食品販売をネットショップではじめるためには、食品の種類に応じた営業許可の取得と、販売する商品につける食品表示が必要です。

今回は、ネットショップで食品を販売するためのくわしい方法を中心にご紹介するので、これを参考に「BASE」で食品販売をはじめてみましょう。

※営業許可の要否などは、施設所在地の保健所で異なる可能性があるため、くわしい内容は所轄保健所でかならずご確認をお願いします。なお、以下にご紹介する方法は、すでに「飲食店の営業許可」など飲食店として営業可能な許可を保健所から取得しているお店を前提としております。

 

1. ネットショップで食品を販売するために必要な許可の種類

飲食店や喫茶店などの営業許可は、食品に関する営業許可の一つにすぎません。食品の種類や調理・製造・処理・販売の工程、さらには施設のある都道府県によって、必要な営業許可は変わります。

そのため、カフェ・喫茶店やラーメン屋など、店内だけで飲食を提供しているお店なども、ネットショップで食品を販売するには、追加の営業許可が必要な場合があります。

 

2. 一般的な許可取得の流れ

施設所在地の保健所に問い合わせて、営業許可を取得します。

保健所は「厚生労働省の保健所管轄区域案内」の一覧をご覧ください。
※都道府県・政令指定都市・中核市・政令で定める市や特別区ごとに設置

以下は、東京都福祉保健局で営業許可を取得する場合の流れです。
※取得期間は、平常時の一例です。現在の所要期間については、所轄の保健所にお問い合わせください。

STEP内容所要期間
1事前相談2日程度
施設工事の着工前に図面などを持参して保健所へ相談
2営業許可申請7日程度
施設完成予定の10日前ごろに必要書類を保健所に提出
3施設検査の打ち合わせ
4施設の確認検査7日程度
5営業許可書の交付
6営業開始

 

3. 営業許可を取得するために必要なこと(人的・設備要件)

営業許可を取得するためには、「人的要件」と「設備要件」を満たす必要があり、「一般的な許可取得の流れ」のSTEP2〜4の段階でチェックされます。

なお、食品衛生法の定める営業許可が必要となる業種は、下記の34種類あります。
※その他、各都道府県の条例で定める営業許可があります。

大分類小分類
製造・加工業菓子製造業
あん類製造業
アイスクリーム類製造業
乳処理業
特別牛乳搾取処理業
乳製品製造業
食肉処理業
食肉製品製造業
魚肉ねり製品製造業
食品の放射線照射業
清涼飲料水製造業
乳酸菌飲料製造業
氷雪製造業
食用油脂製造業
マーガリンショートニング製造業
みそ製造業
醤油製造業
ソース類製造業
酒類製造業
豆腐製造業
納豆製造業
めん類製造業
そうざい製造業
缶詰または瓶詰食品製造業
添加物製造業
食品の冷凍または冷蔵業(冷凍食品の製造)
販売業乳類販売業
食肉販売業
魚介類販売業
魚介類せり売営業
氷雪販売業
調理業飲食店営業
喫茶店営業
運搬・保管業集乳業
食品の冷凍または冷蔵業

人的要件

営業許可施設ごとに、食品衛生責任者1名を置く必要があります。
複数の営業許可施設を兼任することは、原則認められていません

食品衛生責任者とは、施設において食中毒や食品衛生法違反を起こさないように、食品衛生上の管理運営をおこなう上で必要な資格のことです。

この資格を得るためには、各都道府県の食品衛生責任者養成講習会を受講する必要があります。また、栄養士・調理師などの決められた資格を持っている方は、講習会を受けなくても食品衛生責任者になることができます(くわしくは、東京都福祉保健局の「食品衛生責任者」をご覧ください)。

東京都の場合、上記の手続きを経ると、一般社団法人東京都食品衛生協会より手帳が発行されます。
※東京都では、緊急事態宣言の発令後、一時的に中止していた食品衛生責任者養成講習会の申し込みが再開されています。

設備要件

施設が下記の基準を満たす必要があります。

基準内容
共通自動販売機以外のすべての業種に必要な施設の基準
設定製造・販売する食品の種類に応じた業種の基準

くわしくは、東京都福祉保健局の「共通基準」をご覧ください。

 

4. 具体例

ラーメン屋:家で作れるラーメンセットを販売する場合

飲食店の営業許可に加えて、「そうざい製造業」「めん類製造業」「食肉製品製造業」など製造業の許可が必要になる場合があります。食品の製造方法・形態・配送方法などにより、保健所ごとで総合的に判断されます。 

カフェ・喫茶店・コーヒーショップ:コーヒー豆やケーキを販売する場合

飲食店の営業許可・菓子製造業に加えて、販売形態によって別途製造許可が必要です。一例は下記です(実際の判断は、所轄保健所にご確認ください)。

  • 仕入れたケーキを販売する場合は、追加の販売許可が必要なときがあります(くわしくは、東京都福祉保健局の「保健所によくある質問」のQ1をご覧ください)
  • 現在の営業許可のみでネットショップで販売ができる可能性が高いのは、菓子製造業許可をもつ喫茶店が店内で製造したケーキを販売する場合や、仕入れたコーヒー豆をそのまま詰め替えや小分けなどをせずに販売する場合です

レストラン・居酒屋:新たに弁当類を販売する場合

飲食店の営業許可に加え、食料品販売などの営業許可が必要になる可能性があります。

5. 営業にあたっての注意点

衛生管理

店内で食べられる食品と比べ、作ってからお客様が召し上がるまでの時間が長くなるため、衛生管理に対して普段以上に注意する必要があります(くわしくは、東京都福祉保健局の「衛生管理について」をご覧ください)。

食品表示

ネットショップの食品販売については、食品衛生法・景品表示法・健康増進法などの規制対象となります。

たとえば、食品の義務表示事項(食品の包装容器などに記載されている情報)を、ネットショップ上でも確認できるようにすることが望ましいと考えられます。

1. 食品表示法

食品関連事業者などが、加工食品・生鮮食品または添加物を販売する場合(設備を設けて飲食させる場合を除く)に食品表示基準が適用されます(参考資料)。

小規模の事業者が製造販売する場合、栄養成分表示は省略可能です(参考資料)。

2. 景品表示法健康増進法

健康食品などは、景品表示法上の優良誤認表⽰や健康増進法条の虚偽誇大表示に該当する宣伝が禁止されています(参考資料)。

3. 米トレーサビリティ法

米穀・米粉・もちなどを販売するためには、以下が必要となります。
入出荷記録の作成・保存
事業者間および一般消費者へ米穀の産地・米加工食品における原料米産地の伝達

4. 東京都消費生活条例に基づく食品の品質表示(各都道府県ごとに制定)

東京都は、消費者向けに販売される下記食品について、表示すべき事項を定めています。

品目表示すべき事項
調理冷凍食品原材料配合の割合・原料の原産地名
かまぼこ類でん粉の含有率・原材料配合の割合
はちみつ類品名・原材料の割合または重量
カット野菜およびカットフルーツ加工年月日

 

6. まとめ

あなたのお店で取り扱っている食品をネットショップでお客様へ届けるには、食品の種類や調理・製造方法などの違いと、施設のある都道府県によって必要な営業許可が異なります。

本記事は、そのために必要な一般的な内容を記載しております。実際の販売については、所轄保健所にお問い合わせの上、ネットショップで食品販売を実現しましょう。