ECサイト運営の基本スキル。知っておきたい基本業務や運営ノウハウを解説

2024.09.06(更新:2024.10.11)

昨今の社会的背景もあり、ECサイトの競争は激化を続けています。

そんなEC業界にこれからチャレンジしたい、取り組んでみたいと思う方は多いはず。一方でEC運営というのは幅広く、「どんなスキルが必要なの?」と不安もあるかと思います。

そこでこの記事では、EC運営において最低限押さえておきたい基本スキルを、運営から集客までまとめてみました。

個人でも法人でも関係なく必須となる視点をまとめていますので、足りない部分があれば、積極的に改善してみてください。

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ECサイト運営に必要な7つの基本スキル・業務

ECサイト運営における基本的な視点と、具体的なアクションについて、お伝えしていきます。ECサイト運営はマーケティングから顧客対応や配送まで多岐に渡るスキルが必要となります。

デザインスキル①ショップデザイン(購入動線の設計) 

ECサイトの売上を左右する要素のひとつである、購入者にとって快適なサイト設計を取り上げます。ECサイトにおいて「目標達成」するために必要なのは「見やすさ」「購入しやすさ」の二つで語ることができるでしょう。

1.商品を買い物かごに入れるまで

商品がどこにあるのか、どんな商品なのか、など、デザイン自体の見やすさはもちろんのこと、操作性や、購入までのフローが簡易的かどうか、といった部分を意識したサイトを設計が必要です。

使いにくい、わかりにくい、見にくいサイト設計になっていると、ページの離脱や売上ダウンにつながります。

いわゆるUI(ユーザーインターフェイス)デザインなどと呼ばれるものです。いいUIというのは、ユーザーが目標を達成しやすく、悪いUIというのはユーザーが目標を達成しにくいと理解できます。

「使いやすいデザイン」

  • 画像とテキストのバランスが良い
  • 全体の色合いが統一されている
  • スマホ表示でも見やすい

「使いにくいデザイン」

  • テキストが多く見にくい
  • 目立たせたい箇所がすべて違う色で目がチカチカする
  • スマホ対応(レスポンシブ)ではないためテキストが小さすぎる

2.買い物かご以降の購入画面

商品が見やすくても、実際に購入までの手順がわかりにくいと、購入に至らない可能性もあります。購入までの手順がわかりやすいかどうかも、忘れずに確認しましょう。

具体的には、次のようなポイントです。

「購入までがわかりやすいデザイン」

  • 購入ボタンがわかりやすい
  • 購入完了までの流れが、一目瞭然である
  • 購入完了までのページ推移がすくない

サイトデザインについては、下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

売れるネットショップのデザインとは?ポイントや最新トレンドを解説

UIについては資格もある

UIデザインについて学びたい場合は、「Webデザイナー検定」という検定もあります。Webサイトのデザインに特化した検定で、コンセプトメイキングからUIまでカバーしており、体系的に知識を得ることができるでしょう。実際に検定を受けなくても、対応書籍などを読むことで、WebサイトやECサイトにおいて基礎となる知識を得られるでしょう。

デザインスキル②梱包・ラッピング 

受注データをもとに検品・梱包し、伝票を貼り顧客のもとへと配送します。

ECショップにおいてはこの梱包作業が他ショップとの差別化ポイントにもなるので、手を抜くことなく考えていくことが必要です。

というのもECでは、顧客が最初に目にするのが梱包された商品だから。つまり、顧客とショップとの最初の接点が生まれる場所。

たとえばそこに手書きのメッセージなどが入っていると嬉しいですし、丁寧に几帳面に梱包されていればショップへの高感度も上がります。

このように梱包一つで顧客の満足度を高めることもできるので工夫を考えてみましょう。

オリジナルパッケージは好印象となる傾向があります。ショップのロゴが入ったボックスやラベルは、ショップの世界観が表現できるほか、「丁寧でこだわりのあるショップ」と認識してもらえるケースが多く、リピート購入や口コミの高評価につながるかもしれません。

BASEでは、独自デザインの梱包材を低ロット低単価で作成できる「canal App」というサービスがあり、かんたんにショップ独自のオリジナルパッケージが作れます。

ネットショップでの梱包方法!基礎知識から満足度を高める工夫の仕方まで

そのほか、発送は、伝票作成などの業務を簡略化できれば、かなりの時間を短縮することができます。BASEでは、ヤマト運輸と連携したサービスや「送り状データダウンロード App」によって、効率的に運営できるようになっています。また一定の物量を配送するようになってきたら配送会社と交渉し、価格を下げるなどの試みも必要です。

ネットショップの送料の決め方や安く抑えるコツを徹底解説!

マーケティングスキル①商品撮影・登録

素晴らしいコンセプトと素晴らしい商品があったとしても、その魅力を十分に伝えられなければECサイトで売上を伸ばすことはできません。商品を魅力的に見せる「商品撮影」、そして顧客の不安を取り除きつつ商品の魅力を伝える「商品説明文」の作成はECサイト運営に必須です。

とくにこの業務で重要なのは、商品画像と商品説明を相互に補完させることで顧客に「買いたい」と思わせること。

「売れるショップ」になる!活用したいオーナー向けの商材10選

撮影・採寸・原稿の頭文字を取った、ネットショップ運営の「ささげ業務」の内容とポイントは次のとおりです。

  • 撮影:ネットショップやSNS、広告などに掲載するための、商品写真の撮影。商品の色味や造形を伝えるための「物撮り」だけでなく、商品の使用シーンをイメージできる写真も求められる。静止画だけでなく動画を掲載するのもおすすめ。

【商品写真講座】スマホOK!誰でもかんたんに「売れる商品」の写真が撮れるポイントを紹介

  • 採寸:商品のサイズを測る業務。商品到着後に卸売業者が表記しているよりも細かいサイズまで採寸することで、顧客が商品を具体的にイメージしやすくなる。
  • 原稿:商品説明ページの、商品名、商品説明文、キャッチコピーなどを作成する業務。検索エンジンから評価してもらうためのSEO対策を実施すると、集客率アップにつながる。

商品説明はどんなふうに書けばいいの?売れているショップの傾向

また、BASEで売れているショップには、次のような特徴がありました。

  • ショップの説明が600文字〜1,000文字、書かれている
  • 商品画像が1商品あたり5枚以上、登録されている

これによると、ささげ業務だけでなく、口コミ獲得の重要性がわかります。ショップの信頼度を上げて売上につなげるため、口コミ投稿への割引やクーポン配布など、口コミキャンペーンを実施するのも一つの方法です。売れているショップの傾向については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

マーケティングスキル②集客

ECサイトを作成して出品すれば売上が見込める、というわけではありません。

ショップ開設をしたあとは、集客や販売促進活動を行わなければ、安定した売上やその向上は期待できません。

ECサイト運営においてもっとも重要であるといっても過言ではないのが、このWebマーケティングの領域です。

ただWebマーケティングといっても内容はさまざまです。ECサイトの集客・Webマーケティングにおいて最低限知っておきたいのは下記の4つの内容です。

  • SNSによる集客
  • SEOによる集客
  • 広告による
  • SNSやSEO、広告以外の集客経路の分析

■SNSによる集客

SNSの活用は、ECサイトの集客アップにおいて、有効な手段です。SNSは非常に拡散力があり、口コミなどによって評判が広がりやすいです。InstagramやX(旧Twitter)、note、さらにはYouTube、TikTokなど多岐に渡りそれぞれで特性が異なります。

自分のショップに合う媒体を活用するのが成功への近道です。もし今からSNS運用を始めるのであれば、Instagramがおすすめ。画像を使って多くの情報を与えられることに加え、検索機能も充実してきたため多くの顧客にリーチさせることができます。

とくに最近では、画像だけでなくテキスト情報も合わせて発信することで雑誌のように活用するアカウントも少なくありません。またInstagramは、ECサイトへの動線も非常に取りやすいメディアとなっているので、第一に選択したいSNSです。

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複数のSNSを並行して活用したり、ターゲット層に合わせて活用するSNSを絞り込んだりするのも一つの方法です。たとえば、若年層をターゲットとしているならTikTok、20〜30代以降の年齢層をターゲットとしているならX(旧Twitter)といったように、SNSごとにユーザー層や利用用途が違うので、自身のショップや商品との相性を考えて選んでみてください。

SNSを利用する人が増える時間に投稿するのも、反応率アップのために重要なポイントです。平日と休日でSNSを利用する人が増える時間帯が変わるので、それぞれ参考にしてみてください。

  • 平日7時~8時/ 15時~17時/ 20時~22時
  • 土日12時~13時/15時~17時/ 20時~22時

■SEOによる集客

SEOによる集客ができると、お金をかけずに大きな売上アップを狙うこともできます。SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、Googleなどの検索エンジンで上位表示されることを目的とするものです。

たとえば、「黒毛和牛 お歳暮」などのワードで上位表示することができれば、お歳暮を探す膨大な数の人に「無料で」自社のショップに来てもらうことができます。

おもなSEO対策の例は次のとおりです。

  • オウンドメディアの記事タイトルや見出し、ECサイトの商品タイトルや説明文に関連KWを含める
  • 画像の説明であるalt情報を設定する
  • サイトの表示速度を気にする
  • スマホユーザーに寄り添った構造にする

ただ、SEOは成功すれば大きな売上を挙げられるため競合との争いも熾烈になりますし、かなり専門的なスキルも必要になるため、長い目線でチャレンジする必要があります。

なおBASEには、「SEO設定 App」という拡張機能があります。このAppをインストールすることで、ショップのトップページや各商品ページに「keyword(検索キーワード)」や「description(説明文)」を設定可能です。

SEOについては下記の記事も参考にしてみてください。

ショップ集客につながる「SEO」について学ぶ BASEにおけるSEO設定

■広告による集客

SNS以外にも、Web広告によって集客や販売促進を行うのも、一つの方法です。Web広告は、広告費をかければ流入につながるため、即効性が高く効果検証がしやすいのが特徴です。

広告は難しいもの、と身構えてしまう方もいるかもしれませんがBASEを利用されている<LAND>様では、はじめてのInstagram広告運用によって、集客が拡大しました。まず、一度トライしてみる価値はあるのではないでしょうか。

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ECサイトでの広告としては「リスティング広告」と呼ばれる検索エンジンに広告を出す方法と、「SNS広告」と呼ばれるInstagramなどのSNSに広告を出す方法があります。どちらも非常に有効ですが、商材によるところもあるため、まずはどちらも試してみて自分のショップに合う広告媒体を見つけることが成果拡大につながります。

また、広告を出稿したからといって、必ずしも成果が出るとは限りません。広告の効果を最大限に引き上げるためには、性別や年齢といった基本的な項目だけでなく、「どんな生活スタイルか」「職業や趣味は何か」といった部分まで掘り下げて、理想の購入者像を設定し、適切なターゲティングを行う必要があります。

広告を出稿したら、分析しながら費用対効果を検証し、改善するための施策を実施するといったPDCAサイクルを回し続けることで、最低限のコストで効果のある広告運用ができるようになります。

■SNSやSEO、広告以外の集客経路の把握

SNS・SEO・広告以外にも、集客につながっている経路があるかもしれません。たとえば、自社のブログや関連会社のホームページなどからの流入です。他にも口コミサイト、キュレーションサイトなども、ネットショップへの集客経路になるでしょう。

そのため、どこから顧客を集めるのが効果的か、といった集客経路を考えることも大切です。集客経路となり得る媒体をいくつかピックアップし、自身のECサイトにとって、もっとも相性がよい集客経路はどこなのか、考えてみましょう。

なお、BASEで集客経路を考える場合には、ショッピングアプリの活用も選択肢に入れましょう。ショッピングアプリ「Pay ID」は、さまざまなBASEショップが集まったショッピングアプリであり、累計ID登録者数は1,400万です(※2024年5月時点)。

自身のショップに登録した商品は、自動的にこのショッピングアプリ上にも表示されます。ショッピングアプリの活用方法については、下記のページをご確認ください。

好きが、買える。BASEで作られたショップで利用できるショッピングサービス | Pay ID

とはいえ、どの手法であれその道のプロが存在する難しい世界。まずはどこに注力するかを定めて、一つずつ注力し、効果検証していくい必要があります。その他広告含め、ネットショップ集客については下記の記事を参考にしてください。

ネットショップで集客する方法と、商品を売るために絶対に必要な考え方

マーケティングスキル③分析と改善

ECサイトの売上アップには分析も必要です。たとえば集客であれば、どの集客経路から顧客が来ているのか、どの時間帯に訪問されることが多いのかなどを分析します。訪問の多い時間や曜日がわかれば、タイムセールや新商品入荷のタイミングなどに活用できるからです。

そのほかにも、購買単価の高い顧客属性を分析することで新商品の仕入れなどにも活用することができるため、ECサイト運営者にとっては必須とも言えるスキルです。

また、分析結果をもとに目標の達成率を計算すると、続けるべき施策や改善点が見えやすくなります。たとえばECサイト運営におけるKGI(経営目標達成指標)を売上金額で設定している場合、KGIを達成するためにクリアする必要のある部分的な目標であるKPI(重要業績評価指標)は、「広告のクリック率◯%」「アクセス数◯人」などに設定するケースが一般的です。

また広告を実施した時に見るべきポイントは、「どこからの集客が多いか?」ではありません。見るべきポイントとしては、まず「かけたコストに対する売上(ROAS)」を見るといいでしょう。

■ROAS

ROASとは(Return On Advertising Spend)の略で、投じた広告費から得られる売上のことで、以下の計算式で算出できます。。

ROAS(%)= 売上 ÷ 広告コスト × 100

たとえば1,000円広告を出して1,000円の売上であれば、ROASは100%になります。売上が10,000円であれば1,000%になります

売上 1,000円 ÷ 広告コスト 1,000円 = ROAS 100%

売上 10,000円 ÷ 広告コスト 1,000円 = ROAS 1,000%

つまりROASが高いほど、効率のいい広告となります。ECサイトにおいては集客することが目的ではなく、あくまで売上を伸ばすことが目的なので、こういった指標を見ることが重要です。

■SNSやSEOは時間がかかる施策のため、単純にROASでは測れない

注意すべきなのはSNSやSEOの効果検証です。これらの集客方法は、やればすぐに成果が出るものではなく、効果が出るまでに時間を要します。そのため、単にROASで評価すると「パフォーマンスが悪い」となってしまいますので、媒体や施策に合わせた評価が必要ということも頭に入れておきましょう。

また、BASEのデータページでは、13項目の数値を確認することが可能です。

  • 売上金額
  • 注文数
  • 商品別注文点数
  • 平均注文単価
  • 注文者数(新規・リピーター)
  • Webショップ閲覧数(PV)
  • 商品別閲覧数
  • SNS経由の流入数(Webのみ)
  • アプリショップ閲覧数(SV)
  • フォロワー数
  • お気に入り数
  • 商品別お気に入り数
  • 総合ショップランキング

思ったように商品が売れていない場合は、データページから取得できるデータをもとに、原因を分析してください。

BASEで取得できるデータを生かした分析例

ビジネススキル①商品企画

下記のネットショップのはじめかたの記事でも解説していますが、ECサイトを成功させるために必要なのは、他社との差別化です。その差別化の最たるものが、コンセプト作りや、コンセプトに沿った商品企画となります。(ただ差別化といっても奥は深く商品や価格による差別化、ストーリーによる差別化など多岐にわたります)

ネットショップ経営で生き残るために必要な、差別化の6つの方法

自分がネットショップオーナーとして立ち上げるのであれば、まずはコンセプトの立案が必要ですし、プレイヤーとして参画する場合は、コンセプトに沿いつつ、トレンドや顧客の属性をふまえた商品企画が必要です。

商品企画に関しては、実際に制作する商品を企画する場合もあれば、既製品を仕入れる場合もあります。いずれの場合にも必要なのは「顧客の需要」「自社の方向性」「収益計画」をもとに、必要な商品を必要なタイミングで提供できるようにすることです。商品企画に関しては以下の記事を参考にしてみてください。

最適な「販売価格」の決め方は?計算方法や原価率が高い場合の対処法も解説

【オーナーズインタビュー/Bull.Tokyo】ブランド作りにはコンセプトワークが重要

また商品を企画するさいには、そもそもそれらの商品はどこから仕入れられるのか?ということも把握しておく必要があります。仕入れ・製造の方法については下記の記事を参考にしてみてください。

ネットショップの8つの仕入れ方法を、仕入れ手順とあわせて解説!

■仕入れ

事前に立てた販売計画をもとに、商品の仕入れや製造を行います。売上予測は重要な指標となりますが、予測以上に売れると販売機会の損失につながります。反対に在庫を抱えると在庫を保管するスペースにかかるコストが発生したり、廃棄しなければいけなくなったりする場合もあるので、できるだけリスクを減らした仕入れ計画を立てましょう。

【おもな仕入れ方法の例】

  • ネットの仕入れサービスを利用する
  • 見本市などのイベントに参加する
  • メーカー・作家と直接交渉する
  • 卸問屋・問屋街で仕入れる
  • 海外から仕入れる
  • OEMを利用する
  • ドロップシッピング(無在庫販売)を利用する

仕入れ先を決定する時は、欠品を防ぐために複数の仕入れ先を確保したり、在庫を抱えずに販売ができるドロップシッピングを検討するのがおすすめです。また、継続的に仕入れが可能か、円滑にコミュニケーションが取れるかどうかを判断基準にすると、安心して取引ができる仕入れ先が見つかりやすくなります。

ネットショップの8つの仕入れ方法を、仕入れ手順とあわせて解説!

ビジネススキル②受注/在庫管理/顧客管理

もっとも基本的な業務とも言えるのが、受注と在庫管理作業です。必要な時に必要なものを顧客に届けられるように確実な在庫管理とミスのない受注作業が必要です。

ただし在庫管理はミスが発生しやすい業務の一つ。在庫管理を手入力で行っているのであれば、在庫管理システムや外部の在庫管理サービスを活用することもできます。

受注管理を正確に進めるためには、定期的な業務フローの見直しの実施がおすすめです。業務を細かく書き出し、無駄な業務や漏れている業務、重複している業務がある場合は改善しましょう。また、外部にECサイト運営を委託するアウトソーシングサービスの利用を検討するのも一つの方法です。

ネットショップの在庫管理方法と選び方!代表的な在庫管理システムも紹介

また、リピーターを獲得するためには、顧客セグメントごとのアプローチが大切です。BASE顧客管理機能は、顧客セグメントごとにメルマガ配信ができるので、新規客をリピーターに育成するのに役立つほか、メルマガ配信にかかる手間を減らすことができます。

複数のショップを持っていたり実店舗と並行して運営したりしている場合は、一元管理できるシステムの利用を検討してみてください。BASEでは、次のような便利なサービスを提供しています。

  • スマレジスマレジ(実店舗)とBASE(ネットショップ)の商品在庫や売上を一元管理できるサービス。
  • ロジモプロ:ロジモプロ倉庫に商品が入荷されたらBASEの在庫を自動で更新。商品の注文が入ったらロジモプロ倉庫に自動で出荷指示。
  • TEMPOSTAR:BASEを含む複数ショップの受注処理を自動化し、受注情報と各種メール配信、帳簿出力等を一元化できるサービス。

ECサイトに必要なスキルはECの形態によっても変わる 

ここまでECサイト運営に必要な基本的スキルをご紹介してきましたが、実際に必要なスキルはECの形態によって変わります。ECの形態というのは、<楽天>などのモール型ショップなのか、BASEなどのネットショップ作成サービスを使ったものなのか、独自で複雑なシステムを作っているECなのかということ。

モール型とASP型(ネットショップ作成サービス)でネットショップ運営を行う時に必要なスキルは次のとおりです。

モール型

ASP型

・商品企画(競合が多いため高い企画力が求められる)

・Webマーケティングスキル

・データの分析と改善力

・カスタマーサポート対応

・商品企画

・Webマーケティングスキル(モール型よりも高い集客力が求められる)

・ECサイトの作成スキル(クリエイティブ)

・データの分析と改善力

・カスタマーサポート対応

モール型は集客力が高く、商品が売れやすい反面、ASP型よりもランニングコストが高くなったり、類似性の高い商品へアクセスしやすいためほかのショップとの価格競争に発展する可能性が高かったりする、などのリスクがあります。

またBASEであれば、基本的にプログラミングスキルなしで、デザインの編集や機能の追加などができますが、そうでない場合はプログラミングのスキルや知識なども必要になってくる可能性があります。

また自社でECを作っている場合は、セキュリティに関する担当者など必要になるなどさまざま。こちらに関しては下記の記事も参考にしてみてください。

通販サイトの作り方。種類ごとのメリット・デメリットや作成手順を比較

ECサイトの運営に必要な費用 

ECサイトの運営に必要な費用は、利用するサービスごとに違います。それぞれにかかる費用の目安は次の通りです。

モール型
(楽天:スタンダードプラン)

ASP型
BASE:スタンダードプラン)

ソフトウェアインストール型

初期費用 60,000円

月額費用 65,000円(半年ごとの2回分割払)

システム利用料 月間売上高の2.0~4.5%

決済手数料(楽天ペイ利用料) 2.5~3.5%

初期費用0円

月額費用0円

システム利用料3%

決済手数料3,3%+40円

クラウドEC 10万円~100万円 

サービス利用料(~10万円)

・レンタルサーバー、ホスティング費用

・独自ドメインの取得・維持費用

・独自SSLサーバー証明書の取得・維持費用

・決済代行会社の契約料

 

BASEは初期費用、月額費用無料でネットショップが開設できるスタンダードブランをはじめ、有料プランであるグロースプランもあります。

グロースプランは月額費用を支払うことで決済手数料が抑えられるほか、システム利用料が無料になるので、ECサイト開設時はスタンダードプランに、売上が伸びてきたらグロースプランに移行するのも一つの方法です。

ネットショップの出店費用や手数料を比較!成功するサービス選びの6つの方法を紹介

ECサイトの運営に必要な体制 

ECサイトの運営に必要な体制は、ECサイトの規模や予算によって変わってきます。運営スタッフの人数と業務内容、業務フローをもとに、役割分担や配置を決定しましょう。この時、無理な業務量や無駄な業務が含まれていないか、しっかりチェックしましょう。

小規模のECサイトなら1人でも運営することができます。機能が豊富なASPを活用したり、アウトソーシングサービスを活用したりすれば、少ないリソースでも効率的にECサイトの運営が可能です。

ネットショップは1人で運営できる?メリット・デメリットや成功に導くコツを紹介

ECサイト運営のスキルアップに役立つ書籍

ECサイトの運営を軌道にのせるためには、運営業務を効率化するのはもちろん、ECビジネスにおける知識やノウハウを身につけることも大切です。ECサイト運営のスキルアップに関する書籍のなかでも、とくにおすすめしたい3冊を紹介するので、気になったものがあればぜひ勉強してみてください。

「売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則」 

EC業界では有名な一冊で、研修用テキストに採用している企業もあるほどの良書です。取扱商品を4タイプに分類して、各タイプの強みを生かした集客やリピート促進手法が学べるほか、図解やキャプチャ画像が多くてわかりやすいため、これからECサイトを始めようと思っている初心者や、ECサイトを開設したばかりの方にもおすすめ。ECサイト運営に伸び悩んでいる方にも役立つはずです。

「公式本 こうやれば簡単に売れる! BASE 120%活用術ネットショップ開業から集客・販売の方法まで」 

ネットショップ作成サービス「BASE」に特化した、ありそうでなかった活用ガイドです。初期費用、月額費用無料のBASEは、豊富な機能を自由にカスタマイズして独自のECサイトを運営できることから、多くの人が利用するサービスです。

ショップ開設から、自分ならではのおしゃれなショップにデザインする方法、多くの人に認知してもらう集客ノウハウ、商品のスムーズな売買まで学べるので、この一冊でスムーズにショップ開設まで進めることができます。知識ゼロ、初心者の方におすすめしたい一冊です。

EC業界のことを詳しく知りたい!ECの基礎知識や職種、将来の展望などについて紹介!

ECサイト運営のスキルを高めるには自分で運営してみること

ECサイト運営のスキルは多岐に渡りますが、もっとも早く習得するには、実際にECサイトを立ち上げて運営してみることです。実際に課題に直面することで、その都度熱量の高い学びを得ることができます。これは、どんなに座学で学んでも学べない領域。

BASEであれば初期費用も月額費用も無料でECさいちを立ち上げることができますので、まずはBASEでECサイトを立ち上げてみましょう。

「パソコンすらろくに触れない」という方も安心してください。BASEでショップを開いている方の中には、「パソコンの操作方法はまったくわかりません」という方も多数いらっしゃいます。そういった方でもかんたんに使えるのがBASEの魅力。下記の記事もぜひ参考に、ECサイト運営にチャレンジしてみてください。

実店舗とオンラインの同時運営で生まれる相乗効果。 人気雑貨店に訊く、変化する実店舗の役割と、同時運営成功の秘訣

インタビュー記事一覧はこちら

 

ネットショップ運営に関する資格や検定もあります

EC業界が未経験な方にとっては、「知識を体系的に学習したい」という方もいるかもしれません。そんな場合は、ECに関する資格や検定も検討してみてください。

ネットショップやEC運営の資格・検定おすすめ18選!メリットも解説

詳しくは上記の記事で詳しく解説していますが、たとえば以下のような資格や検定が存在します。

  • ネットショップ実務士

→今回紹介したようなネットショップ運営にまつわる全体の知識を3つのレベルに分けて受験することができます。かなり実務的な内容となっているため、体系的に学びたい方にはぴったりです。

  • 通販エキスパート検定

→通販業務における業務や法律、マネジメントなど実務よりももう少し上流部分に重きを置いた検定となっています。

  • ITパスポート試験

→「EC」というよりは、ITスキル全般に関する知識を問われる国家試験です。

  • Webデザイン技能検定

→Webサイトのデザインに関するスキルや知識の国家試験で、コーディングなども含めた実践的な試験となっています。

  • Webデザイナー検定

→Webデザイン専門の方だけでなく、マーケティングなどの業務に関わる方にも必要なUIやコンセプトなども含めた検定となっています。

  • HTML5プロフェッショナル認定資格

→Web業界で求められる知識を体系的にまとめた試験。HTML5をはじめ、CSS3・JavaScriptなどにも言及した実践的な資格試験。

  • Webクリエイター能力検定

→Webサイトのデザイン力やコーディング力など、Webクリエイターとして身につけておきたいスキルが備わっているかどうかを判断し、認定することを目的としている。

  • ITストラテジスト試験

→ITストラテジストは、システム開発やコンサルティングなど、幅広い分野に精通した知識を持つことを証明する資格。情報処理技術者試験の区分のなかでも最高難度に位置する。

  • マーケティング・ビジネス実務検定

→「初心者から経験者まで幅広い層に対して、マクロからミクロまでの幅広いマーケティングの知識や実務スキルを評価・認定する」ことを目的にした試験。

  • Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

→Googleアナリティクスの習熟度を認定する資格。認定資格試験に合格した個人に付与される。

  • ウェブ解析士

→ウェブ解析・マーケティング知識を習得、Webマーケティング業務全般の効率的な遂行を目指す資格。

  • Webアナリスト検定

→Webアナリストに求められる基礎的な知識について証明することができる認定資格。

  • ネットマーケティング検定

→ビジネスの企画・立案に活かせるマーケティングサイドに立った、体系的、網羅的に学習する本格的な検定。

  • WACAウェブ解析士

→体系的にウェブ解析を学ぶことができ、ウェブ解析に関連する用語やウェブ解析コンサルの基礎力を身につけるための資格。

  • 中小企業診断士試験

→経営コンサルタントとしての唯一の国家資格。企業をさまざまな角度から診断し、適切なアドバイスができる人を認定する。

  • 色彩検定

→色に関する知識と技能を問う試験。色彩やデザインの専門職でなくても、職場での業務改善や日常生活などに活かすことができる。

  • インテリアコーディネーター

→インテリアコーディネーターとしての役割からインテリア関連の法規、規格まで幅広く学びます。受験資格はなく、誰でも受験できる民間の資格。

  • コスメコンシェルジュ

→「あらゆる肌悩みに対して最適な化粧品を選びだせるプロフェッショナル」であることが証明される資格。

 

まとめ 

以上、ネットショップ運営に必要なスキルについて解説しました。ご覧いただいたように、ネットショップ運営には、マーケティングの知識や小売り、顧客対応など広範な知識が必要です。

これらの領域を、一から学んでいくのは非常に骨のおれる学習となりますので、実際にネットショップを作って、運営しながら学んでいくのが近道でしょう。

ネットショップ作成サービスのBASE」は、初期費用、月額費用無料で独自のECサイトがかんたんに開設できる人気のASP型サービスです。

集客や顧客管理、在庫管理、発送作業といったECサイト運営に欠かせない業務が効率化できる機能が揃っているほか、SNSやGoogle広告、会計ソフトと連携し、さまざまな項目が一元管理できるなど、上級者も満足できるサービスが揃っているのが特徴です。初心者でもかんたんかつスピーディーにECサイトを開設できるので、ぜひ検討してみてください。

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