近頃はハンドメイド作品をオンラインで販売し、日本だけでなく海外の顧客にも作品の魅力をアプローチするケースも増えています。インターネットで作品を売る方法はさまざまにありますが、なかでもハンドメイド作品を販売したい人から特に注目されているのが「BASE」と「minne」です。
今回は、ハンドメイド作家に人気のサービス「BASE」と「minne」を比較して解説します。それぞれのメリット・デメリットや料金体系、主な機能などを紹介しますので、ぜひネットショップを作成する際の参考にしてください。
この記事で分かること
- BASEとminneのサービスや料金の違い
- BASEとminneのどちらが作品の販売目的に合っているか
※本記事は2025年2月12日時点の情報を元に作成しております。
目次
そもそもBASEとminneってどんなサービス?

まずは、BASEとminneがそれぞれどのようなサービスなのか紹介します。
BASEは誰でも手軽に自分のショップを持てる「ネットショップ作成サービス」
BASEは、インターネット上に自分のショップを作成できるネットショップ作成サービスです。「ASP(Application Service Provider)」と呼ばれるサービスで、ネットショップに必要なシステムや機能を利用することで、手軽にネットショップを作成できます。
minneは気軽に作品を販売できる「ハンドメイドマーケット」
minneは、ハンドメイド作品を気軽に売り買いできる、国内最大規模のハンドメイドマーケットです。たくさんのハンドメイド作家が1つの巨大な売り場に集まって、各自で商品を販売する「モール型のマーケットプレイス」に分類されます。プロからハンドメイド初心者まで、さまざまな人が作品を販売しています。
BASEのメリット・デメリット

ここからはBASEとminne、それぞれのメリットやデメリットを解説します。
BASEのメリット
BASEなら、ネットショップの構築に関する知識やスキルがなくても、誰でも簡単に自分だけのネットショップを作成可能です。一般的にネットショップをゼロから作成するには、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語の知識が欠かせません。これまでプログラミングに縁のなかった人が、こうした専門スキルを独学で身につけるのは容易ではなく、外注するにもある程度の費用がかかります。
しかしBASEなら、画面の案内に従ってデザインや決済方法などを選び、商品を登録するだけで手軽にネットショップを開設可能です。
また、BASEには商品や注文・発送管理に関する機能はもちろん、マーケティングや分析機能も充実しています。さらに、既存機能の改善と新機能の追加も定期的に行っており、ネットショップ運営が日々便利になっています。
BASEは、デザインに関する機能も充実しているため、管理画面からデザインテーマを設定するだけで、おしゃれなサイトを手軽に作成可能です。無料のデザインテーマのほか、世界中のクリエイターがデザインしたテーマを購入することで、ショップに導入できる「デザインマーケット」も利用できます。その結果、ブランドの世界観の確立に役立ちます。
ハンドメイド作品の販売において、ブランディングは非常に重要な要素です。コンセプトを具現化して作品やサイトのデザインを統一すると、ショップそのものに対するファンを増やしやすくなります。「このショップが好き」「この作家さんの作品が好き」といったファンを増やすことはリピーターの獲得につながり、ビジネスとしての成功に近づきやすくなるでしょう。
BASEのデメリット
BASEに限った話ではありませんが、ネットショップに顧客が自然と集まるケースはほとんどないため、集客が必要です。
minneのようなモール型のネットショップは、そのモール自体の知名度によっては、出店するだけである程度の集客を見込めます。一方で、個人でネットショップを開設する場合は、ショップや作品のことを自力で宣伝する必要があります。作品づくりに集中するため、宣伝活動にはあまり時間を割きたくない人は、やや不満を感じるかもしれません。
しかし、BASEでは集客をサポートする機能が豊富に備わっています。とくにおすすめしたいのが、累計ID登録者数1,500万人(※2024年10月時点)を突破している独自のショッピングアプリ「Pay ID」です。BASEのショップで販売する商品はPay IDアプリにも同時に出品できます。キーワード検索やレコメンド機能、ショップからのお知らせ機能などにより、新規顧客やリピーターの獲得に役立ちます。
minneのメリット・デメリット

次に、minneのメリットやデメリットを解説していきます。
minneのメリット
minneは、ハンドメイド作品を誰でも手軽に出品できるのがメリットです。また、minneはハンドメイド作品の販売と購入に特化したサービスなので、ハンドメイド作品の購買意欲が高い顧客が多く集まります。他ジャンルのECモールと比べると、売上を高めやすいでしょう。
さらに、minneでは作品づくりのノウハウや、ものづくりを仕事にするための知識なども公開しています。ワークショップやコンテストといったハンドメイドに特化したイベントも開催しており、ハンドメイド作家への支援が充実しているのもメリットです。
minneのデメリット
minneはハンドメイド好きが集まりやすい反面、顧客層は限定的です。「普段ハンドメイドに興味がない人にも作品を届けたい」という場合は、他のサービスとの併用も検討するとよいでしょう。
また、minneはハンドメイド作家と顧客が連絡をとるページと、顧客が作品のレビューを投稿するページが別々になっています。そのため、レビュー投稿への導線があまりスムーズではなく、他のサービスと比べてレビューが集まりにくいと言われています。
さらに、minneにはショップページのデザイン機能がないため、ブランドを確立しにくいのもデメリットです。カバー画像は設定できるものの細かなカスタマイズはできないため、ショップ全体でブランドの世界観を表現するのは難しいでしょう。
くわえて、minneはBASEと比べると手数料がやや高めに設定されていることも懸念点です。それぞれのサービスにおいてかかる料金は次で比較します。
BASE とminneにかかる料金を比較

BASEやminneの料金体系は、それぞれ以下のとおりです。
BASEの料金体系
BASEの料金プランは、スタンダードプランとグロースプランの2種類あります。
スタンダードプラン |
グロースプラン |
|
初期費用 |
0円 |
0円 |
月額費用 |
0円 |
年払い:16,580円/月 月払い:19,980円/月 |
決済手数料 |
3.6%+40円 |
2.9% |
サービス利用料 |
3% |
0% |
スタンダードプランは、初期費用・月額費用0円で始められるプランです。初期コストを抑えられるので、気軽にハンドメイドショップを始められます。
一方、グロースプランは月額費用こそかかりますが、スタンダートプランと比べて、商品が売れたときの決済手数料やサービス利用料が低く抑えられています。ある程度売上が伸びてきたら、スタンダードプランからグロースプランに切り替えるのもおすすめです。
minneの料金体系
minneでは、作品が売れる度に販売手数料10.89%が発生します。なお、minne PLUS会員になると、手数料は10.56%になります。例として、3,000円の商品が売れた場合の、BASEとminneでかかる手数料を比較してみましょう。
BASE(スタンダードプラン) |
3,000円×3.6%+40円×3.0%=238円 |
minne |
3,000円×10.89%=326円 |
同じ金額で商品を販売しても、BASEの方が手元に残る金額は大きくなります。
BASEとminneの主な機能を比較

ここからは、BASEとminneの機能面を比較していきます。
BASEの主な機能
ハンドメイド作家に便利なBASEの機能は、次の通りです。
- Instagram販売・広告
- 抽選販売
- 予約販売
- メッセージ機能
- コミュニティの作成
- ラベル機能
- 送料詳細設定
- YouTubeショッピング連携
- 定期便
- クーポン配布 など
BASEはInstagramとの連携に対応しています。Instagramで作品を公開し、そのまま商品ページに誘導することもできるため、SNS経由での購買数を高められるでしょう。
また、BASEは予約販売や抽選販売にも対応しています。ハンドメイド作品は大量生産が難しい商品なので、抽選販売により「早いもの勝ち」の状況を防ぐことで、顧客の満足度を高められるでしょう。また、予約販売は注文数が確定してから作品制作に入れる点も魅力です。過度に在庫を抱えたり、対応しきれないほど注文が入ったりするのトラブルを防げます。
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他にも、BASEにはメッセージ機能やコミュニティ機能など、作家とファンの交流を促進する機能が充実しています。商品画像に「NEW」「SALE」などのラベルを貼れる機能やクーポン配布機能など、顧客を呼び込むための機能も豊富です。
これらの機能は、月額費用無料のスタンダードプランでもすべて利用できます。
minneの主な機能
minneの代表的な機能は、次の通りです。
- 出品機能
- ダウンロード販売(デジタルアートなど)
- シリーズ機能
- QRコード発行機能
- 作品を「展示状態」にする機能
- 購入オプションの設定
- 限定公開 など
minneには出品機能などの基本機能のほか、作品を任意で分類するシリーズ機能や、過去の販売作品などを「展示状態」としてポートフォリオのように表示する機能など、ハンドメイド販売に役立つ機能が充実しています。
作品のQRコードを発行することもでき、対面での販売イベントで作品ページを紹介したい場合などに役立ちます。ギフトラッピングなどの購入オプションを追加したり、作品を限定公開にしたりすることも可能です。
また、minne PLUS会員になると、次のような機能も利用できます。
- レターのフォロワー限定公開やプッシュ通知設定
- 動画のアップロード
- 10個までの購入オプション設定
- 100個までのシリーズ作成
- メッセージテンプレートの利用 など
BASE とminneのどちらがおすすめ?

ここまで紹介してきた内容をもとに、BASEとminneがおすすめの人の特徴をそれぞれ解説します。
ブランディングに力を入れたいなら「BASE」
minneのようなECモール型のサービスは、集客に強い反面、ショップのカスタマイズ性が低いのが難点です。
一方、BASEはデザインや機能が豊富で、ショップデザインを自由にカスタマイズできます。無料のテーマが充実していて、かつクリエイターが作成した多彩なテーマのテンプレートを購入することも可能です。デザインを通じて、ブランドのコンセプトや魅力を直感的に伝えられます。
さらに、販売点数が限られている人気商品も、BASEでは抽選販売や予約販売が可能です。ショップへの集客が必要ですが、Instagramとの連携など集客に役立つ機能が充実しています。
ショップのブランディングに力を入れたい方や、ビジネスとして本格的にハンドメイド販売を始めたい方は、ぜひBASEをご活用ください。
ハンドメイド好きな人に効率的にアプローチするなら「minne」
minneはハンドメイド好きな顧客が多く集まるので、作品を購入してもらいやすいのがメリットです。特に女性の顧客が多く、女性向けの作品を販売する方におすすめです。一方、男性顧客は少ないため、男性向けの作品は売れにくい可能性があります。
また、minneはアプリ全体がおしゃれな雰囲気なので、おしゃれなアクセサリーや小物などを販売したい方にも向いています。
BASEとは異なりショップデザインはできないためブランディングは難しいですが、気軽にハンドメイド販売を始めたい方にとっては選択肢のひとつとなるでしょう。
まとめ
BASEは、インターネット上に自分のショップを手軽につくれるネットショップ作成サービスです。一方で、minneは、ハンドメイド作品を売りたい・買いたい人が集まるマーケットプレイスです。大切な作品を多くの人に届けられるよう、今回紹介した情報をもとに利用するサービスを上手に使い分けてみてください。
BASEのネットショップは、開設手続きは最短30秒、販売開始まで最短30分。
ネットショップ開業によくある面倒な書類提出や時間のかかる決済審査もなく、開業までの手続きがシンプルでわかりやすいのが特徴です。
また、売上を左右するデザインや集客の機能も充実しています。
プログラミングの知識がなくても、プロ並みのショップデザインが実現できる豊富なデザインテンプレートをご用意しています。
さらに、集客に必須のSNSの連携も簡単です(Instagram・TikTok・YouTubeショッピング・Googleショッピング広告)。
ショップ開設はメールアドレスだけあれば、その他の個人情報やクレジットカードの登録も必要ありません。
個人が安心して使えるネットショップをお探しなら、開設実績No.1のBASEをまずは試してみてください。