最近では、企業に限らず個人でも、ネットショップを立ち上げて商品を販売する人が増えてきました。
化粧品を販売するうえでは、「化粧品製造販売業許可」が必要になったり、「薬機法」に関して知っておかなければならなかったりなど、事前に準備しておくべきことや注意しておきたいポイントがあります。
この記事では、化粧品のネットショップを開業するにあたって、知っておきたい注意点と売れるためのコツについて、紹介していきます。
- BASEは個人・スモールチームに選ばれているネットショップ作成サービスです
- 初期費用・月額費用いらずで、無料で今日からショップ運営をはじめられます
- ショップ開設後の運営サポートや集客支援も充実しています
- 「売上を伸ばしやすいネットショップ作成サービスNo.1」に選ばれています
目次
化粧品販売の制度は開業方法によって変わる
化粧品のネットショップを開業する方法としては、大きくわけると、以下の4つの方法があります。
- 自分で化粧品を製造販売する
- OEMメーカーに依頼して化粧品を製造販売する
- 他社から仕入れた商品を販売だけする
- 輸入化粧品を販売する
ここでは、上記の4つの方法と、それぞれに必要な許可について解説していきます。
1. 自分で化粧品を製造販売する
自分で作った化粧品を販売する場合、「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」という許可を得なければなりません。
※どんなものを化粧品と呼ぶのかは、薬機法の第二条第三項に記載されています。
それぞれの免許をかんたんに説明すると、「化粧品製造業」は、自分で化粧品を作るのに必要なものです。そして「化粧品製造販売業」は、作った化粧品を販売するために必要な免許になります。
許可の申請には、以下の要件が必要です。
許可の申請に必要な要件
- 申請者の要件
- 人的要件(資格要件)
- 業務システム要件(化粧品GQP、化粧品GVP)
- 構造設備要件
これらの要件を事前にまとめておけば、申請の手続きがスムーズになります。申請は、各自治体に置かれている許可申請書を作成して進めていきます。
くわしくは、各自治体にお問い合わせしてみてください。
なお、個人でも申請は可能ですが、条件・要件には、こまかい規定があります。
また、GQPやGVPなど、よくわからないという方もいるでしょう。その場合は、行政書士に依頼して、許可取得を代行してもらうことも可能です。
コストはかかりますが、書類作成や申請手続きなどにかかる手間を省略できます。「行政書士 化粧品販売」などで検索してみてください。
ただし個人でこれらの許可を取得するのは非常にハードルが高いのが実情です。
2. OEMメーカーに依頼して化粧品を製造販売する
自分で企画した化粧品をOEM製造業者に依頼して製造してもらい、納品された化粧品を自社で販売する場合、ラベルに委託先のOEM業者の社名を載せるのであれば特別な許可は必要ありません。
しかし、製造からラベル貼り、検品までをOEM会社に依頼する場合であっても、ラベルにOEM会社の情報が記載されない製品には、「化粧品製造販売業許可」が必要になるので注意しましょう。
3. 他社から仕入れた商品を販売だけする
自分で化粧品を製造販売するには、複雑な手続きが必要です。
ただ、上述した「化粧品製造販売業」の許可を取得しなくても、化粧品を販売する方法があります。それが「他社から仕入れた商品を販売だけする」という方法です。
前述のとおり、すでに「化粧品製造販売業」を取得しているOEMメーカーにオリジナル化粧品の製造・販売を依頼する場合にくわえて、仕入れた他社製品の販売のみを行う場合にも、自分で許可を取得する必要は基本的にないとされています。
この方法であれば、化粧品の製造ノウハウを持っておらず、成分や化学についてくわしくない方でも、自分のオリジナル化粧品を販売可能です。
ただし、仕入れた化粧品を開封して、別の容器に詰め替える、などの行為は、「販売のみ」という枠から外れてしまうため、NGとなります。
いずれの場合も仕入れ先の会社やOEMメーカーに相談してみましょう。
4. 輸入化粧品を販売する
海外から輸入した化粧品を販売する場合は、仕入れ方法によって、許可が必要なケースとそうでないケースがあります。
「化粧品製造販売業」を取得している問屋や輸入販売会社から仕入れた化粧品を、販売だけするのであれば、「化粧品製造販売業」の許可は不要とされるケースもあります。
ただし都道府県によっては上記の場合でも許可が必要な場合がありますので、必ずお住まいの地域の都道府県薬務主管課に相談してください。
こんなケースなら、許可が不要の場合も?
許可については、以下のような形であれば、「化粧品製造販売業」許可が不要になるとされるケースもあるようです。
- 商品を販売したい人が、国内の輸入代行業者に化粧品の輸入を依頼する
- 商品を販売したい人から、輸入代行業者へ手数料を上乗せした金額が支払われる
- 輸入代行業者は代金を取りまとめ、送付先リストといっしょに海外の販売業者へ送付する
- 海外の販売業者から、商品を販売したい人へ直接商品を送付する
ただし、輸入方法によっては、やはり許可が必要になる場合もあるため、くわしくは所轄の都道府県薬務主管課に相談しましょう。
参考:神奈川県
ネットでの化粧品販売に必要な基礎知識
化粧品を販売するときは、どんな商品が化粧品に含まれるかという定義を知っておくと安心です。というのも、医薬品や医薬部外品ではない化粧品は効果効能を謳ってはいけないからです。
また、化粧品を販売するときは必要な許可や届出を忘れないようにしましょう。
そもそも化粧品の定義とは?
法律上の化粧品の定義は、薬事法によって定められています。化粧品に当てはまるのは、以下のような商品です。
- 身体を清潔にするもの
- 身体を美化するもの
- 身体の魅力を増すもの
- 身体の容貌を変えるもの
- 皮膚や毛髪の健康を保つために身体に塗ったり散布したりするもの
化粧品というとスキンケア用品やメイク用品をイメージする方が多いかもしれませんが、シャンプーやボディソープ(石けん)、香水、歯磨き粉なども化粧品に含まれます。
化粧品は医薬部外品や医薬品ではないので、効果効能を謳ってはいけません。そのため、「ニキビが治る」「脚が細くなる」といった身体の変化を広告やパッケージなどでPRすると、薬事法違反となってしまいます。
開業届や販売許可は必要?
先ほどもお伝えした通り、販売許可については、製造から販売まですべて一貫して自分で行うのであれば、許可が必要です。それぞれの方法ごとに必要な許可をおさらいしておきましょう。
自分で化粧品を製造販売する |
化粧品製造業、化粧品製造販売業 |
OEMメーカーに依頼して化粧品を製造販売する |
化粧品製造販売業許可(ラベルにOEM会社の情報が記載されていない場合) |
他社から仕入れた商品を販売だけする |
許可は不要 |
輸入化粧品を販売する |
化粧品製造販売業(問屋や輸入販売会社から仕入れた化粧品を販売する場合は不要) |
次に、開業届についてですが、原則としては提出しなければいけません。
ネットショップに限らず、個人で事業をはじめる際には、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」という申請書類を提出します。
開業届は、提出しなくても罰則などがないため、提出していない方も少なからずいます。
ただし、開業届を提出しておけば、確定申告のさいに節税効果の高い青色申告を選択できる、といったメリットがあるため、極力提出するようにしましょう。
ネット販売での化粧品販売を成功させるコツ
これからネットショップで化粧品を販売していくのであれば、開業方法や販売許可の取得方法、法律だけでなく、どうすれば売れるのかについても、知っておくことが必要です。
ここからは、化粧品をネットで販売するための5つのコツについて、解説していきます。
成分表示などを行い、顧客に安心感を与える
化粧品と一言にいっても、さまざまな種類があります。
最近では、「ヴィーガンコスメ」や「オーガニック化粧品」などの人気も高まっています。そのうえで大切なのは、成分などを正確に漏れなく記載することです。
人それぞれの肌質や悩みによって、選ぶべき化粧品は異なります。
化粧品選びをするさいに、含有成分をチェックする人は多いです。成分を見て、「自分の肌に合っているか」「肌にやさしいか」を判断する人もいます。
そのため、成分表記がきちんとされていれば、顧客も安心して購入できるようになります。
とくに、個人が手作りした化粧品の場合、購入につなげるためには、信頼度や安心感が重要です。
写真や動画を使った、ていねいな説明を心がける
写真や動画を使用して、ていねいな説明を心がけることも、化粧品を販売するうえでは大切です。
テキストだけの説明では、わかりにくかったり、伝わりきらなかったりする可能性もあります。写真や動画を使うことで、視覚的にもわかりやすく商品を説明できるでしょう。
たとえば、化粧下地の一回に使う量を説明するさいに「お米一粒分」といった言い回しを使うことがよくあります。
それよりも、実際に手に取った写真を掲載した方がわかりやすい、ということです。ほかにも、スキンケアの方法・手順を動画で説明するやり方もあります。
また、化粧品を販売するさいは、商品そのものの品質が高いことは大前提ですが、パッケージや容器のデザインにこだわることも、忘れてはいけません。
ビジュアルがいいと、写真や動画を使った商品アピールがしやすくなります。
オリジナルパッケージで梱包する
ブランド独自のシールやボックスを用意すると、ブランドらしさをアピールできるほか、高級感が出るため、顧客の満足度向上につながります。
BASEの「canal App」なら、オリジナルパッケージをかんたんに作成できるのでおすすめです。
透明なOPP袋をはじめ、オリジナル段ボールも制作できます。商品選択からお見積り、デザイン入稿まで、オンラインで完結できるため、梱包資材の調達が効率化できるのも魅力です。
無地梱包材と同価格で制作できるので、ムダなコストが増える心配もありません。
SNSで宣伝・販売も積極的に
ただたんに「ショップに商品を掲載し販売する」だけではなく、SNSを活用した宣伝・販売も、販売するために必要なことです。
Instagramは、ブランディングや視覚的に訴えるさいに効果的ですので、積極的に活用していきたいSNSです。
写真、ライブ、ストーリーズ、IGTV、リールといった動画コンテンツの配信も行えます。※Instagramの活用法はこちら
またBASEの拡張機能を使えば、Instagram上から販売ページへ誘導させることもできます。
このほかにも、ユーザーが増えているYouTubeやTikTokを使った動画コンテンツを配信して、ファンの獲得や購買意欲の向上につなげるのも、一つの方法です。
Web上で商品を販売する場合、たくさんの方に知ってもらう必要があるため、SNSやWeb広告を活用して集客を行うことが重要です。BASEは以下のようなSNS連携機能が多数あります。
- Instagram販売App:BASEの商品とInstagramを連携することで、Instagramの投稿に商品をタグづけして、BASEの商品販売ページへ直接リンクできる
- TikTok商品連携・広告App:TikTokアカウントとショップの商品情報を連携できる
- YouTubeショッピング連携:BASEで開設したネットショップ上の商品と「YouTube ショッピング」を連携することで、YouTubeのチャンネルや動画上に商品のタグ付けなどができる
口コミを大切に!
先ほど紹介した、SNSを活用する方法のメリットは、商品をいいと思ってくれた顧客が、勝手に宣伝してくれる可能性がある、という点です。
InstagramやX(旧Twitter)で、商品の感想や口コミなどを投稿してもらえれば、それだけで宣伝になります。
そういった投稿をしてくれた顧客は、反応を示すことでファンにつなげられる可能性があります。こまめにチェックし、いいねやコメント、リポストなどのリアクションを行いましょう。
YouTubeやTikTokでは、化粧品を紹介したり、メイク動画を配信したりするユーザーも増えています。
いい商品を作って、ブランディングに取り組み、ファンを増やしていけば、自然といい口コミが広がって、購入につながるかもしれません。
また、BASEでは「レビュー App」をインストールすることで、ショップの商品ページに、購入者からのレビュー情報を表示できます。
投稿されたレビューに、返信することも可能です。高評価のレビューを集めることで、ショップの信用性が高まり、新規購入やリピート購入向上が期待できるでしょう。
ネットでの化粧品販売の成功事例
ネットで化粧品販売を成功させるためには、ブランドのコンセプトやSNSの活用が鍵となります。今回は、BASEで化粧品販売を行って成功した事例を3つ紹介します。
totto|口コミをきっかけに売上アップに成功!
スキンケアブランド「COSIM」を展開するエステサロン<totto>は、実店舗を利用する顧客のInstagram投稿やサイトのレビューなどの口コミとネットショップを活用して、ファンの拡大に成功しました。
ネットショップで具体的な使用イメージを伝える→レビュー機能で口コミ促進→SNSからの導線づくり→顧客が積極的に拡散するといった流れを作ることで、リピーターと新規顧客増加の両方に成功しています。
0g|SNSへの露出を増やしてリピーターを獲得
馬油スキンケアブランド<0g>は、沖縄のショップオーナー、OG株式会社の上原結奈さんが自身の肌トラブルに悩んだことがきっかけで始まりました。
小さな失敗をたくさん積み重ね、改善を繰り返していくうちに、沖縄のファンだけでなく様々な地域のファンが増えていったそうです。また、SNSで商品の露出を増やしたことから、リピーターを増やすことにも成功しました。
KORU|環境に対する想いに共感してくれるファンが増加
<KORU(コル)>の近藤祐子さんは、ニュージーランドで作られた、植物由来の台所用石けんを中心に、肌と環境にやさしい生活雑貨を販売しています。
自身が商品を使って手荒れが改善したことをきっかけに、日本で商品を販売することを決意しました。熱い想いが企業に伝わり、言語の壁を乗り越えて、信頼関係を築けるようになったそうです。ブランドの想いと石けんの魅力は顧客にも拡大しています。
売上の一部を環境保全団体に寄付して、環境を守る活動を微力でもサポートしています。
ネットでの化粧品販売についてのよくある質問
ネットで化粧品販売を行うには、薬事法や景表法といった法律のほか、許可や届出が必要となることが多いので、疑問や不安を抱えている人も多いでしょう。ここからは、ネットで化粧品販売を行うときによくある質問を紹介します。
個人でも化粧品製造販売業許可は取れる?
化粧品製造販売業許可は個人事業者でも取得できます。しかし、申請するためには、「役員の配置」と申請書類の準備が必要となるので、誰でもすぐに許可が取れるわけではありません。配置しなければいけない役員は次のとおりです。
- 総括製造販売責任者(化粧品製造販売業の実務責任者)
- 薬剤師や大学等で薬学・科学に関する専門課程を修了した者であるなどの資格が必要になる
- 品質保証責任者(品質管理業務の責任者)
- 安全管理責任者(安全確保業務の責任者)
役員は各役職に1人ずつ配置する必要はありません。総括製造販売責任者は、品質保証責任者と安全管理責任者を兼ねる資格です。総括製造販売責任者が1人いれば、兼任することで品質保証責任者と安全管理責任者を配置する必要がなくなります。
化粧品の販売代理店になるには?
販売代理店として化粧品を販売すれば、ブランドのネームバリューを活かして集客しやすくなるというメリットがあります。
しかし、フランチャイズで開業するためには、まとまった資金が必要になるため、支援金額や制度などを本部に確認してから検討するのがおすすめです。
販売代理店と一口にいっても、仕入れ方法は多岐にわたるので、以下の一覧で確認してみてください。
<メーカー直下代理店以外から仕入れる場合>
- メーカーから直接仕入れる
- メーカー側の販売会社経由で仕入れる
- 独立系の卸会社経由で仕入れる
<化粧品輸入代行会社からの仕入れる場合>
- 化粧品輸入代行業者を利用して仕入れる
※自社で輸入して後に販売する際は、「化粧品製造業」「化粧品製造販売業」の許可が必要。
個人で化粧品販売をするために薬機法(旧 薬事法)は知っておくべき?
化粧品を販売するうえでは、薬事法(薬機法)の知識が必須となります。
薬事法とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称であり、医薬品だけでなく、化粧品も対象となる法律です。
化粧品は、人体に対して作用が緩和なものである、と定められています。
そのため、化粧品が持つ本来の効果よりも大きな効果を謳った広告は、薬事法(薬機法)違反となるため、注意が必要です。
景表法にも注意
「シミ・シワが消える!」「10歳若返る!」といった、効果を確約するような広告も、法律違反となります。
とくに最近は、Web広告における薬事法(薬機法)や景表法に関して、問題になることも多いため、気をつけましょう。
法律違反となれば、罰則・罰金が課せられることもあり、「知らなかった」ではすまないことにもなりかねませんので、薬事法(薬機法)などの法律に関する知識は身につけておきましょう。
まとめ
化粧品のネットショップを開業するさいに、知っておきたい注意点と、売れるためのコツについて、紹介しました。
化粧品をオンラインショップで販売するためには、「化粧品製造販売業」の許可や、薬事法の知識が必要です。
また、どれだけいい化粧品を作っても、実際に顧客に知ってもらえなければ、意味がありません。認知度や顧客の購買意欲を高めるためにも、売るノウハウを身につけていきましょう。
ネットショップ作成サービスの「BASE」では、たくさんのショップオーナーがこだわりの化粧品を販売しています。BASEは初期費用、月額費用無料で独自のネットショップがかんたんに開設できるほか、集客機能やSNSとの連携機能など、ネットショップを効率的に運営するためのサービスが充実しています。
ポップアップ出店サポートやBASE負担のクーポン配布など、ショップオーナーを応援するサービスもあるので、ぜひBASEで独自のネットショップを開設してみてください。
BASEのネットショップは、開設手続きは最短30秒、販売開始まで最短30分。
ネットショップ開業によくある面倒な書類提出や時間のかかる決済審査もなく、開業までの手続きがシンプルでわかりやすいのが特徴です。
また、売上を左右するデザインや集客の機能も充実しています。
プログラミングの知識がなくても、プロ並みのショップデザインが実現できる豊富なデザインテンプレートをご用意しています。
さらに、集客に必須のSNSの連携も簡単です(Instagram・TikTok・YouTubeショッピング・Googleショッピング広告)。
ショップ開設はメールアドレスだけあれば、その他の個人情報やクレジットカードの登録も必要ありません。
個人が安心して使えるネットショップをお探しなら、開設実績No.1のBASEをまずは試してみてください。