ネットショップでジャムの加工販売に許可は必要?資格や、保健所の手続きについて解説

2020.08.04(更新:2020.12.04)

今や誰もがかんたんにネットショップを作れるようになり、「自分で作ったジャムを販売してみたい」「仕入れたジャムを販売したい」という方もいるかもしれません。

ところが、ジャムのような加工食品を販売するには、許可や資格が必要となってきます。それを知らずに無許可で販売してしまうと、法律に触れてしまう可能性も……

また、ジャムを販売するさいには、食品表示ラベルの貼り付けが必須であることなど、気をつけるべきポイントもいくつかあります。

この記事では、ネットショップでジャムの加工販売に必要な許可や資格、そして保健所の手続きについて解説します。

 

ジャムの加工販売には、保健所の許可が必要

自分で育てた果物や野菜を、加工せずそのままの状態で販売する場合、許可や届出は不要です。

インターネットや直売所など販売方法は問わず、自由に販売することができます。

しかし、ジャムやジュースなどに加工して販売したい場合は、許可または届け出が必要となっています。

都内の場合、ジャムの加工販売には「製菓材料等製造業」の営業許可が必要です。

また、ビン詰めのジャムを販売する場合は「かん詰め又はびん詰め食品製造業」、ビン入りの場合は「食品の小分け包装業」、という許可を取得しなければなりません。

 

「ビン詰め」「ビン入り」の違いは?

「ビン詰め」と「ビン入り」の違いは、言葉としては似ていますが、食品の営業許可に関しては、異なる扱いをされます。

ビン詰め・カン詰というのは、密封された容器に入っていて殺菌され常温による長期保存が可能のものを指します。

ビンに入れてから殺菌処理を行い、年単位での長期保存が可能であれば、ビン詰めです。

一方、単純にビンに食品を入れただけのもので、賞味期限が短いもの、要冷蔵のものは、ビン入りとなります。

このように、ジャムの製造方法などによって、必要な許可が異なることを覚えておきましょう。わからないときは、保健所に相談することをおすすめします。

▶︎新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ

▶︎包装食品のみを販売する営業を始められる皆さんへ

 

地域によって届け出や許可の条件が違うので、かならず確認を!

さきほどお伝えしたとおり、ジャムの加工販売には、許可や届出が必要ですが、地域によって条件が異なります。

かならず許可を必要とするところもあれば、届出のみでいいところもあるのです。また、なかには届出すら不要な自治体もあります。

ですので、ジャムなどの加工販売をおこなう場合は、まず保健所に相談することからはじめてください。

保健所に行けば、専門の職員さんが対応してくれますので、許可が必要なのか、届出だけでいいのか、を確認しておきましょう。

 

仕入れ販売の場合は?

ジャムを仕入れて販売する場合も、食品の種類に応じた、保健所の営業許可が必要になることがありますので、保健所に相談しましょう。

また、あわせてこのあと解説している「食品表示」に関しても、知っておく必要があります。

 

営業許可を得るために必要なこと

ジャムの加工販売をするためには、「製菓材料等製造業」に加えて「かん詰め又はびん詰め食品製造業」または「食品の小分け包装業」の許可が必要です。

そして、ジャムの加工販売の許可を得るためには、「人的要件」と「設備要件」という要件を満たす必要があります。

人的要件について

まず、人的要件として、許可を受ける施設ごとに「食品衛生責任者」という資格が必要です。

食品衛生責任者の資格を取得するためには、地方自治体でおこなっている「食品衛生責任者養成講習会」を受講しなければなりません(受講料は、1万円前後)。

また、食品衛生責任者の資格を取ったあとも、定期的に保健所がおこなう講習の受講を推奨、もしくは義務、となっています。

▶︎食品衛生責任者の資格取得の方法|東京都福祉保健局

設備要件について

次に、設備要件ですが、ジャムを加工販売する場合、自分がふだん使っている自宅のキッチンで作ることはできません。

つまり、キッチンとは別の専用調理室が必要になります。

さらに、その調理室も、専用の手洗い設備や器具・容器の保管庫、耐水性の床・内壁などを設置しなければならないなど、詳細に決められています。

加工販売できる設備環境になっているか、保健所に相談・確認しましょう。

くわしくは、以下の記事をご確認ください。

▶︎施設基準(一般営業)|東京都福祉保健局

 

ジャムを販売するさいには、食品表示ラベルの貼り付けが必須

保健所からの販売許可を得たら、ネットショップでジャムの販売が可能となります。

もちろん、ネットショップに限らず、直売所での販売も可能です。ただし、販売するさいは、食品表示ラベルの貼り付けが必須、となります。

原材料や製造場所などの必要事項を、商品のパッケージ上に表記しておかなくてはなりません。みなさんがふだん手にしている加工食品にも、かならずこの食品表示ラベルが貼り付けられているはずです。

たとえば、以下のようなラベルを見たことがあるのではないでしょうか。

名称

ジャム

原材料名

◯◯、◯◯、◯◯

内容量

100g

賞味期限

2020年◯月◯日

保存方法

要冷蔵(10℃以下)

製造者

◯◯◯◯

販売者

◯◯◯◯

商品によって定められた表示内容を記したラベルを作成する必要がありますが、テンプレートなどを使って、かんたんに作成することが可能です。

ラベル印刷を行なっている専門業者があるので、商品を作成するさいは、事前に確認しておきましょう。

 

「BASE」でジャムを販売するときに必要なこと

「BASE」でジャムの加工販売をするさいも、これまで解説した内容と同様、保健所の許可、届出が必要となります。

スムーズに販売を開始するためにも、準備できることは、前もって進めておくようにしましょう。

たとえば、人的要件で解説した食品衛生責任者は、取得までに一定の期間が必要です。

また、食品衛生責任者養成講習会は、自治体によって、開催日などが異なります。早めに動いて、準備することが大切です。

設備要件においても、施設工事の着工前に図面などを持参して、保健所に相談・確認してもらうことをおすすめします。

ジャムの加工販売といっても、許可や届出など、やるべきことが多いので、リストを作って、一つずつ確実にこなしていきましょう。

 

まとめ

今回は、ジャムの加工販売をするさいに、必要な手続きなどについて解説しました。アクセサリーなどの小物と違って、加工食品特有の必要な許可や届出があります。

基本的に保健所の許可、届出が必要となりますが、地域によって許可の条件が異なるため、かならず確認するようにしてください。

許可、届出に関してわからないことがあれば、地元の保健所に問い合わせて、相談するようにしましょう。

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