば、品質の高い商品を提供してくれるでしょう。
また、得意分野のあるメーカーは効率的に製造するノウハウも持っていて、低コストで仕入れられる可能性があります。トクホ(特定保健用食品)などの保健機能食品を販売したい場合にも、科学的根拠を示せるメーカーは信頼できると言えるでしょう。
OEMの実績
OEMメーカーを選ぶ際、これまでの実績は当然確認することになります。中でも、食品のOEMにおいては、大手食品メーカーとの取引があるかどうかは企業選定における重要な指標です。大手食品メーカーは厳しい基準を設けており、そうした会社との取引があれば技術や安全性が高く評価されていると考えられます。反対に、実績を確認できない場合には、注意した方がいいでしょう。
代表的な食品OEM委託先メーカー

食品のOEMを手掛けるメーカーは数多くありますが、それぞれ特徴や個性を持っています。その中でも、OEMの実績が豊富で、食品業界でもしっかりとした地位を確立しているメーカーを紹介します。
日本調味食品株式会社
日本調味食品は、1948年に京都府で創業した老舗企業です。さまざまな食品や調味料を、レトルト食品として製造しています。特に、業界内で先駆けてスタンディングパウチを開発したことは大きな実績です。
現在は京都市に生産拠点を構え、小ロットから大量生産まで、あらゆる数量に対応しています。カレー・シチュー、スープ、調理ソース、さらには麻婆ソースやお粥、豚汁といった和・中華関連の食品に加え、コーヒーゼリーやぜんざいなどのデザート類などを製造しています。
コスモフーズ株式会社
コスモフーズは、大手コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売されるスイーツを開発・製造しているメーカーです。スティックケーキ、エクレア、スコーンなど種類は豊富で、ローソンの大人気スイーツである「プレミアムロールケーキ」もコスモフーズが開発・製造に携わりました。
埼玉県に2ヶ所、三重県に1ヶ所の自社工場を持ち、徹底的に衛生管理された環境で、厳選素材を使用したスイーツを製造しています。
食品OEM委託する際の注意点

食品OEMにおいて製造を他社に委託する場合、あらかじめ気を付けておかなければならない点がいくつかあります。それでは、食品OEMを委託する際の注意点について見ていきましょう。
サンプルを必ず確認する
味は感覚的なもので、人によって好き嫌いがあるものです。また、見た目でも味を判断することはできず、実際に作ってみたらイメージしていた味と一致しない結果になる可能性もあります。そのため、食品OEMでは、サンプルの試作と試食をしっかりと行い、味をしっかり確認しながら完成させる慎重さが必要です。
販売には資格や営業許可が必要
食品の販売をするには、「食品衛生責任者」という資格と「食品衛生法に基づく営業許可」がそれぞれ必要です。営業許可は、食品のジャンルや販売方法に応じて、異なる認可を取得することになります。
たとえば冷凍食品の販売には「冷凍食品製造業」あるいは「複合型冷凍食品製造業」の営業許可が必要です。こうした規則があるため、商品が完成し、いざ販売という状況になっても、許可がなければ売ることはできません。自分が販売したい食品にはどの資格や許可が必要なのか、企画段階であらかじめ確認しておくことが大切です。
まとめ
OEMは、自社に工場などの製造設備がなくても、商品を製造して販売できる仕組みです。食品の分野でもOEMは一般的で、食品メーカーや流通系の会社ではよく見られます。小規模な会社や個人でもこのOEMは非常に有効で、ネットショップとの組み合わせで費用をかけずにオリジナルブランドの商品を販売することが可能です。
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