ハンドメイド商品やアート作品、アンティークなどをネットショップや実店舗で販売したい、という憧れを抱く方は多いのではないでしょうか。そんなときに考えたいのが、委託販売という選択肢です。
今回は、委託販売の定義とメリット・デメリットなどについて解説していきます。委託販売をはじめ方も4パターン紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- BASEは個人・スモールチームに選ばれているネットショップ作成サービスです
- 初期費用・月額費用いらずで、無料で今日からショップ運営をはじめられます
- ショップ開設後の運営サポートや集客支援も充実しています
- 「売上を伸ばしやすいネットショップ作成サービスNo.1」に選ばれています
目次
委託販売とは?わかりやすく紹介
委託販売とは、かんたんに説明すると、商品を実店舗やネットショップに預けて販売してもらうことです。
自分のネットショップで販売している商品を、ほかのネットショップや雑貨屋、セレクトショップに置いてもらい、販売業務を委託できます。
売り上げた代金については、委託先のネットショップや実店舗が手数料を差し引き、残りの分は商品を制作したオーナーに支払うという形式が一般的です。
委託販売と卸販売の違い
委託販売と似たものに卸売販売がありますが、似ているようで、実態は違います。
どちらが得かは、一概には言い切れませんが、委託販売を考えるのであれば、卸売販売との違いも頭に入れておくことをおすすめします。
委託販売 |
卸販売 |
|
収益の仕組み |
委託料(販売価格の30%が一般的) |
仕入れ値と販売価格の差額 ※原価率(販売価格のうち仕入れ値が占める割合)は30%に設定するのが一般的 |
販売業者の立ち位置 |
販売パートナーとして商品を預かる |
小売業者として商品を買い切る |
入金タイミング |
顧客(一般消費者)への商品販売後 |
小売業者への商品納品時 |
商品が売れ残った場合の対応 |
委託契約期間終了後に返送 |
販売店が対応(値下げ・保管・処分など) |
収益の違いをわかりやすく表すために、シミュレーションしてみましょう。たとえば顧客への販売価格を、10,000円にしたとします。
委託販売の場合は、委託料3,000円をのぞいた7,000円がブランドオーナーの収益になります。一方で、卸販売の場合は、販売価格の3割にあたる3,000円がブランドオーナーの収益です。
そのため、委託販売の方がより収益性が高い方法だといえます。
委託販売のメリット・デメリット
委託販売についてさらに理解を深めるために、メリットとデメリットを解説します。
メリット
- 商品を販売する間口が広がる
委託することにより販売経路が増えるため、リーチできる可能性がある顧客の幅が広がります。委託先が集客した顧客にもアプローチできるうえ、これまで商品と接点を持ちにくかった人にも届けられるでしょう。たとえばこれまでネットショップのみで販売していたブランドが、実店舗で委託販売してもらうと、「実物を見てから買いたい」といった人も安心して手に取れます。
- ブランドや商品の信頼・知名度が向上する
知名度があるショップや、リピーターが多いショップで委託販売をする場合、「このショップに置いてある商品なら間違いない」と信頼してもらいやすくなります。立ち上げたばかりで知名度をこれから伸ばしていきたいブランドほど、委託販売のメリットは大きいといえるでしょう。
- まとまった量を委託販売することで、売上が安定する
委託販売実績が豊富なショップに一定量の商品を定期的に依頼することで、安定した売上を目指せるでしょう。委託先を通してブランドを知ってくれた顧客が、ブランドのショップやSNSなどをチェックする“ファン”になってくれる可能性も十分あります。
デメリット
- 手数料が必要になる
前述の通り、委託先で商品が売れた場合は手数料を支払います。そのため、自分のショップで販売するよりも利益率が下がることがデメリットです。しかし、委託することで販売数が大幅に伸びれば、手数料による出費を、売上アップによるメリットが上回るでしょう。
- 在庫リスクを抱えるリスクがある
委託した商品の在庫管理は、委託先に任せることになります。順調に売れていれば追加で在庫を納品するために商品の準備が必要ですが、売れ行きが芳しくないと委託期間終了後に返品され、手元に在庫を抱えてしまいます。委託後の販売状況をこまめに連携してくれるショップであれば、そうしたリスクも回避しやすいでしょう。
委託販売の手数料はどれくらい?
委託販売は、委託先のネットショップや実店舗に対して、手数料を支払う必要があります。では、委託販売の手数料はどれくらいなのでしょうか。
委託販売の手数料は、委託するネットショップや実店舗によって異なります。
さらに、ネットショップも実店舗も、どこにショップを設けているかによって手数料に差が生まれることもあるようです。
全体をふくめた委託販売の相場手数料は、20〜60%といわれています(たとえば、商品の値段が1,000円(税込)の場合、200〜600円差し引かれます)。
委託先によって、利益率が大きく変わってくるため、委託販売をするさいは、どこに依頼するかをよく考えることが大切です。
実店舗への委託販売の場合
実店舗に委託販売する場合の相場は、30〜60%です。
ただし、実店舗といってもさまざまな形があります。個人経営の雑貨屋やセレクトショップ、イベントでの出店、さらに商業施設などのブースなど、どこに委託するかによって、手数料が異なるためよく確認しましょう。
実店舗の知名度や人気度にもよりますが、一般的な実店舗は30〜40%程度が多い傾向にあります。
大きな百貨店や商業施設になると、実店舗側も商業施設側にマージンを取られることになるので、40〜60%と手数料が上がるケースもあるようです。
ネットショップへの委託販売の場合
ネットショップに委託する場合、販売手数料の相場は20〜50%です。
さらにこまかく見ると、ネット販売をしている個人運営の雑貨屋やセレクトショップは、20〜40%が一般的といわれています。
楽天市場などの大手モールに出店しているネットショップとなると、約50%が相場です。
この場合も、ネットショップ自身が出店しているモールに手数料を支払わなければならないため、高くなる傾向にあります。
委託販売をする目的が何かによって、委託先をしっかりと検討するようにしましょう。
委託販売ができる実店舗・ネットショップの探し方
委託販売にはさまざまな選択肢があります。では、実際に委託販売するさいは、どのようにして委託先の実店舗やネットショップを探せばいいのでしょうか。
ここでは、委託販売ができる実店舗・ネットショップの探し方について、紹介してきます。これから委託販売をしたいと考えている方は、参考にしてみてください。
個人が運営しているネットショップに依頼する
個人が運営しているネットショップの中には、委託販売を募集しているショップがありますので、そういったショップに依頼する方法があります。
この場合、依頼するショップの雰囲気やブランドイメージが自分のハンドメイド作品とマッチしているか、SNSやブログなどが定期的に更新されているか、などを確認することが大切です。
反対に、自分のネットショップで販売を続けていれば、ほかのネットショップから「委託販売しませんか?」といった依頼がくるケースもあります。
ネットショップへの委託はBASEの「販売パートナーApp」が便利
ネットショップ作成サービスの「BASE」では、セレクトショップとブランドショップをマッチングするサービス「販売パートナーApp」を2024年夏から提供開始しました。
委託にあたって固定費は不要です。販売時に手数料がかかる仕組みのため、委託のために入金が必要な費用はありません。また、商品のジャンルに制約が少ないことも特徴です。卸売に向かない商品や、在庫として取り扱いのむずかしい商品(賞味期限の短い商品など)も委託できます。
集客をセレクトショップに任せられ、ショップ間でのやりとりはBASEの管理画面上で完結します。商品の発送や在庫管理はブランドショップが行うため、委託先ショップにとっても販売業務を引き受けやすいことも魅力です。
BASEでネットショップを作成している人なら誰でも利用できますので、ぜひ活用してみてください。
【先行体験募集中】「つくる」と「売る」才能をマッチングする新しい仕組み。「販売パートナー App」で才能をシェアして売上アップ
大手モール型ネットショップで出店する
大手モールに出店しているショップに、委託販売する方法があります。
たとえば、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどが有名です。販売代行をおこなっている業者などもあり、そういったところを利用する方法もあるでしょう。
しかし、いずれの方法にしても、大手モールで出店する場合、ほかの方法と比べて手数料など費用がより多くかかることが考えられるため、初心者の方にはあまりおすすめしません。
雑貨店や美容室に直接依頼する
ネットショップだけでなく、雑貨屋やセレクトショップ、美容室といった実店舗に直接依頼するのも一つの方法です。
ふだんから通っているショップがあれば、委託販売の相談をしてみたり、気になるショップに足を運んで、直接お願いできないか訪ねてみたりしてみましょう。
また、インターネットで「委託販売 募集」などと検索すると、実際に募集しているショップ情報が見つかる可能性もあります。
SNSなどでも、検索機能を使って探してみてください。募集はしていなくても、DMやコメントを送ってアプローチしてみるのも、一つの方法です。
「BASE」の委託販売おすすめサービス「orosy App」
「BASE」では、委託販売ができるサービス「orosy App」を提供しています。
もともと「全国の人気ショップに商品の委託販売を依頼できるサービス」として提供されていた「Space Engine App」が、2020年6月にリニューアルされ、「orosy App」となりました。
リニューアルのポイントとしては、これまでショップオーナーから実店舗に向けて委託販売を依頼する、つまり一方通行の形だったものが、実店舗からも商品へ購入の依頼が届く、双方向となった点です。
委託販売の場合は、「orosy」への手数料は発生しません(現在のアルファ版の場合)。
ただし、委託販売を依頼する実店舗に対しては、30%の手数料が発生します。つまり、商品売上金額の70%が、依頼者側の売上になるということです。
たとえば、委託先の実店舗で、100万円分の商品が売れた場合、実店舗への手数料30%(30万円)を差し引いた70%=70万円が売上となります。
具体的な使い方は、以下の記事を参考にしてください。
「BASE」で販売することで、委託販売のスカウトの可能性も
BASEなどのネットショップでハンドメイド作品を販売していると、委託販売のスカウトが来ることもあります。
スカウトが来ることは、自分の作品が認められたということ。やはり、うれしい気持ちになるものです。
とはいえ、スカウトが来ても、受けるかどうかは慎重に検討しましょう。
なかには、よくない条件でスカウトしてくるところもあるようです。たとえば、販売手数料が相場より高かったり、送料が自己負担だったり、といったことが挙げられます。
委託販売の条件によっては、自分で販売した方が販売手数料をおさえて販売できる可能性もあるのです。
こういったことから、スカウトがきても、すぐにはYESと答えずに、きちんと条件を確認することが大切です。
委託販売をはじめる際の注意点
委託販売をはじめる場合は、次の4つのポイントをしっかり頭に入れておきましょう。
- 委託先の集客力をチェックする
- 商品にあったコンセプトのショップを選ぶ
- 手数料が見合っているかしっかり確認する
- トラブルに備えて契約書を作成する
委託先の集客力をチェックする
委託販売は、委託先で商品が売れてはじめて利益が発生する仕組みです。そのため、委託先に集客力が十分になければ、商品が売れ残って返品になる可能性も高まります。
「委託販売を試してみたけれど効果がなかった」という結果にならないよう、委託先を探す際には集客力があるかどうかをしっかりチェックしましょう。
集客力を見極めるポイントとしては、SNSや広告などを活用した集客を行っているか、1日の来店者数・PV数はどのくらいかなどが挙げられます。具体的な数値を使った実績を提示してくれるショップであれば、安心して委託できる可能性が高いでしょう。
商品にあったコンセプトのショップを選ぶ
たとえ委託先に集客力があっても、ショップのコンセプトが商品と噛み合っていなければ、商品を手に取ってもらえる可能性は低いままです。そうしたリスクを避けるためにも、ブランドのターゲットと重なる層が顧客に多いショップを委託先に選びましょう。
ターゲットの年齢や性別などだけでなく、さらに踏み込んだコンセプトも重要です。コンセプトは、ターゲットが持つ悩みや商品を通して叶えたい願望などを深堀していくことで明確になります。コンセプトの合うショップを見つけて委託することで、商品がさらに売れやすくなるでしょう。
手数料が見合っているかしっかり確認する
材料費や人件費といった原価に対して、委託にかかる手数料が見合っていないと、どれだけ商品が売れても赤字になってしまいます。手数料の種類は、ショップによって異なります。何点売れたときにはどのくらいの金額がかかるのかを、しっかりシミュレーションするといいでしょう。
価格の決め方については、以下の記事で紹介していますのでチェックしてみてください。
トラブルに備えて契約書を作成する
委託先では、商品が破損・盗難などの被害に遭ったり、返送時に返品数と売上金が合わなかったりといったトラブルが発生する可能性がゼロではありません。そうしたトラブル発生時に保証してもらうためにも、責任の所在や費用負担などを契約書にまとめておくのがおすすめです。
ちなみに、BASEでは全国のポップアップスペースへの出店時に、契約書の作成をはじめとする手間のかかる手続きをサポートしています。はじめての出店でもスムーズに取り組める体制を整えていますので、ご安心ください。
委託販売についてのよくある質問
委託販売についての疑問・質問をまとめました。
どんな商品が委託販売されている?
ハンドメイド、アート作品、家具、中古車など幅広いジャンルの商品が委託販売されています。
ハンドメイドの委託販売は儲かる?
ハンドメイドのジャンルや価格設定、委託先の手数料の割合などによって、儲かるかどうかは変わってきます。一方で、委託販売を利用することで制作に専念できて、より多くの点数の商品を手掛けられるので、直接販売よりも収入が増える可能性は十分あるでしょう。
委託販売の仕訳はどうする?
商品を送付したとき、商品を販売したとき、代金を回収したときという3つのタイミングで処理仕訳を行います。
まとめ
今回は委託販売の意味や方法について紹介しました。
委託先には、ネットショップをはじめ雑貨屋やセレクトショップなど、さまざまな選択肢があります。委託先によって、手数料に差があるので、注意しましょう。
また、委託先を探す方法としては、インターネットやSNSで検索したり、実際にショップに足を運んでみたりする方法があります。このほか、全国各地で開催されているハンドメイドのイベントなどに参加していると、声をかけられるケースもあるようです。
委託販売するとしても、メリット・デメリットがありますので、きちんと条件を確認したうえで、委託販売するかどうかを検討するようにしましょう。
ネットショップ作成サービスの「BASE」では、委託先の販売パートナーとコネクションするサービスや、ポップアップストアへの出店サポートを実施しています。BASEでネットショップを開設しているオーナーであれば利用できますので、ぜひ登録を検討してみてください。
BASEのネットショップは、開設手続きは最短30秒、販売開始まで最短30分。
ネットショップ開業によくある面倒な書類提出や時間のかかる決済審査もなく、開業までの手続きがシンプルでわかりやすいのが特徴です。
また、売上を左右するデザインや集客の機能も充実しています。
プログラミングの知識がなくても、プロ並みのショップデザインが実現できる豊富なデザインテンプレートをご用意しています。
さらに、集客に必須のSNSの連携も簡単です(Instagram・TikTok・YouTubeショッピング・Googleショッピング広告)。
ショップ開設はメールアドレスだけあれば、その他の個人情報やクレジットカードの登録も必要ありません。
個人が安心して使えるネットショップをお探しなら、開設実績No.1のBASEをまずは試してみてください。