ECサイト運営って何するの?基本的な仕事内容と、売上をあげる考え方

2020.09.27(更新:2024.04.09)

ネットショップ(ECサイト)を運営するには、販促から受発注管理、配送など、さまざまな業務が発生します。

しかし、それぞれの運営の過程で、どんなことに気をつければいいのか、なにがポイントなのかわからない、という方もいるかもしれません。

そこで、この記事では、ネットショップの基本業務のポイントをおさえつつ、売上アップの考え方について解説します。

ネットショップ運営の業務内容とポイント

ネットショップ運営には、基本業務が8つあります。それぞれ、業務・作業内容を理解していなければ、ネットショップ運営でつまずくかもしれません。

1. 集客

集客は、ネットショップで売上をあげられるかを左右するポイント。

どれだけ魅力的な商品だとしても、ショップに来てもらえる人が一人しかいなかったら、一人が10個買ってくれたとしても、微々たるものだからです。

ネットショップを開設しただけでは、顧客は集まりません。

潤沢に予算のある企業ならば、広告費で大々的に集客を図ることも可能ですが、広告予算を割けない場合は、「お金」以外の方法で集客を考える必要があります。

下記の記事でくわしく解説していますが、ネットショップの集客において重要なのは、「買ってくれる人をいかにして連れてくるか」というポイント。

ここをおさえなければ、努力が無駄になる可能性もありますので、このポイントを頭において、集客を実践していく必要があります。

ネットショップで集客する方法と、商品を売るために絶対に必要な考え方

 

2. 商品登録

商品登録作業も基本ですが、重要な業務の一つです。

商品画像の準備、商品説明を書くことに加え、価格の設定や送料の設定なども、利益に関わる指標だからです。

とくに、商品画像は、もっとも気にかけていただきたいポイント。

「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、商品の魅力を最大限に伝えるためには、画像が威力を発揮するからです。

文章よりも、画像はより多くの情報を視覚的に伝えられます。

商品説明文とあわせて、効果的な画像を設定すると、お客様も商品の利用イメージがしやすく、購買意欲がより高まるでしょう。

商品撮影におけるポイントは多々ありますので、下記の2つの記事を参考にしてみてください。

▶︎商品写真が誰でもスマホでかんたんに撮れる5つのポイント!
▶︎商品画像の魅力をアップする商材10選

 

3. タイトルやキャッチコピーにも工夫を

商品画像とともに大切なのが、商品のタイトルとキャッチコピーです。

見てもらうために重要なのがタイトル、見てもらった商品に引き込むのがキャッチコピーの役割。そして、それを購入に結びつけていくのが商品説明文です。

商品画像、タイトル・キャッチコピー、商品説明文が一体となった商品ページがあって、はじめて訪問してくれたお客様に商品を購入していただくことができます。

これについては、下記の記事でくわしく解説しているので参考にしてみてください。

商品説明はどんなふうに書けばいいの?売れているショップの傾向

 

4. 受注・入金確認

受注の作業内容は、商品が売れたときにネットショップの受注ページなどを確認し、対応することです。

その後は、迅速な顧客対応が必要となります。

24時間人員を配置することができればよいですが、現実的にはそんなことはできません。そこで役立つのが、自動送信メールです。

自動送信メールを利用すれば、ひとまず、お客様に安心感を与えることができます(『BASE』では、商品が購入されると、自動的にメールが配信される仕組みになっています)。

入金確認は、管理画面で確認できるようになっています。

決済方法によって、入金待ちになっている場合や、商品発送後に代金が支払われる場合もあるので、トラブルにならないよう、各支払い方法に応じて、適切に対応しましょう。

 

5. 在庫管理、発送

在庫管理の基本業務は、帳簿上の在庫とネットショップの在庫、実際の在庫を管理することです。

これら3つの在庫が合っていなければ、お客様に迷惑をかける恐れが生じます。

たとえば、在庫がないにもからわらず、商品を販売してしまうような問題も発生します。通常の納期でお客様に商品を届けることができずに、お客様に迷惑をかけてしまいます。

ですので、受注と在庫管理はつねにリンクしている、リアルタイムな在庫管理が求められています。

BASE」では、商品情報をCSVファイルによって一括で登録や更新、ダウンロードできる拡張機能も用意されているので、活用してみてください。

ネットショップの在庫管理方法4つ!適切な方法で管理しよう

商品の受注後は、スムーズな発送が必要です。「検品→梱包→発送」の流れをスムーズにするには、マニュアル化が適しています。

流れから個別の注意事項をマニュアルにしておけば、誰でも同じクオリティで、検品から発送までの作業ができるからです。

また、発送のさいには、梱包にも気を使いましょう。梱包にひと工夫を加えることによって。リピーターの獲得にもつながります。

(くわしくはこちら

 

6. 売上管理

売上管理とは、ビジネス全体の売上高を把握するために、日々の売上を記録して、管理することです。

売上管理が正確でなければ、利益を算出することもできず、仕入れをおこなうこともできないからです。売上管理のポイントは、リアルタイム性です。

リアルタイムに売上の推移が把握できれば、販売活動や、仕入れ業務に役立てることができるからです。たとえば、売れ筋の商品がわかれば、その商品の販売活動に注力することもできます。

 

7. 仕入れの発注管理

仕入れをおこなえば、発注管理が必要となります。

発注管理のおもな基本業務は、納期の管理です。いつ届くのかわからない商品は、ショッピングサイトに商品をアップするタイミングを計ることができません。

ようするに、計画的な販売ができない、ということになります。仕入れ先と契約するときは、かならず納期を確認し、在庫管理と納期管理をリンクさせるようにするといいでしょう。

 

8. 顧客管理

顧客管理の基本業務は、氏名や住所、メールアドレスなど、顧客の情報を管理することです。また、顧客の個人情報が漏れないように、細心の注意を払う必要もあります。

顧客は、実店舗でいう「常連さん」や、ネットショップでいう「リピーター」につなげていかなければなりません。

それには、顧客管理機能を用いる必要があります。

顧客管理機能は、誰が・いつ・何を・いくらで買ったかだけでなく、その顧客が答えてくれたアンケートの答えも加えておくと、顧客の好みや趣向を知ることができます。

それらの情報を利用すれば、顧客の固定化だけでなく、仕入れや店作りにも応用できますね。

なお、「BASE」であれば、顧客ごとの注文履歴や問い合わせ内容などを、かんたんに確認できる「顧客管理 App」を提供しています。

 

ネットショップの売上を上げるための考え方▶︎「集客×購入率×購入単価」

さて、ここまで、ネットショップの運営における基本業務とそのポイントを解説しました。

ここでご紹介したのは、あくまでも基本的なポイントですので、他店と差別化して、より大きな売上を目指すには、もう一歩深く考えていく必要があります。

そこで必要になるのが、ネットショップの売上は「集客×購入率×購入単価」という項目で構成されている、ということを、あらためて考えてみることです。

ここまで解説した基本業務も、行きつくところはここにつながるからです。

いくら集客をがんばっても、商品画像が微妙で購入されなければ売上はゼロですし、購入されたとしても、梱包が雑であれば、二度と購入されないでしょう。

このように、ネットショップの売上は、この3つの項目に集約されることを認識し、それぞれに対して改善をしていくことが、売上アップの最短ルートとなります。

 

項目1. 集客の強化

集客方法には 、短期的な集客強化と中期的な集客強化、長期的な集客強化方法があります。

短期的な方法としては、リスティング広告やSNS広告、アフィリエイト広告が挙げられます。どの方法も、広告宣伝費が必要となりますが、一定の集客効果が望めます。

とくに、個人のネットショップの場合は、SNSとの相性がよく、多くのフォロワーを集めることで、安定的な収益にもつながります。

実店舗とオンラインの同時運営で生まれる相乗効果。 人気雑貨店に訊く、変化する実店舗の役割と、同時運営成功の秘訣

ただ、お金をなかなかかけられない、という場合もあると思います。そういった場合には、SNSを地道に運用していくことも、中長期的にはメリットが大きいです。

ブログという手段もありますが、SNSの方がよりブランド化に寄与しますので、優先順位としては、SNSに力を入れていくことをおすすめします。

ネットショップで集客する方法と、商品を売るために絶対に必要な考え方

 

項目2. 購入率をアップさせる

集客の強化で顧客が増えても、購入率が低いままでは、思った以上に売上が上がらない場合もあります。

先にもすこし触れましたが、購入率をアップさせる方法として、レビューを増やす方法があります。

本来ならば、ユーザーが自発的にレビューを投稿するのが望ましいのですが、レビューの投稿を誘発させることも可能です。

たとえば、レビューの投稿とクーポンをセットにする、という方法です。

つまり、レビュー投稿に対して、お礼としてクーポン券を差し上げるのです。この方法なら、ユーザーはクーポンも目当てなので、悪いレビューを投稿する可能性も減ります。

ただし、あまりに露骨なレビューの誘発は、ユーザーから敬遠されるおそれがあることを認識しましょう。

また、商品数が多ければ、ユーザーの好みにヒットする可能性は上がります。すなわち、購入率がアップすることになるのです。

仕入れ予算があって、商品数を増やしにくい場合は、仕入れロットをすくなくしたり、ロットではなく、サプライヤーが提供する最低個数で仕入れたりする方法があります。

仕入在庫数は同じですが、商品ページを格段に増やすことが可能となります。

商品ページ数を増やしたら、次は商品詳細ページのさらなる充実を図りましょう。

最近、「BASE」では「リモフォト by 週末モデル」というサービスと提携しました。

このサービスは、アパレルなどの商品をモデルさんに着用いただく「着画」を依頼できるサービスで、フルリモートで実施可能なので、だれでも手軽に見栄えのよい商品画像を用意することができます。

商品画像の効果は絶大ですので、こういった取り組みにもチャレンジしてみてください。

 

項目3. 購入単価を上げる

購入単価を上げるのには、クロスセルとアップセルが重要となります。

クロスセルとは、ほかの商品と合わせて購入してもらうことで、アップセルとは、より高単価な商品を購入するように誘う手法となります。

たとえば、「注目の商品」や「売れ筋商品」という形で商品をPRすれば、お客様が本来は考えていなかった商品の購入につなげることも可能です。これがクロスセルです。

アップセルの手法としては、「上位モデルあります」や「この商品のバリエーション」などを表示するようにします。

すると、お客様が上位モデルの商品ページを閲覧する可能性が上がるのです。

アップセルの手法のメリットは、お客様が類似商品を比較することで、より高単価でよりよい商品を購入したい、という気持ちにさせることが可能だということです。

また、購入単価は下がりますが、客単価を上げる方法として、セット販売という方法もあります。

セット販売とは文字通り、最初から複数の商品をセットして、割安で販売することです。セールやイベントでは有効な手段となり、広告と連動させれば、集客効果も期待できるでしょう。

この手法は、一見客単価をあげるという主旨からは外れるように見えるかもしれませんが、定番商品や消耗品などの商品を定期購入してもらうことで、売上の安定につながります。

実店舗のお肉屋さんや魚屋さんで、いつもほとんどお客様がいないのに、長く営業しているショップを見かけることはないでしょうか。

これは、料理店などの固定客が、定期で商品を仕入れるから、経営が成り立っていることが多いです。つまり、顧客数は少ないのですが、良質な固定客が売上を確保させていることになります。

このような顧客の指標を、LTVと呼びます。

LTVとは「Life Time Value」の略語で、ある顧客との取引開始から終了までの間に、どれだけの売上や利益をもたらしたかを算出するための指標、となっているのです。

つまり、LTVの数値が高ければ高いほど、良質な固定客やリピーターを確保できている、ということになります。

ネットショップの運営で、もっとも注力するポイントは、既存顧客のLTV向上のための施策、といえるのではないでしょうか。

 

まとめ

以上、ネットショップの運営における、基本的な業務項目とそのポイント、そして、売上をあげるために重要な考え方について触れました。

すこしむずかしい話もありましたが、シンプルに考えれば「お客様はどうすれば買ってくれるだろうか?」、これを突き詰めていく、ということに尽きると思います。

今回お伝えしたポイントが、すこしでも運営のヒントになれば、と思います。

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