SNS、広告、SEO……どれがベスト?ネット集客の種類と基本知識

2021.11.12(更新:2024.10.11)

今回のテーマは「ネット集客の基本知識」です。

ECサイトのネット集客に欠かせない手法、SNS・ウェブ広告・SEO・LPO・メルマガのポイントをまとめました。

「どの集客方法を選べばいい?」「SNSはどれがいい?」「SEOってどうやるの?」「商品をどう紹介したら購入率が高まる?」「メルマガはどんな内容で始めたらいい?」などを、わかりやすくお答えします。

あわせて読みたい:「マーケティングを制する者が、集客を制す。まずはマーケティングを見直そう」「赤字を出さない「集客」の考え方と予算設定

ターゲットに合う集客手法を選ぶ

ショップによって、マッチする集客方法は変わります。

商品のジャンルが、「知らない人が多い商品」と、「人気のジャンルでライバルが多い商品」とでも、最適な方法は変わります。

前回の「赤字を出さない「集客」の考え方と予算設定」でも紹介しましたが、まずは「自分のショップなら、4つの顧客層のどこを重視すべきか」を考えていきましょう。

認知・興味関心・検討・購入層の違いの図

・認知=まだ商品のことを知らず、ニーズがあるかも不明な潜在層
・興味関心=ニーズはあるものの、自社製品が検討に入っていない準顕在層
・検討=自社商品が検討に入っており、ニーズもある。競合他社の商品もふくめて検討段階にある顕在層
・購入=商品を購入した、まだリピーターになっていない層

その上で、各層ごとに有効な集客施策をご紹介します。

【おもなネット集客の一覧】

有効な層 集客施策 費用

認知

SNS 無料
認知 SNS広告 有料
興味関心 SEO 無料
興味関心 Google広告 有料
検討 LPO 無料
購入後 メルマガ 無料

ここから、それぞれの手法の特徴やポイントをくわしく解説していきます。

1. 認知層(商品を知らない方)に有効なSNS・SNS広告

多くのショップに共通する悩みが、「知ってもらうこと(認知の獲得)」です。

商品に自信があり、よいものを提供しても、知ってもらえないことには購入されません。認知層(商品を知らない方)に有効なのは、「SNSの運用」と「SNS広告の運用」です。

SNSの運用とは

SNSはいまや、日常生活のなかで、なくてはならないサービスです。主要SNSであるLINEやTwitter、Instagram、Facebook、そして最近ではTikTokなど、さまざまなサービスが利用されています。

Twitterの画面とInstagramの画面

SNSは、認知の獲得からファン化まで、幅広い役割を果たすツールです。予算も、0円からはじめられます。
どのSNSでも共通するのは、ターゲットに「何を伝えたいのか?どのようなクリエイティブ(≒表現)で魅せるか?」です。

SNS別の特徴やポイント

サービス 多いユーザー層 特徴 ポイント

Instagram

10〜40代まで幅広い。とくに女性が多い

クオリティの高い写真と、ハッシュタグの選定がポイント

商品が写真映えするショップにおすすめ

写真や動画の品質の高さ、美しさが共感を呼びやすいSNS

グラフィック要素が重視される。また、シェア機能がないため、ハッシュタグの選定が重要

Twitter

10〜40代まで幅広い。

独特のテキスト文化と、ネタのおもしろさが重要

おもしろいグッズや話題性のある商品のショップにおすすめ

文章による訴求がメインとなり、ネタ文化のあるSNS

「おもしろい」と思ってもらえて、RT、いいね!が発生する投稿が重要

Facebook

30代以上が多い

インテリジェンスに富む投稿が相性よし

顧客層が40代以上の場合やリピーター獲得におすすめ

年齢層的にもビジネスユースが多い。シェアしてもらうには、発見や知性を感じさせる情報が好相性

TikTok

10代・20代が中心

テンションが高い、動きのある短尺の縦長動画が相性よし

動きのある商品紹介、動画撮影・編集が得意なショップにおすすめ

音楽性のあるコンテンツ、真似される動画、スキップされない瞬発力のある動画が主流

LINE

全年代が幅広く利用

1対1のコミュニケーションを意識したテキストや、インパクトのある画像で情報を見せる

新規顧客よりも検討層・リピーター獲得に有効。

商品情報、キャンペーン情報、セール情報といった要素を、決まったバナー枠内に収めて訴求する手法が主流

関連記事:「インスタグラムのハッシュタグ攻略法!選び方や付け方、戦略的運用について解説」「インスタグラムでフォローしてもらうための6つのコツ【投稿編】」「お客様とのコミュニケーション手段として「LINE公式アカウント」を活用する方法

どのサービスも無料で使えますが、より早く多くの認知を獲得したい場合、以下のような有料施策も有効です。

・インフルエンサーの活用
・試用・体験モニター施策
・ポップアップストア(期間限定のリアル店舗)など、オフラインでのPR施策

SNS広告の運用とは

SNS広告を導入すれば、より早く認知を獲得することができます。SNS広告は、ターゲットや予算に最適化した、効率的な配信ができるのが特徴です。SNSアカウントとあわせて利用することで、相乗効果が期待できます。

各種SNS広告の出稿方法や活用方法について

BASEでは、広告の専門家ではない方でも、かんたんにInstagram広告とTikTok広告を配信できる機能をご用意しています。

・Instagram広告をかんたんに配信できる「Instagram広告 App
・TikTok広告をかんたんに配信できる「TikTok商品連携・広告 App
Facebook/ターゲットをこまかく設定してネットショップの宣伝ができるFacebook広告6つの出稿の手順とそのコツ

2. 興味関心層(興味を持った方)に有効なSEO・Google広告

商品に関心がある見込み顧客を集める方法として、「SEO」と「Google広告」の2つをご紹介します。「まだ、あまり商品に興味がない」という方から、「興味はあるが、どこで買おうか迷っている」という方まで、広くアピールできます。

SEOとは

SEOは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略です。
Google検索でのサイトの掲載順位を上げたり、クリックを増やす取り組みです。
SEOをうまくおこなえば、広告費をかけずに集客でき、かつ長期的な流入が見込めます。

Google検索の様子

たとえば、「コーヒー豆 通販」というキーワードで、ネットショップが1位に表示されれば、日々多くの注文が入ります。

SEOのポイントは「使いやすいサイトを作成し、ユーザーの両方にとって有益なコンテンツを、わかりやすく正確にページで紹介すること」です。

検索サイトの掲載順位は、さまざまな要素で決まります。

上位表示につながるポイント

・適切なキーワードに基づいたページタイトルやコンテンツ
・商品点数・商品情報の豊富さ
・ショップの構造の使いやすさ・わかりやすさ
・更新度
・サイトの人気や知名度、独自商品

Google検索で上位表示されにくいサイトと上位表示されやすいサイトの違い

まずは、「ショップ名」や「商品名」のような、ライバルが少ない検索キーワードで、上位の検索結果に表示されることから取り組んでいきましょう。「コーヒー豆」ように、検索数が多いキーワードの場合、ライバルも多くなります。

関連記事「SEOとは?初心者向けのSEO解説とBASEにおけるSEO設定。
関連記事「ネットショップにおけるSEOに強い商品名の付け方

商品ページだけでなく、ブログなどで有益な情報発信をしていくことで、ショップを知ってもらうことも有効です。

顧客に役立つ情報の例

・販売する商品のおすすめポイント・感想
・買った方からのレビュー・口コミ
・ショップの歴史やこだわり
・キャンペーン・期間限定商品
・カタログ
・商品の知識やお役立ち情報
・カスタマーサービスの紹介
・返品や配達に関するポリシーや連絡先

BASEのショップの場合は、無料でかんたんにブログ作成ができる「Blog App」というブログ機能を利用して、ユーザーの悩むこと・知りたいと思っている情報を発信してみましょう。
購入されたお客様の口コミを集める場合は、無料でかんたんにアンケートフォームを作れる「アンケート App」もご活用ください。

Google 広告とは

Google 広告は、Google の検索エンジンやYouTubeなどに広告を掲載できるサービスです。バナー広告や検索キーワードと連動した広告を掲載できます。

SEOと違い、広告費が必要ですが、より早くより購入意欲の高いターゲットを獲得できます。

Google 広告の特徴

・予算や入札予算を自由に設定できる
・いつでも再開や停止できる
・サイトの内容と連動した広告を掲載できる
・広告配信した結果を測定、確認できる

代表的なGoogle広告の1つが、「Google リスティング広告」です。Google 検索の上部や下部に検索結果のように表示される広告です。ユーザーの検索キーワードに連動した広告を掲載できるので、SNS広告と比べて、関心が高いユーザーに商品をアピールできます。

もう1つ、ECサイトにおすすめのGoogle 広告が、「Google ショッピング広告」です。リスティング広告と同じように、Google の検索結果に、商品そのものの広告を掲載できます

商品ページの写真を使った広告を、商品と関連した検索キーワードでの検索結果に掲載できるので、リスティング広告やSNS広告よりも購入を増やしやすい広告です。

Google ショッピング広告の特徴

・テキストにくわえて、商品画像や価格、色やサイズなども掲載
・広告文の作成は不要。リンクした商品ページの情報をもとに、広告文・写真が自動で作成
・掲載キーワードの設定は不要。商品にマッチしたキーワードを自動で設定
・無料商品リスティングにも掲載可能

BASEのショップの場合、「Google 商品連携・広告 App」を使えば、「Google ショッピング広告」をかんたんに出稿できます。

「Google商品連携・広告 App」の使い方(前編:Google Merchant Centerへ商品を連携する)

「Google商品連携・広告 App」の使い方(後編:Google 広告を配信する)

 

Google 広告の掲載期間と予算の目安は、下記となります。

・予算:2,000円以上/日
・期間:1ヶ月以上

広告の機械学習による最適化が完了するには、30日以内に30コンバージョン以上の獲得が1つの目安とされています。

目安を満たさなくとも機械学習は進みますが、より効率的な広告配信ができるようになっていくため、広告出稿を最低でも1ヶ月以上継続することをおすすめします。

3. 検討層(購入​​を迷っている方)に有効なLPO・上手な商品紹介

どんな商品でも比較され、どこで購入をするのがベストか、最後までじっくり検討する方が増えています。迷っている方に購入してもらうポイントが、「LPO」です。

LPO(ランディングページの最適化)とは

LPOとは「Landing Page Optimisetion(ランディングページの最適化)」の略で、サイトに来た方を正しいページにわかりやすく案内し、スムーズにゴール(購入)まで誘導することで、購入率を改善する取り組みです。

ECサイトのカートに追加している様子

せっかくお金や手間をかけてサイトに集客しても、ランディングページ(ユーザーが最初に見たページ)が悪いと、購入せずに帰ってしまいます。離脱されないページ作りや、購入直前で迷ってしまった方の背中を押す情報を用意しましょう。

LPOの取り組み例

・買い手目線での商品紹介(商品の機能ではなく、顧客が商品を買うことで得られる、具体的なメリット)
・キャッチコピーとメインビジュアルの組み合わせのテスト
・購入者からの口コミや商品レビュー
・商品写真にこだわる
・よくある質問
・買い忘れ防止(カートに入れたが購入しなかったユーザーへの案内)設定

商品をアピールするさいに、売り手目線の特徴だけでは、ターゲットを強く惹きつけることはできません。「商品を使うことで、どんな幸せやメリットを得られるのか」をメッセージにしてください。

<アロマキャンドルのショップでの例>

・商品の特徴:よい香りをさせながら、小さな火がゆっくりと揺れながら燃える
・間違ったベネフィット:火で暖まることができる
・正しいベネフィット:リラックスできる・安眠につながる

お客様視点でのメッセージの伝え方

商品を買う方が「どんな悩みを持っているか?」「どんな悩みが解決されているか?」を知ることが、購入につながる言葉になります

BASEのショップの場合、Appsを活用すれば、ほかにもこんなLPOをかんたんに実施できます。

・既存顧客の声を表示する→「レビュー App
・メリットを訴求する→「商品説明カスタム App」「HTML編集 App」・ 「BASEデザインマーケット
・よくある質問を配置する→「ページ追加 App
・買い忘れ防止「買い忘れ防止メール
・効果的な商品紹介・キャッチコピーは、買い手目線でのメリットを書く

4. 購入層(一度購入した方)のリピートに有効なメルマガ

一度購入いただいた方には、メルマガなどで新商品やセールの案内などを届けて、リピーターになってもらうことが重要です。

メルマガ(メールマガジン)とは

メルマガでは、読者の購入頻度や内容、商品やショップにあわせた情報発信をしていくことが重要です。読者から「メールを開くのが楽しみ」と思ってもらえるメルマガを目指しましょう。

ショップのメルマガにおすすめの内容

・新商品・季節のオススメ商品の紹介
・商品の関連情報(制作裏話、お手入れ方法、専門的な情報)
・セール・キャンペーン情報
・店長・スタッフの紹介、近況、こぼれ話
・専門分野の豆知識

もし、どんなメルマガを書いたらいいかわからなくなったら、メルマガの更新のヒントをまとめた「ネットショップのメルマガやブログで伝えるべき5つの内容」を参考にしてみてください。

BASEのショップの場合、「メールマガジン App」をインストールすると、過去にショップで購入経験がありメールマガジンの配信を希望するお客様、またはショップページに設置したフォームから登録されたお客様にメールマガジンを配信できます。

まとめ

今回は、顧客層ごとの集客施策の選び方と特徴、活用方法を紹介しました。
「BASE」は、ネットショップを運営する上で必要な機能、成長を促進する機能などを開発し続けています。ぜひご自身のネットショップに合うものを取り入れてみてください。

次の記事「お客様はこんな広告にひきつけられる。必勝広告運用ガイド」では、広告を掲載後の分析やPDCAの改善方法についてご紹介します。

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