
ハンドメイド作品を販売してみたものの、なかなか購入してもらえず悩んでいる人も珍しくありません。実際、ハンドメイドの商品は、販売開始から数ヶ月はなかなか売れにくいと言われています。
「minne byGMOペパボ」が 2022年に行った「ハンドメイド作家における副業調査」によると、月1万円以上の収入を得ているハンドメイド作家はわずか30%弱です。こだわって作ったハンドメイドが、思うように売れない原因は何なのでしょうか。本記事では、ハンドメイドが売れない原因と具体的な改善方法について解説します。
【この記事でわかること】
- ハンドメイドが売れない原因は「ニーズが少ない作品を扱っている」「販売価格が適正ではない」「写真で商品の魅力が伝わっていない」「SNSなど集客が不十分」といった点が挙げられる。
- ネットショップ販売にて、多数の購入者の声を参考に商品開発を行った事例を紹介。
そもそもハンドメイドはどのくらい売れる?

ハンドメイドはわずかにでも収入源にできますし、作品制作はもちろん、販売方法や集客の工夫次第で収入アップを目指せます。
ハンドメイドマーケット「minne byGMOペパボ」が 2022年に行った「ハンドメイド作家における副業調査」によると、ハンドメイド作家活動で収入を得ている方は約80%です。ただし、ハンドメイドの収入が月1万円以上の人は30%未満に過ぎません。月収10万円以上となると、わずか2%です。
ハンドメイドで高収入を得るのは簡単ではありませんが、しっかりと時間をかけて戦略的にハンドメイドを販売すれば、収入アップを目指せる可能性は十分あります。実際にハンドメイドで月収10万円以上の売上がある人の中では、作業時間を週に20〜30時間ほどかけているケースが多いという結果が出ています。
ハンドメイドが売れない原因と対策

ハンドメイド販売で十分な収入を得るには、単に作品を作るだけではない、戦略的なアプローチが必要です。ハンドメイド販売の収入が少ないと感じている方、これから本格的に販売を始めたいと考えている方は、まず「なぜ売れないのか」という原因をしっかりと把握しましょう。
ここからは、ハンドメイド作品が売れない代表的な原因と、それに対する具体的な対策を紹介します。
ニーズが少ない作品を扱っている
ハンドメイド作品づくりは、自分の「好き」や「得意」を活かせるのが大きな魅力です。しかし、自分が情熱を注いでいる作品が必ずしも多くの人に求められているとは限りません。市場のニーズと自分の作品がずれていると、どれだけ高品質な作品でも売上にはつながりにくいのです。
作品の方向性がニーズとずれてしまう主な原因は、「自分が作りたいもの」だけを追求してしまい、「誰が」「どんな時に」「どのように使うか」といった購入者目線が抜けることです。自分では作品のクオリティに納得していても、ほしいと思う人がいなければ売上が伸び悩む傾向にあります。
ニーズのある商品を扱うために、ブランドコンセプト自体を見直すのをおすすめします。まずは、「どんな人に買ってほしいか」というターゲットとなる人物像(ペルソナ)を具体的にイメージすることから始めましょう。「20代後半の仕事を持つ女性で、週末のお出かけに使える、シンプルで上品なアクセサリーを求めている」のように、年齢、性別、職業、ライフスタイル、趣味などを細かく設定してみてください。
ターゲットが明確になれば、彼らが求めるデザインや色、素材、価格帯などの方向性が見えてきます。自分の「好き」と、市場の「需要」のバランスをうまくとることで、より多くの人に響く作品づくりができるようになります。人気作家の作品や、SNSで話題になっている作品を参考に、市場のトレンドをリサーチしてみるのも良いでしょう。
販売価格が適正ではない
ハンドメイド作品の価格設定は非常に重要です。
ブランド力や知名度がない段階で価格を高く設定すると、「この価格を出すなら、他のお店の商品やブランド品を買おうかな」と、購入を思いとどまってしまいます。
一方、価格が安すぎても「品質は大丈夫かな?」と不安感を与えるリスクがあります。作家自身のスキルや作品の価値を安売りすることにもつながります。作品のデザインと価格が釣り合っていないと、適正なターゲット層に届かないこともあります。
適正な販売価格を計算するために、まずは「材料費+作業時間+経費」で原価を算出しましょう。そこに自分の利益を上乗せするのが、適正価格の基本的な決め方です。
もし、原価から計算した価格が市場の相場と大きくかけ離れている場合は、材料費や制作方法の見直しも検討しましょう。また、価格帯によってターゲット層が変わることを理解し、作品のクオリティやブランディングに見合う価格を設定することが大切です。
写真で商品の魅力が伝わっていない
ネットショップで作品を販売する場合、お客様は実物を手に取って見ることができません。そのため、商品写真があなたの作品の魅力を伝える唯一の窓口です。商品写真のクオリティが低いと、どんなに素晴らしい作品でもその魅力が伝わらず、購入にはつながりにくいでしょう。
<商品写真のNG例>
- 生活感のある背景で撮影している
- 暗い写真やピンボケしている写真を使っている
- 商品の全体像やサイズ感がわからない
- 写真の色味がバラバラで、ショップ全体に統一感がない
このような写真では、お客様は作品を魅力的に感じられず、購入後のイメージも湧きません。
商品写真は、次の2種類を用意することをおすすめします。
- コンセプト重視の「魅せる写真」:背景やライティング、構図にこだわり、ブランドの世界観を表現する写真は、作品が持つ雰囲気やイメージを伝え、お客様の心を掴みます。自然光を使い、シンプルで統一感のある背景で撮影すると良いでしょう。
- 実用性を伝える「見せる写真」:着用写真や使用シーンの写真など、実際に作品が使われている様子を想像できる写真は、商品のサイズ感や質感、ディテールを伝えます。手やモデルと一緒に写すことで、お客様により具体的なイメージを持ってもらえます。
ショップやブランド全体で写真の色味や雰囲気を統一すると、プロフェッショナルな印象を与え、ブランドイメージの向上にもつながります。本格的なカメラがなくても、スマートフォンのカメラでも十分魅力的な写真を撮れるので、撮影方法を工夫してみましょう。
商品説明文がわかりにくい
商品写真で興味を持ったお客様は、商品説明文を読んだうえで、購入するかどうか判断します。商品説明文が不十分だと、お客様は疑問や不安を感じてしまい、購入に至らないリスクがあります。
<商品説明文のNG例>
- サイズや素材などの基本的な情報が抜けている
- ハンドメイドならではの個体差について触れていない
- 商品のこだわりや想いが伝わらない
- お客様が気になる点に先回りして答えていない
商品説明文は、お客様が知りたい情報をすべて網羅することを意識して記載しましょう。
<商品説明文に記載すべき必須項目>
- 基本情報:素材、サイズ(長さ、重さなど)、色、使用しているパーツなど
- 取り扱い時の注意点:水濡れや汗、摩擦による変色・破損、保管方法など
- 作品のこだわり:なぜこの作品を作ったのか、どんな想いが込められているか
- ハンドメイドならではの注意点:多少の歪みや個体差、気泡が入る可能性など
お客様は、作品を手に取れないからこそ、たくさんの情報を求めています。購入者の「これってどうなっているんだろう?」という疑問を想像し、先回りして丁寧に記載することで、安心して購入してもらえるようになります。
もし文章を書くのが苦手なら、生成AIを活用するのもおすすめです。たとえばネットショップ作成サービス「BASE」で利用できる「BASE AIアシスタント」なら、作品の特徴を入力するだけで、魅力的な商品説明文を自動で作成してくれるので、ショップ運営の負担を軽減できます。
レビューが少ない
ハンドメイド作品を初めて購入するお客様にとって、レビューは非常に重要な判断材料となります。特に、価格帯が高い作品や、ハンドメイドならではの個体差がある作品は、購入者がより慎重になるため、レビューの有無が売上を大きく左右します。
購入時に口コミを参考にするお客様は多くいます。ショップにレビューが全くない、もしくは数が少ないと、購入を躊躇する原因になるかもしれません。
一般的に、5つ以上のレビューがあるショップは、注文数が増えやすいと言われています。レビューを増やすためには、購入者に対して積極的にレビューを依頼することが大切です。作品に添えるメッセージカードにレビューのお願いを記載したり、商品到着後にメールでレビュー依頼を送ったりする方法があります。
また、レビューを収集するには、ショップや販売プラットフォームだけでなく、SNSを活用するのもおすすめです。Instagramなどでお客様が作品のメンションやタグ付け投稿をしてくれたら、ストーリーズで拡散してみてください。購入者と積極的にコミュニケーションをとることで、レビューを増やし、購入者との関係を深められます。
集客が不十分
どんなに素敵な作品を作っても、お客様に見てもらえなければ売上にはつながりません。ハンドメイド販売は「待っているだけ」ではなかなか売れないのが現実です。SNSで情報発信しているつもりでも、InstagramショッピングやYouTubeショッピング機能、TikTok Shopなど、各SNSのショップ機能と連携していないと、機会損失になってしまいます。
さまざまなプラットフォームを活用して集客して、作品をより多くの人に見てもらう機会を増やすことが重要です。作品写真や動画を定期的に投稿したり、制作過程を公開したりすることで、お客様にあなたの作品やブランドに興味を持ってもらえます。
ただし、minneやCreemaといったハンドメイドマーケットプレイスや、メルカリのようなフリマアプリには、SNSのショップ機能との連携サービスが備わっていません。SNSの投稿を見て商品が気になっても、商品販売ページのリンクへ誘導できないので、販売機会を逃してしまうリスクがあります。集客により力を入れたいなら、SNSと連携できるネットショップを活用するのがおすすめです。
また、新規顧客の獲得だけでなく、リピーターを大切にすることもとても重要です。一般的に、売上の70〜80%は、20〜30%のリピーターによって支えられていると言われています。SNSのように継続的に接点を持てる場で積極的に発信することで、購入者のファン化を促進でき、作品が安定して売れやすくなります。
商品と相性が悪い販売プラットフォームを利用している
ハンドメイド作品をどこで販売するかは、売上を左右する重要な要素です。プラットフォームによって、集まるお客様の層や、できること・できないことが大きく異なります。
ハンドメイド専門のマーケットプレイスは集客力がありますが、一方で多くのライバルが存在し、価格競争に巻き込まれやすいという側面もあります。
「ハンドメイド専門のマーケットプレイスばかりで、他の作家と常に比較される」
「ブランディングを強化したいが、プラットフォームの規約やデザインの制約でうまく表現できない」
「お客様との直接的なコミュニケーションがとりにくい」
そんな悩みを抱えている方は、独自デザインのネットショップを作成するのがおすすめです。
ネットショップ作成サービス「BASE」は、ハンドメイド作家に特におすすめです。他のブランドと比較されにくく、自分のブランドの世界観を自由に表現できるため、ブランディングがしやすいというメリットがあります。集客の面でも、InstagramやTikTok、YouTubeのショップ機能との連携や、累計登録者数1,600万人(2025年3月時点)のショッピングアプリ「Pay ID」など、機能が充実しているため、ハンドメイド販売に最適なプラットフォームと言えるでしょう。
BASEで売上が伸びたショップの事例

ここでは、実際にBASEを利用して売上を伸ばしたショップの事例を紹介します。
老舗印刷会社がハンドメイド作家の声で事業を立て直し|だいし屋

東京都の老舗印刷会社「藤田製版印刷」は、長年培ってきた印刷技術を活かし、EC事業に参入しました。同社が目をつけたのは、ハンドメイド作家向けのアクセサリー台紙やパッケージ、ギフトボックスといった商材です。
「だいし屋」というネットショップをBASEで立ち上げた当初は、既存の印刷会社の視点で「こういう商品なら売れるだろう」と予想して商品を開発していました。しかし、なかなか思うように売上が伸びないという壁にぶつかります。
そこで、「お客様はどんな台紙を求めているのか?」「どんなパッケージがあれば、もっと作品が魅力的に見えるのか?」といった疑問を解消するため、BASEのショップ機能を通じて購入者の声を収集し、商品開発に活かしました。
あるお客様から「アクセサリーをギフトとして渡すための箱が欲しい」という声を聞き、試行錯誤の末に生まれたのが、アクセサリー台紙と透明なフックをセットにしたオリジナルのギフトボックスです。これは、ハンドメイド作家が求めていた「おしゃれで使いやすい、ちょうどいいサイズのパッケージ」として大ヒットしました。
BASEのような販売プラットフォームを、単なる販売の場としてだけでなくお客様とコミュニケーションをとるための重要な場として捉えることで、ネットショップを成功させました。お客様の声を直接聞ける環境を整えれば、ニーズを正確に把握でき、新たな商品開発や売上アップにつながります。
ハンドメイドが売れない場合、よくある質問

ハンドメイドが売れないと悩む人が抱えやすい疑問・質問にお答えします。
ハンドメイドが売れない時期は?
ハンドメイド作品は、販売を開始してから数ヶ月間はなかなか売れないケースが多いと言えます。これは、ショップの知名度がまだなく、お客様に見つけてもらうまでに時間がかかるためです。
この時期に焦って作品づくりをやめてしまったり、価格を下げすぎたりするのはもったいないことです。焦らず、長期的な目線でショップ運営に取り組むことが大切です。まずは作品数を増やしながらSNSでの発信を継続して行い、ショップの魅力を高めていきましょう。
ハンドメイドがよく売れる人と売れない人の違いは?
売れるハンドメイド作家と、売れないハンドメイド作家の最も大きな違いは、購入者目線で継続して活動できているかです。
売れる作家は、自分が作りたいものを作るだけでなく、作品づくりや価格設定、商品写真、商品説明文、集客活動など、ショップ運営のあらゆる面で、常に購入者目線を大切にしています。お客様が何を求めているのかを常に考え、その期待に応えようと努力を続けることが、成功へのカギとなります。
ハンドメイドで売れるジャンルは?
ハンドメイドで売れやすいジャンルとして、アクセサリーやジュエリーが挙げられます。市場規模が大きく、ファッションアイテムとして需要が高いため、多くの作家が参入しています。
しかし、人気ジャンルはライバルも多いため、いかに自分の作品の個性を際立たせ、お客様に選んでもらうかが重要になります。人気ジャンルであっても、ターゲットを明確にし、他にはない独自の魅力を打ち出すことができれば、売上を伸ばすことは十分に可能です。
まとめ
ハンドメイドが売れない原因は作品そのものや価格設定、ショップでの伝え方、集客などさまざまです。ターゲットを見直したうえで、購入者目線でハンドメイド作品や販売方法を調整することで、売上の改善につながるでしょう。また、ハンドメイドを販売しているプラットフォームがターゲットや作品に合っていない可能性もありますので、ターゲットに作品をより多く届けられるように販売プラットフォームも再検討するのもおすすめです。
ネットショップ作成サービス「BASE」でも、ハンドメイドを販売して順調に売上を伸ばしているオーナーがたくさんいます。商品が売れるまで無料でショップを運営できるプランもあり、SNSとの連携や、累計ID登録者数1,600万人(2025年3月時点)のショッピングアプリ「Pay ID」など集客に活用できる機能も豊富です。BASE AIアシスタントのように魅力的な商品説明やSNS投稿文をかんたんに作れる機能もあるため、ショップ運営の負担も軽減でき、作品制作に集中しやすくなるでしょう。
ハンドメイドの売上でお悩みなら、ぜひBASEでネットショップを作成してみてください。
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