ネットショップの無在庫販売とは?運営方法や仕入れ先を紹介

2024.05.09(更新:2024.05.11)

「ネットショップを運営したいけれど、在庫を抱えるリスクが心配」という方におすすめなのが、「無在庫販売」です。在庫管理や発送の手段、お客様からの受注方法を工夫することで、在庫を抱えずにネットショップを運営することができます。

「無在庫販売」に対応している仕入れサービスを活用することで、ネットショップ運営を成功に導けるでしょう。今回は、無在庫でネットショップを運営する方法や、仕入れ先について解説します。

無在庫販売とは?有在庫販売との違いは?

無在庫販売とは、ネット物販で商品をストックすることなく顧客に販売する手法です。ここではまず、無在庫販売と有在庫販売それぞれのメリット・デメリットをかんたんに紹介します。

無在庫販売の特徴

商品在庫を持たないことで、在庫管理のコストや手間を抑えられることがメリットです。在庫にかかるコストは一概には言えないものの、在庫金額の1〜3割ほどが相場だと言われています。在庫数が多いほど管理費用が増えるため、在庫を抱えないことで大幅なコスト削減を期待できます。

一方で無在庫販売のデメリットは、事前に商品の品質をチェックできないことです。さらに、仕入れ先の在庫状況を把握しにくいこと、商品を顧客に届けるまでに時間がかかることなどもデメリットとして挙げられます。

有在庫販売の特徴

有在庫販売では在庫の数を正確に把握できるため、注文数をコントロールしやすいのが特徴です。お客様にすぐ届けられるうえ、仕入れる数によっては仕入れ値を抑えられることがメリットとして挙げられます。一方で、注文数の見込みが甘いと在庫を抱えてしまうリスクがあるため、綿密に販売計画を立てることが大切です。

無在庫のネットショップを運営する方法

無在庫でネットショップを運営する方法は、主に4つあります。

ドロップシッピング

ドロップシッピングとは、提携する業者やメーカーに仕入れ・発送を任せられるサービスのことです。お客様の注文を受けて商品が発注されるため、無在庫で運用できます。アフィリエイトとも似ていますが、ドロップシッピングではアフィリエイトと違って、ネットショップの運営や受注はショップオーナーが行うのが特徴です。

EC発送代行

仕入れは自分で行い、在庫の保管と発送を委託するのが発送代行サービスです。物流会社が倉庫での保管とピッキング・梱包・配送までをワンストップで担当してくれるため、作業の手間を大幅に削減できます。ただし、在庫による物理的な負担は軽減できるものの、在庫を倉庫に預けるための費用は発生する点に注意が必要です。

メーカー直送

仕入れ先であるメーカーに発送業務も代行してもらえれば、無在庫でネットショップを運営することが可能です。しかし、在庫管理や発送作業の負担をかけることになるため、一定以上の注文数がないと協力してもらうのは難しいかもしれません。当然費用も追加でかかるため、ランニングコストが高くなるでしょう。

受注生産

顧客から注文を受けた数だけ商品を製造する方法が、受注生産です。Tシャツやスマホケースなどのオリジナルグッズを登録しておくと、顧客の注文に応じて製造・出荷してくれるサービスを利用すれば、かんたんに受注生産できます。売れた分だけ作れるので余剰在庫を抱える心配はないものの、発送までに時間がかかることは留意しておきましょう。

無在庫ネットショップに対応している仕入れ先・サービス

無在庫販売に対応している仕入れ先や、無在庫でネットショップを運営するためのサポートを提供しているサービスを紹介します。

タオバオ新幹線

タオバオ新幹線は、中国の総合ECモール「タオバオ(淘宝)」の輸入代行サービスです。ドロップシッピングにも対応していて、タオバオからの仕入れと商品の発送を任せることができます。「BASE」と連携すると月額500円(税込)で利用可能です。商品を選定して「BASEに出品」ボタンを押すだけで商品情報がネットショップに読み込まれるため、初心者も手軽に販売できることが魅力です。

「タオバオ新幹線 App」の使い方|BASEと連携して輸入販売をはじめよう

TopSeller(トップセラー)

楽天市場・Yahoo!ショッピングをはじめとする国内ECモールと連携した、ドロップシッピングサービスです。商品はトップセラーが扱う30万点ほどのなかから選ぶ仕組みです。ネットショップへの商品登録は、トップセラーからダウンロードしたCSVデータをアップするだけでかんたんに行えます。月額費用は商品数によって決まっていて、5商品までのおためしプランは月0円、300商品までのセレクトプランは月480円で利用可能です。

NETSEA(ネッシー)

国内最大級の卸サイトで、顧客へ直送可能な商品も扱っています。ネッシーの注文時に配達先を「その他の住所(消費者直送)」と選択したうえで、顧客の名前・住所を入力すると、納品書を同封して商品を発送してもらえます。ネッシーは複数のメーカーが出品するモール型のサイトであり、販売方法は出品者によって異なるため、商品探しに難航するかもしれません。

LogiMoPro(ロジモプロ)

ロジモプロは、中小ネットショップ向けの発送代行サービスです。運営会社は2006年から物流代行サービスを開始した物流倉庫会社で、蓄積されたノウハウを活かしたきめ細やかなサービスで多くのネットショップ運営者から信頼を集めています。「BASE」と連携すると受注から出荷までの工程をすべて自動化できるため、集客や顧客対応などに集中できるでしょう。

 ロジモプロ | BASE Apps

NEOlogi(ネオロジ)

越境ECにも対応した発送代行サービスで、150カ国への発送が可能です。商品の梱包・出荷をワンクリックで指示でき、最短で当日出荷もできます。冷凍・冷蔵食品をはじめ国外への輸出が難しい商品は取り扱っていないものの、海外へ安全に配達できるよう丁寧で頑丈な梱包を行ってくれます。料金は従量課金制で、初期費用・月額費用ともに0円なため手軽に利用できることも魅力です。

BASEでの越境ECの不安を解消!海外配送は「NEOlogi」におまかせ

SUZURI

オリジナルデザインをプリントしたグッズを作れる受注生産サービスです。デザインを登録し、顧客からの注文を受けて自動で制作・発送されます。デザインはjpgやpngなどの拡張子にも対応しているため、PhotoshopやIllustratorのようなプロ向けツールがなくてもかんたんに登録できます。制作できるグッズの種類は、Tシャツやスマホケース、マグカップ、キーホルダー、ペット用品など幅広いことも魅力です。

monomy

オリジナルアクセサリーの受注生産サービスです。デザインはアプリに登録された豊富なパーツを自由に組み合わせて作り、着用イメージ画像も自動で作成してくれます。顧客から注文が入ると職人が実物を制作して、顧客に発送するため在庫を抱えることはありません。繊細なアクセサリーは梱包が難しいものの、梱包方法もプロに任せられるため安心です。

「BASE」と<monomy>を連携させて、かんたんにアクセサリーを作る方法 「monomy App」

オリジナルプリント.jp

独自のデザインツールを備えた、オリジナルグッズの受注生産サービスです。オリジナルデザインをサーモスやジェットストリーム、ディッキーズをはじめとする有名メーカーの製品に印刷した商品を販売できます。「BASE」ともアカウントを連携でき、出品や受注管理をシームレスに行えます。

【オリジナル商品】オリジナルプリント.jpとBASEを連携 「オリジナルプリント.jp App」

無在庫のネットショップを成功させるコツ

無在庫だからこそ、顧客に信頼されるよう誠意を持ってネットショップを運営することが大切です。具体的には、次の4つのアプローチで顧客から信頼を獲得していくといいでしょう。

仕入れ値をできるだけ安く抑える

ネット物販の基本は、仕入れ値を安く抑えて適正価格で販売することです。そのため、できるだけ安い仕入れ先を見つけることで、安定した利益を得られます。商品自体の価格はもちろん、月額費用や手数料なども含めて比較し、原価を抑えられるよう工夫しましょう。

競合と商品で差をつける

競合サイトを調査し、差別化できる商品を選ぶことも大切です。商品選びでは、ターゲットの潜在ニーズを分析することがポイントになってきます。どのような人に向けたショップにしたいかというコンセプトを明確にし、SNSや動画サイトなどでトレンドを調査しながらニーズにあった商品を選びましょう。

仕入れ先選びを慎重に

顧客は販売した商品の品質や、発送までのスピードなどから、信頼してもらえるネットショップかどうか判断します。そのため、「商品の品質がしっかりしている」「在庫が安定している」「発送が迅速で納期が明確」などの観点で仕入れ先を選ぶことが、ショップの信頼を高めるために大切です。

販売経験を重ねる

販売経験を積むことでノウハウを得られて、自分のネットショップのニーズへの理解も深まります。顧客の傾向を分析することで、リピーターを生み出すような商品選びや、手厚いサービスを提供できるようになるでしょう。

ネットショップでの無在庫販売の流れ

無在庫のネットショップを開設するところから、仕入れ先に費用を支払うまでの流れを紹介します。

商品と仕入れ方法を決める

まずはネットショップで販売する商品カテゴリを決めて、商品の仕入れ先を探してみてください。

ネットショップを開設

デザインやショップコンセプトなどを決め、商品を販売するネットショップを開設していきましょう。BASE」をはじめとするネットショップ作成サービスであれば、コストを抑えつつ魅力的で便利なネットショップを開設できます。

開設したネットショップへの集客

商品の準備が整って、ネットショップの準備ができれば、いよいよオープンです。開設後はSNSやSEO、広告などでネットショップに集客し、売上アップを狙いましょう。

受注処理

注文が入ったら、利用する無在庫販売サービスのサービス内容に応じて、顧客に商品を届けるための手続きを行いましょう。ドロップシッピングであれば商品の手配から業者に代行してもらえるため、作業負担が抑えられます。

仕入れ先への支払い

発送通知を受け取って商品の仕入れ先へ費用を払ったら、一連の業務が完了します。

無在庫販売の注意点

無在庫販売をはじめるうえで、理解しておきたいポイントを3つ紹介します。

無在庫販売の規制が強化されている

トラブル防止のために、ネットショップ作成サービスでは無在庫販売を規制しているケースもあります。知らずに販売してしまうとネットショップ自体がペナルティ対象になってしまう可能性があるため、無在庫販売が可能かを確認しておきましょう。以下のネットショップ作成サービスでは、無在庫販売にも対応しているため、ぜひ利用を検討してみてください。

  • BASE
  • Shopify
  • STORES
  • BUYMA
  • makeshop

個人情報の取り扱いは慎重に行う

ネットショップでは、住所やカード情報などの個人情報を取り扱うため、個人情報保護のための取り組みが欠かせません。ショップに個人情報に関するポリシーを明記しておくと、お客様からの信頼感を高められるでしょう。

トラブルには迅速に対応する

仕入れや在庫管理、発送などを代行サービスに依頼していても、万が一トラブルが起きたら自ら率先して対応する必要があります。たとえば、仕入れがうまくいかなかったり、商品に不備があったりしたなどのケースが考えられます。解決できるよう迅速に対応することで、顧客からの信頼回復を目指せるでしょう。

まとめ

ネットショップはドロップシッピングや発送代行サービスなどを活用することで、在庫を手元に抱えずに運営することも可能です。ただし、商品の品質や発送のスピードによっては顧客の信頼を損ねるリスクがあるため、仕入れ先をしっかり吟味することが大切です。

また、ネットショップ作成サービスによっては無在庫販売を規制しているケースもあります。利用するサービスを選ぶまえに販売規約を読み、無在庫販売が可能かどうかチェックしましょう。

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