アクセサリー作りが得意な人やハンドメイド作家として活動している方の中には、「作品を販売してみたい!」という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、いざやろうと思うと「どのサービスを使うのが最適なのかな?」と迷ってしまうのではないでしょうか。
それもそのはず、ハンドメイド作品を販売する場所はたくさんあり、ざっと調べただけでも10以上あります。
そこで、この記事では、ハンドメイド作品を販売できるサービスの特徴をまとめてみました。あわせて、販売にさいして知っておきたい基礎知識も解説しているので、参考にしてください。
目次
ハンドメイド作品を販売する方法は、大きく3つ
ハンドメイド作品を販売する方法は、大きく3つあります。
それぞれの方法ごとに、特徴や得意なこと、苦手なことがあるので、自分に合った販売方法を見つけることが、成功への第一歩となります。
方法1. ハンドメイド販売サイト(マーケットプレイス)
作成したハンドメイド作品を販売する方法の一つとして、ハンドメイド販売サイトを利用する方法があります。
代表的な販売サイトとして<minne>や<Creema>などがあり、聞いたことがある方も多いでしょう。
これらのサイトは、ハンドメイド作品の販売に特化しているため、訪れるユーザーもはじめからハンドメイド商品の購入を検討していることがほとんどです。
そのため、出品する商品がサイトに訪問するユーザーのニーズに合いやすく、購入につながる可能性が高いのが特徴です。
デメリットとしては、サイトのデザインなどに凝ることができないため、個性を出してブランディングに力を入れたい人には向いていない場合があります。
海外への販売も視野に入れたい場合は、<Etsy>や<Pinkoi>などの販売サイトもおすすめです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ユーザーがハンドメイド商品を探しているため、購入に繋がりやすい ・初期費用や固定費用が必要ない ・サイト作りの手間が省ける ・サイトによっては海外への販売も可能 | ・サイトのデザインなどで差別化できない ・ブランディングがしにくい ・すぐに競合と比較される ・手数料が高め |
方法2. フリマアプリ・オークションアプリを利用する
<メルカリ>などのフリマアプリや、<ヤフオク!>などのオークションアプリでも、ハンドメイド商品の販売がさかんにおこなわれています。
<メルカリ>などのフリマアプリは、利用者が非常に多く、商品登録などの操作もかんたんにおこなうことができるでしょう。
支払方法も、分割払いなどをふくめて豊富に用意されているため、商品の回転が非常に早い、という特徴があります。
ただし、あくまでフリマアプリという位置づけなので、ユーザーは値段重視で商品を選ぶことが多いです。そのため、価格交渉をされることも覚悟しておく必要があります。
こういった特徴があるため、フリマアプリでの販売は、「まずはためしに商品を販売して、ユーザーの反応を見てみたい!」という人におすすめの方法です。
オークションアプリは、フリマアプリよりもバラエティに富んだ品物が出品されています。
フリマアプリが若年層や女性に人気が高いのに対し、オークションアプリでは年代や性別に関係なく幅広いユーザーに見てもらえる可能性が高くなります。
また、価格は売り手ではなく買い手が決め、最終的な落札価格によって取引されるのがオークションの特徴ですが、ハンドメイドとの相性はあまりよくないので、フリマアプリの方が使いやすいでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・ハンドメイド商品を探しているユーザー以外にも 幅広くリーチできる ・利用者が圧倒的に多い ・出店者にも購入者にも使いやすいシステム | ・価格交渉される可能性もある ・値段重視での比較になることが多い ・手数料が高め |
方法3. ネットショップを作成する
ネットショップ作成サービスを利用して、自分のショップを作成する方法も人気です。
ネットショップ作成サービスを利用すれば、誰でもかんたんに自分だけのショップを持つことができます。
自分だけのショップを持つことの利点は、競合と比較されにくい上に「◯◯というショップで購入した」と購入者に認識してもらえることで、リピーターにつながりやすいことが挙げられます。
代表的なサービスに、「BASE」や<STORES>などがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・自分だけのショップが作れる ・ブランディングしやすい ・SNSからの送客がしやすい ・手数料が低め | ・ユーザーの多いアプリやサイトと異なり、 SNSなどを使って集客に工夫が必要 |
ハンドメイド作品の販売ができるサイト・ツール比較

ここまでは、ハンドメイド作品の販売ができる方法についてご紹介してきました。
ここからは、実際にサービスを一覧でまとめて比較しながらご紹介します。それぞれのサービスの特徴について把握し、自分にぴったりのサービスを探してみてください。
初期費用 | 固定費 | 手数料 | アプリ販売 | |
---|---|---|---|---|
minne | 無料 | 無料 | 10.56% | 可 |
creema | 無料 | 無料 | 10% | 可 |
Etsy | 無料 | 無料 ※有料プラン有 | 出品料: $0.20 米ドル/商品 1 個 取引手数料: 合計価格の5% | 可 |
Pinkoi | 無料 | 無料 | 15% + 15台湾$ | 可 |
メルカリ | 無料 | 無料 | 10% | 可 |
ラクマ | 無料 | 無料 | 6% | 可 |
ヤフオク! | 無料 | 無料 | 10% | 可 |
BASE | 無料 | 無料 | 6.6%+40円 | 可 |
Stores | 無料 | 無料 ※有料プラン有 | 5% | 不可 |
ご覧いただくとわかるとおり、フリマサイトやハンドメイドマーケットプレイスのサービスは、手数料が高い傾向にあります。
また、ほとんどのサービスでアプリがありますが、一部アプリのないサービスもありますのでご注意ください。
それぞれのサービスの詳細は、このあとの解説をご確認ください。
<minne(ミンネ)>

小物やアクセサリーなどのハンドメイド作品が多く出品されている、国内最大級のハンドメイドマーケットプレイスです。
20~30代の女性ユーザーが多く、ハンドメイドならではの魅力を求めて訪れることが多い傾向にあります。
ユーザーからのレビュー率が多く、感想やフィードバックを知ることができます。イベントや勉強会なども開催されるため、作家としてスキルアップを目指すことができます。
- 国内最大級のハンドメイドサービス
- レビューをもとに作家としてスキルアップしていきたいにもおすすめ
- 20〜30代女性ユーザーがメイン
<Creema(クリーマ)>

あらゆるジャンルのクリエイターとユーザーが集う<Creema>には、魅力的なハンドメイド作品が多く出品されています。中国版サイトも展開しているため、中国市場に参入することも可能です。
19万人のクリエイターによる、1,000万点のオリジナル作品が並びます。日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスとして、ユーザーが増え続けています。
ハンドメイドを好きなユーザーが多く、商品を吟味して購入してくれる可能性があります。
- ハンドメイドアクセサリーの仕上がりに自信があり、内容で勝負したい方におすすめ
- 女性や若い世代が中心
- 中国市場にも進出可能
<Etsy(エッツィー)>

<Etsy>は、ハンドメイド作品が世界中のアーティストから出品されている、モール型のECサイトです。
2005年の創設以降、世界中で多くのユーザーを獲得しています。海外のユーザーが多いため、日本向けのサービスと比べて、圧倒的に閲覧者が多いのが特徴です。日本語でショップの登録をおこなうこともできます。
ほかのサイトよりもおしゃれでコミュニティらしい雰囲気が強く、ハンドメイド好きのユーザーが好んで利用しています。
- 海外も視野にハンドメイドアクセサリーを販売したい方におすすめ
- ハンドメイド好きのユーザーが多数
- 値段ではなく商品の質を評価してもらいたい方におすすめ
<Pinkoi(ピンコイ)>

<Pinkoi>は、アジア最大級のデザイナーズマーケットで、アジアを中心に、世界中のデザイナーとユーザーをつなぐ架け橋となっています。
会員数は全世界で約400万人を超え、日本だけでなく、海外に向けてもアピールできるのが特徴です。メインのユーザー層は20~40代です。
「デザイン市場のエコシステムを広げて、グローバル規模で理想的なライフスタイルを提案したい」というコンセプトの上に成り立つサービスです。
- 日本だけでなく世界中のユーザーに商品を届けたい方におすすめ
- アジア最大級のデザイナーズマーケット
- 20~40代がメインターゲット
<メルカリ>

2013年にサービスをスタートした<メルカリ>は、口コミなどから広がり、現在では国内最大級のフリマアプリとなり、多くの人に利用されています。
若年層に人気のフリマアプリですが、徐々に60代以上の利用者も増加傾向にあります。(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000026386.html)
魅力的な写真を掲載することで、ほかのセカンドハンド商品との差別化が可能です。
メッセージ欄でお客さんとのやり取りが公開されるので、閲覧者の購買意欲がかきたてられる可能性があります。
- アプリで気軽にハンドメイド商品の販売をはじめたい方におすすめ
- 国内最大規模のフリマアプリ
- 幅広い年齢層のユーザーが存在
<ラクマ>

<ラクマ>は、<楽天株式会社>が運営しているフリマアプリです。<楽天株式会社>の会員数が多いことや、CMなどの宣伝活動などによって、利用者数が伸びています。
すでに楽天会員になっている場合は、出品登録がよりスムーズにできます。
ハンドメイド専門ではないので、ユーザーがかならずしもハンドメイド商品を探しているとは限りません。興味を持ってもらった場合は、初心者の作品でも気軽に購入してもらえる可能性があります。
- 新しいサイトに登録せず、とにかくハンドメイド商品の販売をすぐにはじめられる
- 初心者なので、ほかのハンドメイド作家の作品に埋もれないサイトで売りたい方は使いやすい
- 多くの人に作品をリーチさせられる
<ヤフオク!>

<ヤフオク!>は、幅広いユーザー層に人気のオークションサイトで、出品のしやすさが魅力です。
こちらもフリマアプリと同様にユーザー数が多いため、多くの人に見てもらえる可能性があります。
バラエティに富む商品が並んでいますが、ハンドメイド専門に特化したサイトではないので、逆に自分の作品に希少価値が生まれやすくなります。
とはいえ「ハンドメイド作品を探しに来ている」というユーザーは少ないので、注意が必要です。
- 集客力のあるサイトで販売をはじめたい方におすすめ
- ハンドメイド専門でないサイトで差別化ができるかも
「BASE」
「BASE」は、ネットショップ開設実績4年連続ナンバー1(※)のネットショップ作成サービスで、誰でも無料でネットショップの作成が可能です。
ハンドメイド作家の集まるプラットフォームやフリマサイトなどではなく、自分だけのネットショップでブランドを展開することができます。
集客支援機能が充実しており、<Instagram>からもかんたんに集客することが可能ですし、800万ダウンロードされているショッピングアプリがあるのも魅力の一つ。
その他にも、「BASE」ではポップアップ店舗の出店などもサポートしており、ハンドメイド販売には最適なネットショップ作成サービスです。
- 自分のブランドを持てる
- ネットショップ開設実績4年連続No.1
- 800万ダウンロードされているアプリがある
※ネットショップ開設実績No.1: 最近1年以内にネットショップを開設する際に利用したカート型ネットショップ開設サービスの調査(2021年2月 調査委託先:マクロミル)
<STORES>

<STORES>も、誰でも自分のネットショップを作成できるサービスです(ただし、有料プランもあり。無料の場合、機能が制限されるため注意が必要)。
<STORES>の特徴は、ファッションコーディネイトアプリ<WEAR>と連携できること。
その他、決済サービスも提供しているため、実店舗を持っている方などにとっては、有力な選択肢となるかもしれません。
- 無料でネットショップを作成できる
- <WEAR>と連携できる
将来を見据えてハンドメイド作品の販売をするなら、「BASE」がおすすめ

将来的にショップを構えてみたいと思っている人や、ブランドとして確立していきたいと考えている人におすすめなのは、「BASE」です。
「BASE」なら、ハンドメイドマーケットプレイスやフリマアプリなどと異なり、ブランドとして認知されるというメリットがあります。
たとえば、<メルカリ>で商品が売れたとしても、ユーザーになかなかブランド名やショップ名を覚えてもらえないですよね?
それに対して、「BASE」のようなネットショップでは「◯◯というショップで買った」というように、ショップ名まで記憶に残りやすく、ファンやリピーターが付く可能性が高くなります。
最終的には、それがブランドとして周知されていき、顧客がどんどん増えていくでしょう。
さらに、「BASE」では<ラフォーレ原宿>などをはじめ、全国の商業施設へのポップアップ店舗の出店をサポートしており、最低3日間から出店可能です。
商業施設やスペースで商品を販売することで、商品を実際に見てもらう機会が増えたり、お客さんとつながりを深めたりすることができるでしょう。
1人で準備するのは大変ですが、「BASE」なら出店前後のやり取りなどもサポートしてもらえる点が魅力です。
また、「BASE」では<Instagram>の連携機能もあり、<Instagram>から直接お客さんをショップに誘導することができます。
「BASE」のさまざまな販売促進機能を活用していけば、しっかりと売り上げを立てていくことができるでしょう。
「BASE」でショップを開設しているショップオーナーって、どんな人?
実際に「BASE」を利用して、自分だけのネットショップを運営している方はたくさんいらっしゃいます。ここでは、少しだけご紹介させていただきます。
【ネットからリアルへ vol.5】ハンドメイドだからこそファンとの交流が大切。アクセサリーブランド<Linola handmade jewelry>が語る、リアル販売の魅力とは
ハンドメイド作品やアクセサリーを販売するさいに、おさえておきたいこと

最後に、ハンドメイド作品をネット販売するさいに知っておきたい、基礎的な知識を解説していきます。
販売に資格は必要?
ハンドメイド作品を販売するためには、特別な資格や免許の取得がかならずしも必要となるわけではありません。
ただし、直接ハンドメイド作家の顔が見えないネット販売では、資格や経験などをプロフィールなどに明記すると、安心してもらえる可能性もあります。
たとえば、色彩検定や天然石アクセサリー、ハンドメイドアクセサリー、洋裁技術検定など、ハンドメイドに関連する資格や講座は多数用意されているので、気になる場合はチェックしてみるのもよいでしょう。
また、古物商許可証についても、ハンドメイド作品を販売するうえでは原則的に必要とされません。
ただし、例外として、古着やアンティーク雑貨など中古の物を仕入れてリメイクして販売するさいには、「古物」として扱われ、古物商許可証が必要になることもあるので、心配な場合は、管轄の警察署の「生活安全課 」に相談してみましょう。
開業届は必要?
開業届は、事業を開始することを税務署に知らせる届け出です。原則として、ネットショップに限らず、事業を開業したら提出しなければなりません。
とはいえ、何をもって「開業」とするのか、イマイチわかりにくいですよね。
<国税庁>によれば、所得税法第229条を根拠に「新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等をした方」が手続きの対象となっています。
ハンドメイド販売は事業所得に該当しますが、事業所得というのは一般的に、一時的な収入ではなく、継続してなんらかの対価として収益を得る場合を指します。
そのため、ハンドメイド販売を継続的にはじめたさいに開業届を出す、というのが妥当かと考えられます。
開業届を出していないことで罰則を受けることはありませんが、メリットも数多くありますので、下記の記事も参考に検討してみてください。
先輩ショップオーナー推薦!ハンドメイド集客に役立つ「BASE」の拡張機能

フリマアプリなどではなく、ネットショップを運営するには、自分でショップに必要な機能などをカスタマイズしていく必要があります。
「BASE」には50を超える拡張機能(Appsと呼びます)があるため、どういった機能を使えばいいのか、迷ってしまうかもしれません。
そこで、「BASE」で実際に商品を販売しているショップオーナーが推薦する拡張機能を、こちらの記事をもとに紹介しますので、参考にしてください。
おすすめ機能1. 「ラベル App」

新商品や注目アイテム、セール中の商品など、力を入れて売りたい商品がある場合に便利なのが「ラベル App」です。
商品の特性や伝えたいメッセージに応じたラベルをつけることで、商品一覧にメリハリがつき、お客さんにとって見やすくなります。
ラベルのパターンが多いだけでなく、オリジナルの画像をアップロードして、ラベルとして使うことも可能です。「ラベル App」を活用することで、おすすめ商品の訴求力を最大限に引き出すことができるでしょう。
螺鈿アートのハンドメイド作家である上本ミナさんは、「ラベル App」に加えて「カテゴリ管理 App」で、ラベルと同様のカテゴリを作成しています。
ラベルとカテゴリを統一することで、より際立たせたい商品に目がいきやすい工夫がなされています。
おすすめ機能2. 「送料詳細設定 App」

「送料詳細設定 App」は、配送手段を地域や商品によって設定することができる拡張機能。
配送料を、細かい条件に基づいて設定することができます。たとえば、一定の購入額を超えた場合に、送料を無料に設定することもできます。
送料を無料にしたい、と考えているお客さんが購入に至った場合に、購入単価がアップする「アップセル」の効果を期待できるでしょう。
おすすめ機能3. 「メッセージ App」

メールを使わずに、チャットによってお客様とコミュニケーションを取ることができます。
リアルタイムに近いコミュニケーションをおこなうことができるので、円滑なやりとりが実現し、お客さんの興味が薄れないうちに購入につなげられます。
管理画面で完結したカスタマーサポートが可能になるので、メディアやSNSなどからアクセスしてくれたお客様にも、迅速なレスポンスをすることができます。
その他にも、「BASE」には様々な拡張機能がありますので、ぜひ一度ご覧ください。
まとめ
今回は、ハンドメイド作品をネットで販売する方法をご紹介しました。
ご覧いただいた通り、ハンドメイド作品を販売する場所は多岐に渡ります。とはいえ、なにも「一箇所だけで販売しなければならない」といった決まりはないので、さまざまなプラットフォームを触ってみることをおすすめします。