化粧品のネットショップ開業のさいに知っておきたい許可や法律と、売れるためのコツ

2020.09.03(更新:2024.04.09)

最近では、企業に限らず個人でも、ネットショップを立ち上げて商品を販売する人が増えてきました。そのなかで、化粧品をネットショップで販売する場合、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

化粧品を販売するうえでは、化粧品製造販売業許可が必要になったり、薬機法に関して知っておかなければならなかったりなど、事前に準備しておくべきことがあるのです。

そこで、この記事では、化粧品のネットショップを開業するにあたって、知っておきたい注意点と売れるためのコツについて、ご紹介していきます。

 

化粧品のネットショップを開業する、3つの方法

化粧品のネットショップを開業する方法としては、大きくわけると、以下の3つの方法があります。

  • 1. 自分で化粧品を製造販売する
  • 2. 他社から仕入れた商品を販売だけする
  • 3. 輸入化粧品を販売する

ここでは、上記の3つの方法について、くわしく解説していきます。

 

1. 自分で化粧品を製造販売する

自分で作った化粧品を販売する場合、「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」という許可を得なければなりません。

※どんなものを化粧品と呼ぶのかは、薬機法の第二条第三項に記載されています。

それぞれの免許をかんたんに説明すると、「化粧品製造業」は、自分で化粧品を作るのに必要なものです。そして「化粧品製造販売業」は、作った化粧品を販売するために必要な免許になります。

許可の申請には、以下の要件が必要です。

許可の申請に必要な要件

  • – 申請者の要件
  • – 人的要件(資格要件)
  • – 業務システム要件(化粧品GQP、化粧品GVP)
  • – 構造設備要件

これらの要件を事前にまとめておけば、申請の手続きがスムーズになります。申請は、各自治体に置かれている許可申請書を作成して進めていきます。

くわしくは、各自治体にお問い合わせしてみてください。

なお、個人でも申請は可能ですが、条件・要件には、こまかい規定があります。

また、GQPやGVPなど、よくわからないという方もいるでしょう。その場合は、行政書士に依頼して、許可取得を代行してもらうことも可能です。

コストはかかりますが、書類作成や申請手続きなどにかかる手間を省くことができます。「行政書士 化粧品販売」などで検索してみてください。

ただし個人でこれらの許可を取得するのは非常にハードルが高いのが実情です。

 

2. 他社から仕入れた商品を販売だけする

自分で化粧品を製造販売するには、複雑な手続きが必要です。

ただ、上述した「化粧品製造販売業」の許可を取得しなくても、化粧品を販売する方法があります。それが「他社から仕入れた商品を販売だけする」という方法です。

仕入れた他社製品の販売のみをおこなう場合や、すでに「化粧品製造販売業」を取得しているOEMメーカーにオリジナル化粧品の製造・販売を依頼する場合は、自分で許可を取得する必要は基本的にないとされています

この方法であれば、化粧品の製造ノウハウを持っておらず、成分や化学についてくわしくない方でも、自分のオリジナル化粧品を販売することができます。

ただし、仕入れた化粧品を開封して、別の容器に詰め替える、などの行為は、「販売のみ」という枠から外れてしまうため、NGとなります。

いずれの場合も仕入れ先の会社やOEMメーカーに相談してみましょう。

 

3. 輸入化粧品を販売する

海外から輸入した化粧品を販売する場合は、仕入れ方法によって、許可が必要なケースとそうでないケースがあります。

「化粧品製造販売業」を取得している問屋や輸入販売会社から仕入れた化粧品を、販売だけするのであれば、「化粧品製造販売業」の許可は不要とされるケースもあります。

ただし都道府県によっては上記の場合でも許可が必要な場合がありますので、必ず所轄の都道府県薬務主管課に相談してください。

こんなケースなら、許可が不要の場合も?

許可については、以下のような形であれば、「化粧品製造販売業」許可が不要になるとされるケースもあるようです。

  • – 消費者が、輸入代行業者に化粧品の輸入を依頼する
  • – 消費者から、輸入代行業者へ手数料を上乗せした金額が支払われる
  • – 輸入代行業者は代金を取りまとめ、送付先リストといっしょに海外の販売業者へ送付する
  • – 海外の販売業者から、消費者へ直接商品を送付する

ただし、輸入方法によっては、やはり許可が必要になる場合もあるため、くわしくは所轄の都道府県薬務主管課に相談しましょう。

参考:神奈川県

 

化粧品のオンラインショップ、開業Q&A

化粧品のオンラインショップを開業するさい、疑問点や気になる点がいくつもあると思います。

ここでは、「開業届や販売許可は必要?」「薬事法の知識は必須なの?」という、よくある質問について回答していきます。

 

開業届や販売許可は必要?

さきほどもお伝えした通り、販売許可については、製造から販売まですべて一貫して自分でおこなうのであれば、許可が必要です。

仕入れた他社製品やOEMメーカーに依頼して作った化粧品、輸入販売店から仕入れた海外化粧品などを販売のみする場合は、仕入先もしくは製造元の会社が「化粧品製造販売業」を持っていれば、自分で許可を取る必要はないとされています。

次に、開業届についてですが、原則としては提出しなければいけません。

オンラインショップに限らず、個人で事業をはじめる際には、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」という申請書類を提出します。

ネットショップに開業届は必要?書き方や提出の手続きについて解説

開業届は、提出しなくても罰則などがないため、提出していない方もすくなからずいます。

ただし、開業届を提出しておけば、確定申告のさいに節税効果の高い青色申告を選択できる、といったメリットがあります。

 

薬事法の知識は必須なの?

化粧品を販売するうえでは、薬事法(薬機法)の知識が必須となります。

薬事法とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称であり、医薬品だけでなく、化粧品も対象となる法律です。

化粧品は、人体に対して作用が緩和なものである、と定められています。

そのため、化粧品が持つ本来の効果よりも大きな効果を謳った広告は、薬事法(薬機法)違反となるため、注意が必要です。

景表法にも注意

「シミ・シワが消える!」「10歳若返る!」といった、効果を確約するような広告も、法律違反となります。

とくに最近は、Web広告における薬事法(薬機法)や景表法に関して、問題になることも多いため、気をつけましょう。

法律違反となれば、罰則・罰金が課せられることもあり、「知らなかった」ではすまないことにもなりかねませんので、薬事法(薬機法)などの法律に関する知識は身につけておきましょう。

 

化粧品のネット販売で商品を売る、3つのコツ

これからオンラインショップで化粧品を販売していくのであれば、開業方法や販売許可の取得方法、法律だけでなく、どうすれば売れるのかについても、知っておくことが必要です。

ここからは、化粧品をネットで販売するための3つのコツについて、解説していきます。

成分表示などをおこない、ユーザーに安心感を与える

化粧品と一言にいっても、さまざまな種類があります。

最近では、「ヴィーガンコスメ」や「オーガニック化粧品」などの人気も高まっています。そのうえで大切なのは、成分などを正確に漏れなく記載することです。

人それぞれの肌質や悩みによって、選ぶべき化粧品は異なります。

化粧品選びをするさいに、含有成分をチェックする人は多いです。成分を見て、「自分の肌に合っているか」「肌にやさしいか」を判断する人もいます。

そのため、成分表記がきちんとされていれば、ユーザーも安心して購入できるようになります。

とくに、個人が手作りした化粧品の場合、購入につなげるためには、信頼度や安心感が重要となります。

 

写真や動画を使った、ていねいな説明を心がける

写真や動画を使用して、ていねいな説明を心がけることも、化粧品を販売するうえでは大切です。

テキストだけの説明では、わかりにくかったり、伝わりきらなかったりする可能性もあります。写真や動画を使うことで、視覚的にもわかりやすく商品を説明できるでしょう。

たとえば、化粧下地の一回に使う量を説明するさいに「お米一粒分」といった言い回しを使うことがよくあります。

それよりも、実際に手に取った写真を掲載したほうがわかりやすい、ということです。ほかにも、スキンケアの方法・手順を動画で説明するやり方もあります。

また、化粧品を販売するさいは、商品そのものの品質が高いことは大前提ですが、パッケージや容器のデザインにこだわることも、忘れてはいけません。

ビジュアルがいいと、写真や動画を使った商品アピールがしやすくなります。

 

SNSで宣伝・販売も積極的に

ただたんに「ショップに商品を掲載し販売する」だけではなく、SNSを活用した宣伝・販売も、販売するために必要なことです。

Instagramは、ブランディングや視覚的に訴えるさいに効果的ですので、積極的に活用していきたいSNSです。

また「BASE」の拡張機能を使えば、Instagram上から販売ページへ誘導させることもできますし、写真、ライブ、ストーリーズ、IGTV、リールといった動画コンテンツの配信もおこなえます。※Instagramの活用法はこちら

このほかにも、ユーザーが増えているYouTubeやTikTokを使った動画コンテンツを配信して、ファンの獲得や購買意欲の向上につなげるのも、ひとつの方法です。

 

口コミを大切に!

さきほどご紹介した、SNSを活用する方法のメリットは、商品をいいと思ってくれたお客様が、勝手に宣伝してくれる可能性がある、という点です。

InstagramやTwitterで、商品の感想や口コミなどを投稿してもらえれば、それだけで宣伝になります。

そういった投稿に関しては、こまめにチェックし、いいねやコメント、RT(リツイート)、リポスト、などの反応を示すことで、ファンにつなげられる可能性があります。

YouTubeやTikTokでは、化粧品を紹介したり、メイク動画を配信したりするユーザーも増えています。

いい商品を作って、ブランディングをおこない、ファンを増やしていけば、自然といい口コミが広がって、購入につながるかもしれません。

また、「BASE」では「レビュー App」をインストールすることで、ショップの商品ページに、購入者からのレビュー情報を表示させることができます。

投稿されたレビューに、返信することも可能です。高評価のレビューを集めることで、ショップの信用性が高まり、新規購入やリピート購入向上が期待できるでしょう。

 

まとめ 実際の事例も参考に

化粧品のネットショップを開業するさいに、知っておきたい注意点と、売れるためのコツについて、ご紹介しました。

化粧品をオンラインショップで販売するためには、「化粧品製造販売業」の許可や、薬事法の知識が必要です。

また、どれだけいい化粧品を作っても、実際にお客様に知ってもらえなければ、意味がありません。認知度やお客様の購買意欲を高めるためにも、売るノウハウを身につけていきましょう。

実際に「BASE」をご利用いただいている<COSIM>様では、Instagramやレビューを上手に活用して、販促につなげています。ぜひ、事例も参考にしてみてください。

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