無駄にならない広告運用とは?Web広告の基本用語と必勝ガイド

2021.11.22(更新:2024.10.11)

今回のテーマは「Web広告の成果の検証と改善」です。掲載するだけで広告費がかかるのが、Web広告。売上につながらない無駄な出費は避けたいところです。

しっかり計画を立てて、Web広告運用のPDCAを回していきたい方に向けて、広告の投資対効果を改善していく方法をお伝えしていきます。

※Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の略。

あわせて読みたい:「マーケティングを制する者が、集客を制す。まずはマーケティングを見直そう」「赤字を出さない「集客」の考え方と予算設定」「SNS、広告、SEO……どれがベスト?ネット集客の種類と基本知識

Web広告でよく使う基本の広告用語

最初に、Web広告の基本用語をご紹介します。これらの数字の多くは、広告管理画面のレポートで確認できます。

一見とっつきにくい用語と計算式ですが、広告だけでなく、SNSやSEOなどでも使う用語なので、おぼえておくと、ウェブ集客への理解が深まります

Web広告でよく使う基本の用語集

用語

読み方

意味

Imp

インプレッション

広告の表示(掲載)回数

Click

クリック

広告のクリック数

CV

コンバージョン

購入・申込

CTR

シーティーアール

表示された広告のクリック率

CPC

シーピーシー

1クリックあたりの平均費用

CVR

シーブイアール(もしくはコンバージョンレート)

1クリックあたりの購入率

LTV

エルティーブイ

顧客生涯価値(1人の顧客の取引開始から終了までの全期間で得られる利益の平均)

CPA

シーピーエー

1CVにかかった平均広告費

※広告費÷CV数

ROAS

ロアス

広告の費用対効果(売上)

※売上÷広告費

ROI

アールオーアイ

広告の投資収益率

※売上÷(広告費ふくむ諸経費+原価)

広告指標の例

例:原価が8千円の商品を2万円で販売。Google 広告を2万円分掲載したところ、40,000件の表示回数、400件のクリックがあった。4人に商品が6個売れて、総売上12万(総原価6万)となった。
販売にあたり、発生した諸経費が2千円の場合。

・imp=40,000
・Click=400
・CV=6
・CTR=1%(400÷40,000)×100(%)
・CPC=50(20,000÷400)
・CVR=1.5%(6÷400)×100(%)
・LTV=この時点では不明
・CPA=3,333(20,000÷6)
・ROAS=600%(120,000÷20,000)×100(%)
・ROI=150% 120,000÷(20,000+48,000+12,000)×100(%)

この10個の数字を定期的に記録し、変化を見ていくことが、広告運用の成果を上げていく基本のポイントとなります。

Web広告で、なぜPDCAサイクルがたいせつなのか?

Web広告の主流であるGoogle 広告やSNS広告は、「運用型広告」と呼ばれています。

運用型広告とは、広告掲載者が予算や戦略を自分で設定し、ターゲットや予算にあわせて改善を繰り返す「運用」をしていく広告の種類です。

Web広告で顧客を効率的に集めるには、一か八かではなく、失敗と改善を前提にしたPDCAサイクルを回していく必要があります。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善アクション)の一連の流れのことです。

そして、Web広告の場合のPDCAサイクルは

P=目標・仮説の設定
D=広告作成(画像/動画・キャッチコピーなど)・広告の配信
C=配信結果の振り返りと課題の発見
A=ターゲット・クリエイティブの改善

となります。

広告運用でPDCAが重要である理由

PDCAで重要なのは、検証できる仮説です。

「なんとなく」で広告を配信すると、仮説の良し悪しが判断できず、広告費を垂れ流していくだけになってしまいます。

具体的な例で考えてみます。

<例>レディースファッションを販売しているネットショップ

Instagram広告で、安さと機能の充実さのどちらを打ち出したほうがいいか悩んでいました。

「安さのほうがユーザーに刺さりやすそう」という仮説で、安さ訴求のクリエイティブを1つ作り、Instagram広告を配信しました。5万円で50件の売り上げがありました。

この場合、比較対象がないので、ユーザーが「安さ」と「機能の充実さ」のどちらに価値を感じたかを検証できません

この場合は、安さと機能の充実さの2つの広告を出稿し、効果のよかったキャッチコピーを洗練させていくほうが、効果は最大化されます

訴求内容のABテストの様子

「一か八か、うまくいくことに賭ける」のではなく、「失敗する→改善する」前提で仮説を作り、検証していくのが、広告の効果を上げていく秘訣です。

BASEのショップの場合、広告の専門家ではない方でも、かんたんにInstagram広告とGoogle 広告、TikTok広告を配信できる機能をご用意しています。

ショップのデータをもとに、広告クリエイティブやサイトにあった配信先を機械学習が自動でしてくれるので、専門知識がなくても、手間をかけない広告配信が可能です。

「BASE」の商品をGoogleに!「Google商品連携・広告 App」でできることとは?

商品をそのまま広告に!「Instagram広告 App」でショップのファンを増やそう

BASEの商品を「TikTok」広告で宣伝できる、「TikTok」連携ツール・「TikTok商品連携・広告 App」

Web広告のCV数が目標に足りないときの原因の見つけ方

CVが目標に足りないときは、まずは3つの指標をチェックしてみましょう。

●広告のクリックが少ない? → 広告の問題
●CVR(1クリックあたりの購入率)が低い? → サイトの問題
●CPA(獲得単価)が悪い? → ターゲット設定の問題

広告のクリックが少ない場合の改善方法

ECサイトのWeb広告では、商品そのものの広告が多くなります。クリックやCVRを増やすポイントのひとつは、「広告に使う商品写真にこだわること」です。

ほとんどのショップは、限られたバリエーションの商品写真を使用しています。ユーザーに「その商品がある生活」をイメージさせるために、多くのシチュエーション・多くのバリエーションの写真を用意したいところです。

写真は、一枚だけよりも、たくさんの角度で載せる

バリエーションを増やすポイントは、さまざまな光の当たり方、構図です。

同じ商品、シチュエーションでも、光の当たり方、商品の置き方によって、その写真が与えるイメージは変わります。商品の置き方の角度やカメラを向ける方向を変えたりしながら、たくさんのカットを撮ってください。

CVRが低い場合の改善方法

サイトへの集客がうまくいっても、CVRが低い場合、商品詳細ページから購入直前までの流れに問題がある可能性が高いです。

CVRを改善するポイント

・明るい画像、解像度の高い画像、きれいな画像を増やす
・商品画像を増やす
・商品数を増やす
・商品説明文を工夫する
・商品ページの情報を増やす
・在庫切れを減らす
・決済手段を増やす
・送料を安くする
・届くまでの日数を短くする

「仮説を立て、実行し、数字の変化を確認し、改善する」といったPDCAサイクルを回していきましょう。

BASEのAppで「Google Analytics 設定 App」をインストールすると、Google Analyticsを用いて、ショップ訪問者のサイトアクセス情報をくわしく分析できるようになります。

広告が投資分を回収できたかどうかの分析方法

最重要指標、ROASについて

いちばん重要な指標は、ROASです。費用を捻出して出稿する広告は、きちんと投資分を回収できたかどうか、把握しなくてはなりません。

たとえば、高級ネックレスや指輪のように、1年に1回購入するかどうか、といった商品は、短期間でのリピートが見込めません。

CPAは高いですが、1回の売上が大きいため、当月で費用を利益が上回る構造を作っておきたいところです。利益率が50%であれば、目指すROASは、200%以上となります。

逆に、食品のように、つねに需要がある商品は、短期間でのリピートが見込めます。この場合は、LTVを意識し、半年間や1年間などの長期で利益が費用を上回る計算をしましょう。

当月や2ヶ月目など、短期的に見てしまうと赤字となるため、広告の停止を検討されてしまうショップが多い印象です。しかし、きちんとショップの売上の構造を把握し、LTVの水準を把握した上で広告出稿ができると、長期的な目線を持つことができます。

「広告を停止して、獲得できるはずだった顧客を失う」という機会損失をなくすことができ、最終的な利益が積み上がる構造を作ることができます。

【セミナーレポート】広告運用のKPIの考え方とPDCAのポイントに関して

 

次に重要な指標、CPAについて

次に重要な指標が、CPAです。1顧客を獲得するための費用は、低いに越したことはありません。

しかし、本質的に重要なことは、ROASを高めるために、売上が大きい顧客(=リピートにつながりやすい顧客・高単価の顧客)を、できるかぎり低い費用で集客することです。

CPAが低くても、1回の売上まで低くては、意味がありません。売上の大きい顧客像を、セグメンテーション・ターゲティングで絞り、広告管理画面で設定し、出稿しましょう。

(セグメンテーション・ターゲティングに関する記事:「マーケティングを制する者が、集客を制す。まずはマーケティングを見直そう」

CPAを低くするために、つねにチェックしてほしい指標が、CTRとCVRです。この2つの指標は、高いにこしたことはありません。

CTRが低くなっている場合、リスティング広告なら「広告文」、Instagram広告やGoogle ショッピング広告なら「商品画像」が、魅力的に映らなかったということです。

広告を見たら、思わずクリックしてしまう文章や画像を、消費者を想像しながら改善していきましょう。

まとめ

5回に渡ってお届けした「マーケティング・広告」まとめ記事シリーズは、これで完結です。「一度学んだら終わり」の攻略法があるのではなく、実際に試してみてPDCAサイクルを回し続けることが、ウェブ集客の基本であり、いちばんの近道となります。

BASEのショップでは、Appsを通じて、基本のマーケティング・広告をかんたんに試せる機能をご用意しています。ぜひ、取り組めるところから試してみてください。

BASEでは、広告の専門家ではない方でも、かんたんに広告を配信できる機能を用意しています。

「Google商品連携・広告 App」の使い方(前編:Google Merchant Centerへ商品を連携する)「Google商品連携・広告 App」の使い方(後編:Google 広告を配信する)
・Instagram広告をかんたんに配信できる「Instagram広告 App」
・TikTok広告をかんたんに配信できる「TikTok商品連携・広告 App」

「マーケティング・広告」の記事一覧

マーケティングを制する者が、集客を制す。まずはマーケティングを見直そう
赤字を出さない「集客」の考え方と予算設定
SNS、広告、SEO……どれがベスト?ネット集客の種類と基本知識
無駄にならない広告運用とは?Web広告の基本用語と必勝ガイド
「BASE」のAppからかんたんに出稿できる、「Googleショッピング広告」「Instagram広告」

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