2022年4月より、成人年齢の引き下げが実施されます。そこで「Z世代のショップオーナー」へのインタビューを実施いたしました。
18, 19歳をはじめとする「Z世代」のショップオーナーが、どのような思いで、なにを考え、ショップ運営をされているのか——創業の背景、商品や集客の工夫について、お話をうかがっていきます。
お話をうかがったのは、古着販売をされているKoromo(コロモ)の箱崎 匠磨(はこざき たくま)さん。
現在大学2年生で、経営情報学を学んでいます。
ショップを通じて「だれかの役に立ちたい」「よろこんでもらいたい」
——ショップをはじめた経緯を教えてください。
高校生のころからマーケティングに興味があり、「自分でショップを開いてみたい」「ショップをどこまで大きくできるか、実力を試してみたい」という思いがあったんです。
またファッション、とくに古着が好きということもあり、ネットショップで古着屋「Koromo」をはじめました。
——ショップの商品を拝見しましたが、どれも安価で、買いやすい値段だと思いました。
「学生が作る、学生目線の古着屋」をコンセプトにしているので、できるだけ値段をおさえた価格設定にしています。
自分は高校生のときから古着屋に買い物に行っていましたが、ヴィンテージ物やブランド古着は値段が高いことが多く、当時は手が届かないものもありました。
そこで、学生も買いやすい価格帯の古着屋があれば、自分と同じような古着好きの学生によろこんでもらえると思い、品質のよい古着を安価で扱う「学生のための古着屋」をコンセプトにしています。
——ショップのターゲットが、明確に設定されているんですね。
ネットショップを通じて「だれかの役に立ちたい」という思いがあり、ターゲット像を明確にすることで、ショップに来てくれた方、購入してくれた方にどうすればよろこんでもらえるか、考えやすいからです。
また、学生がターゲットということで、学割も実施しています。
古着屋で「学割」——ラーメン屋の「特別感」を味わってほしい
——古着屋さんやアパレルショップの学割は、あまり聞いたことがありません。なぜはじめられたのでしょうか?
ヒントになっているのは、「ラーメン屋」です(笑)。
ラーメン屋って、よく学割や学生に向けたサービスをやっているイメージで。
お得感とか、学生でいることの特別感みたいなものを味わえるので、とても好きです。
その制度を古着屋でやってみたらおもしろいんじゃないかと思い、はじめました。
多くの方にご活用いただいていて、リピートにもつながっています。
——使えるお金がとくに限られている学生さんにとって、うれしい制度ですね。
クーポンを使って購入していただけると、こちらもうれしいです。
自分自身にとっての「うれしいこと」「たのしいこと」を、ネットショップを通じて購入される方にも経験してほしいと思っています。
ほかにも、学生の方が買いやすいように、送料をおさえた発送方法を選んだり、安い仕入れ先を探すなど、努力しています。
いまのところ、大きな利益があるわけではないですが、集客をがんばって、売上を伸ばしていきたいですね。
SNSを複数活用して、届けたい人に届けるべき情報を
——集客では、SNSを複数使っていらっしゃいますね。
はい。TiktokとInstagram、LINEの3つを使い分けています。
メインにTiktokを使っていて、新商品の画像を中心に投稿しています。
Instagramは、購入を考えている方に向けて、実際に商品を着用している画像や商品のこまかい部分の画像をあげています。
LINEでは、リピーターの方に向けたクーポン情報などを発信しています。それぞれの特性やSNSごとのフォロワーの傾向で、内容を分けて運用しています。
SNSに関しては、今やっている3つだけでなく、YouTubeもやりたいと思っています。
1つのアイテムを着まわすコーディネートや、アイテムをたくさん紹介するような長い動画を作りたいのですが、Tiktokやインスタだと、どうしても投稿できる動画の長さが限られてしまいます。
なので、商品や運営している人間の感じがわかるような、ちょっと長めの動画を作成して、ショップのYouTubeチャンネルへアップしたいです。
——最後に、今後の目標を教えてください。
より多くの学生さんに、Koromoを知ってもらいたいです。
また、売上を増やして、コンセプト、ターゲットを変えた古着屋をやってみたいです。
学生向けだけではなく、さまざまな人に、ショップを通じてよろこんでもらいたいと思っています。
インタビューを終えて
「学生向けの古着屋」とコンセプトを立て、ショップ運営をされている箱崎さん。
インタビューのなかで「商売でだいじなことは、人の役に立つこと」と何度も口にされていたことが印象的でした。
学割や複数のSNSを活用するなど、ショップ運営のアイディアの根底には、つねに「お客さんのために」「人のために」といった思いが流れている、と感じました。
その源泉が枯れないかぎり、アイディアは尽きないことでしょう。
つぎにどんなアイディアが飛び出すか、いまからとても楽しみです。
Koromo
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