昨今の社会的背景もあり、ECサイトの競争は激化を続けています。
そんなEC業界のなかで勝ち残っていくためには、こまかいスキルや知識の前に、基本となる概念をおさえておくことが必要不可欠。
この記事では、激しい競争を勝ち抜くために、最低限おさえておきたい基本項目を、運営から集客までまとめてみました。
個人でも法人でも関係なく必須となる視点をまとめていますので、足りない部分があれば、積極的に改善してみてください。
ECサイト業界の現状

ECサイト市場(BtoC)が伸びている昨今、さまざまな業界で、ECサイト市場に参入する企業や店舗が増えています。
経済産業省が実施した市場調査によれば、2018年のECサイト市場は17兆9,845億円、前年比8.96%増でした。
|
2017年 |
2018年 |
伸び率 |
A.物販系分野 |
8兆6,008億円 |
9兆2,992億円 |
8.12% |
B.サービス系分野 |
5兆9,568億円 |
6兆6,472億円 |
11.59% |
C.デジタル系分野 |
1兆9,478億円 |
2兆382億円 |
4.64% |
統計 |
16兆5,054億円 |
17兆9,845億円 |
8.96% |
参照元:我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備|経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
さらに、ここ最近では、ショップASPなどの登場によって、ネットショップの開設がかんたんになり、ECサイトは急増しています。
ECサイトの作成方法は、ほかにもいろいろあるので、もしまだどういった方法でECサイトを作ろうかと検討中の方は、下記の記事も参考にしてみてください。
ECサイト運営における基本視点
では、ECサイト運営における基本的な視点と、具体的なアクションについて、お伝えしていきます。
視点1. 使いやすいサイトになっているか?

ECサイトの売上が伸びないボトルネックとして、サイト設計が適切な状態でない可能性があります。お客様から見て使いやすい(わかりやすい)サイト設計を目指さなくてはなりません。
商品がどこにあるのか、どんな商品なのか、など、デザイン自体の見やすさはもちろんのこと、操作性や、購入までのフローが簡易的かどうか、といった部分を意識したサイトを設計が必要です。
使いづらい、わかりづらい、見づらいサイト設計になっていると、ページの離脱や売上ダウンにつながります。
▶︎サイトデザインの見直し

実際に、ユーザー目線でサイトを確認してみて、使いづらい箇所やわかりづらい箇所はないか、確認します。
たとえば、知り合いなどに使ってもらって、改善ポイントを探してもらうのも一つの方法です。使いやすい、使いにくいデザインの特徴としては、以下のような点があります。
「使いやすいデザイン」
・シンプルで見やすい
・全体の色合いが統一されている
・スマホ表示でも見やすい
「使いにくいデザイン」
・商品情報がすくない
・購入ボタンがわかりづらい
・情報が多すぎて、ゴチャゴチャしている
商品が見やすくても、実際に購入までの手順がわかりづらいと、購入に至らない可能性もあります。購入までの手順がわかりやすいかどうかも、忘れずに確認しましょう。
具体的には、次のようなポイントです。
「購入までがわかりやすいデザイン」
・購入ボタンがわかりやすい
・購入完了までの流れが、一目瞭然である
・購入完了までのページ推移がすくない
サイトデザインについては、下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
視点2. 業務の効率化

商品管理や受発注、配送といった業務の効率化を図ることも、ECサイト運営では欠かせません。人件費削減や生産性・回転率の向上につながります。
業務効率化として、以下の点について改善できる箇所がないか、検討してみましょう。
・在庫管理
・顧客管理
・発送作業
・顧客対応
たとえば、在庫管理を手入力で行っているのであれば、在庫管理システムや外部の在庫管理サービスを活用することもできます。
また、顧客対応として、お客様からの質問対応に時間を取られている場合は、チャット機能の導入や、よくある質問を掲載する、などの対策をしてみましょう。
実際に「BASE」でショップを運営されている<h.u.g-flower>様では、よくある質問を設置したことで、問い合わせ数を劇的に減らすことができたそうです。
「自社ECでは絶対できなかったし、信頼を失っていたかもしれない」 1日2,800本を販売した「チーズテリーヌ」ショップがBASEで目指す姿とは
そのほか、発送は、伝票作成などの業務を簡略化できれば、かなりの時間を短縮することができます。
「BASE」では、ヤマト運輸と連携したサービスや「送り状データダウンロード App」によって、効率的に運用がおこなえるようになっています。
視点3. カゴ落ちへの対策

ECサイトの売上向上や安定を実現するためには、「カゴ落ち」への対策が必要です。
「カゴ落ち」とは、お客様が商品をショッピングカートに入れたものの、購入には至らなかった状態のこと。
<マーケティングリサーチキャンプ>が実施した調査結果によると、このカゴ落ちを経験したお客様は、70%以上にものぼることがわかっています。
つまり、カゴ落ち対策を徹底することで、売上アップにつながる可能性があるのです。
カゴ落ち対策としては、以下のような方法があります。
対策 |
送料の無料化 |
配送手段の充実 |
配送日指定の導入 |
納期を明確にする |
手数料をおさえる |
決済手段を豊富にする |
会員登録の手間を減らす |
セキュリティの強化 |
レビュー評価を集める |
チャット機能の導入 |
カゴ落ち対策については、下記の記事でくわしく解説していますので、参考にしてみてください。
視点4. 集客・販売促進

ECサイトを作成して出品すれば売上が見込める、というわけではありません。
ショップ開設をしたあとは、集客や販売促進活動をおこなわなければ、安定した売上やその向上は期待できません。
集客、販売促進の対策方法としては、代表的なものは、下記の3つです。なかでも、とくに集客経路の把握は重要です。
・SNSや広告による集客
・SEOの設定
・集客経路の把握
▶︎SNSや広告による集客

SNSや広告の活用は、ECサイトの集客アップにおいて、有効的な手段です。
SNSは非常に拡散力があり、口コミなどによって評判が広がりやすいです。ECサイトの商品やブランドを広めるうえでは、欠かせない存在といえるでしょう。
InstagramやTwitter、note、さらにはYouTube、TikTokなど、それぞれのSNSの特性を活かして情報やコンテンツを配信し続ければ、投稿がバズって、一気に知名度が上がるケースもあります。
たとえば、InstagramやYouTube、TikTokには、画像や動画によって、テキストよりも多くの情報を伝えられる、という特性があります。
Twitterは拡散力が高く、noteには多くのテキスト文字で情報発信できる、という特徴があります。各々のSNSの特性を活かして、上手に情報発信しましょう。
SNS以外にも、Web広告によって集客や販売促進をおこなうのも、一つの方法です。
Web広告は、成果がわかりづらいSEOと違って、広告費をかければ流入につながる可能性が高いです。
広告は難しいもの、と身構えてしまう方もいるかもしれませんが「BASE」を利用されている<LAND>様では、はじめてのInstagram広告運用によって、成果が拡大しました。
まず、一度トライしてみる価値はあるのではないでしょうか。
▶︎SEOの設定

ECサイトの集客アップを狙うなら、SEOの設定もできると、集客経路が拡大します。
「BASE」には、「SEO設定 App」という拡張機能があります。このAppをインストールすることで、ショップのトップページや各商品ページに「keyword(検索キーワード)」や「description(説明文)」を設定することができます。
下記の記事も、参考にしてみてください。
▶︎集客経路の把握

どこからお客様を集めるのか、といった集客経路を考えることも大切です。
たとえば、SNSやyoutube、自社のブログ、関連会社のホームページなどからの流入です。広告や口コミサイト、キュレーションサイトなども、ネットショップへの集客経路になるでしょう。
集客経路となり得る媒体をいくつかピックアップし、自身のECサイトにとって、もっとも相性がよい集客経路はどこなのか、考えてみましょう。
なお、「BASE」で集客経路を考える場合には、ショッピングアプリの活用も選択肢に入れましょう。
ショッピングアプリ「BASE」は、さまざまな「BASE」ショップが集まったショッピングモールであり、累計で700万件ダウンロードされています。
自身のショップに登録した商品は、自動的にこのショッピングアプリ上にも表示されます。ショッピングアプリの活用方法については、下記のページをご確認ください。
視点5. 訪問者の分析

集客対策に力を入れるなら、同時にECサイト訪問者の分析をおこなうべきです。たとえば、どの集客経路からユーザーが来ているのか、ということです。
この結果によって、現在の集客経路に注力するのか、もしくはほかの集客経路を探すのか、というような施策を立てることができるからです。
また、余力があれば、ユーザーが訪問することが多い時間帯も分析してみましょう。
訪問の多い時間や曜日がわかれば、タイムセールや新商品入荷のタイミングなどに活用できるからです。
このあたりのかんたんな分析は、Googleanalyticsを使えば、むずかしい操作もなくおこなうことができますので、活用してみましょう。
視点6. リピーターの獲得

ECサイト運営においては、新規顧客の集客だけではなく、リピーターの獲得も、非常に重要なポイントとなります。
なぜなら、新規顧客の獲得よりも、リピーターの獲得の方が、一般的には容易だからです。リピーターの獲得に向けて、下記の点を検討してみましょう。
▶︎メルマガの導入
リピーター獲得の対策として、メルマガの導入は、一つの手段です。「BASE」では、「メールマガジン配信 App」をインストールすることで、メルマガ配信ができます。
メルマガに登録してもらうことで、お客様とのつながりが生まれるため、新商品の発売やセールなどのさいに、効率的に集客することができます。
▶︎顧客接点の見直し

リピーターの獲得につなげるためには、顧客接点の見直しも必要です。
たとえば、お客様がサイトを訪問してから商品を手に取るまでの、すべてのタッチポイントを洗い出してみて、改善できることがないか、振り返ってみましょう。
とくに気をつけたいのが、「その対応はお客様の期待値以下なのか、以上なのか」という視点。
期待値以上の顧客対応ができれば、好感を持ち、リピーターになる確率も高まりますが、期待値以下であれば、二度と購入してもらえないかもしれません。
期待値以上に満足してもらう方法としては、梱包のさいに手書きのメッセージを封入したり、オマケをつけたみたり、といった、ちょっとした工夫があります。
また、お問い合わせ時の対応なども、お客様が評価をする重要なポイントですので、期待値を上回れるように、改善してみましょう。
まとめ
ネットショップ運営における、基本的な視点をお伝えしました。
ネットショップの運営は、さまざまなこまかい業務が発生するため、業務プロセスのなかで、なにを改善するのがもっとも効率的か?ということを、つねに確認していく必要があります。
「BASE」オーナー様のインタビューには、そういったこまかな工夫なども掲載されていますので、ぜひご確認ください。