前回の記事では、アカウント設計について解説しました。アカウントの軸が、明確になりましたね。
次は、その軸に沿った良質なコンテンツを作り、フォロワーを増やしていく段階です。
ハイクオリティなコンテンツによって、「このアカウントのほかの投稿も見たい!」と思わせ、フォロワーを増やしていきましょう。
※この記事は、<株式会社sakiyomi>による寄稿コンテンツです。
Instagramマーケティングの戦略設計から施策実行までを、一貫してご支援。100社以上、累計350万フォロワーの実績と運用データをもとに、最適なアカウント運用をご提案いたします。
【アカウント運用実績】 ・6ヶ月で20万フォロワー
・運用開始12ヶ月で月間3,000万PV(インプレッション)
・累計350万フォロワー(自社アカウントとクライアントアカウント両方をふくむ)
目次
なぜ、そんなにもコンテンツの質=投稿の質がたいせつなのか
Instagram上でフォロワーを増やすにあたって、重要なことの1つに、新規接触の増加、つまりフォロワー外のユーザーにアプローチできる数を増やすこと、があります。
そして、新規接触を増加させるには、バズ投稿(※)を出すことが必須です。
※フォロワーだけでなく、フォロワーと似たユーザーを中心に、爆発的に閲覧数が増える投稿のことです。弊社では、フォロワーの7倍以上の閲覧数の投稿を「バズ投稿」と呼んでおります。
つまるところ、ユーザーとの新規接触のカギを握るのが、バズ投稿であり、このバズ投稿をいかに出すかが重要になってくる、ということです。
そのバズ投稿の出し方のカギになるのが、投稿とアカウントの質であり、ここではその2大要素のうちの1つ、投稿の質について説明していきます。
すべてに取り組むのはむずかしいかもしれませんので、可能な部分から真似してみていただければと思います。
質が高いコンテンツとは?
コンテンツを作る前に、そもそも、質の高いコンテンツとは何か?ということを理解しておきましょう。
投稿の質を決めるのは、保存数
投稿の質をよりくわしく説明すると、フォロワーがどれだけその投稿に対してアクションを起こしたか、ということになります。
Instagram上において、ユーザーが起こすアクションには、「いいね・保存・コメント・プロフィール閲覧」の4つと、投稿の滞在時間があります。
このなかで、もっとも重要なものが「保存」です。
「保存する」ということは、ユーザーが投稿をもう一度見返したい、と思うほどいい投稿であり、ほかのユーザーにも気に入ってもらえる確率が高いとされ、レコメンドされやすく、つまりバズが起きやすくなります。
保存されるコンテンツを作るコツ
では、実際に「保存される」コンテンツというのは、どうやって作っていけばいいのでしょうか?
まず、投稿の2枚目以降(投稿は、基本的に複数枚投稿する前提です)において、意識したい保存のコツをまとめました。
保存されるコツ〜見た目編~
保存される投稿のコツは、「見た目」と「内容」の2つがありますが、まずは、「見た目」の話からしていきます。
読みやすい文章で書く
「暇つぶし」でInstagramを見ているユーザーにとって、長くて難解な文章は、読みにくいです。
できるだけ、わかりやすく伝えるようにしましょう。
例外として、フォロワーが勉強する目的をもっている、意図をもって情報収集をしている、というアカウントは、難解な内容や書き方でも、伸びる場合があります。
このようなアカウントは、年齢層が高い場合が多いです。
写真を使用する
Instagramは、画像をメインとしたメディアなので、ユーザーには画像が好まれます。
情報を伝えるときは、できるだけ文字ではなく、写真で伝えましょう。
保存されるコツ~内容編~
このような投稿は、保存されやすい
ユーザーがなにを求めているか、を突いた投稿をすることがたいせつです。例として、下記のような投稿は、保存されやすい傾向にあります。
1. 表紙と2枚目以降の内容の情報に、ズレがない
ユーザーが表紙を見て抱いた期待を裏切ってしまうと、保存どころか、最後まで投稿を見てもらうこともむずかしいです。
2. ユーザーの隠れた心理をついている
無意識で見ることが多いInstagramでは、ユーザーが明確な課題意識を持っていることの方がめずらしいため、ユーザーの潜在意識下にあるニーズをくみとる必要があります。
例)
・表面上の心理:おしゃれになりたい
・隠れた心理:彼氏がほしい
3. 意外性がある
常識・固定概念とは異なる情報が、納得感をもって伝えられている投稿は、伸びます。
難易度が高いのですが、運用をしていくなかで、じょじょにフォロワーに対する解像度を上げ、フォロワーにとっての「常識」を理解していきましょう。
フォロワーの解像度をあげる方法としては、ストーリーで最近の悩み・興味を聞く、類似アカウントの発信情報を見る、などがあげられます。
4. 流行している
とくに、若い女性をターゲットにしたアカウントでは、「流行をつかむ」ことが有効な場合が多いです。
5. TikTok など、他のSNSで流行っている
Instagramだけでなく、ほかのSNSもリサーチすることで、いち早く流行をつかむことができ、競合のコンテンツより優位性を獲得できます。
6. 対象ジャンルを扱っている雑誌・テレビが特集している
雑誌やテレビは、SNSよりも時間をかけてコンテンツが作られているので、よりくわしい情報を得ること、信憑性の高い情報が得ること、に向いています。
7. 情報量が多い
単純な投稿の枚数ではなく、情報の量に注目しましょう。全2枚の投稿でも、バズ投稿の基準となる保存率3%を超える投稿もあります。
例)
・値段
・販売店舗
保存される投稿、OK&NG例
ここまで、保存される投稿のコツについてお伝えしてきましたが、正直なところ、文章だけでは伝わりにくかったと思います。
そこで、下記にOK・NG例をそれぞれ画像にしていますので、確認してみてください。
OK例 | NG例 | |
---|---|---|
① | 短い文章 | 長い文章 |
② | 商品が見える程度の写真の大きさ | 商品が見にくい小さい写真 |
③ | 表紙でターゲットが絞れている | 表紙ではターゲットが絞り切れていない |
アパレル・ファッション&食品ジャンルで保存される、投稿のポイント
いまご紹介したのは、一般的に保存されやすい投稿のポイントですが、ここからは、BASEでショップを出店されているオーナー様を想定して、ショップの出店が多い、アパレル・ファッションと食品ジャンルについて、もう少し具体的に解説します。
アパレル・ファッションジャンルにおける、保存される2つのポイント
アパレル&ファッションジャンルのショップオーナー様には、ファッション系アカウントをおすすめしています。
洋服やアイテムの雰囲気を伝えつつ、有益な情報を提供することを意識してみてください。ポイントは、以下の2つです。
ポイント1. ユーザーに役に立つ情報、という視点で投稿を作る
たんに商品画像と商品名をのせるだけでなく、+αを情報を発信できると、ユーザーにとって価値の高い投稿となります。
とくに、下記のような要素を入れることで、ユーザーにとって有益な情報となります。
- 販売ブランド
- ファッションのポイント
- 着回し方法
- 万能冬アイテム〇選
- 洋服の値段
ポイント2. 文字の入れ方にこだわる
文字入れをするさいには、写真で魅力付けをしているので、写真を邪魔しないように投稿を作ることが大切です。
- 写真と別ページに文字入れ
- コーデに被らないように文字入れ
- キャプション文に文字入れ
「食品」ジャンルにおける保存のポイント
食品のショップオーナー様には、食品やグルメが好きな人が好む情報を発信するアカウントをおすすめしています。
こちらも、商品画像と商品名に留まらず、+αの価値を提供してください。たとえば、こちらの例では、お取り寄せグルメを紹介しているアカウントなので、以下をポイントとしておさえています。
- 値段
- 販売店情報
- 贈るシチュエーション・相手
- 販売サイト情報
投稿の作りかた
ここからは、Instagram初心者の方向けに、くわしく投稿の作り方を説明していきます。
STEP1:コンテンツの種類を決める
まず最初に、コンテンツの種類を決めていきます。種類というと、むずかしそうに聞こえますが、「どうやってコンテンツを準備するか?」ということです。
大きく、以下の3つの方法があります。
- リポスト形式
ほかのアカウントから、投稿を借りてきて投稿する方法です。
2. 半リポスト形式
ほかのアカウントの写真を借りてきて、加工して投稿する方法です。
※見た目は、オリジナル形式と大差ないですが、使用写真の投稿主のメンションや、タグをつける必要があります。
3. オリジナル形式
素材の写真の撮影から加工まで、すべて自分でおこないます。
それぞれにメリットデメリットがあり、比較表にすると、以下のイメージです。
STEP2:デザイン作成をおこなう
リポスト形式の場合は、デザイン作成は不要ですが、それ以外の場合は、アカウントのコンセプトに沿って、投稿を作成していきます。
おすすめは、Canvaというサービスを使うことです。無料で使えますので、ぜひ確認してみてください。
※デザインに困ったら、まずはロールモデル(お手本としたいアカウント)を参考にしてみてください。参考ポイント例としては、色味・文字フォント・配置などが挙げられます。
STEP3:保存される投稿のポイントがおさえられているか、確認
デザインの作成ができたら、この記事の前半でご紹介した「保存される投稿のポイント」がおさえられているか、確認しましょう。
どんなに時間をかけて作成しても、ユーザーにとって有益な情報でなければ、保存や「いいね」はされないので、そこの意識をつねにもっておきましょう。
おまけ:投稿のネタ切れを切り抜けるには……
Instagramで活発なアカウントと判断された方が、拡散されやすいのですが、そのためには、2日に1投稿は必須です。
ただ、なかなか難しいですよね……。
投稿のテーマに困る、ということも、しばしばかもしれません。そんなときは、「アカウントのターゲットをぶらさずに、ジャンルを広げる」ということを意識してみてください。
たとえば、自ショップのターゲットが「アクセサリーに興味を持つ人」だとすると、アクセサリーに興味を持つ人が関心のあることは、どんなことだろう?と想像して、範囲を広げていってみましょう。
下記の画像のように、アクセサリーに興味のある方は、きっとファッションにも興味があるだろう、と考え、ファッションジャンルの投稿もおこなっていく、というイメージです。
※リポスト形式でコンテンツを準備する方法
先ほどご紹介した、リポストタイプのコンテンツでは、ほかのユーザーさんが投稿された写真を、拝借して使うことになります。
無断で利用するのは、トラブルの元ですので、下記の手順で許可を取ることになります。
- プロアカウントに切り替える
2. DMの+マークをタップして、吹き出しにいつも使うメッセージを登録する
3. リポストをお願いする
4. 許可が出たら、メンションとタグをつけて投稿する
依頼メッセージを送るコツ
依頼メッセージには、トラブルを防ぐため、以下の要素をかならず入れてください。
・タグ付け・メンションをする旨
・返信時期の関係で掲載できない場合がある旨
依頼メッセージ例
以下に、メッセージ例を掲載しますので、リポスト依頼をするさいに、参考にしてみてください。
突然のご連絡失礼いたします
○○のアカウントを運用しております○○と申します。こちらのお写真がとても素敵で目に止まってしまいました。もしよろしければ、弊アカウントの投稿に使わせていただけませんでしょうか?
・タグ付け
・アカウント名のメンションをして投稿させていただきます。立ち上げ後間もないアカウントですが、ご協力いただけるとたいへんうれしいです。よろしくお願いします。
初期アカウントでよくある、失敗例と対策
- リポスト許可がおりにくい
立ち上げまもない初期アカウントで、リポスト依頼をするさいに発生しやすいのが、「リポスト許可がおりにくい」という問題です。
アカウントの発信力が弱ければ弱いほど、相手側がリポスト依頼を許可するメリットにならないため、深刻な問題になりやすいです。
そんな場合は、フォロワー数が少ないリポストアカウントがリポストしているユーザーに依頼を送ると、許可が下りやすい傾向にあるので、試してみてください。
2. DM送信にロックがかかりやすい
DM送信をしすぎると、Instagram側にスパムだとみなされ、行動にロックがかかったり、最悪の場合、アカウントが強制的に停止されることがあります。
そうならないためにも、はじめは1日に8件ほどの依頼にとどめておく必要があります。
最後に
これで、アカウントの「基礎」が完成しました。
ここまでの部分をおろそかにすると、ほかをがんばっても成果はでませんので、ぜひしっかりこだわって下さい。
次は「最初にアカウントを知ってもらう」「投稿をより拡散させる」技をお伝えしていきます。
- 投稿が拡散されるためには、質の高い投稿が必要
- 質の高い投稿とは、保存される投稿
- 保存されるには、ユーザーにとって有益な情報を提供するべき