Instagramのアカウントを運用するうえで、重要な指標の1つが「エンゲージメント率」です。企業の情報発信用アカウントやインフルエンサーをはじめ、Instagramをビジネスで活用するのであれば、エンゲージメント率を参考にしながら投稿を作成することで、フォロワー数アップを狙えます。
今回は、Instagramのエンゲージメントについて解説します。エンゲージメントの数値を確認する方法や、エンゲージメント率の計算式、エンゲージメント率をアップさせる方法などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
Instagramのエンゲージメントとは
Instagramの「エンゲージメント」は、自分のアカウントの投稿に対してユーザーがいいね、コメント、シェア、保存といったアクションを起こした数の総称です。
いいね数とコメント数、シェア数、保存数などを合算した数が、エンゲージメント数になります。
アクションの数だけカウントされるので、1人が複数種類のアクションを起こすと、その分エンゲージメント数が増える仕組みです。
エンゲージメントの数はフォロワー数や投稿の閲覧数によって変わってくるため、エンゲージメント率をアカウント運用の指標にするのが一般的です。
Instagramでエンゲージメントを確認するには?
一般アカウントの場合、エンゲージメントを確認するにはプロアカウントに切り替える必要があります。
プロアカウントにはユーザーの反応を確認できる「インサイト」という機能があり、エンゲージメント以外にも次のような数値を確認できます。
- リーチしたアカウント:投稿を見た人の数
- インプレッション:ページが表示された回数
エンゲージメント率の目安は?
平均的なエンゲージメント率は、アカウントのジャンルによって変わってきますが、1%程度が目安だと言われています。
とくにエンゲージメント率が高い傾向にあるのは、ホテルや観光地の公式アカウントや、旅行代理店のアカウントなどによる旅行ジャンルです。飲食業界も比較的エンゲージメント率が高くなっています。
反対に、コスメや美容、ファッションジャンルのアカウントはやや低い傾向にあり、1万人以上のフォロワーを持つアカウントではエンゲージメント率が1%を切っているケースも珍しくありません。
どのジャンルのアカウントでも、エンゲージメント率が1%を下回っている場合はまずは1%を目指すのを目標にしてみてください。
すでにエンゲージメント率が1%前後ある場合は、どの投稿でも安定して1%以上を取れるように、投稿の品質を安定させていきましょう。
Instagramのエンゲージメント率を高めるメリット
そもそもInstagramのエンゲージメントを高める施策に取り組むことで、どんな効果があるのでしょうか。
フォロワーが興味を持つ投稿ができているか判断できる
エンゲージメント率が高いということは、それだけ投稿がフォロワーから関心を持たれている証拠です。
つまり、あらかじめ設定したターゲットに適した投稿ができていることを示しています。
アカウントの運用方針を決めるための指標として、エンゲージメント率は役に立つでしょう。
フォロワー数アップにつながる
エンゲージメント率は、Instagramのアルゴリズムに大きく影響する指標です。
Instagramのアルゴリズムは、ユーザーからの関心度が高いほど投稿が表示されやすくなる仕組みになっています。関心度を示す指標として使われているのがエンゲージメントです。
エンゲージメント率が高い投稿はフォロワーのホーム画面に現れる「ホーム率」が上がるだけでなく、発見タブやハッシュタグでの露出が増えて、フォロワー以外のユーザーの目に触れる機会も増えます。
その結果、フォロワー数アップへとつながるでしょう。
Instagramのエンゲージメント率を計算する方法
エンゲージメントは、投稿ごとに個別に表示されます。フィードとストーリーズ、リールでは表示されるデータの種類が変わってきますので、それぞれ紹介します。
フィード投稿のエンゲージメント率の計算方法
フィード投稿のエンゲージメントは、次の手順で確認できます。
1. 投稿の「インサイトを見る」をタップ
2. データの中から、必要なピックアップして計算する
フィード投稿のエンゲージメント率の計算式は、次の通りです。
エンゲージメント率=エンゲージメント数(いいね数+コメント数+保存数)÷リーチ数(またはインプレッション数orフォロワー数)×100
このように、フィード投稿ではエンゲージメント率の計算方法が何パターンかありますが、投稿が表示された人の回数を示す「リーチ数」を使うのが一般的です。
GoogleのWeb分析ツールGoogle Analytics(GA4)でも、リーチ数でカウントしています。
ストーリーズのエンゲージメント率の計算方法
ストーリーズのエンゲージメントは、次の手順で確認できます。
- ストーリーズの画面をスワイプアップ、もしくは左下の「アクティビティ」をタップ
- データの中から、必要な項目をピックアップして計算する
ストーリーズのエンゲージメント率の計算式は、次の通りです。
エンゲージメント率=エンゲージメント数(いいね数or投票数)÷リーチ数(またはインプレッション数orフォロワー数)×100
投稿から24時間経過したストーリーズのインサイトも、「設定とアクティビティ」の「アーカイブ」から閲覧できます。
リールのエンゲージメント率の計算方法
ショート動画を投稿できるリール機能。リールのエンゲージメントは、次の手順で確認できます。
- リールを開き、「インサイトを見る」をタップ
- データの中から、必要な項目をピックアップして計算する
リールのエンゲージメント率の計算式は、次の通りです。
エンゲージメント率=エンゲージメント数(いいね数+コメント数)÷リーチ数(または再生数)×100
リールが拡散されるかどうかの指標は、いいね数、コメント数、再生時間の3つです。また、視聴した尺の割合(再生時間÷(再生数×動画の秒数)×100)も参考になるでしょう。
Instagramのエンゲージメント率を高める方法
Instagramのエンゲージメント率を今より高めるためには、どんな方法があるのでしょうか。おすすめの施策を6つ紹介します。
ターゲットにあった情報を発信する
エンゲージメント率が低い場合、投稿内容がターゲットのニーズに適していない可能性が考えられます。
インサイトからユーザー属性が確認できるので、ターゲットの詳細な人物像である「ペルソナ」を設計しながら、ニーズを深掘りしていきましょう。
たとえばオーガニックコットンを使った子ども服のネットショップでは、次のようなペルソナが考えられます。
年齢:38歳
性別:女性
家族構成:夫と娘1人の3人家族
職業:経理職(時短勤務)
自身がアトピー性皮膚炎に悩まされていた時期があるため、子どもの肌に触れる服や、体を作る食べ物は素材にこだわって選びたいと考えている。
家計には比較的余裕があるが、日々の家事と育児に追われていて、洋服や雑貨などの買い物は2ヶ月に1回ほどアウトレットモールに足を運んでまとめて行う。
ナチュラルな風味のデザインが好みで、インテリアは天然木の風味を生かした北欧風のもので揃えていて、観葉植物も飾っている。
購読している雑誌はないが、美容院で読むのはリンネルやHanako、日経ウーマンなど。
このようにペルソナを細かく設定したうえで、ペルソナにあたる人物に刺さることを目的とした一貫性のある発信内容・クリエイティブを作っていくことで、エンゲージメント率アップを目指せます。
ハッシュタグの数と、投稿への関連性を見直す
フォローされていないユーザーに投稿を見てもらうために役立つのが、ハッシュタグです。フィード投稿のキャプションにはハッシュタグを最大30個まで付けられます。しかし、上限までハッシュタグを付けたからといって、投稿が多くのユーザーの目に触れやすくなるとは限りません。
ハッシュタグの付け方には諸説あるものの、投稿と関連性の高いハッシュタグを10個程度付けるのが理想だとされています。関連性の低いハッシュタグを含んでしまうと、Instagramのアルゴリズムがどんな投稿かを判断しにくくなってしまうことが理由です。
ハッシュタグの選び方について詳しくは、次のページで解説しています。
様々な投稿形式を活用して、投稿頻度を高める
フォロワーとの接点を多く持つことで、親密度が上がり、エンゲージメントを高めやすくなる効果が期待できます。
理想の投稿頻度は1日1投稿ですが、少なくても2〜3日に1回は投稿するよう心がけるといいでしょう。「投稿内容を考えるのが大変」という場合でも、1つの素材をフィード、ストーリーズ、リールとしてそれぞれ投稿するのでも効果的です。
さらに頻度を増やす場合は、「フォロワーがInstagramを開くたびに新しい投稿を表示できるか」を目安にタイミングを決めるのがおすすめです。
1日1〜2投稿ほどであれば、フォロワーから新鮮味のある情報として受け取ってもらえる可能性が高いでしょう。しかし、常にホーム画面が埋め尽くされてしまうほどの頻度で投稿すると、「うるさいな」と思われてフォローを解除されてしまうリスクがあるため要注意です。
また、ユーザーに見てもらうには、投稿する時間帯も大切です。一般的に、Instagramのアプリを開くことが多いとされている時間帯は3つあります。
- 7〜9時:通勤・通学時間
- 12〜13時:昼休憩の時間
- 21〜22時:帰宅後の時間
この時間帯を狙って投稿することで、リーチを増やせる可能性が高まるでしょう。
ストーリーズでコミュニケーションを図る
フィード投稿をストーリーズでリポストして新規投稿をお知らせしても、フィード投稿の内容に関心を持たれていなければストーリーズ一覧で表示される優先度が低くなります。そうなるとストーリーズに限らず、すべての投稿の表示回数が減ってしまうのが懸念点です。
投稿がフォロワーのホーム画面に表示された回数を「ホーム率」と言います。できるだけホーム率を高めるためには、ストーリーズのスタンプを活用して、手軽にコミュニケーションを取れる工夫を行うのが近道です。
キャンペーンを実施する
Instagramにおけるキャンペーンとは、フォローやいいね、コメント、指定したハッシュタグを含む投稿などを参加条件としたキャンペーンを実施する方法です。キャンペーンを実施することで、エンゲージメントはもちろんフォロワー数増加も狙えます。
キャンペーンによって一時的なエンゲージメント率の急上昇が期待できるものの、キャンペーン終了後にはキャンペーンで獲得したフォロワーがフォロー解除してしまうリスクもあります。フォロワー数を維持できるように、キャンペーン終了後も一定水準のエンゲージメント率を維持するための取り組みが必要です。
インフルエンサーを起用
SNSで影響力を持つインフルエンサーに、自社の商品やサービスを紹介してもらったり、企画に参加してもらったりする方法もあります。インフルエンサーのフォロワーに商品やサービスへ興味を持ってもらえるので、より多くの人にアプローチできるようになるでしょう。
インフルエンサーの活用方法は、4つあります。
- ギフティング:無償で商品を提供し、感想を投稿してもらう方法
- 現地訪問:サービスを実際に体験してもらい、感想を投稿してもらう方法
- タイアップ投稿:代理店などを通して、商品・サービスのPR投稿を有償で依頼する方法
- 企画・コンサルティング:商品・サービスの企画段階からインフルエンサーに関わってもらう方法
商品やサービスを無償で提供したり、報酬を渡して宣伝や企画に協力してもらったりなど、どの方法でも少なからず費用はかかります。コストに見合った成果が出せるよう、相性の良いインフルエンサーを選ぶことが重要です。
インフルエンサーに商品販売を委託する方法も
ブランドとしてオリジナルの商品を取り扱っている場合、インフルエンサーに販売を委託する方法もあります。
ネットショップ作成サービスの「BASE」では、商品の企画と製造が得意なショップと、集客や宣伝が得意なショップをマッチングする新機能「販売パートナーApp」を開発しており、現在一部ショップで先行リリース中です。
たとえばSNS総フォロワー数220万人超の料理インフルエンサー・まみさんは、「販売パートナーApp」を通してセレクトショップ「mamigohan」をオープンしました。まみさんが自ら選んだ食品やキッチン雑貨を取り扱っていて、Instagramでもショップの商品を活用した料理の様子をリールやストーリーズで紹介しています。
SNS総フォロワー220万超の料理インフルエンサー・まみさんが BASEの「販売パートナー App」を活用したセレクトショップを開設
Instagramのエンゲージメント率についての注意点
最後に、Instagramのエンゲージメントを対策する際に留意しておきたいポイントを紹介します。
エンゲージメント率はフォロワー数によって変わる
フォロワー数が多いほど、エンゲージメント率をはじめ、リーチ率などの数値が下がる傾向にあります。そのため、Instagram運用が順調なときほど、数値に捉われすぎないことが大切です。ターゲットに適した投稿を続けることで、エンゲージメントを維持できるでしょう。
ホーム率も重視する
ホーム率とは、フィード投稿がフォロワーのホーム画面に表示された割合のことを言います。
エンゲージメント率とホーム率は相関関係にある指標です。ホーム率を上げるにはエンゲージメントの数だけでなく、投稿からエンゲージメントがつくまでの速度も重視されます。
より多くの要素が絡んでいるので、エンゲージメント率とあわせてチェックするといいでしょう。
ホーム率は以下の方法で計算できます。
ホーム率=ホーム数÷フォロワー数×100
まとめ
今回はInstagramのエンゲージメントについて解説しました。
Instagramの投稿がユーザーからどれほど関心が持たれているかどうかが、エンゲージメントに表れます。エンゲージメント数はフォロワー数によって変動するため、エンゲージメント率を定期的に測定しておくことで、ニーズを満たした投稿を作成するために活かせます。
しかしInstagramをビジネスに活用するケースは多いため、競争率が非常に高いのが現状です。
BASE Uでは、ほかにもInstagramの運用ノウハウをまとめた記事を公開しています。
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